2019年1月31日木曜日

中年・高齢日本人:血糖trajectoryと心血管疾患

空腹時血糖のtrajectory(痕跡)影響調査

心血管疾患発生率との関連性


Longitudinal Trajectories of Fasting Plasma Glucose and Risks of Cardiovascular Diseases in Middle Age to Elderly People Within the General Japanese Population: The Suita Study
Soshiro Ogata  , et. al.
Originally published28 Jan  2019
https://doi.org/10.1161/JAHA.118.010628
Journal of the American Heart Association.
https://www.ahajournals.org/doi/full/10.1161/JAHA.118.010628


背景
空腹時血糖(FPG)の変化情報を用い多ポイントで心血管疾患発生率との関連性を評価した研究は少ない。この研究はFPG trajectory各グループで心血管発生率評価目的

結果と知見
吹田研究ベース、住民ベースコホート研究
プライマリアウトカムは初回CVD(卒中、冠動脈疾患)イベント:1989-2013年

暴露:2年毎のFPG評価

FBS trajectory派生 joint latent class mixed model、CVD累積発生率評価とともに、これらFBS trajectoryとともに累積頻度に基づくいくつかのサブグループ分け
男性 3120、女性 3482名、17.2年間、20.2年間フォローアップ中央値間、CVD 356、243発生

Joint latent mixed modelで、男性 3グループ、女性 2グループ

男性3つのサブグループ中、第1サブグループはFPG値シャープに増加(96.5-205.0 mg/dL 年齢 40歳 → 80歳)でCVD累積発生率高い

女性2つのサブグループ中、第1サブグループ群はFPG値やはりシャープに増加(97.7-190.5 mg/dL 40歳 → 80歳)で、他のサブグループに比べやや軽度にCVD発生頻度増加

結論:心血管膝下予防のため、FPG trajectory急激増加の場合、CVDリスク要素管理上重要





Figure 1. 空腹時血糖(FBS mg/dL)のtrajectoryと心血管疾患累積頻度(男性)

best-fitted model of the joint latent mixed model

実践は平均FBS
破線: 95% CIs obtained by the Monte Carlo method

右図は心血管疾患の平均累積頻度(ベースライン年齢、BMI、収縮期血圧、非HDLコレステロール、現行喫煙・既往喫煙、アルコール飲用現行・既往


このグループ分けむずかしいなぁ

2019年1月30日水曜日

レジオネラキット「リボテスト レジオネラ」

レジオネラキット「リボテスト レジオネラ」の販売開始について
2019年1月28日 旭化成ファーマ株式会社
https://www.asahi-kasei.co.jp/asahi/jp/news/2018/me190128.html


 「リボテスト レジオネラ」は、旭化成株式会社が開発した抗体技術(L7/L12)を用いて、当社が製品化したレジオネラ症の診断補助のための迅速診断キットです。レジオネラ症はレジオネラ・ニューモフィラに代表されるレジオネラ属菌に起因する感染症ですが、レジオネラ・ニューモフィラによる感染症は進行が早く、重症化しやすいため、早期診断と適切な初期治療が重要です。従来の迅速診断キットはレジオネラ・ニューモフィラ血清型1のみを検出する目的で使用されていることから、レジオネラ・ニューモフィラのすべての血清型(1~15)が検出可能なキットの開発が望まれていました。






全ての医師が、全ての患者の発生について届出を行う感染症
4類感染症
感染症法に基づく医師及び獣医師の届出について
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-04-39.html

厚労省:Q&A
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_00393.html
レジオネラ症は、感染症法上の四類感染症に分類されております。全数報告対象であるため、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出なければいけません。



自主検査で レジオネラ属菌が検出された際の対応マニュアル (営業者用)
https://www.city.sapporo.jp/hokenjo/f3seikatu/documents/reji-manual.pdf

武田のデング熱ワクチン

Takeda dengue vaccine meets main goal of trial; detailed results to come
https://www.reuters.com/article/us-takeda-pharma-vaccine/takeda-dengue-vaccine-meets-main-goal-of-trial-detailed-results-to-come-idUSKCN1PN1JS

サノフィのDengvaxiaは既感染例での重篤化と、既にフィリピンで80万名の児童に用いられているが事前に被検者に抗体価を測定してなかったという愚のため、今回の武田 TAK-003でのデータ開示が待たれる。

フェーズⅢのTIDES試験(アジア・ラテンアメリカ:4歳から16歳、2万人)では血液サンプル採取されている。


サノフィのワクチンと武田のワクチンは異なるようだ・・・
While Sanofi’s vaccine was based on a Yellow fever virus with dengue genes added in, 
TAK-003 is based on a weakened dengue 2 virus plus genes from the three other dengue types




実は、こっちの記事の方が気になったの

https://www.reuters.com/article/us-usa-fda-korea/fda-urges-removal-of-korean-seafood-products-idUSBRE85D1NT20120614


Yahoo 関連記事
糞尿汚染水域で採取された韓国産貝類缶詰、米FDAがNO通告
1/30(水) 7:00配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190130-00000011-pseven-kr

ベンゾジアゼピン:卒中後1ヶ月以降肺炎も増加

最近台湾からの報告目立つ気がする

chronic-onset poststroke pneumoniaの意味がよく分からない
序文から・・・
肺炎は卒中後の最も多い重篤な合併症一つで、3分の1程度まで罹患する可能性、2つに発症時期で分類、急性発症は卒中後1ヶ月以内、慢性発症は1ヶ月後以降に生じる肺炎
・・・ということで、1ヶ月後からかなり期間経過後まで含む肺炎発症と思われる


台湾国内医療保険研究、ベンゾジアゼピン(BZD)と慢性的発症卒中後肺炎リスク

BZD被処方患者 3758名、非被処方 3758名の比較

4.4年間フォローアップ平均
卒中1ヶ月後肺炎リスクは BZDコホート 1,027名、非BZDコホートでは 478名
年齢、性別層別化後も有意差あり

Association between benzodiazepine use and risks of chronic-onset poststroke pneumonia: a population-based cohort study
Lin S-M, et al. BMJ Open 2019;9:e024180.
 doi:10.1136/bmjopen-2018-024180
http://dx.doi.org/10.1136/bmjopen-2018-024180




GABA modulatorとしてのベンゾジアゼピンは不眠、不安、筋痙攣、てんかんなど多くの症状対応に用いられる。ただ、肺炎リスク、sedation効果、誤嚥リスク、さらには免疫系への悪影響も示唆されている。

Pharmacological Basis and Experimental Research
Speculation linking benzodiazepines to infections originally began when multiple in vivo pharmacology studies demonstrated immune dysfunction and bacterial infections of greater frequency among rodents exposed to diazepam . Despite these results, the immunopharmacology of peripheral and central benzodiazepine GABAA receptors remains complex as other in vitro studies have shown potentiation of immune response from triazolo-benzodiazepines such as alprazolam and triazolam . This begs the question as to whether there is a true ‘class effect’ of these agents or if there are indeed indisputable immunopharmacological differences between them.
. 2017 Dec; 17(4): 493–507.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5694420/



卒中後のBZD使用はしかたない部分もあるが、肺炎リスクには注意が必要

今まで安易に使われすぎた事への重大な警告の一つだろう

2019年1月29日火曜日

ARB不足を暫定基準で対応しようとする米国FDA

昨夜、CNNをたまたまみたらこの話題やってた

FDA warns of common blood pressure medicine shortage due to recalls
Kevin Flower, CNN
Updated 0449 GMT (1249 HKT) January 27, 2019
https://edition.cnn.com/2019/01/26/health/fda-warning-shortage-valsaratn-recalls/index.html

バルサルタン、ロサルタンおよびイルベサルタンを含む降圧剤の不足

聞いたことがある、中国産原材料の問題


FDAの調査アップデート情報を元にした報道のようだ
https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm629796.htm


ARBのNDMA(N-Nitrosodimethylamine)、NDEA(N-Nitrosodiethylamine )を含むニトロソアミン不純物調査のupdate情報

標準的な検査室検査ではNDMA検出できないそうで、NDMA
NDEA試験法を新たに開発、(GC/MS) headspace method、combined headspace methodでウェブサイト上で提示している。

一応暫定許容摂取レベルを設定し、降圧剤不足をしのごうという・・・

切羽詰まった情報だが・・・日本では報道聞かないのだが・・・


厚労省はインチキ統計で忙しいだろうが、薬事ちゃんと仕事しろ!



喘息急性悪化入院・ステロイド使用では抗生剤追加投与にてアウトカム改善するか?


No!

