2020年2月29日土曜日

腫瘍マーカーCA72-4:痛風性関節炎の予後推定・治療予測判定にも役立つ

役立ちそうだが・・・臨床的応用できるようには時間がかかりそう



痛風性関節炎は炎症性関節炎としては最も多い疾患で、関節内へのmonosodium urate crystalの沈着による突然の炎症性self-limiting発作である。高尿酸血症は痛風の前兆だが、高尿酸血症の10%のみ痛風発症で、血中尿酸値と痛風発作と関連しないのが特徴
高尿酸血症対象者の内、痛風発作を予測できたら不要な治療が除去できるかもしれない

痛風性関節炎では、monosodium urate crystalが、 nod-like receptor family pyrin domain-containing 3 (NLRP3) inflammasome complexを形成し、IL-1β依存innate inflammatory processの活性化をもたらす
しかし、 inflammasome complex とIL-1β-dependent inflammatory pathwayは、痛風性関節炎以外に、非痛風性疾患、例えばFMF、2型糖尿病、アルツハイマー病などともshareしているプロセスである
血中尿酸値やcold(かぜ?)などの急な変化を含む、flareのトリガーが同定されているが、痛風性炎症と関連したバイオマーカーは未だ知られてないため痛風発作の予測困難な現状である

CA72-4 は主に癌のバイオカーカーで、2つのモノクローナル抗体 CC-49とB72-3によるtumour-associated glycoprotein (TAG-72) で、epitopeはpeptide determinantに反して sialosyl-α(2–6)-N-acetylgalactosamine として同定された。胃、卵巣、直腸、肺、膵臓癌組織で強く発現

がんのスクリーニングにおいて他のがん診断除外痛風患者でCA72-4値異常高値症例が報告されており調べるきっかけになったようだ



痛風患者の血清CA72-4発現を評価し、CA72-4が前向き痛風コホートの将来のフレアの予測因子であるという仮説を検証することを目的
痛風性関節炎、無症候性高尿酸血症、4つの主要な関節炎タイプ(OA、RA、SpA、敗血症性関節炎)および健常対照者を対象に、CA72-4発現のプロファイルを作成するための横断的研究を実施。

高尿酸血症患者、健康な被験者、その他の関節炎患者と比較して、CA72-4は痛風性関節炎の患者で高発現していた。  6ヶ月のフォローアップ中の1、3、および6ヶ月で痛風発赤、CA72-4レベルおよび他の痛風関連臨床変数を観察した。
痛風では、CA72-4レベルは頻繁にフレアを経験したアップレギュレートされ、CA72-4は将来のフレアを予測する有益なバイオマーカーである



Serum CA72-4 is specifically elevated in gout patients and predicts flares
Xueshan Bai, et al.
Rheumatology, Published: 22 February 2020
https://doi.org/10.1093/rheumatology/keaa046
https://academic.oup.com/rheumatology/advance-article/doi/10.1093/rheumatology/keaa046/5748306





CA72-4 is elevated in patients with gouty arthritis

CA72-4 は、痛風性関節炎で強く発現する: 中央値 (中間四分位 ) 4.55 (1.56, 32.64) U/ml] 
比較:vs 高尿酸血症  1.47 (0.87, 3.29) U/ml
 vs 健康被験者 1.59 (0.99, 3.39) U/ml]
 vs 他の関節炎   [敗血症性関節炎 1.38 (0.99, 2.66) U/ml; 関節リウマチ, 1.58 (0.95, 3.37) U/ml; 脊椎関節炎:SpA, 1.56 (0.98, 2.85) U/ml; 変形性関節炎:OA, 1.54 (0.94, 3.34) U/ml; P <0.001.






フレアが頻繁に発生する痛風患者(昨年2回以上)では、フレアが少ない患者(昨年2回未満)よりもCA72-4レベルが高かった。
CA72-4レベル(> 6.9 U / ml)高値は、痛風発赤の最も強い予測因子(ハザード比= 3.889

予防的コルヒチンは、特にCA72-4レベルが高い患者に効果的(P = 0.014)。




BML: CA72-4
http://uwb01.bml.co.jp/kensa/search/detail/3802516



2020年2月28日金曜日

減塩と血圧値:量依存と期間との関連

メタアナリシス・システマティックレビューで量依存的関係と、高齢者・非白人で減塩効果明瞭、さらに、減塩期間との関連も示唆



Effect of dose and duration of reduction in dietary sodium on blood pressure levels: systematic review and meta-analysis of randomised trials
BMJ 2020; 368 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.m315 (Published 25 February 2020)
Cite this as: BMJ 2020;368:m315
https://www.bmj.com/content/bmj/368/bmj.m315.full.pdf

目的:食事中ナトリウムの減少と血圧の変化との用量反応関係を調べ、介入期間の影響を調査する。

デザイン:PRISMAのガイドラインに従って体系的なレビューとメタ分析

データソース:Ovid MEDLINE(R)、EMBASE、およびCochrane Central Controled Trials(Wiley)および2019年1月21日までの関連記事の参照リスト。

包含基準:成人集団で実施されたナトリウム摂取量の異なるレベルを24時間尿中ナトリウム排泄を使用して行われた摂取量の推定値と比較するランダム化試験。

データの抽出と分析:3人のレビューアのうち2人が、適格性について独立してレコードをスクリーニングしました。 1人のレビューアがすべてのデータを抽出し、他の2人がデータの正確性をレビューしました。レビューアは、ランダム効果のメタ分析、サブグループ分析、およびメタ回帰を実行。

結果:12 197人の参加者による133件の研究が含まれた。
24時間尿中ナトリウムの平均減少( 減少ナトリウム vs 通常ナトリウム)、収縮期血圧(SBP)、拡張期血圧(DBP)の平均減少量は各々 130 mmol(95% 信頼区間 115 to 145 P<0.001)、 4.26 mm Hgでした(3.62 to 4.89、P <0.001)、および2.07 mm Hg(1.67 to 2.48、P <0.001)

24時間ナトリウム排泄 50 mmol減少毎に、SBP 1.10 mm Hg(0.66 to 1.54; P<0.001)、DBP 0.33 mm Hg( 0.04 to 0.63; p=0.03)

血圧低下は、多様な住民サブセットで観察され、高血圧でも非高血圧でもみられる

24時間尿中ナトリウムの減少が同じでも、高齢者、非白人、ベースラインSBP値高値群はSBP低下程度大

24時間のナトリウム排泄の50ミリモルの減少はそれぞれ、SBPの1.10 mm Hg(0.66から1.54; P <0 .001="" hg="" mm="" p="0.03)の減少に関連していた。<br">
血圧の低下は、高血圧および非高血圧の個人を含む、検討された多様な集団サブセットで観察されました。 24時間尿中ナトリウムを同じように削減した場合、高齢者、非白人、およびベースラインSBPレベルが高い人でSBPが大幅に削減されました。

15日未満の期間の試験では、24時間尿中ナトリウム排泄の各50ミリモルの減少は、1.05 mm Hg(0.40〜1.70; P = 0.002)のSBP低下と関連し、より長い期間の研究で観察された効果の半分未満(2.13 mm Hg; 0.85から3.40; P = 0.002)
一方ではトライアル期間とSBP減少の相関は認めなかった


結論:ナトリウム削減で達成された血圧低下の大きさは、用量反応関係を示し、高齢者集団、非白人集団、および血圧の高い集団でより大きかった。短期間の研究は、血圧に対するナトリウム減少の効果が過小評価される可能性がある








食塩:NaCl 58.44 g/molとして 50m mol=58.44*50/1000=2.922 gで良いのかな?





序文のGoogle翻訳
ヒトのナトリウムの生理的必要量は1日1 g未満です5が、現在、ほとんどの人口ははるかに高いレベルを消費しています。世界保健機関(WHO)が推奨する食事性ナトリウムの最大1日摂取量は、成人の場合 ナトリウム 2 g(食塩 5g)であり、ほとんどの国では、食事療法の一環として、血圧および心血管疾患。血圧と心血管疾患のリスクに対するナトリウム減少の効果は、多くの研究で検討されています。健康集団と科学団体の間では、一般集団の食事性ナトリウム摂取を減らすというコンセンサスがありますが、正常血圧の集団に対するナトリウム制限の利点は小さく、血中脂質レベルを上げる可能性があると主張しているグループも存在します。低ナトリウム摂取レベルでの死亡リスクが高いことは、逆の因果関係やナトリウム摂取の偏った推定などの要因に起因するアーチファクトであることを示唆する人もいます。 ナトリウム摂取量の変化と血圧の関係の性質は、ナトリウム削減に基づく健康介入の可能性を理解するための鍵です。特に血圧が正常な参加者については、明確な用量反応関係を決定できなかったため、データの以前の概要は限定的でした。以前のメタ分析の特定の問題は、尿の分画サンプルから推定されたナトリウム摂取量に関する研究を含めることでした。

 少量の尿サンプルは、真の摂取量が少ない場合はナトリウム摂取量を過大評価しますが、真の摂取量が多い場合は過小評価します
 短期間の研究では、ナトリウム摂取量の変化が血圧に及ぼす平均影響の推定値を混乱させる可能性があります。なぜなら、ナトリウムの大幅な短期間の減少は、異なるタイプの血圧反応を誘発する可能性があるからです。
 複数の時点で行われた測定による15の研究を含む以前の分析では、血圧に対するナトリウム減少の効果が、介入の期間が長くなるにつれて持続するか、減少するか、増加するかを判断できませんでした
 この系統的レビューとメタ分析の目的は、以前のレビューと比較してより制限された包含基準を適用することにより、食事性ナトリウム減少と血圧変化の用量反応関係を調べ、介入期間の影響を調べることでした。

医療職:COVID-19回復中のRT-PCR陽性所見についての報告

いつ感染リスクがなくなると判断するか?一度、2連続RT-PCR陰性となっても、その後、5−18日?までに陽性となる事例が報告されている。
念入りに検査されているようで、少なくとも偽陽性というわけではないようだ。


PCR検査だけだとウィルスの真のビルレンスを反映しているわけではないのでその判断は難しい。RT-PCR陽性となっても感染リスクがあるのか?情報が欲しいところである

対象が、医療職だけに復職までの期間設定も難しい


Positive RT-PCR Test Results in Patients Recovered From COVID-19
Lan Lan,et al.
JAMA. Published online February 27, 2020. doi:10.1001/jama.2020.2783

コロナウィルス疾患(COVID-19)に関する今までの研究は主に確認された感染症患者に於ける疫学的、臨床的、レントゲン学的特徴が主眼であった。回復患者のフォローアップに対しては関心は払われてなかった

