2018年2月28日水曜日

人工呼吸下ネブライザー:on demandで良い

ICUや病棟でネブライザーを四六時中行って、ゴロゴロさせているような管理を昔見かけたものだが、今はさすがに変わってきているのだろう。



粘液閉塞が合併症・死亡率と関連するだろうが、粘液線毛クリアランスは気管内挿管チューブのため阻害される。人工換気により比較的乾いた空気も粘膜の乾燥をもたらし、気道粘液産生を逆に増加する可能性がある。去痰(粘液溶解)薬の使用は侵襲的人工呼吸にベネフィットをもたらすかはエビデンス不足。却って気道抵抗増加をもたらす可能性もあり、気管支拡張剤との併用がなされる場合もある。



この報告では、アセチルシステインの気管支拡張剤との混合により、粘液クリアランスの改善、末梢気道径の改善をもたらすかの検討



24時間以内に抜管見込めない侵襲的人工呼吸922名ICU入室患者
比較 : on-demand vs routine ネブライザー (アセチルシステイン+サルブタモール)
プライマリ・アウトカム:28病日人工呼吸不要日数で、非劣性境界 -0.5日
セカンダリ・アウトカム:滞在日数、死亡率、肺合併症頻度、副事象イベント


on-demand群では 187名 41%でネブライザーを受け、 ルーチン群では 463名(99%)でネブライザーを受けた


Effect of On-Demand vs Routine Nebulization of Acetylcysteine With Salbutamol on Ventilator-Free Days in Intensive Care Unit Patients Receiving Invasive Ventilation
A Randomized Clinical Trial
David M. P. van Meenen, et al.
JAMA. Published online February 27, 2018. doi:10.1001/jama.2018.0949



922名(女性 34%; 年齢中央値 66 (IQR , 54-75歳):登録・フォローアップ完遂
28病日人工呼吸不要患者: on-demand群 21 (IQR, 0-26) vs ルーチン 20 (IQR, 0-26) (片側 95% CI, -0.00003 to 無限)

滞在期間、死亡率、肺合併症発症比率に有意差無し 


副事象イベント 13.8% vs 29.3% ; 差 , -15.5%  [95% CI, −20.7% to −10.3%]; P< .001)
内容は、頻拍性不整脈  (12.5% vs 25.9%; difference, −13.4% [95% CI, −18.4% to −8.4%]; P < .001) 、興奮 agitation (0.2% vs 4.3%; difference, −4.1% [95% CI, −5.9% to −2.2%]; P < .001)



妊娠中・授乳中のエフェドラ含有漢方「麻黄湯、葛根湯など」

減肥的薬効を謳うエフェドラ含有「ナイシトール」の宣伝に眉をひそめている医療関係者も多いと思うが、医師たち自身が、この時期になると麻黄や葛根湯などを多く処方する。


エフェドラ(Ephedra)、「マオウ」の潜在的有害性に関して多くが語られている


せめて、“「漢方」だから妊婦でも安全”という間違いだけは正すべき


Periconceptional use of weight loss products including ephedra and the association with birth defects.
Bitsko RH et al. A; National Birth Defects Prevention Study.
Birth Defects Res A Clin Mol Teratol. 2008 Aug;82(8):553-62. doi: 10.1002/bdra.20472.
全ての減量目的製品使用は、無脳症:anencephaly (aOR 2.6; 95% CI: 1.3-5.3)、右旋性大血管転位 (aOR 2.1; 95% CI: 1.1-4.3)、大動脈狭窄(aOR 3.4; 95% CI: 1.5-7.9)と相関。さらに、
エフェドラ含有製品では、無脳症aOR増加  (aOR 2.8; 95% CI: 1.0-7.3)と関連
他の減量製品は、大血管転位  (aOR 1.8; 95% CI: 1.2-2.7)、大動脈狭窄(aOR 2.1; 95% CI: 1.3-3.5)と関連


オリンピック他のスポーツ競技において、麻黄は禁止薬物
業界団体の反対に対し、米国FDAは、2003年12月に翌2004年のエフェドラ製品の中止を宣言、業界団体の訴訟を経て、中止指示撤回回避されている。
さらに、FDAはエフェドラ製品の不当表示への注意喚起行っている。

"There has been a lot of debate about the safety of ephedra and legal wrangling over its status.
In June 1997, the FDA proposed restrictions on the ephedrine content of dietary supplements, new warning labels for products that contain the active ingredients in ephedra, and a ban on combination products containing ephedra and other natural stimulants, such as guarana and cola nut, both of which contain significant amounts of caffeine. These proposals were dropped after the link between ephedra use and serious adverse effects was challenged by the General Accounting Office (GAO) and the dietary supplement industry.
According to the Dietary Supplement Health and Education Act of 1994, FDA must prove a supplement is unsafe before it can be withdrawn from the market.
 The FDA reviewed numerous adverse event reports involving ephedra-containing products, with 140 of the reports receiving in-depth clinical review by FDA and outside experts. Findings from experts outside the FDA support the FDA's initial finding that ephedra is likely the cause of many of the events noted in the reports.

 On December 30, 2003, the FDA announced the ban of ephedra products in the U.S., effective April 2004. In April 2005, the dietary supplement industry successfully challenged the FDA ban on ephedra. A year after the ban on ephedra began, a federal judge in Utah struck down the FDA's action saying that FDA didn't prove that low doses of ephedra are harmful.
In August 2006, an appeals court reversed the Utah judge's decision and upheld the FDA's ban of ephedra-containing dietary supplements.
 Ephedra use is banned by the National Collegiate Athletic Association, International Olympic Committee, and National Football League. Ephedra is sometimes marketed as a recreational drug "herbal ecstasy."
The FDA has announced that ephedra products marketed as recreational drugs are unapproved and that misbranded drugs can be taken by the authorities."
 https://www.webmd.com/vitamins-supplements/ingredientmono-847-EPHEDRA.aspx



 改めて思うに、私は妊婦や授乳中の方に、麻黄湯や葛根湯処方する勇気を持てない!