ステロイド治療喘息急性増悪入院19,811名のコホート



Association of Antibiotic Treatment With Outcomes in Patients Hospitalized for an Asthma Exacerbation Treated With Systemic Corticosteroids
Mihaela S. Stefan,  et al.
JAMA Intern Med. Published online January 28, 2019. doi:10.1001/jamainternmed.2018.5394
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2721036

意義:喘息急性増悪治療で経験的に抗生剤使用は専門学会ガイドラインでは勧めてないが、抗生剤処方率が高いことが米国内外で記録されている

目的:喘息入院・ステロイド治療患者の抗生剤治療とアウトカムの関連性検討

デザイン、セッティング、被検者:後顧的コホート研究:喘息急性増悪・全身ステロイド投与19,811名成人患者 (542名の米国急性期病院、2015年1月1日〜2016年12月31)

暴露:入院当初2日間に最小2日間以上の抗生剤治療を早期抗生剤投与として暴露群とする

主要アウトカムと測定項目:プライマリアウトカム測定は入院期間、他の測定項目は30日内、治療失敗(人工呼吸開始、day2以降ICUへのtransfer、院内死亡率、喘息再入院)、入院コスト、抗生剤関連下痢。多変量補正、propensity scoreマッチング、propensity加重、インスツルメンツ変数解析で抗生剤治療とアウトカムの関連性検討




結果:19811名患者中、中央値[IQR]  46(34-59)歳、女性 14,389(72.6%)、白人 8771 (44.3%)、メディケア主保険 8788(44.4%)

抗生剤治療無し患者に比べ、抗生剤治療患者は、より高齢(中央値 [IQR]  48 [36-61] vs 45 [32-57] 歳)、白人に多く (48.6% vs 40.9%)、喫煙者に多く (6.6% vs 5.3%)、併存症の数多い (eg, うっ血性心不全, 6.2% vs 5.8%)ほど多い


抗生剤治療を受けた患者は、有意に入院期間長い(中央値[IQR], 4 [3-5] vs 3 [2-4] 日) 、治療失敗率は同等 (5.4% vs 5.8%)

propensity scoreマッチ化解析にて、抗生剤被治療者は、入院期間29%延長 (入院期間比 1.29; 95% CI, 1.27-1.31) 、入院コスト高い (中央値 [IQR] cost, $4776 [$3219-$7373] vs $3641 [$2346-$5942])が、治療失敗リスク差は無い (propensity score–matched OR, 0.95; 95% CI, 0.82-1.11)

多変量補正、propensityスコア加重、インスツルメンツ変数解析、いくつかの感度解析でも同様結果

結論と知見:抗生剤治療は入院期間を長期化し、入院コストを上げるが、(抗生剤治療しなくても)治療失敗リスクは同様。結果、喘息入院患者での不適切な抗生剤処方を減らすことに重点化必要


成人喘息で悪化要素は感染症があるのが常識化しているので、喘息入院で抗生剤投与というのは暗黙のうちに行われそうな治療である。さらにはCOPD急性増悪対応でレスピラトリー・キノロンの有用性(. 2017; 17: 196.)示されており、
喘息急性増悪に関してアジスロマイシンの治験(. JohnstonSL,SzigetiM,CrossM,etal;AZALEATrial Team. Azithromycin for acute exacerbations of asthma: the AZALEA randomized clinical trial. JAMA Intern Med. 2016;176(11):1630-1637. doi:10.1001/ jamainternmed.2016.5664)などなされ結果的にはネガティブな結果に終わったが、頭にこびりついている話で、抗生剤処方しないというのも勇気が必要となっていた。



SPRINT:強化降圧治療は認知症予防に役立つか?

惜しい、実に惜しい


Effect of Intensive vs Standard Blood Pressure Control on Probable Dementia
A Randomized Clinical Trial
The SPRINT MIND Investigators for the SPRINT Research Group
JAMA. Published online January 28, 2019.
doi:10.1001/jama.2018.21442


意義:  軽度認知機能障害(MCI)と認知症リスクを軽減する現在明確な治療法はない

目的:認知症リスクに対する強化降圧治療の効果評価

デザイン・セッティング・被検者:RCT 米国とプエルトリコの102ヶ所、50歳以上高血圧、糖尿病・卒中既往無し。2010年11月8日ランダム化開始。トライアルはプライマリアウトカム(心血管イベント)と全死亡率のベネフィット判明のため2015年8月20日早期中断。フォローアップ最終データは2018年6月22日まで

介入:収縮期血圧< 120 mm Hg目標(強化治療群 n=4678)と < 140 mm Hg目標(標準治療群 n=4684)

主要アウトカムと測定項目:プライマリ認知アウトカム:認知症確定診断補正発生率、セカンダリアウトカム:MCI補正発生率とMCIと認知症確定診断組み合わせ発生率

結果 9361名(平均年齢 67.9歳、女性 3332名(35.6%)をランダム化、8563名(91.5%)1年以上のフォローアップ認知機能評価施行
介入中央期間 3.34年間
フォローアップ中央値 5.11年間で、認知症確定診断補正発生は 強化群 149、標準治療群 176( 1千人年あたり 7.2 vs 8.6例:ハザード比 [HR] 0.83; 95% CI, 0.67-1.04)




強化血圧コントロール群ではMCI、MCI+認知症確定例ともに有意に減少
 1千人年あたり 14.6 vs 18.3 ; HR, 0.81; 95% CI, 0.69-0.95、 20.2 vs 24.1 ; HR, 0.85; 95% CI, 0.74-0.97


結論・知見:高血圧外来成人では血圧目標値を収縮期血圧 <120 mmHgとした方が 、目標< 140 mmHgより認知症確定診断リスクを有意に減少するという結果ではなかった。早期中断研究故認知症発生確率が少ないため、このエンドポイントに対しては検出パワー不足という結論

Trial Registration  ClinicalTrials.gov Identifier: NCT01206062





プライマリアウトカムで有意差なしのため、サブグループ差異など無視する結論

なかなか潔い

しかし、心血管疾患既往無しの場合惜しい気がする、他起立性低血圧のある場合とか・・・


この話とリンク?

Association of peripheral blood pressure with gray matter volume in 19- to 40-year-old adults
H. Lina Schaare, et al.
Neurology, First published January 23, 2019,
DOI: https://doi.org/10.1212/WNL.0000000000006947

血圧 120/80 mm Hg超は、灰白質脳量と関連する。ちょっとした血圧増加でも無症候性の脳血管疾患から有症状:MCIや認知症、卒中などの病態生理カスケードに関与する




SPRINT

Intensive vs Standard Blood Pressure Control and Cardiovascular Disease Outcomes in Adults Aged ≥75 Years
A Randomized Clinical Trial
Jeff D. Williamson, et al. ; for the SPRINT Research Group
JAMA. 2016;315(24):2673-2682. doi:10.1001/jama.2016.7050


https://kaigyoi.blogspot.com/2015/11/sprint.html

2019年1月26日土曜日

COPD:スタチンの役割 死亡率軽減、肺高血圧への効果も・・・ ローコール圧勝?

COPDにおける死亡率、炎症性要素、肺機能指数
スタチン使用の有効性についてnetwork meta-analysis施行



Effectiveness of long-term using statins in COPD – a network meta-analysis
Yongbin Lu, et al.
Respiratory Research201920:17
https://doi.org/10.1186/s12931-019-0984-3
Received: 31 July 2018Accepted: 13 January 2019Published: 23 January 2019


General meta-analysis で、スタチン使用による、全死亡率、心疾患関連死亡率、COPD急性増悪(AECOPD)のリスク軽減が示された(各々  RR (95% CI) : 0.72 (0.63,0.84)、 0.72 (0.53,0.98) 、 0.84 (0.79,0.89))




Fig. 1
Forest plot showing effect of statins on all-cause mortality in COPD patients


スタチン使用は、CRP、肺高血圧(PH)減少(SMD (95% CI)  − 0.62 (− 0.52,-0.72) 、0.71 (− 0.85,-0.57)


Network meta-analysis でフルバスタチン (97.7%)、アトルバスタチン(68.0%)、  ロスバスタチン(49.3%) が他のスタチン群より累積確率としてCRP減少に有意に相関

フルバスタチン (76.0%) とアトルバスタチン (75.4%)がPHの減少に関して他のスタチンより累積確率として高い





ローコール圧勝とは・・・

COPDと心血管疾患併存症が全死亡率に重大な影響を及ぼし、COPDに関わる炎症の影響、CRPやIL-6などが予後悪化と関連する。スタチンは抗炎症作用なども期待されているところで、さらに肺高血圧への効果、6分間歩行距離増加も期待されている。

スタチンの役割を示唆するネットワークメタアナリシス





揚げ物:全死亡率、心血管疾患死亡率増加

序文から、”揚げ物食品は全世界でひろく摂食されているが、揚げ物食品は調理過程として食品成分の変化をもたらす、酸化、重合、水酸化などが影響する。水分喪失・脂肪付加を伴う。さらに再利用によりさらに劣化し、揚げ物は食欲増進的に働き高カロリーをもたらす”