方法:
2020年1月1日〜2020年2月15日までの、COVID-19の1名の入院患者と3名の自宅検疫患者(全員医療関係者)で中国の武漢大学の中南病院(Zhongnan Hospital of Wuhan University, Wuhan)で治療を受けた対象者で、職場復帰可能か決定するためにCOVID-19核酸へのRT-PCRで評価した。
退院時或いは検疫終了のための全てのフォロー状況クライテリアに一致
(1) normal temperature lasting longer than 3 days:3日を超えて正常体温継続 
(2) resolved respiratory symptoms:呼吸器症状改善 
(3) substantially improved acute exudative lesions on chest computed tomography (CT) images:胸部CT画像での急性滲出病変の持続的改善 
(4) 2 consecutively negative RT-PCR test results separated by at least 1 day:少なくとも1日は空けての、2回連続RT-PCR陰性
RT-PCR検査は咽頭拭液を以前記載された方法で施行。 Chinese Center for Disease Control and Preventionから推奨されたRT-PCR検査キット(BioGerm)。同じ技術者で検査キットブランドを全てのRT-PCR検査に使用;内部対照と陰性対照をルーチンに検査のbatch毎施行
住民統計情報、検査所見、レントゲン特徴を電子カルテから収集。回復後、患者とその家族に直接接触し、患者にRT-PCRのため咽頭拭液採取の為病院受診するよう質問する。
この研究は、Zhongnan Hospital of Wuhan University施設レビューボードから承認され、インフォームドコンセントの必要性は見送られた

結果:

4名全員、医療専門職としての仕事から新型2019コロナウィルス暴露。2名は男性年齢は30−36歳。患者3名の内、発熱、咳嗽、その両方発症時に出現。1名は無症候性で、感染患者のthin-section CTを行った。全ての患者はRT-PCR陽性で、CT画像ですりガラス状陰影(GGO)とmixed GGO、コンソリデーションを呈した。重症度は軽症〜中等
抗ウィルス薬(オセルタミビル75mg 12時間毎)4名とも使用。3名では臨床症状やCT画像異常改善。四番目の患者のCT画像はGGOのdelicateなpatch所見であった。4名全例2回連続陰性RT-PCR検査結果。症状発症から回復までは12−32日間。
退院後あるいは検疫終了後、患者には5日間の自宅検疫継続をするよう依頼。RT-PCR検査を5−13日で繰り返し、全例陽性であった。全ての患者は次の4−5日の間に3回の繰り返しRT-PCR検査、全例陽性異なる製造会社のキットを用いたRT-PCRを追加施行しても陽性であった。
患者は臨床的検討でも無症候継続で、CTは以前の画像から変化はなかった。呼吸器症状のある人との接触報告はない。家族はだれも感染していない。

考察:
中国で退院または検疫終了の基準を満たしたCOVID-19の4人の患者(臨床症状と放射線学的異常の欠如、およびRT-PCR検査結果2件の陰性)で、5〜13日後にRT-PCR検査結果陽性であった。これらの知見から、回復した患者の少なくとも一部がまだウイルスキャリアである可能性を示唆している。
家族での感染はなかったが、報告された患者はすべて医療専門家であり、検疫中は特別な注意が払われていた。退院または検疫の中止および継続的な患者管理の現在の基準を再評価する必要がある。過去の研究で示唆されたように、偽陰性のRT-PCR試験結果が発生した可能性があるが、 2連続陰性RT-PCR試験結果に加え、臨床的特徴および胸部CT所見からの証拠により、4人の患者が退院または検疫中止の資格があると判断された。
この研究は、軽度または中程度の感染症の少数の患者に限定されていた。さらなる研究は、医療専門家ではなく、退院または検疫の中止後により重度の感染症にかかった患者を追跡する必要がある。より大きなコホートに関する縦断的研究は、疾患の予後を理解するのに役立つだろう






P2X3受容体アンタゴニストGefapixant 不応性咳嗽などへのP2bトライアル

やはり、副事象:味覚障害とのバランスが問題のようだ


Gefapixant, a P2X3 receptor antagonist, for the treatment of refractory or unexplained chronic cough: a randomised, double-blind, controlled, parallel-group, phase 2b trial
Prof Jaclyn A Smith,  et al.
The Lancet Respiratory Medicine
Published:February 25, 2020
DOI:https://doi.org/10.1016/S2213-2600(19)30471-0
https://www.thelancet.com/journals/lanres/article/PIIS2213-2600(19)30471-0/fulltext


12週間プラシーボ2b、ランダム化二重盲検プラシーボ対照化研究
治療不応性慢性咳嗽あるいは原因不明咳嗽対照(1年以上継続、レントゲン所見異常認めず VAS 100mm 40mm以上)

2015年12月21日〜2016年6月26日まで、プラシーボ割り付け n=63、 Gefapixant, a P2X3 receptor antagonist 7.5mg n=64、20mg n=63, 50mg n=63で1日2回投与


患者平均年齢 60.2(SD 9.9)歳、女性 193(76%)
12週時点での患者幾何平均覚醒時咳嗽回数 /時間(幾何学的SD) :プラシーボ 13.2(3.1)、 7.5mg 14.5(3.7)、20mg 12.0(4.2)、 50mg 11.3(2.8)

プラシーボとの推定パーセンテージ比率 7.5mg -22.0% (95%信頼区間:CI, -41.8 to 4.6; p=0.097)、 20mg -22.2% (-42.0 to 4.3; p=0.093)、 50mg -37.0% (-53.3 to -14.9; p=0.0027)




Dysgeusia:味覚障害が多く、プラシーボ 5%、7.5mg 10%、 20mg 33%、 50mg 48%



かつて、P2X3受容体アンタゴニストに関しては触れている



慢性咳嗽治療: P2X3受容体アンタゴニスト:AF-213 ・・・ 効果はあるようだが、味覚障害ほぼ全員?
https://kaigyoi.blogspot.com/2014/12/p2x3af-213.html

インターフェロンγと慢性咳嗽
https://kaigyoi.blogspot.com/2018/10/blog-post.html
経障害性疼痛からの示唆として、P2X3も慢性咳嗽の病態に関与する可能性。迷走感覚神経のAMPA受容体antagonistでAMPAのような非NMDA受容体活性化されるとともに、直接作用として Ca2+直接流入が生じることで、  グルタミン酸がinotropic NMDA、非NMDA受容体で咳嗽発生を誘発する可能性あり


2020年2月27日木曜日

Apple Watch 4による心房細動検出能はかなり優秀

日本政府は何故Apple Watch心電図機能を認可しないのだろう
PDFダウンロード心電図の感度・特異度はかなり実用性がありそうなのに・・・

天下りできないから、意地悪でもしてるのだろうか



後日追記した部分だが・・・限界があるようではあるが・・・


Apple Watchの限界
https://www.gizmodo.jp/2020/03/apple-watch-heartrate-limitation.html
Circulationに先日掲載された論文で、Apple Watch Series 4で心房細動を正しく検知できたのは、90件中34件=41%だったと報告されました。が、このレポートで気をつけねばならないのは、Apple Watchの心電図アプリでは、1分間に心拍数120回を超えると不整脈の一種である心房細動と判断することができないということです。そもそも初めからそういう仕様なんですよ。Appleが米食品医薬局(FDA)に提出した書類にも、120bpmより上/ 50bmpより下は「Unclassfied(分類不可)」として処理すると明記されています。
心房細動を患う人の1/3はbpmが120を超えているという2015年の研究結果や、心房細動は100bpmから175bpmまでの幅があるため、Apple Watchではその大部分を取りこぼしてしまう可能性があるというMayo Clinicの指摘を踏まえると、つまり、「Unclassfied」結果がよく出る人は、不整脈の可能性があり、医師の診察を念のため受けた方がいいということになります。






Apple Heart Studyでは不整脈検出の34%が心房細動で、陽性的中率(PPV)は 0.84で、これはApple Watch 1から3での光学センサーによるもの
Apple Watch 4(AW4)で単極誘導心電図で2つのメカニズムで不整脈評価、心電図ダウンロードしてPDFで評価




Google翻訳 
300の可能なリズム評価のうち、292が得られました。 2人の患者が研究完了前に退院し、1人の患者が同意を撤回した。テレメトリでは、90のインスタンスでAFが観察され、202でSRが見られました。 50人の患者のうち25人がAFのエピソードを1つ以上有していた。
AW4通知は、90インスタンスのうち34インスタンスでAFを正しく識別し、感度は41%になりました。 AFのエピソードが少なくとも1つある25人の患者のうち、AFは19歳で特定された。SRの患者のうち、AFと指定されたものはなかった(すなわち、偽陽性なし)。ただし、リズムは患者の31%で決定的ではないとみなされ、リズムを評価する追加の試みはありませんでした。 AW4通知とテレメトリーの全体的な一致は61%でした(κ統計量= 0.33 [95%CI、0.24–0.41])。
 AW4は、292のリズム評価のうち284でECG波形の取得可能なPDFを生成しました。 8つの場合、AW4および関連するアプリはPDFの生成に失敗し、これらの欠落データは不正確なリズム解釈として扱われました。 AFの90インスタンスのうち、PDF波形は84のAFを示しました(感度96%)。 AFのエピソードが少なくとも1つある25人の患者では、24人でAFが特定されました。SRの患者では、AFとして指定されたものはありません(誤検出なし)。ただし、波形のPDFが生成されなかったため、2ではリズムが決定的ではないとみなされました。全体として、Apple Watchで生成されたPDFリズムストリップとテレメトリーの一致は98.9%(κ統計量= 0.98 [95%CI、0.96–1.0])でした。



Accuracy of Apple Watch for Detection of Atrial Fibrillation
Dhruv R. Seshadri, et al.
Circulation. 2020;141:702–703
https://doi.org/10.1161/CIRCULATIONAHA.119.044126
https://www.ahajournals.org/doi/full/10.1161/CIRCULATIONAHA.119.044126





BMI/体重変化と肺機能トラジェクトリー

以前の研究はすべて、比較的短い追跡期間(最大10年)があり、ほとんどがこのリンクを最大50歳までしか調査していません。これにより、成人期および高齢期の肺機能に対する体重変化の役割のより包括的な理解が妨げられ、成人期後期にまで及ぶより長い追跡期間を伴うさらなる研究の必要がある



Body mass index and weight change are associated
with adult lung function trajectories: the prospective
ECRHS study
Peralta GP, et al. Thorax 2020;0:1–8. doi:10.1136/thoraxjnl-2019-213880
https://thorax.bmj.com/content/thoraxjnl/early/2020/01/30/thoraxjnl-2019-213880.full.pdf


 European Community Respiratory Health Survey (ECRHS)ベースの肺機能trajectory (20年間の成人期)

ベースライン BMI 正常、過体重、肥満の場合 フォローアップ中体重増加中等度(0.25-1 kg/年)、高度(>1kg/年)の場合、FVC、FEV1減少加速と関連

ベースライン正常BMI、安定体重(± 0.25kg/年)比較で、フォローアップ中高度体重増加の肥満の場合 65歳時推定FVCより−1011mL (95% CI −1.259 to −763)


ベースライン肥満症例、体重減少(<-0.25 kg/年)症例では、FVC、FEV1減少の程度減衰する

体重変化特性と、FEV1/FVC減少には関連性認めず







個人的感想としては、「FEV1/FVC比と体重特性との関連性がない」というのは、肺機能解釈上助かる知見



ちなみに、よく引用Fletcherの図、これは8年間6ヶ月毎のロンドンの労働者での前向き検討でのモデル化したもので、数十年調べたものではない



https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1607732/pdf/brmedj00468-0039.pdf