2018年2月27日火曜日

COPD:全身性酸素低下により内皮依存性血管拡張障害・心肺関連性をもたらす




COPDと心血管疾患の合併は多く、COPD患者での心血管疾患合併、死亡率増大と関わる。冠動脈性疾患(CAD)併存に関して、心筋梗塞後、CABG後、PCI後のCOPD患者での死亡率増加の報告あり、疫学的にもFEV1、重症度と心血管系リスクの関連性報告あり、潜在的メカニズムの判明が待たれている。共通するリスクである喫煙で説明できる部分もあるが、COPDの全身への影響もそのメカニズムとして考えられ、全身性炎症、酸化ストレス、低酸素血症、加齢、血管内皮変性、プロテアーゼ/アンチプロテアーゼバランス障害、全身性血管障害が現在検討中。
FEV1と、FMD急性減少障害の関連性報告、同様、血管stiffness、構造変容指標である頸動脈IMTなど関連性が安定COPD患者で報告されている。 COPDなしの喫煙社を対照にした比較でも、COPD患者での全身性血管障害報告されている。
COPD患者において、心血管疾患合併時動脈硬化によるアウトカム悪化と関連する血管内皮障害の集積性あるかどうかは不明であったがそれが明らかとなり、全身性低酸素の役割が明確化したとの報告



Oxygen dependence of endothelium-dependent vasodilation: importance in chronic obstructive pulmonary disease
Stefanie Keymel,  et al.
Arch Med Sci 2018; 14, 2: 297–306
DOI: https://doi.org/10.5114/aoms.2016.58854
https://www.termedia.pl/Oxygen-dependence-of-endothelium-dependent-vasodilation-importance-in-chronic-obstructive-pulmonary-disease,19,27223,1,1.html

序文: 冠動脈性心疾患(CAD)と慢性閉塞性肺疾患(COPD)を有する患者の合併症・死亡率増加の疫学研究あり、CADと併存COPD患者の酸素依存内皮機能の特性検討

対象と方法:COPD有無両方のCAD患者 n=33
上腕動脈(BA)の非侵襲的FMD、IMT測定、前腕血流(FBF)、laser Doppler perfusion imaging (LDPI)による皮膚微小循環還流
実験セットアップにて、血管内皮を健康ボランティア(n=5)、酸素12%、100%にて室内空気吸入比較で評価

結果: COPD は、FMD障害と相関  (3.4 ±0.5 vs. 4.2 ±0.6%; p < 0.001、 IMT 増加(0.49 ±0.04 vs. 0.44 ±0.04 mm; p <0 .01="" br="">前腕血流、LDPIは両群同等
FMDは毛細血管酸素分圧と相関(pO2, r = 0.608)
COPD患者の pO2 > 65 mmHgと pO2 65 mmHg以下のサブグループ解析にて、pO2低下患者のFMD低下  (3.0 ±0.5 vs. 3.7 ±0.4%; p < 0.01)
多変量解析にて、pO2はFMD独立指標となり、FEV1、pack-yearsと独立した相関
低酸素吸入にてFMD急性減少を生じ、100%酸素投与によって血管機能障害は回復することはない

結論:COPDを有するCAD患者では、全身性酸素低下により内皮依存性血管拡張障害を生じ、心肺関連性をもたらす。

<0 .01="" br="">血管疾患二次予防において肺治療はかなり重要であると判明







一過性低酸素に対し神経質になられても困る気がするが・・・

米国内の急性上気道感染へのステロイド使用

この時期になると、花粉症へのステロイド・デポ製剤注射が問題になる


急性上気道炎へのステロイド処方というのは、さすがに私の周りでは聞かないが、咽頭炎への有効性報告は知っているので・・・処方する場合もあるのかもしれない程度であった。米国内の医療事象もあるのだろうが、実態報告がなされていた。

一方、COPD急性増悪など正当な使用もあるので、その辺誤解広まらないでほしいとも思う。


急性上気道感染へのステロイド使用は推奨されていない。咽頭炎へのステロイドによる症状早期軽減効果報告はあるが、臨床的トライアルでの副鼻腔炎、気管支炎への有効性証明はない。副作用30日内に出現し、安全性への懸念増大。


High Frequency of Systemic Corticosteroid Use for Acute Respiratory Tract Illnesses in Ambulatory Settings
Evan L. Dvorin, et al.
JAMA Intern Med. Published online February 26, 2018. doi:10.1001/jamainternmed.2018.0103



National Ambulatory Medi- cal Care Survey (NAMCS)  2012 から 2013年

急性期同感染に対し成人外来患者の約11%にステロイド処方

地域差が激しく13.6%(南部)から8.3%中西部まで分布

多変量解析にて、COPDや喘息病歴患者が多く(オッズ比 OR, 2.62; 95% CI 2.24 - 3.06)
受診時気管支炎診断 OR, 1.73; 95% CI, 1.22 - 2.46、NP介在 OR , 1.65 95% CI< 0.79 - 3.42、physician assistant (PA) OR, 1.74; 95% CI, 0.98-3.06)

 プライマリ医介在の急性気道感染の23%でステロイド注射がなされ、注射機会の有意増加は、COPD (OR, 1.47; 95% CI, 1.31-1.64)、副鼻腔炎・耳炎(OR, 2.10; 95% CI, 1.89-2.33)、アレルギー性鼻炎 (OR, 1.42; 95% CI, 1.30-1.56)、上気道感染(OR, 1.17; 95% CI, 1.05-1.30)、気管支炎(OR, 1.82; 95% CI, 1.67-1.99)、NP介在(OR, 1.82; 95% CI, 1.67-1.99)