結論としては、揚げ物は心血管疾患、全死亡率悪化させる

discussionから
酸化水酸化にて油劣化し、リノール酸などの不飽和脂肪酸を喪失させ、トランス型脂肪酸増加。エネルギー摂取・トランス型脂肪酸摂取量を補正しても、補正できない要素がある。
一つは、終末糖化産物:AGEsで酸化ストレスや炎症を誘起、また、アクリルアミドが心血管系疾患やがんと関連可能性。Paraoxonase(PON1など)はHDLに結合しLDL酸化を抑制するが上げることでこの活性を低下させ、動脈硬化促進的可能性






WHI研究10万名超の閉経後女性(50-79歳)
1993年9月から1998年登録、2017閻魔でフォローアップ

主要アウトカム:全死亡率、心血管疾患死亡率、がん死亡率



Association of fried food consumption with all cause, cardiovascular, and cancer mortality: prospective cohort study
BMJ 2019; 364 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.k5420
https://www.bmj.com/content/364/bmj.k5420
 (Published 23 January 2019)

フォローアップ1,914,691人年中死亡発生1 558

揚げ物食品摂取量に関し、
週1サービング以上では、摂取なしに比べ多変量補正ハザードは

  • 全死亡率:1.08 (95% 信頼区間 1.01 to 1.16)
  • 心血管死亡:1.08 (0.96 to 1.22) 


個別食品について
フライドチキンに関し、
週1サービング以上では、

  • 全死亡率: 1.13 (1.07 to 1.19)
  • 心血管死亡率:1.12 (1.02 to 1.23) 



フライドフィッシュ/シェルフィッシュに関して

  • 全死亡率:1.07 (1.03 to 1.12) 
  • 心血管死亡率:1.13 (1.04 to 1.22)


全体あるいは個別揚げ物食品摂取量は、がん死亡率との一般的関連性は示せなかった







全く関係ない私語・・・

うちでは油汚れと油処理が嫌いだといわれ天ぷら食すことが少ない。自宅では、数年前自分で揚げ物作って食べたのが最後。フライドチキンは何年も食べてない・・・。フライドポテトは元々嫌いだ。
しかし、2日前も、とんかつ食べた。月1回は食べる。鹿屋のとんかつは別格にうまいもん・・・ (死期を早めてるのかもしれないが・・・)

2019年1月24日木曜日

後天性血栓性血小板減少性紫斑病:抗–ヒト化-von Willebrand factor:Caplacizumab

NEJMは日本語訳公式あるので、最近は原則取り上げないことにしているが・・・
今回は難治性疾患の治療として重要なので、備忘録として・・・



特発性血栓性血小板減少性紫斑病の抗–ヒト化-von Willebrand factor:Caplacizumabの2重盲検対照トライアル




Caplacizumab Treatment for Acquired Thrombotic Thrombocytopenic Purpura
Marie Scully, M, et al., for the HERCULES Investigators
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1806311

【背景】後天性血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)では、vWF-切断-プロテアーゼADAMTS13の免疫機序欠乏により、vWF multimerの無制限な血小板や微小血栓への接着をもたらす。 Caplacizumabは抗–ヒト化-von Willebrand factorで、2価variable-domein-only免疫グロブリン断片で、vWF multimerと血小板のinteractionを阻害する機序

【方法】2重盲検対照トライアル、ランダム化
 TTP 145名、血漿交換中およびその後30日間
caplacizumab (10-mg intravenous loading bolus, followed by 10 mg daily subcutaneously) 
or 
placebo 

プライマリアウトカム:血小板数の正常化までの時間、その後5日以内に毎日の血漿交換が中断
鍵となるセカンダリアウトカム:以下組み合わせ:トライアル治療期間中のTTP-関連死、TTP再発、血栓塞栓イベント;トライアル中全てのTTP再発と臓器障害マーカーの正常化


【結果】
血小板数正常化期間中央値:プラセボよりもカプラチズマブで短い(2.69日[95%信頼区間{CI}、1.89〜2.83]対2.88日[95%CI、2.68〜3.56]、P = 0.01)。
そして、カプラシズマブ投与ではプラセボより血小板数の正常化確率1.55倍

複合アウトカムイベント率:プラセボよりもカプラチズマブの方が74%少ない(12%対49%、P <0.001)。
トライアル中全期間検討TTP再発率はプラセボよりカプラチズマブの方が67%少ない(12%対38%、P <0 .001="" div="">
不応性はカプラチズマブではなく、プラセボ群では3名
カプラシズマブ患者は、プラセボ患者より血漿交換が少なく、入院期間短い
最頻度有害事象:粘膜皮膚出血で カプラチズマブ群 65% vs プラセボ群 48%

試験治療期間中に、プラセボ群死亡3名、カプラチズマブ群 1名治療期間終了後脳虚血死亡










開業医川柳
ヒートショックと 得意げにしゃべる医者に ショック与えたい


2019年1月23日水曜日

アルツハイマー病発症前に血中NfL変化著明

家族性アルツハイマー病の症状出現16年前に血中の変化、特にNfLの変化が重要

アルツハイマー病発症予測可能となるかも

Serum neurofilament dynamics predicts neurodegeneration and clinical progression in presymptomatic Alzheimer’s disease
Nature Medicine, Letter | Published: 21 January 2019
https://www.nature.com/articles/s41591-018-0304-3


gene mutation (APP, PSEN1, PSEN2) の1つ以上保有DIAN(Dominantly Inherited Alzheimer's Network)被検者

血中NfL変化率は症状前から発症段階でピークとなり、MRIの脳皮質菲薄化と関連


2019年1月22日火曜日

後顧的検討COPDとのpropensity score比較:気管支拡張症患者への呼吸リハビリテーション

気管支拡張症患者への呼吸リハビリテーションは国際的ガイドラインとしては推奨されているが、その根拠は小規模トライアルとCOPDから導入された知見に基づく心許ないもの

冠水率や呼吸リハビリテーションの反応についてリアルライフデータは気管支拡張とCOPD患者では同様だろうと推定されている

superviseされた呼吸リハビリテーションプログラムを受けた213名の連続患者を1:1でCOPD同数患者を対照にpropensity scoreマッチ化

両群ともリハビリテーションプログラム完遂率 74%

ほぼ同様なのだが
漸増シャトルウォーキング距離、CRQ-dypnoea、CRQ-emotion、CRQ-mastery、CRQ-totalはほぼ同等の反応
だが、CRQ-fatigueのみが有意差あり、COPDの方が改善度高い

結論としては、気管支拡張症での呼吸リハビリテーションルーチン使用の妥当性を支持するというもの



Pulmonary rehabilitation in bronchiectasis: a propensity-matched study
Suhani Patel, et al.
European Respiratory Journal 2019 53: 1801264;
https://erj.ersjournals.com/content/53/1/1801264
DOI: 10.1183/13993003.01264-2018


2019年1月21日月曜日

骨折予防のための閉経後女性骨粗鬆症

骨粗鬆症・高齢女性治療は 今変動の時期にある 現行のコンセプトと将来展望



Treating osteoporosis to prevent fractures: current concepts and future developments
Mattias Lorentzon
First published: 18 January 2019 https://doi.org/10.1111/joim.12873
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/joim.12873

骨粗鬆症治療推進優先的論調であった!


骨折に関してはその他の要素も関連するのだろうが、加齢関連骨密度減少が高齢者の骨折リスクと関連する

Marshall DJohnell OWedel HMeta‐analysis of how well measures of bone mineral density predict occurrence of osteoporotic fracturesBMJ 199631212549.