LAMA使用開始された後の症例トラジェクトリーは興味深いモノがあるのだが・・・どこかで発表したい

過敏性腸症候群治療:low-FODMAP ダイエット

low-FODMAP (the low fermentable oligosaccharide, disaccharide, monosaccharide and polyol )ダイエット





消化管機能に於ける発酵性オリゴ糖、二糖、単糖、ポリオールの効果のメカニズム
短鎖発酵性炭水化物のいくつかは吸収される。例えば たとえば、フルクトースはGLUT2またはGLUT5を介して吸収され、ラクターゼが加水分解するとラクトースが吸収される。 吸収されなかったフルクトース、ポリオール、およびラクトースは、小腸の水分を増加させる。 fructan と GOSを含む吸収されていない炭水化物は結腸で発酵され、ガスの生産につながる。 結果として生じる内腔膨満は、内臓過敏症およびIBSのある人に機能的なGI症状をもたらす
GOS:Galacto-oligosaccharides
SCFA:short-cahin fatty acids


Staudacher HM, Whelan K. Gut 2017;66:1517–1527. doi:10.1136/gutjnl-2017-313750
https://gut.bmj.com/content/66/8/1517

このレビューでは、被験者の50%−80%が症状改善
特に膨満感、鼓腸、下痢、およびグローバルの改善に伴い、臨床応答につながる症状
低FODMAP食が微生物叢およびメタビロムの大きな変化をもたらすが、継続するかどうか、またその臨床的関連性は不明である






A Systematic Review and Meta-Analysis Evaluating the Efficacy of a Gluten-Free Diet and a Low FODMAPS Diet in Treating Symptoms of Irritable Bowel Syndrome
Dionne, Joanna ,et al.
American Journal of Gastroenterology: September 2018 - Volume 113 - Issue 9 - p 1290-1300


合計397人の参加者のうち、低FODMAPダイエットとさまざまなコントロールダイエットを比較した7つの試験が検討されました。低FODMAPダイエットは、適度な数の患者についてのみIBS症状を改善し、データの全体的な品質は非常に低かった。それでも、研究者たちは、すべての食事介入の中で、低FODMAPダイエットは「現在、IBSの有効性の最大の証拠を持っている」と結論付けました。





Medical News & Perspectives February 26, 2020
The Low-FODMAP Diet Helps IBS Symptoms, but Questions Remain
Anita Slomski, MA
JAMA. Published online February 26, 2020. doi:10.1001/jama.2020.0691
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2762387

「低FODMAP」サルサ、グラノーラ、またはフラットブレッドを探している人は、Amazonで検索するだけです。Amazonは、過敏性腸症候群(IBS)の症状を緩和するために促進される数百の包装食品を提供しています。 食料品店で買い物をして、低FODMAPダイエットでリンゴ、カシューナッツ、ほうれん草を食べることが安全かどうか不明な場合は、 りんごやカシューナッツには警告するが、ほうれん草にはOKを与えるスマートフォンアプリがあります。 ダイエットに関する情報が必要な人のために、YouTubeは903 000の結果を提供し、Instagramは150万を提供しています。
しかし、消化器専門医は、低FODMAPダイエットが健康的な食事の最新流行にならないように注意しています。食事は制限され、従うのが難しく、IBS症状を引き起こす食物を特定するための短期的な介入としてのみ意図されています。そして、それが精通した栄養士によって投与されない限り、それをしようとする人々は、栄養失調になるか、腸内微生物叢に大損害を与えるリスクがあります。
FODMAPの頭字語は、発酵性オリゴ糖、二糖、単糖、およびポリオール(小腸で吸収されにくいか消化されず、結腸で急速に発酵される炭水化物のグループ)の略です。これらの食物成分は、小腸の水分量と結腸のガスを増やします。 IBSの内臓過敏症の根底にある人々の場合、FODMAPを多く含む食品(小麦、タマネギ、ニンニク、マメ科植物、乳製品、キノコ、カリフラワーなど)は、腹痛、腹部膨満、過剰なガス、下痢、便秘。
ロンドンのキングスカレッジの栄養科学科を率いる栄養学教授であるケビンホイラン博士によると、FODMAPはIBSの有無にかかわらず腸の消化管に同じ影響を及ぼします。しかし、IBSを使用している人は、それらの効果を異なって感じます。 「IBS患者の結腸は、ガスの存在により敏感です」と、ウィランは言いました。 「彼らは健康な人にはない神経反応を高めます。」
当然のことながら、専門家は、低FODMAPダイエットがIBSの第一選択療法になり、米国人口の最大16%に影響を及ぼしていると述べました。 「IBS患者の多くは、可能であれば薬物療法を避けたいと考えています。非常にまれな患者で、何を食べることができ、症状を防ぐために避けるべきかについてアドバイスを求めません。」ミネソタ州ロチェスターのメイヨークリニックで、米国消化器病学会のIBS管理ガイドラインの著者であり、食事療法を試してみたい患者には低FODMAPダイエットを推奨しています。
しかし、ダイエットのマーケティングが盛んになっているため、専門家はそれを軽度に服用したり、無計画に服用したりしないことを勧めています。さらに、長期的な影響については疑問が残ります。


・・・・・・・

1500人を超える米国の消化器専門医を対象とした2018年の調査では、77%がほぼ常にまたは通常、IBSに低FODMAPダイエットを推奨していると述べています。UCLA Center for Inflammatory Bowel Diseasesの臨床研究部長であるBerkeley Limketkai、MD、PhDによると、一部の消化器専門医は、寛解期にある炎症性腸疾患(IBD)の患者にも食事を勧めています。「IBDでIBSの症状を見つけることは非常に一般的であり、これらの症状を管理するには低FODMAPダイエットが妥当な選択肢です」と彼は言いました。
しかし、調査では、登録された栄養士への紹介で低FODMAPダイエット勧告に従ったと答えた消化器専門医はわずか21%でした。治療の有効性は栄養士の監督下にある患者を対象とした試験でしか研究されていないため、その紹介をスキップするのは間違いです。
専門家によると、そのガイダンスなしでは多すぎるとうまくいかない可能性があるという。

治験では栄養師の指導があり、それをスキップすることで生じる弊害への懸念がある

do-it-yourselfダイエットだと長期間elimination phaseに滞在することになり、食物aversionが胃腸問題を生じる可能性有り、栄養不良や腸管microbiomeへの長期有害性をもたらす可能性がある。
IBS治療を一般化しあまねく低FODMAPダイエットを広げるネット情報による弊害、複雑なIBS治療が単なるfad dietとなる可能性など懸念が噴出する。
繊維分制限やprebiotic炭水化物制限をIBSのない場合にも推奨してしまい、健康を損なう可能性がある


さらに、長期影響は未だ不明である





2020年2月26日水曜日

認知症高齢者:筋トレと好気的運動の効果

在郷軍人ナーシングホームの認知症高齢者


  • 強化トレーニング(筋トレ)は Barthel index、Mini-Mental State Examination、 Montreal Cognitive Assessment、 血中 monocyte chemotactic protein-1 値を改善
  • 好気的運動は、Barthel index、Mini-Mental State Examination、 Montreal Cognitive Assessment, 、 血中 monocyte chemotactic protein-1 値、血中brain derived neurotrophic factor 値を改善
  • Barthel index、Mini-Mental State Examination、 Montreal Cognitive Assessment、 血中 monocyte chemotactic protein-1、血中 brain derived neurotrophic factor 値の改善程度は群間差統計学的有意差に至らず


The Therapeutic Effects of Exercise Training on Elderly Patients with Dementia: A Randomized Controlled Trial
I-Ting Liu,  et al.
Archives of Physical Medicine and Rehabilitation Published:February 18, 2020
DOI:https://doi.org/10.1016/j.apmr.2020.01.012




















4週間という短期間検討・・・ 

US Preventive Services Task Force:高齢者認知機能低下スクリーニング検査はエビデンス不足


高齢者認知障害スクリーニング検査に関し、エビデンス欠如および利益性/有害性バランスは不明・・・というステートメント

Screening for cognitive impairment in older adults: US Preventive Services Task Force recommendation statement  [published online February 25, 2020].
Owens  DK, Davidson  KW, Krist  AH,  et al; US Preventive Services Task Force.
JAMA. doi:10.1001/jama.2020.0435
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2761651

発見

  • 特定のスクリーニング・ツールは、認知症検出に関して感度・特異度が比較的高いという適当なエビデンスがある
  • 認知症の検査前確率が高い場合(e.g 85歳以上)、陽性的中率:positive predictive valueは50%を超える。しかし、検査前確率が低い場合(e.g. 65−74歳の非選択住民)、PPVは20%に近い
  • スクリーニング検査の感度特異度として、認知症よりMCIの検出の場合、一般的にさらに低い


早期発見及び介入・治療に関するベネフィット

  • 認知障害のスクリーニングのベネフィットに関して適切な直接のエビデンスはない
  • 妥当なエビデンスとしては、AChEIsおよびメマンチンが軽症・中等症認知症患者の短期検討に於ける認知機能測定において効果が小さいが、その研究での効果が臨床的に意義があるか不明瞭、また、長期維持するかに関しても不明瞭
  • 患者へのターゲットとした、他の薬物やサプリメント(e.g. スタチン、降圧剤、ビタミン類)と非薬物的介入のベネフィットに関してはエビデンスとしては不適切なものしかない
  • caregiverへの介入は、caregiver burdenの測定項目やうつに対し小さな効果があるという妥当なエビデンスがあるが、その効果は臨床的意義あるかは不明。以前に検知されてない認知症のスクリーニング検出患者へ一般化できるかも不明
  • 患者・caregiver、医師毎の意志決定やプランニング介入ターゲットのエビデンスに適切なものはない


早期検出・介入・治療による有害性

  • 認知機能障害のスクリーニングに関する有害性の妥当な直接エビデンスがない
  • 患者やcaregiverもしくは両者への非薬物的介入の有害性の妥当な直接エビデンスがない
  • AChEIsは副作用、全体的には少ないが時に重篤で、意識消失や転倒を含むという適切なエビデンスがある


USPSTF評価:認知機能障害のスクリーニングのエビデンスは無く、有益性と有害性のバランスは決定できない


Evidence Still Lacking for Recommendation of Screening for Cognitive Impairment in Older Adults
Carol Brayne
JAMA Intern Med. Published online February 25, 2020. doi:10.1001/jamainternmed.2019.7522




高齢者の認知機能障害のスクリーニングに関する最近の勧告において、米国予防サービス特別調査委員会(USPSTF)は、「現在のエビデンスは、高齢者の認知機能障害のスクリーニングの有益性と有害性のバランスを評価するには不十分です(Iステートメント) 」
 更新されたエビデンスレポートと系統的レビューによって裏付けられたこの結論は、エビデンスベースの同様の広範な調査の後に2014年にタスクフォースが達したものと同じです。