白人以外で少ない (eg, アフリカ系黒人 [OR, 0.88; 95% CI, 0.83-0.93])
メディケイド・メディケアで少ない[各々、OR, 0.80; 95% CI, 0.68-0.95、 0.75; 95% CI, 0.69- 0.81])
糖尿病病歴 (OR, 0.73; 95% CI, 0.67-0.79) and/or 骨粗鬆症 (OR, 0.88; 95% CI, 0.79- 0.98)で少ない
PA介在で少ないA (OR, 0.78; 95% CI, 0.71-0.86)
受診時肺炎診断で少ない (OR, 0.55; 95% CI, 0.46- 0.64)

結論:例え短期でも、ステロイドの全身への副作用はよく知られている。急性上気道感染へのステロイド使用の米国内地域的・国内的検討課題で、コストと潜在性リスクの問題がある。
ルイジアナや国内で頻度多いことが判明




COPD急性増悪においては、適応考慮の上、速やかに投与しなければならないと思うのだが・・・ SABA投与にてコントロール困難な場合は・・・

2018年2月26日月曜日

喘息小児:ライノウィルスとインフルエンザ感染では病態が違う!「asthma- augmented influenza infection」

喘息発作において、ウィルス感染がトリガーは、小児では85%、成人では40%−80%と文献記載。ライノウィルス(RV)が最も多いトリガーだが、他の呼吸器系ウィルス感染に関しては検討乏しい。一方、インフルエンザウィルス(IFV)が呼吸器感染源として代表的。



横断研究、流感症状入院1207名(6ヶ月齢〜13歳まで)検討したところ、 「asthma- augmented influenza infection」という病態存在


Distinction between rhinovirus-induced acute asthma and asthma- augmented influenza infection.
George V. Guibas  et al.
Clinical &  Experimental Allergy
DOI: 10.1111/cea.13124 View/save citation

RVは喘息様症状(喘鳴、呼吸努力、急性喘息症状)と相関するも、発熱/嘔吐は関連少ない
IFV+小児では、喘息様症状(喘鳴、呼吸努力、急性喘息症状)は少なく、発熱状況多い

喘息既往ある場合、両ウィルスとも喘鳴を誘発するも、IFVはよりgeneraliseされ、発熱、ラ音、肋間筋陥凹、リンパ節腫大など重症の臨床症症状を示す、これらは、RV喘息では見られず、全身症状は少なく、咳嗽は多い





「“インフルエンザ”に罹患したが、意外と喘鳴少なく、喘息悪化なくて安心」なんて思ったら大間違いというお話

2018年2月22日木曜日

肥満減量:健康低脂肪食 vs 健康低炭水化物食 ・・・ ガチンコ対決

健康低脂肪食 vs 健康低炭水化物食 ・・・ ガチンコ対決 勝者はいなかった

ひとつの食事療法のみが常に他の食事法より優秀とは言えない

結論
健康的な低脂肪食(HLF) vs 健康的な低炭水化物食(HLC)の比較
- 5.3 kg vs -6.0 kgでほぼ同等で有意差無し


3つの遺伝子(PPARG, ADRB2,  FABP2)からの3SNPs
low-fat-responsive、low-carbohydrate responsive genotypeとして被検者検討
仮説としては、インスリン抵抗性のあるgenotypeで低炭水化物食の有意性ありそうなものだが差を認めなかった 

いろいろ示唆に富むRCTである



"Effect of low-fat vs low-carbohydrate diet on 12-month weight loss in overweight adults and the association with genotype pattern or insulin secretion: The DIETFITS randomized clinical trial"
Gardner C, et al
JAMA 2018; DOI: 10.1001/jama.2018.0245.
https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2673150


Diet Intervention Examining The Factors Interacting with Treatment Success (DIETFITS)ランダム化トライアル:18-50歳、糖尿病なし、 509名、BMI 28-40


 The dietary interventions were described previously.10
StantonMV,RobinsonJL,KirkpatrickSM,etal. DIETFITS study (Diet Intervention Examining The Factors Interacting With Treatment Success): study design and methods. Contemp Clin Trials. 2017;53: 151-161.
 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28027950


主要ゴールは、脂肪摂取と炭水化物摂取の差を最大となるようするも、治療強度・食事・飲料の質の高さは維持することとした

開始8週間被検者は総脂肪摂取、消化性炭水化物を 20 g/dまで減らす
食事減の最大優先は、脂肪・炭水化物摂取減としてカロリーコンテンツとしての特異的食品と食品群とした、例えば、食事オイル、脂肪性肉、全脂肪乳、ナッツを健康低脂肪職群では減量。シリアル、グレイン、米、デンプン性野菜、豆を健康低炭水化物食では減少指せる。
脂肪もしくは炭水化物を摂取最小レベル到達と考えられるまで、週毎に緩徐に脂肪、炭水化物を加減する。カロリー制限の明確なインストラクションは提示しない
両群とも、1)野菜摂取は最大、2)付加糖、穀粉、トランス型脂肪は最小限、3)加工食品、エネルギー源の高い、調理済み品は極力最小


HLF食、HLC食に無作為割り付け後、管理栄養教育者を中心に22回のセッション

農産物を購入し、加工食品を購入しないようにして、空腹感や飢餓を与えないように工夫、でなければ、維持は難しい
研究終了時も、ダイエットを終了するのではなく、いずれかの食事法を選択するよう指導した。


インスリン分泌とgenotypeパターンを全被検者評価

fat感受性高い(コホート中40%)、炭水化物感受性高い(コホート中30%)、何れも感受性ない、以上の3つのSNPsの組み合わせ

HLF群では、low-fat genotype  42.6%、low-carbohydrate genotype 27.2%
HLC群では、low-fate genotype  37.5%、 low-carbohydrate genotype 31.9%


12ヶ月後、平均主要栄養素は、HFL、HLCでそれぞれ、炭水化物 48% vs 30%、蛋白 21% vs 23%、脂肪 29% vs 45%

両食事法とも、BMI、体脂肪比率、ウェスト径、脂質、血圧、インスリン・血糖値 12ヶ月後改善。しかし、HLC群は、HLF群に比べHDLコレステロール値、TG値改善