ビスフォスフォネートとRANKL阻害剤 denosumabが広く用いられ、BMD増加・椎体骨骨折リスク 40-70%減少、非椎体骨リスク 25-40%減少、股関節リスク 40-53%減少を骨粗鬆症・高齢女性でもたらす

副作用リスクのため傾向ビスフォスフォネートは10年まで制限、zoledronic acidは6年までに限定される(本邦では結論づけされてないようだが・・・)

有効性安全性はある程度明確となっているが、高リスク状態でも治療開始に至る対象者は少ない。そのため骨折リスクをベースとしたスクリーニング、FRAXやFrcture Laison Serviceといったツールを用い治療率を高め、骨折リスクを減少させる必要がある。


最近、遺伝子組み換えパラトルモン(PTH):テリパラチド(Teriparatide))を用いた同化療法は、脊椎骨折を伴う閉経後の女性の椎体骨骨折および臨床骨折の予防においてビスホスホネートリセドロネートよりも優れていることが実証された。
 スクレロスチン抗体ロモソズマブによる治療(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1708322)は、アレンドロネートよりBMDを高度に急速に増加、骨粗鬆症の閉経後女性における脊椎骨折および非脊椎骨折の危険性の減少においてアレンドロネートよりも優れていた。
 重度の骨粗鬆症で骨折リスクが高い患者にとって、ビスフォスフォネート単独では、骨折に対する長期的な防御を提供し、BMDを回復させることはできそうにない(原文:. For patients with severe osteoporosis and high fracture risk, bisphosphonates alone are unlikely to be able to provide long‐term protection against fracture and restore BMD. )。 そのような患者にとっては、骨形成薬(例えばテリパラチド)から始まり、その後に再吸収抑制剤を投与する連続治療が、より良い長期の骨折予防を提供する可能性があり、将来の骨粗鬆症治療のゴールデンスタンダードとなるだろう。



ビスフォスフォネートに関する 顎骨壊死:ONJと非定型大腿骨骨折:AFF(atypical femur fracture)の問題
メディアレポートと相まって、FDAの警告文をきっかけに、非常に稀だが重篤な副作用のためリスクの過剰記載が結果的にネガティブな状況を引き起こした。ONJ症例の90%超は腫瘍患者で、骨粗鬆症患者でのリスクは非常に低く、10万人年対1-90で、骨粗鬆症でおnリスク要素はdentoalveolar surgery、periodontal disease、継続的経口ステロイド使用である

メタアナリシス・レビュー計算だと、ビスフォスフォネート5年間での骨折予防は100あたり1未満のAFF。AFF絶対リスクは股関節などの骨折より少ないためビスフォスフォネート長期治療であっても容認されるベネフィット/リスク比と関連するだろう。アレンドロン酸 10年間継続 vs 5年間継続、ゾレドロン酸 6年間継続 vs 3年間継続では、BMD維持レベルであり、椎体骨骨折リスク減少を示した、ただ、他部位の骨折リスクは減少示せず 。これら知見からAmerican Society for Bone and Mineral Research Task Force は、ゾレドロン酸やアレンドロン酸の3−5年後の再評価すべき推奨となっている


歯科医師からみれば、抜歯や口腔内小手術は決して稀でないし、経口ステロイド処方中の患者すら稀ではないわけだし・・・現場は困るわね


顎骨壊死検討委員会ポジションペーパーhttps://www.jsoms.or.jp/medical/work/guideline/bisphos01/


2019年1月18日金曜日

ARDS:好中球/リンパ球比率(NLR)は予後因子

全身性炎症は重症患者の疾患進行の重要な原因であり、一般に敗血症症候群と関連。炎症はARDSの発症と進行にも関連し、敗血症はARDSの進行リスクが高いことと関連。
ストレスに対する循環白血球の生理学的免疫応答は、好中球の増加とリンパ球の減少を特徴とすることが多いため、好中球とリンパ球の比(NLR)が固形腫瘍などの様々な疾患における予後マーカーであることが示されている。他、心血管疾患および慢性閉塞性肺疾患(COPD)でもNLRが重症患者の予測因子として調査されている。

重症敗血症および敗血症性ショックの研究において、NLRは28日の死亡率と独立して関連していることが報告され、NLRは、重症患者における短期死亡率と長期死亡率の両方の独立した指標であることが示されている。

そういう流れで検討


The Association Between the Neutrophil-to-Lymphocyte Ratio and Mortality in Patients With Acute Respiratory Distress Syndrome
A Retrospective Cohort Study
Li, Weijing , et. al.
Shock: February 2019 - Volume 51 - Issue 2 - p 161–167


ARDSの発症に全身性炎症関与しているが、好中球/リンパ球比(NLR)指標がその後の予後に関する炎症性マーカーとなるか?

後顧的検討

224名で、NLR 四分位比較  6.88 (4.61–7.94)、13.06 (11.35–14.89)、 20.99 (19.09–23.19)、 39.39 (32.63–50.15)

28日死亡率:  10.7%、19.6%、 41.4%、 53.6% (P < 0.001)

Cox回帰分析にてNLRは28日死亡率の有意リスク要素
参照値比較補正ハザード比 第2四分位:1.674, 95% 信頼区間 [CI], 0.462–6.063, P = 0.432 第3四分位:HR = 5.075, 95% CI, 1.554–16.576, P = 0.007 第4・四分位:HR = 5.815, 95% CI, 1.824–18.533, P = 0.003

同様傾向がICU死亡率、入院死亡率でも示された



COPDシステミック・レビュー:ビタミンD低値患者へのビタミンDサプリメント補給は中等度以上の急性増悪発生率低下の可能性

Vitamin D to prevent exacerbations of COPD: systematic review and meta-analysis of individual participant data from randomised controlled trials
Jolliffe DA, et al. Thorax 2019;0:1–9. doi:10.1136/thoraxjnl-2018-212092 1
https://thorax.bmj.com/content/early/2019/01/10/thoraxjnl-2018-212092
http://dx.doi.org/10.1136/thoraxjnl-2018-212092

背景 ビタミンDのCOPD急性増悪予防に関してRandomised controlled trials (RCTs) では未決論

被検者 メタアナリシス:変数説明要素同定のため

方法 PubMed、 Embase、 Cochrane Central Register of Controlled Trials、 Web of Science検索(2017年10月5日まで)
fixed effects modelにてメタアナリシス:年齢、性、GOLDスパイロメトリgradeとトライアル補正

結果 4つのRCT(560名被検者)を同定、個別被検者データ 469/472(99.4%)、3つのRCTから入手
COPD中等/重症急性増悪率への包括頻度へ、補足資料による影響無し (aIRR) 0.94, 95% CI 0.78 to 1.13)
事前設定サブグループ解析にて予防的効果示されたが、ベースライン25-OH D値<25 0.36="" 0.55="" 0.84="" 0.85="" 1.04="" 1.27="" 25="" 95="" airr="" ci="" for="" interaction="0.015)</p" nbsp="" nmol="" p="" to="">
ビタミンDは1回以上の重症副事象イベント発生被検者比率へ影響を与えない (adjusted OR 1.16, 95% CI 0.76 to 1.75)


結論:ベースラインで25-OHビタミンD値 25nmol/L未満の患者で、ビタミンDサプリメントは安全で、中等/重症COPD急性増悪発生率低下の可能性あり、ただし、高値の場合は効果無い可能性


Trial registration number CRD42014013953.





ビタミンD採血するとすぐ査定するんだよなぁ Ca低値を確認してビタミンD欠乏症疑いと記載しても・・・
http://uwb01.bml.co.jp/kensa/search/detail/3304476

合理性のない医療保険査定がめだつ昨今・・・だれもクレーム入れないからこうなる

2019年1月15日火曜日

認知障害:脳血液関門の障害が早期マーカーとなりえる 周皮細胞の重要性

脳毛細血管の早期損傷は認知機能障害と関連すると高齢者の検討研究

脳脊髄液中のsoluble platelet-derived growth factor receptor-β は、新しい周皮細胞障害のマーカーで認知障害進行とともに増加する


血液脳関門関連毛細血管壁周皮細胞、可溶性platelet-derived growth factor receptor-β:可溶性PDGF受容体の役割の検討

ダイナミック造影磁気共鳴画像法(DCE-MRI)による動的造影剤領域的血液脳関門透過性の評価

この周皮細胞は、血液脳関門正常性維持に関与し、認知症・認知障害の初期マーカーの可能性

アミロイドβやτ蛋白の臨床応用アイディアは臨床トライアルでなかなか成果をだせない状況。新しいアイディアが必要

Blood–brain barrier breakdown is an early biomarker of human cognitive dysfunction
Daniel A. Nation,et al.
Nature Medicine (2019 Published: 


早期認知機能障害を有する161人, CDRスコア 0(正常; n = 82)、0.5(非常に軽度の認知症; n = 63)、または1(軽度の認知症; n = 16)。サンプルの平均年齢 約72歳、男性 51.6、APOE ε4対立遺伝子 44.5%

42残基アミロイドベータ:陽性または陰性、またはリン酸化タウについて陽性または陰性で層別化し、認知機能障害となりえる他の疾患、血管性認知症、血管性認知障害、パーキンソン病、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、またはその他の障害認知障害を除外


CSF中の可溶性可溶性PDGF受容体-βは、より高いCDRスコアと共に増加し、これは認知機能障害を伴う進行性周皮細胞損傷を示唆。
さらには可溶性PDGF受容体βは、アミロイドβやτ蛋白補正後でも 認知機能障害の重要な予測因子。


2019年1月12日土曜日

糖尿病網膜症:スタチン使用にてリスク減少

2型糖尿病におけるスタチン治療はその耐糖能悪化可能性のため、悪者にされがちだが・・・ 台湾住民ベースコホート研究からの報告で、37894名検討にて、スタチン服用で糖尿病網膜症発生率低下、視力障害リスク低下の報告