 65歳以上の無症候性の人を対象とした体系的な認知テストの利点と有害性を評価するための証拠は不十分です。認知症の負担と認知機能障害の予防に対する強い公共の関心を考えると、進歩の欠如は落胆させられます。

多くの臨床医だけでなく、患者や公衆は、認知障害のスクリーニングが有益であると考えています。証拠の欠如にもかかわらず利益の仮定が懸念されています。スクリーニングプログラムは、効果的な資源配分の文脈において、臨床的利益と危害の可能性のバランスをとるべきです。
コストとスクリーニングの実施慣行はUSPSTF勧告の範囲外ですが、認知スクリーニングを実施する明白な義務は証拠に基づいていないことは明らかです。

USPSTFは、スクリーニングテスト、特にミニメンタルステート試験のみが強固な証拠ベースを持っていることを発見しました。
スクリーニングの目標は、臨床的に診断できる認知症の比較的初期の人々を特定することですが、一部の患者では、スクリーニングは軽度の認知障害またはバイオマーカーを対象としています。ただし、軽度の認知障害やバイオマーカーの自然史を個人の精度(年齢、性別、教育レベル、併存疾患に基づいて)で予測するための証拠は不十分です。
最高のパフォーマンスを備えたスクリーニングテストでは、65〜74歳で認知症を検出するために人をテストする場合の陽性的中率は20%です(つまり、この年齢でスクリーニング結果が陽性の5人中4人は認知症ではありません)。
対照的に、85歳以上の人の場合、前向きな予測値は50%です。より良いパフォーマンスの理由は、人生の後半に認知症の有病率が高くなることです。

さらに、効果的な治療法が欠けています。軽度および中等度の認知症(スクリーニングでは検出されない)に対する介入の有効性の証拠は限られています。
 不確定な臨床的意味の小さな効果サイズでの、医薬品と非医薬品の両方の介入の短期試験があります。
  認知症のスクリーニングを行う前に、医師は、スクリーニングで検出された認知症患者のより良い転帰の決定的な証拠を持っているべきです。そのような証拠は現在不足しています。

USPSTFレポートはまた、薬物の既知の一般的な有害作用は別として、害についての証拠の欠如を強調しています。
認知症の診断の潜在的な害についての議論には、診断の意味に関する不確実性と、予後について患者に正確に助言できないことも含まれるべきです。

認知障害のリスク低減には、喫煙の中止とアルコール摂取の緩和が含まれます。健康的な食事と身体活動の促進;高血圧、心血管障害、糖尿病、うつ病の予防と管理。臨床医は、認知スクリーニングを必要とせずに、これらのアプローチを推奨して、すべての高齢者のリスクを減らすことができます。

証拠の欠如を考えると、認知症のスクリーニングがしばしば奨励されることは残念です。たとえば、英国では、予定外の入院をした高齢者が認知症のスクリーニングを受けています。これは、給付に関する明確性が欠如しているため撤回されたポリシーです。

認知症のスクリーニングプログラムは、その利点、害、およびコストを評価できるように、データ収集を伴う実験的な方法で実施する必要があります。
商業的利益と患者擁護団体からの政治的考慮事項と圧力にもかかわらず、認知症スクリーニングの公共政策は証拠によって裏付けられるべきです。おそらく、乳がんのスクリーニングに関する方針は、アプローチを提案することができます。乳がんスクリーニングの潜在的な有害性に対する認識が高まった結果、患者は有害性と利益についてよりバランスの取れた情報を提供され、スクリーニングを受けるかどうかについて個々の決定を下すことができます。

プライマリケアでの認知症のスクリーニングのリスクとベネフィットに関する2019年の報告は有益です7。2012年から2016年の間にインディアナ州の都市部、郊外、農村部で実施されたこの試験では、プライマリケア患者にスクリーニングを提供しました。
スクリーニング後1年で、健康関連の生活の質に有益性の証拠はありませんでした。参加者の10%未満が認知機能障害の陽性スクリーニング結果を示し、これらの参加者のうち陽性結果を示したのは、さらに3分の1だけがさらなる評価を受けることをいとわなかった。要約すると、このスクリーニングプログラムからの認知症診断の収率は非常に低かった。




「重度認知症患者にアリセプトが有効かどうか分かりませんもんね」と介護職歴のある認知症家族に述べたところ、烈火の如く怒られたことがある。認知症にはメマンチンやAChEIsを投与するモノと刷り込みされているようだ。
さらには、“早期認知症発見=認知症の予後改善・介護者へのベネフィット”という刷り込みも・・・

実際、厚労省の認知症施策も・・・早期介入が是となっている
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/ninchi/index.html

コロナウィルスで一般ピーポーへも“アホ”厚労省というのがばれた今・・・再構築が必要だろう

2020年2月25日火曜日

COPD急性増悪:抗生剤使用にて急性増悪改善、治療失敗確率減少

COPD中等度・重度急性増悪の68のRCTのシステマティックレビュー&メタアナリシス

対プラシーボおよび抗生剤無し管理に比べ、抗生剤と全身コルチコステロイドで症状改善効果 (odds ratio 2.03, 95% CI 1.47-2.80, moderate strength of evidence [SOE]) 、治療失敗率の減少 (OR 0.54, 95% CI 0.34-0.86, moderate SOE)をもたらす

特に抗生剤 3-14日投与は、急性増悪改善、治療失敗減少と関連し、これらは急性増悪重症度、外来・入院患者問わず



Pharmacologic Therapies in Patients With Exacerbation of Chronic Obstructive Pulmonary Disease: A Systematic Review With Meta-analysis
Claudia C. Dobler, et al.
Published: Ann Intern Med. 2020. REVIEWS |25 FEBRUARY 2020
DOI: 10.7326/M19-3007
https://annals.org/aim/article-abstract/2761822/pharmacologic-therapies-patients-exacerbation-chronic-obstructive-pulmonary-disease-systematic-review


外来・入院 9-56日間の全身性ステロイド投与はプラシーボに比べて、介入終了時点での治療失敗を減少 (OR, 0.01 [CI, 0.00 to 0.13]; low SOE) するも、全てのあるいは内分泌関連副作用の数を増加させる
入院患者に於けるプラシーボ・通常ケアに比べ、他の薬物的介入(アミノフィリン、硫酸マグネシウム、抗炎症薬剤、ICS、SABA)はエビデンスとして不十分で、効果は結論づけできないか効果が無い (去痰剤:エルドステインを例外とする)が、肺機能のみ効果あり




2020年2月22日土曜日

パーキンソン病 レビー小体・α-シヌクレイン・シーズ培養: 培養2週間から3週間に伸ばしたら新しい発見

in vitroの知見だが、ちょっと工夫したら、パーキンソン病の病態に関わるパラダイムとなりそうな結果が・・・というお話


New insights into the processes that cause Parkinson's disease
https://actu.epfl.ch/news/new-insights-into-the-processes-that-cause-parkins/





パーキンソン病の脳には”Lewy Body"と呼ばれる特異的構造が含まれると1912年Friedrich Heinrich Lewyが記載。この構造物で既知なのはパーキンソン病のhallmarkであり、synucleinopathyとよばれる病態との関連である。主成分の一つはα-synucleinであり、long fibrilを形成する蛋白で、tangle upされ、レビー小体の"core"から放散される。
このα-synucleinとレビー小体がパーキンソン病及び関連病態の治療診断開発のターゲットとして浮上してきている。

パーキンソン病病因究明に関するレビー小体の研究は一つのスナップショット

PNASに報告された  EPFL’s Brain Mind Instituteからの新しい論文は、α-synuclein Lewy bodyの始まりから終わりまでの精製をtrackし、レビー小体の形成メカニズムや構成、そして過程でsimple fibrillizatioの対極にあり、神経変性のmain driverの一つとなっていることが示された

培養primary neuronからα-synucleinがfibril(原線維)形成することから初め、細胞に"seeds"としてα-synuclein fibrilを与え、α-synucleinを内在性に動員し、増殖が開始される。
通常2週間だが3週間の観察モニターをすると、"Lewy body"構造、proteomics解析で、 ヒトリアルなヒト脳組織に観られる“biomolecular signatures” が解析された。
イメージングによりLewy body 構造の内部の鍵となる細胞organellesのsequenstrationのprocesses triggeringのカスケードで、トコンドリアの重度欠乏や他のニューロン機能障害、究極にはニューロン死を導くことが明らかになった


このアプローチでα-synuclein-凝集がパーキンソン病のような疾患とリンクしていることが示されると筆者等








The process of Lewy body formation, rather than simply α-synuclein fibrillization, is one of the major drivers of neurodegeneration
Anne-Laure Mahul-Mellier, Johannes Burtscher, Niran Maharjan, Laura Weerens, Marie Croisier, Fabien Kuttler, Marion Leleu, Graham W. Knott, and Hilal A. Lashuel
PNAS first published February 19, 2020 https://doi.org/10.1073/pnas.1913904117
Edited by Pietro De Camilli, Yale University, New Haven, CT, and approved December 31, 2019
https://www.pnas.org/content/early/2020/02/19/1913904117








2020年2月21日金曜日

関節リウマチ発症前抗CCP抗体はCOPD発症と関連

anti‐citrullinated protein antibodies (ACPA):抗シトルリン化ペプチド(CCP)抗体


喘息は関節リウマチ(RA)とbi-directional association は以前の報告から知られている。ただ、ACPA(抗CCP抗体)の状態、喫煙との関連づけでの検討は乏しい



ご存じ、関節リウマチ発症将来リスクと関連し、喫煙はRAのリスク要素で、一部には肺粘膜炎症を生じACPA産生促進し、特にHLA-DRB1 shared epitopeと関連する
ACP自体は気道の粘液表面に存在し、RA病態中心的存在でもある

ACPAが気道系疾患にも関与してる可能性があり検討



RA診断前CCP抗体陽性は女性においてCOPD発症リスク増加


Elevated anti‐citrullinated protein antibodies prior to rheumatoid arthritis diagnosis and risks for chronic obstructive pulmonary disease or asthma
Alessandra Zaccardelli  , et al.
Arthritis Care & Research
First published:21 January 2020 https://doi.org/10.1002/acr.24140
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/acr.24140



pre-RA女性 283名 と 対照 842名 RA診断前血液提供されその平均期間 9.7(SD 5.8)年間
pre-RA ACPA+ 59名、20.8%
フォローアップ21,489人年あたり COPD発症 107例、喘息 105


喫煙pack-yearsを含む共役要素補正後 pre-RA ACPA+はCOPDリスク増加と関連
(HR 3.04, 95% CI, 1.33-7.00)

Pre-RA ACPA +の喘息のHR 1.74(多変量95%CI 0.72,4.24)で、pre-RA ACPA-の喘息のリスク(HR 1.65、95%CI 1.11,2.46)と同様




抗CCP抗体は、喫煙という共役要素補正後もCOPD発症と関連
喘息発症に関しては、抗体陽性・陰性でも共にリスク増加あり

2020年2月20日木曜日

妊娠初期マクロライド処方は重大奇形と関連特に心血管系異常

妊娠第1三半期でのマクロライド処方は重大奇形と関連特に心血管系異常と関連する可能性


Associations between macrolide antibiotics prescribing during pregnancy and adverse child outcomes in the UK: population based cohort study
BMJ 2020; 368 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.m331 (Published 19 February 2020)
Cite this as: BMJ 2020;368:m331
https://www.bmj.com/content/368/bmj.m331