12ヶ月間の減量と、食事-genotype相関なし、食事-インスリン分泌(INS-3)相関無し (P = .20 ,  P= .47)


2つの食事群横断的にevenに副事象・重大副事象イベントあり








減量効果は、食事そのものよりコンプライアンスに依存するという既報と一致した。
一方、 genotypeにマッチすることで減容の差を有すると筆者等は考えていたとのこと





表を一部日本語訳してみた





  • BMIは有意差無いが、若干 健康的低炭水化物食の方が低下傾向とみるが・・・論文的には有意差無し
  • 脂質特性はやはり脂質制限の方がやはり低下
  • 呼吸交換比はベースライン群間差は有意でないが、ランダム化後はどのタイミングでも低脂肪食群より低炭水化物食群で低い(炭水化物は呼吸商 1.0、脂質は 0.7なので遵守性の指標でもある)







健康的な配慮ある、低炭水化物ダイエットと低脂肪食 さほど違いは無いそうだが

論文結論と異なり、脂質特性など微妙に差がでるな印象







2018年2月21日水曜日

重度飲酒は早年発症認知症リスク

フランスのコホート後顧的研究で、重度飲酒は全ての型の認知症にとって重大なリスク要素であると示唆報告。65歳未満の認知症、すなわち、早年発症認知症の5万7千名のうち、アルコール関連認知症は39%に及び、18%はアルコール使用障害



Contribution of alcohol use disorders to the burden of dementia in France 2008–13: a nationwide retrospective cohort study
Michaël Schwarzinger, et al. for the show QalyDays Study Group
The Lancet Public Health
DOI: https://doi.org/10.1016/S2468-2667(18)30022-7
www.thelancet.com/journals/lanpub/article/PIIS2468-2667(18)30022-7/fulltext


フランスの後顧的国内コホート 2008-2013年
プライマリ暴露はアルコール使用障害と主要アウトカムは認知症(ICD, 10 退院時診断コード)

2008-2013年フランス病院退院 31,624,156成人中、認知症診断 1,109,343名を検討対象

早年発症認知症 57,353(5.2%)、多くは定義でアルコール関連(22,338 [38.9%)あるいは、アルコール使用障害の付加的診断(10,115 [17.6%])

アルコール使用障害は認知症発症の修正可能なリスク要素として強力で、補正ハザード比 女性 3.34 (95% CI, 3.28 - 3.4)、男性 3.36 (3.31 - 3.41)

アルコール使用障害は男女とも認知症発症と、認知症症例定義(アルツハイマー病を含む)の高齢者研究群でも感度分析でも相関認める (補正ハザード比 1.7)

アルコール使用は、認知症発症の他のリスク要素全てに有意相関 p<0.0001




考えてみたら、認知症は高齢化社会において最大の問題と言いながら、修正しうるリスク要素である、アルコール使用は放置状況している。 認知症に関わる行政コスト増大が見込まれるなら、酒税を大幅アップし、飲酒者に行動変容をもたらす行政努力をすべきだと思う。


アジア人はそもそもアセトアルデヒド脱水素酵素欠落確率高く、フランス人よりはるかにリスキーなはずである

紅麹米サプリメントと免疫性壊死性ミオパチー


免疫性壊死性ミオパチーと食事性スタチン成分



"Immune-mediated necrotizing myopathy and dietary sources of statins"
Barbacki A, et al
Ann Intern Med 2018; doi:10.7326/L17-0620.
annals.org/aim/article-abstract/2673071/immune-mediated-necrotizing-myopathy-dietary-sources-statins



ネット記事
https://www.medpagetoday.com/cardiology/atherosclerosis/71263


自明の如く、スタチンのターゲットである酵素は、HMG-CoA reductaseだが、スタチン使用歴がなく、スタチン成分を含有するred yeast riceサプリメントも服用歴のない女性で、この酵素への抗体を有する免疫性壊死性ミオパチーの症例報告


2週以上進行性重篤筋力低下57歳女性、筋電図、筋生検検査。EUROIMMUN assayで筋関連抗体陽性、最終的に、抗HMG-CoA reductase抗体ELISA陽性


“Camargue red rice”を2カップ以上摂食する習慣があり、これには植物ステロール(phytosterol) 約2g含有、HMG-CoA Reductase阻害によるスタチン類似メカニズムが寄与するもの

仮説だが、スタチン作用のある植物ステロールも、免疫性壊死性ミオパチーの原因になるのではないかと・・・


症例は、プレドニゾロンと月毎の免疫グロブリン治療で、筋力低下・筋痛は改善
嚥下困難は1年後も残存し、ピューレ食必要な状況とのこと





示唆に富む症例報告


red riceと書かれているが、“red yeast rice”では無いかと思う。
「赤米」とは異なる、紅麹米のことではないかと・・・



以前から、「紅麹米サプリ」については、スタチン代用として注意の喚起がなされている

e.g. medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/etc/201011/517378.html

。日本国内でもモナコリンKを含む紅麹米由来または紅麹由来のサプリメントが多数市販されており、製品の状況は米国と同様と考えられる。


2018年2月20日火曜日

IL-27による結核性胸膜炎診断 ・・・胸水ADA さようなら?