Association of Statin Therapy With Prevention of Vision-Threatening Diabetic Retinopathy
Eugene Yu-Chuan Kang, et al.
JAMA Ophthalmol. Published online January 10, 2019. doi:10.1001/jamaophthalmol.2018.6399
https://jamanetwork.com/journals/jamaophthalmology/article-abstract/2720491

2型糖尿病1,648,305名中研究期間中、解析利用219,359名(スタチン使用 199,760, 非使用 19,599)を検討

propensity scoreマッチ化後、
スタチン使用群 18,947名(女性 10,436名、平均{SD[ 61.5[10.8]歳))と非使用 18,947名(女性 10,430名, 61.0[11.0]歳)をフォローアップ 7.6年間比較

研究期間中
糖尿病性網膜症発症:スタチン群 2004[10.6%]、非スタチン群 2269[12.0%]、スタチン群ハザード比 [HR] 0.86, 95% CI, 0.81-0.91

同様 スタチン治療は非使用に比べ

  • 非増殖性糖尿病網膜症 HR 0.92; 95% CI, 0.86-0.99
  • 増殖性網膜症 HR  0.64; 95% CI, 0.58-0.70)
  • 硝子体出血: vitreous hemorrhage (HR, 0.62; 95% CI, 0.54-0.71)
  • 牽引性網膜剥離: tractional retinal detachment (HR, 0.61; 95% CI, 0.47-0.79)
  • 黄斑浮腫: macular edema (HR, 0.60; 95% CI, 0.46-0.79) 
  • 網膜レーザー治療 (HR, 0.71; 95% CI, 0.65-0.77)
  • 硝子体内注 (HR, 0.74; 95% CI, 0.61-0.89)
  • 硝子体切除術 (HR, 0.58; 95% CI, 0.48-0.69)

以下発生減少
  • 網膜レーザー頻度 HR, 0.61; 95% CI, 0.59-0.64
  • 硝子体内注射頻度 HR, 0.68; 95% CI, 0.61-0.76
  • 硝子体切除術頻度, 0.54; 95% CI, 0.46-0.63

スタチン治療はMACE、新規発症糖尿病性神経障害、糖尿病性下肢潰瘍発生リスク減少  (HR, 0.81; 95% CI, 0.77-0.85 , 0.85; 95% CI, 0.82-0.89 , 0.73; 95% CI, 0.68-0.78)



さて、スタチンの悪口言ってる人たちの言い分聞こうか!


2019年1月11日金曜日

SGLT2i:システミック・レビュー 

T2DMの効果
・動脈硬化性心血管疾患があれば、MACE減少効果確認
・なくても、心不全・心血管死亡リスク減少、腎病変進行抑制効果あり



SGLT2 inhibitors for primary and secondary prevention of cardiovascular and renal outcomes in type 2 diabetes: A systematic review and meta-analysis of cardiovascular outcome trials
The Lancet — Zelniker TA, et al. | January 10, 2019
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(18)32590-X

Summary
【背景】 SGLT2iの特異的心血管アウトカム・腎アウトカムの効果の程度も未だ不明で、またどの程度heterogeneityがキーのベースライン特性に基づくか不明

【研究方法】2型糖尿病患者のSGLT2iの心血管アウトカムトライアル(ランダム化、プラシーボ対照化)のシステミック・レビューとメタアナリシス
2018年9月24日までの発表PubMedとEmbase検討。データの検索と抽出は標準化されたデータ形式で行われ、矛盾は合意により解決。
有効性アウトカムは、MACE(心筋梗塞、卒中、心血管死)、心血管死亡・心不全入院、腎疾患進行。ハザード比(HRs)、95%信頼区間をトライアル横断的にpool化、有効性アウトカムはベースラインの動脈硬化疾患、心不全、腎機能程度により層別化


【結果】 3つのトライアルデータ、34,322名(動脈硬化心疾患存在 60.2%)、MACE 3342、 心血管死・心不全入院 2028、腎疾患複合アウトカム 766

SGLT2i は、動脈硬化性心血管疾患ある場合は、MACE 11% (HR 0.89 [95% CI 0.83–0.96], p=0.0014)減少
しかし、動脈硬化性心血管疾患ない場合は、減少認めず (1.00 [0.87–1.16], p for interaction=0.0501)

SGLT2iは、心血管死亡・心不全入院リスク減少 23% (0·77 [0.71–0.84], p<0 .0001="" p="">これは動脈硬化性心血管疾患有無にかかわらず同様ベネフィット、心不全既往有無にも関わらず同様



SGLT2iは腎疾患進行リスクを 45% (0.55 [0.48–0.64], p<0 .0001="" p="">
SGLT2iのベネフィットの程度は、ベースライン腎機能で変動し、心不全入院が特に減少 (p for interaction=0.0073) し、ベースラインでより重症腎疾患の婆愛腎疾患進行に関しては減少率低下  (p for interaction=0.0258)




【解釈】 SGLT2iは確立した動脈硬化性心血管疾患患者においては動脈硬化性MACEのベネフィットmoderate存在。
しかし、動脈硬化性心血管疾患の存在有無、心不全病歴有無にかかわらず心不全入院や腎障害進展抑制の十分なベネフィット認める。







この研究の前の証拠
ナトリウムグルコース共輸送体-2阻害薬(SGLT2i)は、2型糖尿病患者を対象とした大規模な心血管イベントアウトカム試験で研究されており、心血管イベントのリスクを軽減することが示されています。確立されたアテローム性動脈硬化性心血管疾患を有する患者と、複数の危険因子を有するが疾患を有さない患者の両方が、これらの試験で研究された。個々の試験では、正式な異質性は示されていないが、アテローム性動脈硬化性心血管疾患が確立されているサブグループにおける主要な有害心血管イベントでは有益性の規模が大きくなるように思われた。これらの知見に基づいて、アメリカとヨーロッパのガイドラインは、血糖コントロールの考慮とは無関係に、2型糖尿病とアテローム性動脈硬化症の心血管疾患の患者にSGLT2iの使用を推奨しています。しかしながら、複数の危険因子を単独で有する患者数およびそれらの患者における事象が少ないため、そのような不均一性について試験するための単一の試験は十分に強力ではなかった。デパグリフロジン対プラセボのDECLARE-TIMI 58試験のデータが入手可能になった時点で、確立されたアテローム性動脈硬化症の有無によって層別に分類された専用の心血管転帰試験からの心血管転帰結果をメタ分析することを計画した。
この研究の付加価値
EMPA-RET OUTCOME、CANVAS program、DECLARE-TIMI 58のデータを組み入れ、SGLT2i心血管疾患アウトカムトライアルの現行メタアナリシスで、SGLT2iの臨床的ベネフィットとして、心筋梗塞、卒中、心血管疾患のリスク減少が既存動脈硬化性心血管疾患存在下でのみ示され、多要素リスク・疾患なし群では認められなかった。心不全入院リスク減少、腎疾患進展リスク減少は、ベースラインの動脈硬化性心血管疾患の有無、心不全の有無にかかわらず十分な効果認めた

利用可能なすべての証拠の意味
これらのデータは、SGLT2は2型糖尿病で動脈硬化性心血管疾患の存在有無、心不全既往の有無にかかわらず考慮すべき薬剤で、2型糖尿病全般に、HbA1cを安全に低下させ、心不全入院や腎疾患進展を減少指せる。MACE減少は確立した動脈硬化性心血管疾患の存在下でのみ認められる。

2019年1月10日木曜日

【本邦報告】高齢者肺炎予後推定:プロカルシトニンはCRPより優れているとは言えない

数年前、PCT>>>CRPという雰囲気が蔓延していたが・・・時代は変わった?