UK臨床研究データリンクの住民ベースコホート研究

1990-2016年誕生の子供 104,605名とその母親のマクロライド単独(エリスロマイシン、クラリスロマイシン、アジスロマイシン)、あるいはペニシリン単剤治療を第4妊娠週から出産まで処方受けた対象者
妊娠全マクロライド・ペニシリン処方済み母の子供 82,314名、双胎 53,735名

主要アウトカムはなんらかの重大奇形と系統特異的奇形(神経系、心血管系、胃腸系、性腺、泌尿器系) 、第1トリメスター(4-13週妊娠期)、第2〜第3トリメスター(〜出産)のマクロライド・ペニシリン処方
脳性麻痺、てんかん、ADHD、自閉症スペクトラムも解析

結果:


母親にマクロライドが処方された8632人の子供のうち186人(1000人あたり21.55人)と、妊娠中に母親がペニシリンを処方された95 973人の子供のうち1666人(1000人あたり17.36人)に重大な奇形が記録された。
マクロライドの最初の妊娠中の処方は、ペニシリンと比較して重大な奇形のリスクの増加と関連しており(1000あたり27.65対17.65、調整されたリスク比1.55、95%信頼区間1.19から2.03)、特に心血管奇形(1000あたり10.60対6.61、 1.62、1.05から2.51)が関連。
妊娠中期におけるマクロライドの処方は、生殖器奇形のリスクの増加と関連していた(1000あたり4.75 v 3.07、1.58、1.14〜2.19、主に尿道下裂)。
妊娠初期のエリスロマイシンは、重大な奇形のリスク増加と関連していました(1000あたり27.39対17.65、1.50、1.13〜1.99)。
他のシステム固有の奇形または神経発達障害について、統計的に有意な関連性は見つかず。調査結果は感度分析に対して維持。











Macrolide antibiotics in pregnancy are linked with birth defects, study suggests
BMJ 2020; 368
doi: https://doi.org/10.1136/bmj.m659 (Published 19 February 2020)



妊娠中マイコプラズマ感染などざらにあると思うが、議論が必要となりそう

クラリスロマイシンの医薬品情報から・・・



テトラサイクリンの国試レベル常識
第1三半期(妊娠初期)をすぎてから使用すると、歯のエナメル質の形成不全を生じたり、骨に沈着することがある
・・・・・・・・・・


2020年2月18日火曜日

高血圧症:今更、Chlorthalidone vs hydrochlorothiazide

最初に意識したのは、ALLHAT研究
JAMA. 2002;288(23):2981-2997.
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/195626
 Chlorthalidone was found to be superior to doxazosin and was previously reported after early termination of the doxazosin arm of the trial
2017年ACC/AHA高血圧ガイドラインで、サイアザイドとサイアザイド様利尿剤が第1選択薬剤クラスト推奨されている。hydrochlorothiazideが最も多く処方されているが、ガイドラインでは

chlorthalidone is preferred on the basis of longer half-life and proven trial reduction of cardiovascular disease. However, to our knowledge there are no large, completed randomized clinical trials comparing these medications, although one is in progress.
薬剤動態として半減期が長いことと少ないが心血管疾患低下トライアル報告があるとのこと、indirect network meta-analysisでchlorthalidoneの有効性優越の報告だが、大規模観察研究では同等



それでは、レアルワールドの世界では?


Comparison of Cardiovascular and Safety Outcomes of Chlorthalidone vs Hydrochlorothiazide to Treat Hypertension
George Hripcsak, et al.
JAMA Intern Med. Published online February 17, 2020. doi:10.1001/jamainternmed.2019.7454


Large-Scale Evidence Generation and Evaluation in a Network of Databases (LEGEND) 観察比較コホート研究;大規模propensity score層別化と ネガティブコントロールおよび合成ポジティブコントロールのキャリブレーションを使用した観察比較コホート研究



 Chlorthalidone vs  hydrochlorothiazide

主要アウトカムと測定項目
・プライマリアウトカム:急性心筋梗塞、心不全入院、虚血性・出血性卒中、上記3つに心臓突然死を含む複合的心血管疾患アウトカム 51の安全性アウトカムも測定



730 225人(平均[SD]年齢、51.5 [13.3]歳; 450 100女性[61.6%])のうち、36 918がクロルタリドンを調剤または処方され、149の複合結果イベントがあり、693 3089複合結果イベント。

心筋梗塞、入院心不全、または脳卒中の関連リスクに有意差は認められず、ヒドロクロロチアジドと比較したクロルタリドンの複合心血管アウトカムの較正ハザード比は1.00(95%CI、0.85-1.17)。

クロルタリドンは、有意に以下リスクが高い

  • 低カリウム血症  (hazard ratio [HR], 2.72; 95% CI, 2.38-3.12)
  • 低ナトリウム血症  (HR, 1.31; 95% CI, 1.16-1.47)
  • 急性腎不全 (HR, 1.37; 95% CI, 1.15-1.63)
  • 慢性腎臓病 (HR, 1.24; 95% CI, 1.09-1.42)
  • 2型糖尿病  (HR, 1.21; 95% CI, 1.12-1.30)


クロルタリドンは、異常な体重増加と診断されるリスクが有意に低かった(HR、0.73; 95%CI、0.61-0.86)。

【結論】この研究より、クロルタリドンはヒドロクロロチアジドと比較して心血管系への有意なベネフィット関連あるとは言えない。
この知見から、高血圧初回治療薬としてクロルタリドン、ヒドロクロロチアジドどちらがより推奨されるかの支持することはできない。





高血圧専門家がいるはずなのだが、日本からクロルタリドンが消えた
関連:https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200902211672225313


高血圧関連学会の人たち恥とおもわないのだろうか?
スポンサーの付かない薬剤には興味が無い?

糖尿病学会のメトホルミンの扱いと同様・・・ 日本の医学系学会ってなんだかなぁと思う

2020年2月17日月曜日

NON-SEDA : 人工呼吸 無鎮静 vs 軽鎮静

人工呼吸時鎮静は一昔前標準ケアであったが、人工呼吸器の進歩により、不快性が減弱したがやはり軽い鎮静が必要なのが一般的。一方、鎮静剤使用により予後悪化の可能性が指摘されていて、鎮静短いほどICU滞在期間短縮するというトライアル(Girard TD, et al. Efficacy and safety of a paired sedation and ventilator weaning protocol for me-chanically ventilated patients in intensive care (Awakening and Breathing Con-trolled trial): a randomised controlled trial. Lancet 2008; 371: 126-34.)知見もある



NON-SEDA trial

多施設ランダム化対照トライアルで、sedationなしのICU人工呼吸患者は、昼間中断の軽度sedationあり (i.e., to a level at which the patient was arousable, defined as a score of −2 to −3 on the Richmond Agitation and Sedation Scale [RASS], on which scores range from −5 [unresponsive] to +4 [combative]))と比較し、90日死亡率は同等( 42.4% vs 37.0% 差 5.4% 95% CI, -2.2 to 12.2 p=0.065)


人工呼吸期間、ICU滞在日数、入院滞在日数で2群間有意差無し

非昏睡・非せん妄なし日数が非鎮静群で1日多く、重大血栓塞栓イベント少なく、腎機能が良好



Nonsedation or Light Sedation in Critically Ill, Mechanically Ventilated Patients
List of authors.
Hanne T. Olsen, et al.
N. Engl. J. Med., February 16, 2020
DOI: 10.1056/NEJMoa1906759
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1906759








エディトリアル「 この治験の結果は、人工呼吸器を装着している患者での鎮静の省略に関する懸念を喚起し、鎮静を可能な限り早期に中断するか、少なくとも毎日中断することを目的として臨床的に監視する必要性を強化するため、重要です。 このような監視は、ICUで均一に適用できる標準化された基準に基づいて、継続的に(1日24時間、毎日)実行する必要があります。」


ベイズネットワークで再分析:敗血症性ショック 末梢還流ターゲティング治療

 末梢還流ターゲティング真っ向否定の論文となってたが

Effect of a Resuscitation Strategy Targeting Peripheral Perfusion Status vs Serum Lactate Levels on 28-Day Mortality Among Patients With Septic Shock
The ANDROMEDA-SHOCK Randomized Clinical Trial
Glenn Hernández, et al. ; for the ANDROMEDA-SHOCK Investigators and the Latin America Intensive Care Network (LIVEN)
JAMA February 17, 2019
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2724361


メインモデルは生存率回帰モデルでこれを Bayesian Reanalysisしなおした報告

P値に左右されて誤った結論をもたらしたのではないか?


同様の検討が種々様々な臨床トライアルでも行われるべき




peripheral  perfusion-guided  resuscitation  strategy

Capillary refill time (CRT) は簡便な心肺蘇生予後指標として末梢の還流障害の重要性が元々知られていた。

CRT正常化戦略 vs 乳酸ターゲティング戦略比較



帰無仮説適応却下の時臨床トライアルの解釈が必ずしもストレートなものとはならない。多くの最小effect size検出するような一定確率("power")でデザインする一方、第1種過誤の固定上限適応、即ち伝統的かつ任意の5%(α)に固定される事が多い。p値はこの固定α閾値に基づき評価されることが多く、治療群間差の無いトライアルで提供された入手データの互換性測定値を示す。故にp値の解釈は信頼性知見の信頼性直接評価ではなく、帰無仮説の比較を示すに過ぎない。多くの状況で厳格なp値カットオフが、任意のカットオフに近い場合特にその結果は解釈がデータから分離している状況は驚くに値しない。


ベイジアン統計による解釈はfrequentist analysisの代替手段の一つ

ベイズモデルの結果臨床医は事前データを利用してeffect size(事後)の確率分布を簡便に知ることができる。

CRTをベイジアンアプローチで使用してANDROMEDA-SHOCK  28日死亡率解釈に適応できるか、そして 90日死亡率やSOFAスコアのへの影響についても検討

ANDROMEDA-SHOCK登録全例。 post hoc Bayesian analysis と mixed logistic regression analysis を施行
 Bayesian analysisは死亡率において4つのpriors(楽観的、 中立的、null、悲観的)とした

72時間後SOFA最小4分位確率をBayesian networksを用いた評価


 ANDROMEDA-SHOCK Trial」感染+乳酸血症(2.0 mmol/L以上)を定義とした敗血症性ショック+60分間20mL/kg点滴後昇圧剤( 平均動脈圧 65 mmHg以上維持)

末梢還流群:CRT正常化
乳酸群: 各2時間毎20%の乳酸値低下

SOFA72時間後最小4分位確率をBayesian netwroksを用い評価

Bayesian analysisで、末梢還流ターゲティング群が乳酸ターゲット蘇生群より28日目に優れているとする事後確率は全てのpriorsにおいて90%を上回る
90日目のベネフィット確率は楽観的priorを除き全てで90%を上回る