優秀すぎるほどの信頼性



Diagnostic accuracy of interleukin 27 for tuberculous pleural effusion: two prospective studies and one meta-analysis
Wang W, et al. 
Thorax 2017;0:1–8. doi:10.1136/thoraxjnl-2016-209718


結核性胸膜炎におけるIL-27濃度指標の診断の正確性


北京コホート カットオフ 591.4 ng/L、曲線下面積、感度、特異度、PPV、NPVはそれぞれ  0.983 (95% CI 0.947 to 0.997)、 96.1% (86.5% to 99.5%)、 99.0% (94.7% to 100%)、 98.0 (89.4 to 99.9) 、 98.1 (93.3 to 99.8)



武漢コホートでも優秀な診断正確性確認





パイプ、葉巻でも紙巻きタバコ同様 死亡リスク増加

パイプや葉巻など、シガレット以外での喫煙リスクの情報限られている
序文での記載
葉巻使用者が米国では2000年から2015年の間に85.2%増加、1人当たりでも56.8%増加し、パイプ・タバコでは556.5%増加し、1人当たりでは455.7%と増加している、タバコ消費量全体で38.7%減少し、1人当たりでは48.1%と減少しているのにもかかわらずである。

National Cancer Institute(1998)の報告では、葉巻では口腔・喉頭・食道・肺・膵がんとの関連性指摘、シガー喫煙は心疾患や肺疾患リスク、口腔がんや食道癌のリスクはシガレットのリスクと同等と結論


実際、「葉巻やパイプタバコはシガレットより健康への悪影響少ない」 ・「酸性アルカリ性の違いで体に吸収しない」など根拠のない情報がネットにあふれている



この調査は・・・


National Longitudinal Mortality Study
長軸的住民ベース米国国内代表的健康調査とCurrent Population Survey、Tobacco Use Supplemenからのタバコ使用情報、死亡率はNational Death Index.から情報を得た
1985年研究開始時のベースラインたばこ使用情報、2011年末までの死亡率フォローアップ





Association of Cigarette, Cigar, and Pipe Use With Mortality Risk in the US Population
Carol H. Christensen, et al.
JAMA Intern Med. Published online February 19, 2018. doi:10.1001/jamainternmed.2017.8625


暴露:いずれかのタバコ((little cigar, cigarillos, large cigar)、従来からあるパイプ、シガレットの現行・既往使用、非喫煙。現行1日当たり、あるいは日常的非使用情報も収集
年齢、性別、人種/民族、教育、調査年にて推定補正


分析357,420名のうち、現行、既往喫煙は男性 79.3% - 98.0% 、性差均等に喫煙者分割(男性では現行連日喫煙 46%)、フォローアップ中 51,150死
現行のシガレットのみ喫煙者 (ハザード比 [HR], 1.98; 95% CI, 1.93-2.02)、現行のシガーのみ喫煙者s (HR, 1.20; 95% CI, 1.03-1.38) は喫煙経験無しに比べ全死亡率増加



現行シガレット喫煙のみ (HR, 4.06; 95% CI, 3.84-4.29)、現行シガー喫煙のみ(HR, 1.61; 95% CI, 1.11-2.32)、現行パイプ喫煙のみs (HR, 1.58; 95% CI, 1.05-2.38) ではタバコ関連がん(膀胱、食道、喉頭、肺、口腔、膵)死亡リスク増加


現行非連日喫煙者では、統計学的有意相関は、肺癌  (HR, 6.24; 95% CI, 5.17-7.54)、口腔がん (HR, 4.62; 95% CI, 1.84-11.58)、循環器疾患死  (HR, 1.43; 95% CI, 1.30-1.57)、心血管死 (HR, 1.24; 95% CI, 1.11-1.39)、脳血管 (卒中)死 (HR, 1.39; 95% CI, 1.12-1.74)、COPD (HR, 7.66; 95% CI, 6.09-9.64) で、連日喫煙者と同様




2018年2月19日月曜日

"引きこもり”診断のバイオマーカーって言い過ぎでは?


"Social withdrawal"は、用語であり病名ではないという批判もあるようだが、実際病態生理は未だ不明で、治療法も確立してない。

これこれ採血をしたら、「引きこもり」である採血バイオマーカーが存在すれば、診断や社会的介入、ひょっとしたら薬物治療の開発に役立つのかもしれない


ニュースで・・・

「引きこもりを診断する」血液バイオマーカーを発見、九大などの国際研究
news.livedoor.com/article/detail/14318814/
診断バイオーマーカーと紹介されている

本当?

と、思いきや 原文・論文の結論に

「 This is the first report showing possible blood biomarkers for hikikomori, and opens the door to clarify the underlying biological pathophysiology of hikikomori.」
 と書いてあとして、診断バイオマーカーとは書かれてないが、バイオマーカーの可能性と記述してある



論文: Blood biomarkers of Hikikomori, a severe social withdrawal syndrome
Kohei Hayakawa et al.
Scientific Reportsvolume 8, Article number: 2884 (2018)
doi:10.1038/s41598-018-21260-w


“引きこもり”では、対照(健康)と比べ、男女とも、avoidant personality score (回避パーソナリティ スコア)高値、男性では 尿酸低値、女性ではLDL-C低値


回避パーソナリティ特性と、血中バイオマーカー、引きこもり関連心理的特性、trust game評価による行動特性の相関性あり


回避パーソナリティ特性は、男性ではHDL-C、尿酸と逆相関、女性ではFDP、hsCRPと正相関








診断バイオマーカーというより、とっかかりのバイオマーカーですよ程度だと思うのだが・・・


診断バイオマーカーというなら、AU/ROC解析などで、感度・特異度など示してほしいものだ

2018年2月17日土曜日

米国:今年流行のインフルエンザA(H3N2):ワクチン有効性 25%



米国内では今年、インフルエンザA(H3N2型)が、インフルエンザ感染の70%を占める
このウィルス種に対する暫定的ワクチン有効性はわずか25%に過ぎない( 25% (95% CI 13%-36%))と米国CDC
https://www.medpagetoday.com/infectiousdisease/uritheflu/71181


他の種類は・・・
インフルエンザBでは 42% (95% CI 25%-56%)
インフルエンザH1N1では  67% (95% CI 54%-76%) 
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/67/wr/mm6706a2.htm

有効性低下についての解説
多くの要素が関与していて、そもそもワクチン有効性は年齢や既感染、ワクチン接種歴により異なり、若年児ではH3N2のワクチン有効性高く、ワクチンがこの世代では流行中のH3N2ウィルスへ防御有効性高いことが示されている。
卵内培養中ワクチンウィルス血液凝固蛋白の遺伝子変化がワクチン免疫反応不良へと変わった可能性があり、ヒト血清データでは、流行中細胞培養A(H3N2)の抑制効果減少が示唆された。ワクチン種によりA(H3N2)へのワクチン有効性に、卵ベースと、卵以外ベースの製造で、ばらつき認めた。




日本のワクチン メーカー毎の vaccine efficacyは現実的のどうなっているのだろう?