福岡大学からの報告
高齢者・院外獲得市中肺炎の予後推定にプロカルシトニン役立つか疑念を呈した後顧的報告

プロカルシトニンは、細菌性(感染性) vs 非感染性などを鑑別し臨床的有用性、抗生剤使用に関するツールとしての役割期待されていると思うのだが、結果的に生命予後に影響与えないとするとdecision-making上の有用性低下が否めない。

産生抑制など機能的予備能低下した高齢者にでもPCT有用か?
CRPより劣性の可能性も報告されつつあり、特に高齢者では利益性

pneumonia severity index (PSI)、プロカルシトニン(PCT)、アルブミン、BMI、BNP、NT-proBNPなど

Procalcitonin is not an independent predictor of 30-day mortality, albeit predicts pneumonia severity in patients with pneumonia acquired outside the hospital
Takanori Akagi, , et al.
BMC Geriatrics201919:3
https://doi.org/10.1186/s12877-018-1008-8©  The Author(s). 2019
Received: 28 September 2018Accepted: 10 December 2018Published: 7 January 2019







CRPとPCTのみ抜き書き


2019年1月9日水曜日

新規治療法:mRNAネブライザー治療

hyperbranched poly(beta amino esters) (hPBAEs) を用い In vitro transcribed (IVT) mRNA をネブライザー投与

治療用蛋白産生メッセンジャーRNAをターゲット細胞へ運搬目的の吸入治療

Asha Kumari Patel, James C. Kaczmarek, Suman Bose, Kevin J. Kauffman, Faryal Mir, Michael W. Heartlein, Frank DeRosa, Robert Langer, Daniel G. Anderson. Inhaled Nanoformulated mRNA Polyplexes for Protein Production in Lung Epithelium.
Advanced Materials, 2019; 1805116 
DOI: 10.1002/adma.201805116


nebulized delivery of IVT‐mRNA facilitated by hPBAE vectors


非侵襲的な投与法で、核酸ベースの治療

のう胞性線維症 phase 1/2臨床トライアルの検証開始

他疾患への適応にも期待

解説:


Engineers create an inhalable form of messenger RNA
Patients with lung disease could find relief by breathing in messenger RNA molecules
Date: January 4, 2019
Source:
Massachusetts Institute of Technology
Summary:
In an advance that could lead to new treatments for lung disease, researchers have now designed an inhalable form of mRNA. This aerosol could be administered directly to the lungs to help treat diseases such as cystic fibrosis, the researchers say.
https://www.sciencedaily.com/releases/2019/01/190104104032.htm

2019年1月8日火曜日

母乳授乳期間が長いと右利きになりやすい

授乳期間が長くなると、右利きが多く、インテリジェンスが高く、頭の周囲径が大きく、言語問題が減少し、多発性硬化症減少するという以前の報告


ワシントン大学の研究


これを個別・被検者データメタアナリシスで検討
Individual Participant Data (IPD) meta-analysis 
62,129母子対

母乳授乳期間長いと人工ミルク(bottle-feeding)に比べで左利きが少ない

複雑な脳機能発達へのさらなる知見が加わった?




Breastfeeding and handedness: a systematic review and meta-analysis of individual participant data
Philippe P. Hujoel
Received 08 Jun 2018, Accepted 23 Nov 2018, Published online: 18 Dec 2018

Download citation  https://doi.org/10.1080/1357650X.2018.1555254

Laterality: Asymmetries of Body, Brain and Cognition 
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/1357650X.2018.1555254







「母乳育児が6〜9ヶ月続く必要があるという独立した証拠を提供するので、それは重要です。」というコメントだが、無理な場合もあるわけで、解釈やコメントには注意が必要だろう。




脳のことはあまりに不明なことが多い。

左脳が創造性にかかわるというmyth(神話)すら否定的・批判的

The Neuroscience of Creativity: A Q&A with Anna Abraham
The latest state of the field of the neuroscience of creativity
By Scott Barry Kaufman on January 4, 2019

https://blogs.scientificamerican.com/beautiful-minds/the-neuroscience-of-creativity-a-q-a-with-anna-abraham/

SBK: What’s the difference between “brain-to-process” and “process-to-brain” explanation of creativity?

AA: The difference there lies in directions of exploration when uncovering the brain basis of creativity. If your starting point is a process that is of especial relevance to creativity, such as improvisation, and you examine the brain correlates of the same, you will be undertaking a process-to-brain exploration. One can go the other way round as well - by starting at the level of a brain structure or brain activity pattern that is (or stands to be) of especial relevance to creativity. Let’s say we travel back in time and manage to get a hold of Mozart’s brain postmortem. Upon examining it, we discover the habenular nuclei in Mozart’s brain are atypical in some manner. We might see this as reason enough to hypothesize that Mozart’s staggering proficiency in composition may have its roots in the atypicality of this neuroanatomical structure in his brain. This would be an example of the brain-to-process exploration and it is one that has actually been adopted in the examination of Einstein’s brain.

SBK: Why does the myth of the “creative right brain” still persist? Is there any truth at all to this myth?

AA: Like most persistent myths, even if some seed of truth was associated with the initial development of the idea, the claim so stated amounts to a lazy generalization and is incorrect. The brain’s right hemisphere is not a separate organ whose workings can be regarded in isolation from that of the left hemisphere in most human beings. It is also incorrect to conclude that the left brain is uncreative. In fact even the earliest scholars who explored the brain lateralization in relation to creativity emphasized the importance of both hemispheres. Indeed this is what was held to be unique about creativity compared to other highly lateralized psychological functions. In an era which saw the uncovering of the dominant involvement of one hemisphere over the other for many functions, and the left hemisphere received preeminent status for its crucial role in complex functions like language, a push against the tide by emphasizing the need to also recognize the importance of the right hemisphere for complex functions like creativity somehow got translated over time into the only ‘creative right brain’ meme. It is the sort of thing that routinely happens when crafting accessible sound bites to convey scientific findings.

SBK: What are some of the intricacies of frontal lobe function in relation to creativity?

AA: Trying to pin down the nature of frontal lobe function in relation to creativity often feels like holding on to a slippery fish. The first thing to bear in mind is that it is a massive heterogeneous structure covering about a third of the neocortex and that different parts of the frontal lobes are involved when we engage in creative ideation. Another feature of the frontal lobe function is that damage to different parts of this brain region results in some disadvantages in creative performance but also with specific advantages. For instance, damage to the dorsolateral prefrontal cortex has been associated with more success in insight problem solving and lesions in frontopolar regions with a greater ability to overcome the constraints of salient examples when creating something new. Whether the advantages and disadvantages in creativity are rooted in which specific aspects of creative cognition are being examined, or in the location and extent of lesion site in the brain, or in the dynamics of implicated wider brain networks, are as yet unknown.

SBK: What are the differing brain correlates of insight, analogy, and metaphor cognitive processing?

AA: All these operations of creative cognition have overlapping brain correlates, but what differs are the specific brain regions that are held to be of significance in each of these processes. The role of frontal poles is emphasized in the case of analogical reasoning, the lateral inferior frontal gyrus in metaphor processing, and anterior aspects of the superior temporal gyrus in insight. A clear affirmation of the particular relevance of these brain areas for each of these processes would be to examine all of them within one experimental paradigm.


待機的手術の糖尿病周術期管理

手術期高血糖は創傷感染、肺炎、敗血症、心血管イベントなど悪化アウトカムと関連するも、良好な血糖コントロールが果たして術後死亡率を減少し、入院期間短縮、卒中などの心血管アウトカム悪化減少をもたらすかはエビデンス不十分
そんな中、JAMA insight記事で、適応しやすさ重視、効果的な高血糖周術管理のアプローチアウトライン化とのこと


Perioperative Glucose Control in Patients With Diabetes Undergoing Elective Surgery
JAMA. Published online January 7, 2019. doi:10.1001/jama.2018.20922
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2720429?


待機的手術の場合、 HbA1c 8%超なら手術先延ばしも合理的判断
代謝的非代償性状況有無にかかわらず、重度高血糖(250 mg/dL以上)は待機的手術の術後管理を要する

糖尿病患者の術前評価時、現在の血糖コントロールと薬物療法を検討し、手術の前日と午前中にどのように薬を調整するかについての説明書を患者に提供することが重要。一般に、手術の前日に、患者はメトホルミンを含むすべての投薬を続けることができます。メトホルミンによる乳酸アシドーシスまたは他の副作用について、この薬を手術前に投与する場合の懸念はほとんど根拠がない。
Recent metformin ingestion does not increase in-hospital morbidity or mortality after cardiac surgery. Anesth Analg. 2007 Jan;104(1):42-50.

手術前日に用量調整が必要となる可能性がある唯一の薬物は、夜間投与される長時間作用型基礎インスリンで、患者が不適切な高用量の基礎インスリン(1日の総インスリン用量の60%超)を摂取し、長時間の断食の間に低血糖症にかかりやすい場合は、用量を50%から75%減らす必要がある。これは、低栄養、または低血糖のリスクを高める腎不全や肝不全などの他の付随する病気の患者に特に関係がある。
2型糖尿病患者を対象とした最近の観察研究では、手術前の夕方の最適基礎インスリン投与量は通常投与量の約75%であることが示された。
Demma  LJ, Carlson  KT, Duggan  EW,  et al.  Effect of basal insulin dosage on blood glucose concentration in ambulatory surgery patients with type 2 diabetes.  J Clin Anesth. 2017;36:184-188.