楽観的priorを用いた事後中央値オッズ比は28日、90日死亡率において  0.61 (95%信頼区間, 0.41–0.90) と0.68 (95%信頼区間,, 0.47–1.01)

比較frequentistオッズ比は 0.61 (95%95%信頼区間, 0.38–0.92と 0.70 (95% CI, 0.45–1.08)

末梢還流ターゲティング蘇生群では72時間後SOFA最小4分位となるオッズ比は 1.55 (95% CI, 1.02–2.37)


Effects of a Resuscitation Strategy Targeting Peripheral Perfusion Status versus Serum Lactate Levels among Patients with Septic Shock. A Bayesian Reanalysis of the ANDROMEDA-SHOCK Trial
Fernando G. Zampieri  et al. ; for the ANDROMEDA-SHOCK Investigators and the Latin America Intensive Care Network (LIVEN)
AJRCCM  Vol. 201, No. 4 | Feb 15, 2020
https://doi.org/10.1164/rccm.201905-0968OC       PubMed: 31574228
Received: May 10, 2019 Accepted: November 15, 2019














この辺を参考にいろいろ試す予定


http://kamonohashiperry.com/archives/1031

https://qiita.com/Masutani/items/cc825d8b93b77d5b1927


https://www.cs.waikato.ac.nz/ml/weka/
https://sites.google.com/site/techdmba/datamining

file:///C:/Users/sekim/AppData/Local/Packages/Microsoft.MicrosoftEdge_8wekyb3d8bbwe/TempState/Downloads/weka%20(1).pdf

2020年2月14日金曜日

umbrella reviewによるコーヒー摂取量とがんリスクの関連性 癌の種類によるリスク増加・低下

umbrella review
日本語解説:https://everyday-evident.net/umbrella-review/


おそらくこれが大元
Ten simple rules for conducting umbrella review
https://ebmh.bmj.com/content/21/3/95 
他、参照
Summarizing systematic reviews: methodological development, conduct and reporting of an umbrella review approach
International Journal of Evidence-Based Healthcare. 13(3):132–140, SEPTEMBER 2015
https://insights.ovid.com/article/01787381-201509000-00004


分類は厳格なクライテリアに基づき、以下の如く行う

  • convincing (class I) when number of cases>1000, p<10 2="" 95="" and="" bias="" effects="" excess="" excluding="" i="" interval="" li="" no="" null="" prediction="" significance="" small-study="" the="">
  • highly suggestive (class II) when number of cases>1000, p<10 a="" and="" class="" criteria="" effect="" i="" largest="" li="" met="" not="" significant="" statistically="" study="" with="">
  • suggestive (class III) when number of cases>1000, p<10 and="" class="" criteria="" i="" li="" met="" not="">
  • weak (class IV) when p<0 .05="" and="" class="" criteria="" i="" li="" met="" not="">
  • non-significant when p>0.05.




以上の手法で、コーヒー摂取量とがんリスクの関連性を検討

白血病やら肺癌やら あやしい





コーヒー摂取量とがんリスクの相関関係に関する疫学研究結果は一貫性がない。このことから観察研究のメタ分析からの観察研究のメタ解析から既存の知見を umbrella review実施
PubMed、Embase、Web of Science、Cochraneデータベースを検索 包括的レビューのために26の癌部位の36の要約関連を含む28の個々のメタ分析を検討

用量反応分析では、5つのがんに有意な関連性が認められた。

コーヒー摂取と肝臓がんおよび子宮内膜がんのリスクとの逆相関が観察され、これは用量反応関係によって特徴付けられました。



Coffee drinking and cancer risk: an umbrella review of meta-analyses of observational studies
Long-Gang Zhao,  et al.
BMC Cancer volume 20, Article number: 101 (2020)
https://bmccancer.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12885-020-6561-9

この包括的レビューのために、26のがん部位の36の要約関連性を含む28の個々のメタ分析が取得された。
 random-effects modelでは、P≤0.05で合計17のメタ分析が有意
最高のカテゴリと最低のカテゴリでは、26の関連付けのうち4つがより厳密なP値を持った(P≤10− 6)
5つのがんの関連性は、用量反応分析で有意
ほとんどの研究(69%)は低い不均一性を示した(I2I≤50%)。

3つの関連性と6つの関連性には、それぞれ、過度の有意差バイアスと出版バイアスの証拠があった。
コーヒーの摂取量は、肝臓がんと子宮内膜がんのリスクに反比例し、用量反応関係によって特徴付けられた。
分析をコホート研究メタ分析限定した場合、実質的変化はなかった。










random-effects modelとして
正の相関:白血病、急性リンパ球性白血病、膀胱癌、肺癌
負の相関:肝癌、口腔癌、子宮体部癌、メラノーマ、食道癌、非メラノーマ皮膚癌、直腸結腸癌




2020年2月12日水曜日

降圧剤やコレステロール薬剤開始で、BMI悪化、身体活動低下などライフスタイル悪化する現象確認

血圧が高い、コレステロール値が高い→「お薬出しときますねぇ」だと、ライフスタイルへの影響無いだけでなくほっとけば悪化の可能性もありそうだ

序文から
一次予防薬開始がライフスタイルに影響を与えるかどうか、そしてどのように影響するかは不明のまま。ライフスタイルのカウンセリングは予防薬の処方に先行する必要があるため、本来、薬剤使用者は非使用者と比較して、CVDリスクと健康的なライフスタイルをよりよく認識できるはず。薬物療法の認知された有効性は、他の病気も防ぐライフスタイルを順守するインセンティブを提供することがあるはず。しかし、個人が健康的なライフスタイルの代わりに薬物を使用し、不健康なライフスタイルを継続しすることもあり、薬物療法の有効性を低下させる可能性がある。 
一方、心血管疾患や糖尿病の診断は、体重減少、身体活動の増加、アルコール消費の減少、および禁煙を含むライフスタイルの変化を引き起こすことがわかっている
高血圧症や脂質異常では一般にライフスタイル介入がないがしろにされ、一次予防薬服用でライフスタイル軽視されがちなのでは?

現象として、降圧剤やコレステロール薬剤開始が却って肥満増加や運動不足を引き起こすもとになるのかも?


Lifestyle Changes in Relation to Initiation of Antihypertensive and Lipid‐Lowering Medication: A Cohort Study
Maarit J. Korhonen , et al.
Journal of the American Heart Association. 2020;9:e014168 , Vol 9, Issue 4 February 18, 2020
Originally published5 Feb 2020https://doi.org/10.1161/JAHA.119.014168
https://www.ahajournals.org/doi/full/10.1161/JAHA.119.014168

背景
ライフスタイル修正は心血管疾患予防に関し、薬物介入の前あるいは同時進行性鍵要素である。降圧剤・脂質低下薬剤(スタチン)開始に関連したライフスタイル要素の変化を評価

研究手法と結果
この研究対象は FPS (Finnish Public Sector) studyで、ベースラインで40歳以上、心血管疾患無し、2000年から2013年に4年間隔で2回以上の連続した調査に回答したもの
薬剤使用は薬局請求データから確認
前後シリーズデータセットを使用し、BMI、身体活動、アルコール摂取、喫煙の変化を降圧剤やスタチンの薬剤開始者 8837名と非開始者 46,021名と比較

薬剤開始者は非開始者に比べ、BMIはより増加 (変化差 0.19; 95% CI, 0.16–0.22) し、身体活動は低下 (−0.09 metabolic equivalent of task hour/day; 95% CI, −0.16 to −0.02)した
肥満となる尤度、身体不活発となる尤度は、何れも治療開始群の方が高値 (odds ratio: 1.82; 95% CI, 1.63–2.03、1.08; 95% CI, 1.01–1.17)

しかし、薬剤開始者では、平均アルコール摂取量大幅低下 (−1.85 g/週; 95% CI, −3.67 to −0.14、禁煙オッズ比減少 (2回目の調査での現行喫煙オッズ比低下( 0.74; 95% CI, 0.64–0.85)


2020年2月8日土曜日

診断と管理:原発性副甲状腺機能亢進症

序文

原発性副甲状腺機能亢進症(PHPT)は、調節不全のカルシウム恒常性の一般的な障害です。 2013年の米国での発生率は、女性では100万人年あたり66人、男性では100万人あたり25人と推定されています。
1970年代にルーチンの化学パネルテストが採用されたことにより、PHPTの発見が増え、先進国での臨床症状がまれで高度に症候性の疾患から軽度で微妙な状態に変わりました。
PHPTは症候性または無症候性疾患として現れることがあります。症候性の患者は、腎臓結石および骨粗鬆症性骨折を経験します。先進国では、PHPT患者の約15%が明白な症状を呈しますが、この数字は、定期的な検査スクリーニングがあまり一般的ではない国でより高い可能性があります。
病気が偶然発見された無症候性の患者は、皮質骨ミネラル密度の低下、高カルシウム尿症、腎石灰沈着症、クレアチニンクリアランスの低下など、測定可能な終末の症状を示す場合があります。 PHPTはしばしば進行性疾患です。疾患の初期証拠のない患者の約4分の1は、診断から5年以内に終末臓器の症状を発現します。
疾患の進行の確率は、高カルシウム血症の重症度とは無関係であると思われます。
無症候性のPHPT患者は、疲労、不安、抑うつ、認知機能障害などの非特異的な症状をしばしば報告します。これらの精神神経症状は、一般集団よりもPHPT患者の方が一般的であるように見えますが、因果関係は十分に確立されていません。非常に軽度のPHPTの患者は、病気の客観的または主観的な症状を呈していない可能性があります。

早期発見の重要性が書かれている

さらに内容は・・・


JAMA Insights Clinical Update
Diagnosis and Management of Primary Hyperparathyroidism
Catherine Y. Zhu, et al.
JAMA. Published online February 7, 2020. doi:10.1001/jama.2020.0538
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2761042







NCIP:2019-nCoV関連肺炎 単一施設報告

入院適応患者に於ける単施設経験報告

院内感染、特に医療従事者への感染深刻なようである

呼吸不全以外に、不整脈やショックが多く
基礎疾患に、心血管系関連あり

症状としては 発熱>疲労感>乾性咳嗽>食思不振>筋肉痛>呼吸困難>・・・




JAMA 武漢の単一施設シリーズ報告

NCIP:2019-nCoV関連肺炎 138名入院患者

Clinical Characteristics of 138 Hospitalized Patients With 2019 Novel Coronavirus–Infected Pneumonia in Wuhan, China
Dawei Wang, et al.
JAMA. Published online February 7, 2020. doi:10.1001/jama.2020.1585
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2761044