2018年2月16日金曜日

喘息:モノクローナル抗体製剤のImmunogenicity(免疫原性)に関する問題

モノクローナル抗体製剤のImmunogenicity(免疫原性)に関する問題


ファセンラ:Benralizumabの攻撃対象題材となるかもしれない


Immunogenicity :antidrug antibody (ADA) assay


Understanding the Supersensitive Anti-Drug Antibody Assay: Unexpected High Anti-Drug Antibody Incidence and Its Clinical Relevance
Journal of Immunology Research Volume 2016 (2016), Article ID 3072586, 8 pages
http://dx.doi.org/10.1155/2016/3072586

最近の免疫原性検査で異常に効率に免疫原性陽性率認めることがあり、完全ヒト型抗体でさえ、検出される。supersensitiveな検査から、ADAが容易に検出されるようになった。


時代背景から、喘息関連のBio製剤でも問題になってきた


Benralizumab
Out of 19 subjects treated with multiple doses of benralizumab, 4 exhibited evidence of immunogenicity (as measured by anti-drug antibodies).
In the 10-mg group, ADAs were detected in 3 subjects on day 8. One of these 3 subjects also tested positive for ADAs on day 29. No ADAs were detected after day 29.
One subject in the 75-mg group and 1 subject in the 250-mg group tested positive for ADAs on day 8; both subjects tested negative at the later times. No ADAs were detected in any subjects in the 750-mg or placebo group up to day 151 postdose. None of the samples that tested ADA positive tested positive for neutralizing activity.
Benralizumab – a humanized mAb to IL-5Rα with enhanced antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity – a novel approach for the treatment of asthma
Aasia Ghazi, et al.
Expert Opin Biol Ther. Author manuscript; available in PMC 2013 Mar 4.



Overall, treatment-emergent anti-drug antibody response developed in 13% of patients treated with FASENRA at the  recommended dosing regimen during the 48 to 56 week treatment period. A total of 12% of patients treated with  FASENRA developed neutralizing antibodies. Anti-benralizumab antibodies were associated with increased clearance of  benralizumab and increased blood eosinophil levels in patients with high anti-drug antibody titers compared to antibody  negative patients. No evidence of an association of anti-drug antibodies with efficacy or safety was observed.  The data reflect the percentage of patients whose test results were positive for antibodies to benralizumab in specific  assays. 

https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2017/761070s000lbl.pdf



ヌーカラ
Pharmacokinetics and Pharmacodynamics of Mepolizumab, an Anti–Interleukin 5 Monoclonal Antibody, in HealthyJapanese Male Subjects
Naohiro Tsukamoto, et al.
Clinical Pharmacology in Drug Development
Submitted for publication 14 January 2015; accepted 4 June 2015




Overall, 15/260 (6%) of subjects treated with NUCALA developed anti-mepolizumab antibodies. The reported frequency may underestimate the actual frequency due to lower assay sensitivity in the presence of high drug concentration. Neutralizing antibodies were detected in 1 subject receiving mepolizumab. Anti-mepolizumab antibodies slightly increased (approximately 20%) the clearance of mepolizumab. There was no evidence of a correlation between anti-mepolizumab antibody titers and change in eosinophil level. The clinical relevance of the presence of anti-mepolizumab antibodies is not known.
The data reflect the percentage of patients whose test results were positive for antibodies to mepolizumab in specific assays. The observed incidence of antibody positivity in an assay is highly dependent on several factors, including assay sensitivity and specificity, assay methodology, sample handling, timing of sample collection, concomitant medications, and underlying disease.
https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2015/125526Orig1s000Lbl.pdf


ゾレア


Immunogenicity
No  anti -therapeutic  antibodies  (ATAs ) against  omalizumab  were  detected  across  all four  CIU studies.  Overall,  adequate  clinical  pharmacology  information  was  provided  in  support  of  this  supplemental BLA. 
https://www.fda.gov/downloads/Drugs/DevelopmentApprovalProcess/DevelopmentResources/UCM393855.pdf

超加工食品:10%比率増加毎、がん全体及び乳がん10%超増加



Ultra-processed food :

archive.wphna.org/wp-content/uploads/2016/01/WN-2016-7-1-3-28-38-Monteiro-Cannon-Levy-et-al-NOVA.pdf
Group 4: Ultra-processed food and drink products 
総脂肪、飽和脂肪、糖添加・塩添加、線維成分・ビタミン少ない
栄養成分以外に、新合成構成物、その中には発癌性を有するもの、例えばアクリルアミド、ヘテロサイクリックアミン(英: Heterocyclic amine、略称: HCA)、 多環芳香族炭化水素英:polycyclic aromatic hydrocarbon、PAHなどが、熱処理された食品に生じ、メイラード反応を生じる。2つめに、発癌性・内分泌攪乱特性を有する、例えば、ビスフェノールAなど。認可されているが、議論のある、加工肉内の次亜硝酸ナトリウムなどの添加物、酸化チタン((TiO2, 白色剤)これらは動物モデル、細胞モデルで発癌性示されている


Consumption of ultra-processed foods and cancer risk: results from NutriNet-Santé prospective cohort
Thibault Fiolet, et al.
BMJ 2018; 360 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.k322 (Published 14 February 2018)