図は、手術朝のインスリン量補正のアプローチの一つ



午前中手術患者では血糖と最終的糖尿病薬剤使用の時刻と量の記録がなされるべきで、低血糖(70 mg/dL未満)では食事・飲用できないならglucose tabletで治療必要。
手術前は100 mg/dL超過が望ましい。 180 mg/dLを超えるなら、rapid-acting insulinが補正的量で投与されるべきで、静注インスリン投与がなされる場合がある。皮下補充補正インスリン量と静注インスリン注入率は標準プロトコール適応されるべき。可能な限り、糖尿病患者の待機的手術は朝早く計画されるべきで空腹時間を最小化すべき。不可避なら基礎インスリン・補充インスリンが事前アウトライン化され実行されるべき。


術中管理
術中の血糖厳格管理のベネフィットは不明。血糖値を80〜100 mg / dLの正常範囲に維持するための集中的なインスリン注入療法の無作為化試験は術後合併症に好ましい影響を与えることは見出されず、より大きな有害性と関連する可能性もある。 低血糖を起こすはずのない 180 mg/dLに血糖維持することを助言する。 これは、2時間毎皮下補充用量の即効型インスリン、または1〜2時間ごとに血糖をモニター下静脈内インスリン注入によって達成。

術後管理
術後治療領域に到着したら、血糖値を再チェックし、術中のインスリン投与を見直す。 静脈内インスリン注入は術中にそれを受けた患者で継続されるべき、皮下インスリン注射が血糖値を制御するのに効果的でなかったなら静注インスリン注入開始すべき。 術後の集中的なインシュリン療法は、感染の危険性の低さならびに全体的な罹患率および死亡率と関連するが、理想的な血糖値目標は明らかではない。 他の入院患者(外科的および非外科的の両方)における研究に基づいて、100〜140 mg / dLの食前血糖および100〜180 mg / dLの無作為血糖を標的とすることが合理的であると思われる。 基礎ボーラス療法は、外科患者では追加補正式スライディングスケールインスリン単独よりも効果的であることが示されており、患者が経口栄養を再開した後に採用されるべきである。

手術期インスリンポンプ使用
インスリン注入によるCSII、血糖センサー有無を問わず、広く用いられつつあり、適切な状況下で術後basal insulin投与に用いられる。比較的短時間の手術での自己管理可能な患者にその使用は限定されるべき。基礎インスリン投与速度減少は基礎インスリン投与量の補正と同様と考えるべき。入院患者における継続的なグルコースモニタリングの信頼性を検討した研究はほとんどないため、周術期の使用は現時点での研究環境に限定されるべきである。





2019年1月7日月曜日

インフルエンザ濾胞・インフルエンザ濾胞芽(buds)

昨日日曜当番で30名弱のインフルエンザ診たわけだが・・・

インフルエンザ濾胞・インフルエンザ濾胞芽(buds)に関して・・・自信なし
2例 所見あり→インフルエンザ迅速検査陰性例あり、判断困難としたが、果たして・・・
その後迅速検査陽性だが、濾胞所見認めず5例連続など・・・まだ、自信が持てない

記載ほど感度は良いのだろうか? 特異度は良さそうな気がするが・・・



咽頭の視診所見でインフルエンザを診断する [診内研より476] (2014年11月2日)http://www.hhk.jp/gakujyutsu-kenkyu/ika/141102-100000.php



Sakuma T. ATLAS SAKUMA. 2nd edn Tokyo, Japan: Maruzen Planet, 2008.


Influenza follicles and their buds as early diagnostic markers of influenza: typical images
Akihiko Miyamoto and Shigeyuki Watanabe
Author information Article notes Copyright and License information Disclaimer
Postgrad Med J. 2016 Sep; 92(1091): 560–561.
Published online 2016 Jul 27. doi: 10.1136/postgradmedj-2016-134271
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5013091/

Reply to ‘Influenza follicles and their buds as early diagnostic markers of influenza: typical images’ and demonstration of lymphoid follicles in the posterior pharyngeal walls of patients with mycoplasmal pneumonia
Tsuneaki Kenzaka, et a.
Postgrad Med J. 2018 May; 94(1111): 311–312.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5931247/

胃ポリープの山田福富分類として起始部がなめらかで境界が明瞭でない平滑隆起型 I型ではなくII型無茎性:隆起起始部に明瞭な境界線を有するが、くびれを有さない隆起

発熱+咳嗽、筋痛、48時間未満、悪寒あるいは発汗が組み合わさったとき診断上のクライテリアの正確性向上する

肺炎マイコプラズマ感染時の2例のリンパ濾胞所見あるも、インフルエンザウィルス(アデノウィルス、エコーウィルスなどを含め)と異なり、大きく、最大10mm程にもなる、数が少なく、teardrop-外観で境界明瞭でflushingを有する

一方、インフルエンザのリンパ濾胞は 直径(2−4mm)、形状、膠着性の有無、色調で区別

2018年SNS上拡散JAMA記事


  • 個人的には本邦で拡大するオピオイド治療について懸念をもつ、転倒事故など十分検討されているかなど・・・

他、





The Most Talked About Articles of 2018

Effect of Low-Fat vs Low-Carbohydrate Diet on 12-Month Weight Loss in Overweight Adults and the Association With Genotype Pattern or Insulin Secretion: The DIETFITS Randomized Clinical Trial
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2673150
12ヶ月間減量研究、低脂肪健康食 vs 低炭水化物健康食で減量の差に違いなし、genotypeパターンやベースライン分泌能も減量への食事内容による減量効果に影響与えず。この2つの仮定の素因要因のどちらも誰にとってより良いかを識別するのに役立ちませんでした。


Health Care Spending in the United States and Other High-Income Countries
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2674671


Effect of Opioid vs Nonopioid Medications on Pain-Related Function in Patients With Chronic Back Pain or Hip or Knee Osteoarthritis Pain: The SPACE Randomized Clinical Trial
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2673971
12ヶ月疼痛関連機能に関してオピオイド治療は非オピオイド治療に比べ優越性示せず、中等度・重度慢性腰背部痛・股・膝変形性関節症に於るオピオイド治療は支持されない

Association Between Calcium or Vitamin D Supplementation and Fracture Incidence in Community-Dwelling Older Adults: A Systematic Review and Meta-analysis
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2667071(カルシウムやビタミンDサプリメントは骨折発生と関連せず)

The Proposal to Lower P Value Thresholds to .005
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2676503
 参照→ P値 0.05 → 0.005 へ https://kaigyoi.blogspot.com/2018/03/p-005-0005.html 

Neurological Manifestations Among US Government Personnel Reporting Directional Audible and Sensory Phenomena in Havana, Cuba
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2673168
後顧的シリーズ予備報告:キューバのハバナの米国政府職員の間で、持続的な認知機能、前庭機能、眼球運動機能障害。 原因不明。 関連頭部外傷歴なし、広範囲の脳ネットワーク損傷

Vitamin and Mineral Supplements: What Clinicians Need to Know
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2672264
Key Points on Vitamin and Mineral Supplements
General Guidance for Supplementation in a Healthy Population by Life Stage
  • 妊娠: 葉酸、出産前ビタミン
  • 新生児・子供:授乳児では離乳までビタミンD、4−6ヶ月齢から鉄
  • 中年以降:ビタミンB12、ビタミンD、and/or カルシウムベネフィットの可能性はある
高リスクサブグループ群のサプリメント・ガイダンス
  • Medical conditions that interfere with nutrient absorption or metabolism:
  • Bariatric surgery: fat-soluble vitamins, B vitamins, iron, calcium, zinc, copper, multivitamins/multiminerals
  • Pernicious anemia: vitamin B12 (1-2 mg/d orally or 0.1-1 mg/mo intramuscularly)
  • Crohn disease, other inflammatory bowel disease, celiac disease: iron, B vitamins, vitamin D, zinc, magnesium
  • Osteoporosis or other bone health issues: vitamin D, calcium, magnesiuma
  • Age-related macular degeneration: specific formulation of antioxidant vitamins, zinc, copper 
  • Medications (long-term use): Proton pump inhibitorsa: vitamin B12, calcium, magnesiumMetformin a: vitamin B12
  • Restricted or suboptimal eating patterns: multivitamins/multiminerals, vitamin B12, calcium, vitamin D, magnesium
a Inconsistent evidence.
The Physical Activity Guidelines for Americans
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2712935
米国人への身体活動ガイドライン(google 訳):PAGは、多数の集団のために様々な健康上の結果を改善するために身体活動の種類と量に関する情報と手引きを提供します。未就学児(3歳から5歳まで)は、成長と発達を促進するために1日を通して身体的に活動的であるべきです。 6歳から17歳までの子供や青年は、毎日60分以上の中程度から激しい運動をするべきです。成人は、少なくとも週に150分から300分の中強度の運動、または週に75分から150分の激しい強度の有酸素運動、または同等の強度と中強度の有酸素運動の組み合わせを行うべきである。彼らはまた、週に2日以上に筋肉増強活動をするべきです。高齢者は、バランストレーニングや有酸素運動、筋力増強などの多成分運動をするべきです。妊娠中および産後の女性は、週に少なくとも150分の中強度の有酸素運動をするべきです。可能な限り慢性疾患や身体障害のある成人は、成人のための重要な指針に従うべきであり、そして有酸素運動と筋力増強活動の両方を行います。勧告は、より多くを動かし、より少なく座っていることが、ほぼすべての人に利益をもたらすことを強調しています。身体活動が最も少ない個人は、中程度から活発な身体活動のわずかな増加でさえも最も利益を得ます。身体活動が多いほど、追加の利点があります。有酸素運動と筋力増強の両方の運動が有益です。