NCIPの入院患者138人のうち、年齢の中央値は56歳(四分位範囲42〜68、範囲22〜92歳)で、75人(54.3%)は男性でした。病院関連感染は、罹患した医療専門家(40 [29%])および入院患者(17 [12.3%])の推定感染メカニズムとして疑われました。
一般的な症状には、発熱(136 [98.6%])、疲労(96 [69.6%])、および乾性咳嗽(82 [59.4%])が含まれました。
リンパ球減少症(リンパ球数、0.8×109 / L [四分位範囲{IQR}、0.6-1.1])は97人の患者(70.3%)、80人の患者(58)でプロトロンビン時間の延長(13.0秒[IQR、12.3-13.7]) %)、および55人の患者(39.9%)でLDH(261 U / L [IQR、182-403])の上昇。
胸部コンピュータ断層撮影スキャンは、すべての患者の肺に両側の斑状の影またはすりガラス状の不透明性を示しました。ほとんどの患者が抗ウイルス療法を受け(オセルタミビル、124 [89.9%])、多くの患者が抗菌療法を受けました(モキシフロキサシン、89 [64.4%];セフトリアキソン、34 [24.6%];アジスロマイシン、25 [18.1%])およびグルココルチコイド療法(62 [44.9%])。
36人の患者(26.1%)は、ARDS(22 [61.1%])、不整脈(16 [44.4%])、およびショック(11 [30.6%]) を含む合併症のために集中治療室(ICU)に移されました。。
最初の症状から呼吸困難までの時間の中央値は5.0日、入院までの日数は7.0日、ARDSまでは8.0日でした。
ICUで治療された患者(n = 36)は、ICUで治療されなかった患者(n = 102)と比較して、年齢が高く(年齢中央値、66歳対51歳)、根本的な併存疾患を有する可能性が高かった(26 [72.2% ] vs 38 [37.3%])、呼吸困難(23 [63.9%] vs 20 [19.6%])、食欲不振(24 [66.7%] vs 31 [30.4%])比率が高かった。
ICUの36症例のうち、4(11.1%)が高流量酸素療法を受け、15(41.7%)が非侵襲的換気を受け、17(47.2%)が侵襲的換気を受けました(4は体外膜酸素化に切り替えられました)。
2月3日現在、47人の患者(34.1%)が退院し、6人が死亡しました(全体的な死亡率、4.3%)が、残りの患者はまだ入院しています。退院した患者(n those = 47)のうち、入院期間の中央値は10日間でした(IQR、7.0-14.0)。






トロポニン高値、D-ダイマー高値が重症例で目立つ











すりガラス状陰影ではなく、コンソリデーションのようだけど・・・


2020年2月7日金曜日

JAMA:市中肺炎診断治療臨床ガイドラインSynopsis

市中肺炎はあくまで市中肺炎として判断しなさい・・・ということかな

もちろん目新しいものはないが・・・あらためて確認



Diagnosis and Treatment of Adults With Community-Acquired Pneumonia
Gregory Olson, et al.
JAMA. Published online February 6, 2020. doi:10.1001/jama.2019.21118
JAMA Clinical Guidelines Synopsis
JAMA February 6, 2020

https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2760882

主要推奨・レーティング


  • 医療ケア関連肺炎(HCAP:Healthcare-associated pneumonia)の分類を市中肺炎(CAP)成人の抗生剤適応範囲拡大してはならない (strong recommendation [SR]; moderate quality of evidence [QOE]).
  • 併存症や薬剤抵抗病原体リスク要素のない外来患者の治療オプションは amoxicillin (SR; low QOE) or doxycycline (conditional recommendation [CR]; low QOE). マクロライド単剤治療もCAP外来患者への意見としてあり得るが、マクロライドへの肺炎球菌抵抗性分野において25%未満 (CR; moderate QOE).
  • 併存症(慢性の心疾患、肺疾患、肝疾患、腎疾患、糖尿病、アルコール症、悪性腫瘍、無脾)ではβラクタム (amoxicillin-clavulanate or cephalosporin) +マクロライド (SR; moderate QOE)、βラクタム+ドキシサイクリン(CR; low QOE)あるいはレスピラトリーキノロン単剤 (SR; moderate QOE)の5−7日間
  • 非重症CAP・MRSAや緑膿菌のリスク要素無し入院患者に対しては、βラクタム+マクロライド (SR; high QOE)、もしくは、レスピラトリ・キノロン単剤 (SR; high QOE)、もしくはマクロライド+フルオロキノロンの禁忌の場合はβラクタム+ドキシサイクリン併用 (CR; low QOE).
  • 重症CAP・MRSAや緑膿菌リスク要素無し入院患者に対して、エンピリカルなレジメンとして、βラクタム+マクロライド(SR; moderate QOE) 、あるいは、βラクタム+レスピラトリ・キノロン (SR; low QOE)を推奨
  • 市中にてインフルエンザ流行期迅速分子分析インフルエンザ検査を施行すべき (SR; moderate QOE);インフルエンザ陽性の場合抗ウィルス治療を症状期間にかかわらず使用すべき (入院: SR; moderate QOE; outpatients: CR; low QOE)
  • 臨床医は入院 vs 外来治療の決定のための臨床推測判断を強調、特にPneumonia Severity Indexを推奨 (SR; moderate QOE)




PSI
https://www.mdcalc.com/psi-port-score-pneumonia-severity-index-cap




ドキシサイクリンの使用経験少ない理由を改めて考えてみたい
テトラサイクリン系としてミノマイシンが多く使われ、その副作用、目眩や妊娠初期への危険性などから控えているのかもしれない





2020年2月6日木曜日

成人・成長期ガイドライン:喘息・非喘息性好酸球性気管支炎による慢性咳嗽管理

喘息にしても、NAEBにしても治療としては、吸入ステロイド第1選択

cough variant asthmaに関する記載は"咳嗽は呼吸困難や喘鳴以外の喘息症状だが、単独でも存在することがある"という記述、咳嗽のみの症状の喘息

NAEBは、

background記載
「In a patient suspected  of having asthma as the primary cause of their chronic cough, but in whom physical examination and spirometry findings are non-diagnosticbronchial challenge testing (e.g.,  methacholine inhalation test) should be performed to confirm the presence of airway hyperresponsiveness consistent with symptomatic asthma.
Asthma is also typically, but not  exclusively, associated with eosinophilic inflammation and non-invasive inflammatory  markers such as blood or sputum eosinophil counts and fractional exhaled nitric oxide , The wider application of non-invasive assessment of airway inflammation led in 1989 to the  identification of a condition that manifests as a corticosteroid responsive chronic cough in  non-smokers, without the variable airway obstruction or airway hyperresponsiveness that  characterize asthma, but with a airway eosinophilia. This condition was described as non- (FeNO) can provide additional evidence to support the need for corticosteroid treatment.」
The wider application of non-invasive assessment of airway inflammation led in 1989 (Gibson PG, Dolovich J, Denburg J, Ramsdale EH, Hargreave FE. Chronic cough: eosinophilic bronchitis without asthma. Lancet 1989; 1(8651): 1346-8.) to the identification of a condition that manifests as a corticosteroid responsive chronic cough in non-smokers, without the variable airway obstruction or airway hyperresponsiveness that characterize asthma, but with a airway eosinophilia.
This condition was described as non-asthmatic eosinophilic bronchitis (NAEB).
ということで、変動する気道閉塞やairway hyperresponsiveness が無いことが条件
気道過敏性試験がネックとなる




Managing Chronic Cough due to Asthma and NAEB in Adults and Adolescents: CHEST Guideline and Expert Panel Report
CHEST Expert Cough Panel
https://doi.org/10.1016/j.chest.2019.12.021
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0012369220300453




1.In adult and adolescent patients with chronic cough due to asthma, we suggest that non-invasive measurement of airway inflammation has clinical utility and the presence of eosinophilic airway inflammation is likely to be associated with a more favorable response to corticosteroids (Grade 2B).

Remarks: The evidence supporting a role for non-invasive measurement of airway inflammation in asthma, especially severe asthma (ATS/ERS Guideline), in predicting a beneficial response to corticosteroids is moderate. However, cough-specific studies in asthma are limited as this symptom is not included as a specific symptom of asthma control and is generally not captured independently of other symptoms in most studies of asthma. 


2.  In adult and adolescent patients with chronic cough due to asthma as a unique symptom (cough variant asthma [CVA]) we suggest that inhaled corticosteroids should be considered as first line treatment. If response is incomplete in those with CVA or if cough is the  remaining isolated symptom following treatment with inhaled corticosteroids in patients with   asthma in whom cough was one of their symptoms we suggest stepping-up the inhaled corticosteroid dose and considering a therapeutic trial of a leukotriene inhibitor after  reconsideration of alternative causes of cough. Beta-agonists could also be considered in  combination with ICS. (Grade 1B).

Remarks: The evidence base supporting the step-wise treatment for asthma is very strong (as per the Global Initiative for Asthma, GINA), whereas cough-specific studies in asthma are  limited as this symptom is not captured independently of other symptoms in most studies of  asthma. The grade thus reflects the very strong evidence for step-wise treatment of asthma in   general rather than specifically for cough. 


3. In adult and adolescent patients with chronic cough due to non-asthmatic eosinophilic bronchitis (NAEB), we suggest inhaled corticosteroids as first-choice treatment (Grade 2B).

Remarks: There are very few therapeutic trials in NAEB and all include small numbers of  subjects, making this a weak recommendation.

4. In adult and adolescent patients with chronic cough due to NAEB if response to ICS is   incomplete, we suggest stepping-up the inhaled corticosteroid dose and considering a therapeutic trial of a leukotriene inhibitor after reconsideration of alternative causes of cough   (Grade 2C).

Remarks: There are very few therapeutic trials in NAEB and all include small numbers of subjects making this a weak recommendation.


2019nCoV 無症候感染への疑義

無症候感染が存在しないか、稀な現象なら検疫やisolationはかなり有効なはず
存在が普通なら封じ込め困難


世界が注目している事象だから、慎重であってほしい






Study claiming new coronavirus can be transmitted by people without symptoms was flawed
By Kai Kupferschmidt Feb. 3, 2020 , 5:30 PM
https://www.sciencemag.org/news/2020/02/paper-non-symptomatic-patient-transmitting-coronavirus-wrong







NEJM Coronavirus Transmission Research Questioned
Report says letter about asymptomatic transmission in Germany has errors
by Molly Walker, Associate Editor, MedPage Today
February 04, 2020
https://www.medpagetoday.com/infectiousdisease/publichealth/84688


ドイツのnCoV無症候伝播に疑念


Asymptomatic transmission of the novel coronavirus in Germany was called into doubt on Monday when an article appeared to question the research behind it.

Science magazine detailed errors in the New England Journal of Medicine (NEJM) research letter published last Thursday. The letter reported that asymptomatic transmission of novel coronavirus occurred in Bavaria, Germany, when several co-workers of an asymptomatic woman traveling from China contracted the virus.

The letter, and several media reports, said that the woman wasn't sick when she was in Germany and only began to feel ill on the plane ride home. Turns out that wasn't quite true.

Researchers who wrote the NEJM letter did not speak to the woman herself, according to Science. But after she spoke to officials from the Robert Koch Institute, Germany's public health agency, and Bavarian officials, she said that she "felt tired, suffered from muscle pain," and took fever-lowering medication while in Germany.

While Germany's health agency spokes people would only confirm that the woman had symptoms, the Robert Koch Institute has submitted a letter to NEJM, presumably to correct the record.