Ultra-processed food 摂取は、包括的癌リスク増加と相関 (n=2228 cases; 食品中比率10%増加毎のハザード比  1.12 (95% 信頼区間 1.06 to 1.18); P = 0.02

これらの結果は、食品中の栄養の質(主要成分分析による脂質、ナトリウム、炭水化物摂取 and/or Western patte食)に関するいくつかのマーカー補正後も有意性残存





糖質制限流行だが、加工食品や超加工食品が大量に入り込む可能性がある

RCT:変形性膝関節症へのアーユルヴェーダ”治療



変形性膝関節症へのアーユルヴェーダ”治療



Effectiveness of an Ayurveda Treatment Approach in Knee Osteoarthritis – a Randomized Controlled Trial

Christian S. Kessler,  et al.
Osteoarthritis and Cartilage
DOI: https://doi.org/10.1016/j.joca.2018.01.02
Open Access
www.oarsijournal.com/article/S1063-4584(18)30082-7/fulltext


According to

American College of Rheumatology (ACR) criteria に従い、OA患者への多施設ランダム化対照かオープンラベル・トライアル(ドイツの2病院クリニック、2プライベート外来クリニック)

multi-modal Ayurvedic treatment or multi-modal conventional care
12週間15回の治療

プライマリアウトカムは、12週後のWestern Ontario and McMaster University Osteoarthritis (WOMAC) Index
セカンダリアウトカムは、WOMAC subscale;疼痛性障害指数、疼痛経験スケール、疼痛・睡眠の質NRS(数値評価スケール)、QOL、気分、レスキュー薬剤使用、安全性評価



151名の被検者、Ayurveda n=77, 通常ケア n=74
WOMAC指数 ベースラインから12週での変化は、Ayurveda群で通常ケア群より影響大  (mean difference 61.0 [95%CI: 52.4;69.6 vs 32.0 [95%CI: 21.4;42.6]) ;群間差有意  (p<0 .001="" 0.68="" ci:0.35="" d="" effect="" ohen="" p="" s="" size="">
12週後の全てのセカンダリアウトカムも同様

効果はフォローアップ6ヶ月、12ヶ月後維持



変形性関節症への漫然と行われている日本での“整形リハビリ"よりは、科学的根拠ありと言わざる得ない・・・と書こうと思ったが・・・ 反発ありそうで書き込まない

2018年2月15日木曜日

米国FDA認可: 軽症外傷性頭部損傷(mTBI)評価のための血液検査 Banyan BTI

軽症外傷性頭部損傷(mTBI)評価のための採血検査
(Banyan BTITM )https://www.banyanbio.com/) 
マーケッティング米国FDA許可

CT放射線被曝の必要性が減少することを評価された
FDA News Release
https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm596531.htm
UCH-L1 :  ubiquitin carboxy-terminal hydrolase L1
GFAP : glial fibrillary acidic protein


頭部外傷後12時間内に評価
3-4時間で結果判明


根拠トライアル:  ALERT-TBIトライアル
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT01426919







これら検査は、必ずしも疾患特異的ではないらしい

 Glial Fibrillary Acidic Protein and Ubiquitin C-Terminal Hydrolase-L1 Are Not Specific Biomarkers for Mild CT-Negative Traumatic Brain Injury
To cite this article:
Posti Jussi P.,  et al. , and TBIcare Investigators.
Journal of Neurotrauma. April 2017, 34(7): 1427-1438. https://doi.org/10.1089/neu.2016.4442




<バイオマーカー解説>

Biomarkers of Traumatic Brain Injury: Temporal Changes in Body Fluids
Harel Adrian,  et al.
eNeuro 8 December 2016, 3 (6) ENEURO.0294-16.2016;
DOI: https://doi.org/10.1523/ENEURO.0294-16.2016
http://www.eneuro.org/content/3/6/ENEURO.0294-16.2016






日本で認可されると、交通外傷、スポーツ外傷、日常外傷などに影響をもたらすことだろう。高齢者転倒・頭部打撲って結構多い

乳幼児期感染とIQと精神疾患の関連








入院必要な小児期感染症と、IQ及びNAPとの関連性の報告
住民ベース長軸コホート研究(スウェーデン)

感染:誕生から13歳までの感染症入院



Association of Childhood Infection With IQ and Adult Nonaffective Psychosis in Swedish Men
A Population-Based Longitudinal Cohort and Co-relative Study
Golam M. Khandaker,  et al.
JAMA Psychiatry. Published online February 14, 2018. doi:10.1001/jamapsychiatry.2017.4491
https://jamanetwork.com/journals/jamapsychiatry/fullarticle/2671412

フォローアップ終了'(2011年)時点での被検者年齢 平均(SD)  30.73(5.3)歳
感染、特に小児若年期での感染は、IQ低下と関連 (補正化差平均 誕生から1歳 : –1.61; 95% CI, −1.74 to −1.47) 、成人NAPのリスク増加と関連  (a補正化差平均 誕生から1歳 :  1.19; 95% CI, 1.06 to 1.33)
発症前IQと成人NAPと線形相関あり、前駆期prodromal症例除外後も相関性維持  (補正ハザード比 / IQ 1ポイント増加毎: 0.976; 95% CI, 0.974 to 0.978).