Prevalence of Prescription Medications With Depression as a Potential Adverse Effect Among Adults in the United States
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2684607
うつ副作用可能性のある薬剤処方は多いという横断研究。他剤処方がこのうつ合併症増加と関連している可能性有り。2005-2006年から2013-2014年比較で検討、3剤以上の併用の場合それ以外と比較すると、15% vs 4.7%(差 , 10.7%  [95% CI, 7.2% - 14.1%]


The Challenge of Reforming Nutritional Epidemiologic Research
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2698337
食関連ベネフィット・リスクの推定として信じがたい事象が生じるが、累積的バイアスが避けられないこの種の研究で寄与要素や選択バイアスが主に反映する。栄養的変数のほとんどはそもそも他の要素と共役関係に多く、大規模のデータセットでは一つへの変数が決定的に健康アウトカムと関連するなら他の多くの変数も有意関連性を生じることになる。ビッグデータを含むさらなる検討に伴い、栄養変数は多くのアウトカムに関連する事となった、複雑な食食行動やパターンは時系的社会的・行動的要素を伴い、現行のコホートでは栄養関連寄与要素分析に活用できる十分な情報が無い


JAMA familyの2018年トップ既読記事
https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2717471




  • JAMA Psychiatry National Trends in Suicide Attempts Among Adults in the United States
  • JAMA US Health Care Spending Compared With Other High-Income Countries
  • JAMA Cardiology Omega-3 Fatty Acid Supplements and Cardiovascular Disease Risk
  • JAMA Oncology Complementary Medicine and Survival Among Patients With Curable Cancers
  • JAMA Internal Medicine The Carbohydrate-Insulin Model of Obesity
  • JAMA Network Open Association of Opioid Use With 2016 US Presidential Voting Patterns
  • JAMA Pediatrics Association of Early Introduction of Solids With Infant Sleep
  • JAMA Neurology Association of Intracranial Hemorrhage Risk With NOACs vs Aspirin
  • JAMA Otolaryngology- Head & Neck Surgery  Alkaline Water and Mediterranean Diet for Reflux
  • JAMA Surgery Prehospital Mode of Transport and Mortality in Penetrating Trauma
  • JAMA Ophthalmology Combination Therapy for Polypoidal Choroidal Vasculopathy 
  • JAMA Dermatology Skin Cancer Diagnosis by Physician Assistants vs Dermatologists
  • JAMA Facial Plastic Surgery The Multivector Gracilis Free Functional Muscle Flap for Facial Reanimation
  • 2019年1月6日日曜日

    iOSアプリ胸部疾患臨床治験など




    Chest Post

    胸部疾患臨床治験に関する情報
    疾患毎分類:PICO形式で整理



    OncoMortality
     
    医療提供者向けの臨床意思決定支援ツールとして設計されています。これは、2018年6月にJCO Clinical Cancer Informaticsに掲載された「癌患者の死亡率予測のための実用的なツール」に基づいています。医療提供者は、癌患者の60、90、および180日死亡率のリスクを予測できます。このアルゴリズムには現在、乳がん、腎臓がん、肺がん、卵巣がん、およびその他のがんの種類が含まれています。

    2019年1月5日土曜日

    甲状腺機能正常内:TSH増加毎高血圧リスク増加

    甲状腺疾患のない正常甲状腺機能内での話だが
    TSH値 1mIU増加毎 1.09のオッズで高血圧リスク増加


    Dose–response relationship between thyroid stimulating hormone and hypertension risk in euthyroid individuals
    He, Weiweia,et al.
    Journal of Hypertension: January 2019 - Volume 37 - Issue 1 - p 144–153
    doi: 10.1097/HJH.0000000000001826

    背景: 甲状腺機能異常の心血管系への有害的影響は確立しているわけだが、甲状腺機能正常者におけるTSH値と高血圧リスクの関連性に関しては結論なし

    方法: 甲状腺機能正常者においてTSHと高血圧の相関性を住民ベース、横断研究で評価し、ロジスティクス回帰解析施行。加え、明瞭なコホート・横断研究の量反応メタ解析し、正常甲状腺機能者のTSHの高血圧リスクについて評価

    結果: 総数 2289名の甲状腺疾患を有さない正常甲状腺機能者を横断研究として登録。
    正常上限内の血清TSH値は高血圧の高リスクと関連  [オッズ比 (OR) = 1.29, 95% 信頼区間 (CI) 1.04–1.61, P = 0.023]、高血圧オッズ比は寄与要素補正後も統計学的有意性  (OR = 1.32, 95% CI 1.01–1.72, P = 0.041)

    さらに、メタ解析では、甲状腺機能正常者においてTSHと高血圧リスクにおいて明確な量反応性、TSH 1mIU/増加毎、高血圧関連オッズ比 1.09  (95% CI 1.04–1.14, P < 0.001)

    メタ解析にて、収縮期血圧、拡張期血圧のβ-係数はTSH 1 mIU/増加毎 各々  0.78 (95% CI 0.37–1.18, P < 0.001) 、 0.45 (95% CI 0.15–0.76, P = 0.004)

    結論:この研究で、甲状腺機能正常者における血中TSH値と高血圧リスクの量反応を伴う関連性の強いエビデンス示された。TSH値正常内高値の甲状腺機能正常者においては、正常TSH値内低値者より高血圧発症リスク高い



    興味ある現象だが、臨床的意義がよく分からん・・・ 誰か教えて



    2019年1月4日金曜日

    COPD:アスピリン連日使用 中等度急性増悪、呼吸困難度、QOL改善?


    COPDとアスピリン使用に関しては下記報告もある



    Aspirin Use and Respiratory Morbidity in COPD: a Propensity Score Matched Analysis in SPIROMICS
    Ashraf Fawzy, et al.  for the SPIROMICS Investigators
    CHEST journals ; Articles in Press
    DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2018.11.028
    https://journal.chestnet.org/article/S0012-3692(18)32887-3/fulltext

    【背景】COPDのアスピリン使用は、数少ないequivocalな研究のメタ回帰による全原因死亡率減少関連が示されているのみで、アスピリンのCOPD併存症への影響は不明

    【研究方法】 COPD (FEV1/FVC<70 p="">アスピリン使用は、非使用者とpropensity scoreに基づき1:1マッチ化
    アスピリン使用とAECOPD全て、中等症、重症をゼロ過剰負二項モデル zero-inflated negative binomial modelを用い相関検討
    線形あるいはロジスティクス回帰を用い、ベースラインの呼吸器症状、QOL、運動耐用との相関検討

    【結果】ベースラインで、1698名被検者中45%が連日アスピリン使用
    propensity score matchingにて、503被検者-ペア


    アスピリン使用者は、全AECOPODの発生頻度減少 (補正発生頻度比率 [IRR] 0.78, 95% 信頼区間[CI]: 0.65-0.94)
    重症では認めない (IRR 0.86, 95%CI: 0.63-1.18)が、中等症で同様影響あり

    アスピリン使用は、全SGRQスコア減少と相関 (β -2.2, 95%CI: -4.1, -0.4)し、中等・重症呼吸困難オッズ(mMRCアンケートスコア 2以上オッズ比:0.69, 95%CI: 0.51-0.93)減少、CATスコア(β -1.1; 95%CI: -1.9, -0.2) 減少と相関
    しかし、6分間歩行距離とは関連せず (β 0.7 meters; 95%CI: -14.3, 15.6)


    【結論】連日アスピリン使用は、COPD急性増悪発生率減少、呼吸困難度低下、QOL良好性と関連。
    未知あるいは残余寄与要素から考え、RCT必要






    COPD:アスピリンの(慢性気管支炎がらみ?)COPD急性増悪予防効果、ワーファリンの予後悪化作用?
    https://kaigyoi.blogspot.com/2018/05/copdcopd.html

    SPIROMICS研究: 拡張剤使用後FEV1/FVC≧0.7の現行・既往喫煙のうち有症状(CAT10以上)の病的意義明らかに
    https://kaigyoi.blogspot.com/2016/05/spiromics-fev1fvc07cat10.html

    noteへ実験的移行

    禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note