China has claimed to have data showing asymptomatic transmission occurring within the country, but U.S. health officials previously said that they did not have enough data to make that claim. That appeared to change after the publication of the NEJM letter.

Indeed, asymptomatic transmission outside China was alluded to when the U.S. declared a public health emergency for novel coronavirus on Friday. And on Saturday, the World Health Organization (WHO) reported "third-generation" transmission of the virus in Germany.

Science said that WHO officials and European partner agencies have been notified with the new information. As of Tuesday, NEJM has not published a letter of correction.

LAST UPDATED 02.04.2020


ドイツでの新規コロナウイルスの無症候性伝播は、その背後にある研究に疑問を呈する記事が掲載された月曜日に疑念を呼んだ。

科学雑誌は、先週木曜日に発行されたニューイングランドジャーナルオブメディシン(NEJM)の研究レターの誤りを詳述しました。手紙は、中国から旅行している無症候性の女性の数人の同僚がウイルスに感染したときに、ドイツのバイエルン州で新規コロナウイルスの無症候性伝播が起こったと報告した。

手紙といくつかのメディアの報道は、彼女がドイツにいたとき、女性は病気ではなく、飛行機に乗って病気になっただけだと言った。それはまったく真実ではなかったことが判明しました。

科学によると、NEJMの手紙を書いた研究者は女性自身と話をしなかった。しかし、彼女はドイツの公衆衛生機関であるロバートコッホ研究所の職員とバイエルンの職員に話した後、彼女は「疲れて筋肉痛に苦しみ」、ドイツにいる間に発熱を抑える薬を服用したと言った。

ドイツの保健機関の広報担当者は女性に症状があることを確認するだけでしたが、ロバートコッホ研究所はおそらく記録を修正するためにNEJMに手紙を提出しました。

中国は国内で発生している無症候性の感染を示すデータがあると主張しているが、米国の保健当局は以前、その主張をするのに十分なデータがないと述べた。これは、NEJMレターの発行後に変化するように見えました。

実際、金曜日に米国が新規コロナウイルスの公衆衛生上の緊急事態を宣言したとき、中国国外での無症候性感染が示唆されました。そして土曜日に、世界保健機関(WHO)はドイツでのウイルスの「第三世代」伝播を報告しました。

科学は、WHOの役人とヨーロッパのパートナー機関は新しい情報で通知されたと述べた。火曜日の時点で、NEJMは修正通知を発行していません。








February 5, 2020
2019 Novel Coronavirus—Important Information for Clinicians
Carlos del Rio, MD1; Preeti N. Malani, MD, MSJ2,3
JAMA. Published online February 5, 2020. doi:10.1001/jama.2020.1490
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2760782







遺伝的シーケンシングデータから、ヒトへの単一の導入とそれに続くヒトからヒトへの広がりがあったようです。この新しいウイルスは、SARS-CoVと遺伝的配列の79.5%を共有し、コウモリコロナウイルスに96.2%の相同性を有する。 2さらに、2019-nCoVは、SARS-CoVと同じ細胞エントリー受容体ACE2を共有する。まだはっきりしないのは、どの動物がコウモリと人間の中間種であるかです。SARSの場合はシベット猫でしたが、MERSにとってはラクダです。2019-CoVの源はまだ不明ですが、華安水産物卸売市場の早い段階では疫学的に結びついていました。
このウイルスの潜伏期間は5.2日(95%CI、4.1-7.0)と報告されているが、6は14日と長くてもよいという示唆がある。伝染がいつ始まるかは不明であり、無症候性期の間に伝染を示唆する症例が報告されているが、二次的な症例の大半は症候性の個人から来る可能性が高い。
臨床症候群は非特異的であり、大部分の患者では発熱および乾燥咳が特徴であり、約3分の1が息切れを経験している。一部の患者は、このような筋痛、頭痛、喉の痛み、下痢などの他の症状を持っています7.患者の年齢の中央値は49歳から56歳である。 小児の症例はまれである。ほとんどの症例は軽度であるように見えるが、病院に入院したすべての患者は、胸部X線に浸潤し、胸部コンピュータ断層撮影に対する地上ガラスの不透明度を伴う肺炎を有する。 患者の約3分の1はその後急性呼吸窮迫症候群を発症し,集中治療室での治療が必要となった。これは、糖尿病や高血圧などの併存状態の患者に特に当てはまります。
患者が発熱や呼吸器症状(特に乾いた咳)を呈した場合、臨床医は詳細な旅行履歴を取得する必要があります。患者が過去14日間に湖北省への旅行の履歴を持っている場合、彼らはperson under investigation (PUI) とみなされるべきです(図)。




“厚労省、新型肺炎の検査対象拡大 発熱とせきなども 潜伏期間10日間に見直し”は再修正してた方が良いのでは?

WHO(とそのOBさんたち)が全く信用できないことは改めて明らかになったわけだし・・・

2020年2月5日水曜日

AKCEA-APO(a)-LRx 研究:Lp(a)へのアンチセンス治療臨床トライアル

アンチセンスオリゴヌクレオチド(antisense oligonucleotide: ASO)は特定の分子に特異的に作用する分子標的薬である。
ノンコーディングRNAなど相補的結合するオリゴヌクレオチドも生物学的機能の役割を果たしていることが判明してきているが、miRNAに相補的配列を有するいくつかのオリゴヌクレオチドはmiRNA阻害薬として利用されてきている。mRNAやpre-mRNA、miRNAなどの一本鎖RNAと配列特異的に二重鎖形成し、その阻害をするオリゴヌクレオチドはアンチセンス拡散と呼ばれることが多い。


ランダム化二重盲検プラシーボ対照化、dose-ranging trial
286名の心血管疾患を有する症例でLp(a) 60 m/dL以上症例


hepatocyte-directed antisense oligonucleotide AKCEA-APO(a)-LRx:APO(a)-LRx

Lipoprotein(a) Reduction in Persons with Cardiovascular Disease
Sotirios Tsimikas., et al., for the AKCEA-APO(a)-LRx Study Investigators
N Engl J Med 2020; 382:244-255
DOI: 10.1056/NEJMoa1905239
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1905239



これの解説記事



Antisense Therapy Promising in Heart Disease Subset
-Investigational drug reduces a genetic risk factor for heart disease in a dose-dependent manner
by Zeena Nackerdien PhD, CME Writer, MedPage Today January 31, 2020
https://www.medpagetoday.org/cardiology/dyslipidemia/84647?vpass=1

Lp(a)はLDL類似だが、一つのジスルフィド架橋によりアポ・リポ蛋白B100と結合
酸化リン脂質にとっての重大なリポ蛋白キャリアとなり、炎症促進、血管細胞の石灰化促進的


Lp(a)値は 治療目標値標準化されてないで検査施設ばらつきがある
< 30 mg/Lが一応正常値

ライフスタイル変容により影響されない

そのためmipomerseのようなantisense oligonucleotideは第2世代antisense apolipoprotein B合成阻害剤が疾患プロセスを非活性化し、Lp(a) 20%-50%減少したことは重要




Lp(a)のような介入しがたい、先天的リスク要素への介入にアンチセンス治療が有用途なれば・・・今後の臨床の展開が面白い

2020年2月4日火曜日

トラセミドはフロセミドと比べ 心不全入院率減少する;シンプソン・パラドックスの罠


トラセミド(ルプラックなど)はフロセミドより経口バイオアビリティや半減期から効果がマイルドであろうとされるが臨床的アウトカムに関して不明


Meta-Analysis Comparing Torsemide Versus Furosemide in Patients With Heart Failure
Bishoy Abraham, et al.
the American Journal of Cardiology
Published:October 10, 2019DOI:https://doi.org/10.1016/j.amjcard.2019.09.039
https://www.ajconline.org/article/S0002-9149(19)31108-7/fulltext

19研究  (9つのRCT、 10の観察研究)、総数 19,280名 1996年1月から2019年8月までの
システマティック・レビュー
平均フォローアップ15ヶ月間にて、トラセミドは有意に心不全入院を減少(10.6% vs 対フロセミド 18.4%; odds ratio [OR] 0.72, 95% 信頼区間[CI] [0.51, 1.03], p = 0.07, I2 = 18%; number needed to treat [NNT] = 23)
トラセミドは統計学的に有意に機能改善(NYHA分類 III/IV→I/II)   (72.5% vs   対フロセミド58%; OR 2.32, 95% CI (1.32, 4.1), p = 0.004, I2 = 27%; NNT = 5)、心原因死亡率低下 (1.5% vs   対フロセミド4.4%; OR 0.37, 95% CI (0.20, 0.66), p <0 .001="" i2="0%," nnt="40)</p">
しかし、2群間の全原因死亡率と薬剤副作用に差を認めない








<0 .001="" i2="0%," nnt="40)</p">
シンプソンのパラドックス
https://ja.wikipedia.org/wiki/シンプソンのパラドックス


Forrest Plotでは、心不全原因入院 トラセミド服用 100/944、フロセミド 198/1078
これでトラセミドの対フロセミド入院減少 7.8%







<0 .001="" i2="0%," nnt="40)</p"> Rahalらはトラセミドによる心不全関連入院増加(22/45 (49%) vs 86/187(46%))、フロセミドの絶対的リスク減少は7.8%で、この研究はForrest Plotで却下され、トータルでは トラセミド群 78/899(8.6%) vs フロセミド群 112/891(12.5%)で、絶対的リスク減少7.8%から 3.9%の増加となった、このパラドックス
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これはシンプソンのパラドックスの例です。
研究結果をプールする場合、このようなパラドックスを起こすには2つの条件が必要です。含まれる研究ではイベントのベースレートが異なる必要があり(Rahhalの研究では結果の確率が高かった)、それぞれに割り当てられた患者の不均等な分布があるはずです治療法(トルセミドよりもフロセミドを投与された患者の4倍)。
次の仮想的な例は、シンプソンのパラドックスを示しています。 
いくつかの研究をまとめて、次の結果が得られたとします。 
治療Aを受けた患者の1000人中10人(1%)が利益性の結果を示し、治療Bを受けた患者1000人中10人(1%)で同じ結果であるとします。–
調査した2つの治療法に違いはありません。 次に、別の研究も追加しましたが、これも治療群の間に差異はありませんでしたが、この研究ではベースレートが高く、患者の分布が非対称でした 
治療Aを受けた100人中50人(50%)vs 治療Bを受けている300人中150人(50%)が利益性アウトカムを生じた。–
すべての結果をプールすると、次の結果が得られます。 
治療A – 1,100患者で60イベント(5.5%)、治療B – 1,300患者で160イベント(12.3%)– 
治療Aは、見かけ上、関心のある結果のリスクを減らしますが、これは誤った結論です。 
シンプソンのパラドックスは、メタ分析、サブグループ分析の実行、イベント分析までの時間などに関する研究をプールする際に、誤解を招く発見につながる可能性があります。
シンプソンのパラドックスがメタ分析で検出された場合、著者はこの問題を回避するために、粗雑なリスクではなく相対リスクまたはオッズ比をプールして報告できます。

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