感染とNAP、IQ-NAP相関は一般住民でも、暴露不一致のfull-sibilingペア(生物学的両親同一の子供)でも同様
感染とNAPの相関は共に中等  (乗数的, β = .006; SE = 0.002; P = .02 、加算的, β = .008; SE = 0.002; P = .001) で、IQにより mediated (β = .028; SE = 0.002; P < .001)

 小児期感染はNAPリスクと、低IQレンジで、高IQレンジに比べかなり相関する







小児期、特に、1歳未満の感染症はその後の精神疾患、IQに関連するという報告





日本語訳がみつからない


Nonaffective psychosis (NAP):Denoting or relating to mental disorders which are not characterized by disturbance of mood.
These psychoses have been named differently in different countries, including cycloid psychosis in German-speaking countries, bouffée délirante in French-speaking countries, and reactive or psychogenic psychosis in Scandinavian countries [2]. These psychoses are also classified very differently in the two common classification systems, the American Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders (DSM-IV) [3] and the International Classification of Disease (ICD-10) [4].
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3662493/


情動障害: affective disorderなので、情緒・・・としそうだが、一方、統合失調気分障害という時にもaffectiveを使うため・・・ますます混沌

2018年2月14日水曜日

イブプロフェンなどOTC薬乱用めだつ

米国内の話だから、日本では通用しないかもしれない。
ただ、イブプロフェンのCMかなり多く流れている昨今、他人事ではないのかもしれない


NSAIDsは、消化管出血や心発作のような重篤な副作用を引き起こす可能性があるが、医療監視下で使用されるわけではない。しかしながら、成人の約15%がイブプロフェン(Motrin、Advil)、アスピリン、ナプロキセン(Aleve)、セレコキシブ(Celebrex)、メロキシカム(Mobic)、ジクロフェナク(Voltaren)などのNSAIDを服用している




Exceeding the daily dosing limit of nonsteroidal anti-inflammatory drugs among ibuprofen users
David W. Kaufman, et al.
PDS 26, Jan. 2018
DOI: 10.1002/pds.4391  View/save citation
onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/pds.4391/abstract

NSAIDは効果的で頻用薬剤でもあるが、副作用も有する。現行イブプロフェン使用者の間の、一日投与上限超え(EDL: exceedin the daily limit)の頻度と、関連使用者特性と投与パターンについての検討


1326名のイブプロフェン使用者オンラインの1週間調査。NSAIDsはlist-besedのpromptingにて同定;回答者には医薬品がNSAIDsであるとの認識は不問
回答日記に時間毎使用詳細記録
投与指示無視判断はプログラム的に後に決定
出口調査として住民統計指標、医薬品既往、身体、メンタル的健康状態、注意書きを読むか(label reading)や服薬行動への態度、製品注意書き指示への知識を含む


日誌回答者の多くはOTCイブプロフェン使用、イブプロフェン外NSAIDsは37%
多くはNSAIDsとして全ての薬剤商品を認識せず
上限投与量超え(EDL)は、イブプロフェンの11%、他のNSAIDsは4%、NSAID使用日数の9.1%で生じている
EDLは、詳細注意事項からの逸脱、特に1回投与量からの逸脱で、1-pill doseの服薬でその機会が多い。
EDLと関連するパーソナル特性は、男性、疼痛継続、身体機能悪化、連日喫煙、“オレが決める”的態度、、最小量から開始しない場合、1回・24時間推奨量を知らないこと


 NSAID使用者での過剰服用の頻度は些細なものではないし、修正可能な要素も含む
 NSAIDsと投与指示についての消費者教育で過剰服用を減少することが可能かも



NSAIDsへの腎機能への悪影響無視できる状況でも無いと思うのだが・・・
本来はOTC薬として適当ではないというニュース解説の述べられている


まぁ、経済界に遠慮しがちなマスコミには無視されるだろうけど・・・

2018年2月10日土曜日

電子タバコの煙→気道上皮酸化ストレス誘発→肺炎球菌接着増加:気道感染悪化

電子タバコにはフリーラジカルを含むため酸化ストレスの発生源となる
気道細胞の酸化ストレスはPAFR(platelet-acitivating facor receptor)発現亢進、宿主細胞への肺炎球菌の接着をPAFRを促進。



E-cigarette vapour enhances pneumococcal adherence to airway epithelial cells
Lisa Miyashita,  et al.
European Respiratory Journal 2018 51: 1701592; DOI: 10.1183/13993003.01592-2017

成人において、鼻粘膜上皮PAFRをnon-vaping対照で比較し、vaping前後で評価。
vaporによる酸化ストレス誘導効果、PAFR依存肺炎球菌気道上皮細胞接着(in vitro)、マウス鼻咽頭の肺炎球菌コロナイゼーションを検証


ベースラインの鼻粘膜PAFR発現は、電子タバコ使用者であるVapers(n=11)でも、非使用者対照(n=6)でも差は認めないが、vapingで鼻粘膜PAFR発現増加をもたらす。
ニコチン含有、ニコチン・フリー電子タバコvapourとも、in vitroで気道細胞の肺炎球菌接着増加
vapour(蒸気)-刺激接着 (in vitro)は、PAFR遮断剤 CV3988で減弱


ニコチン含有電子タバコvapourはマウス鼻PAFR発現増加し、鼻咽頭肺炎コロナイゼーション増加

redox-active金属を含有するvapourでは、かなり酸化活性を有し、接着は抗酸化物質N-アセチルシステインで減衰する。



この結果、電子タバコvapourは、肺炎球菌感染感受性増加させる可能性を示唆





電子タバコ煙による気道上皮への悪化要素として、酸化ストレス誘起作用、そして、生体内のレドックス(酸化還元)反応を有する金属の影響など、これらが易感染性を惹起する可能性が示唆された

2018年2月9日金曜日

骨折リスク: COPD吸入ステロイド 4年以上、フルチカゾン換算 1000 mg//d

吸入ステロイドのCOPDへの投与は広く使われているが、骨折リスク、特に女性、閉経後での問題を検討


ケベック市のhelth-care database


"Long-term use of inhaled corticosteroids in COPD and the risk of fracture"
Gonzalez A, et al
CHEST 2018.
journal.chestnet.org/article/S0012-3692(17)31243-6/pdf


 24万名のコホート、骨折 19,396 平均年数 5.3年間(発生率 1千人年当たり 15.2

ICS使用だけでは、骨折率増加とは関連せず (RR, 1.00; 95% CI, 0.97-1.03)

骨折率増加は、ICS使用 フルチカゾン等力価 1000 mg/日で、 4年以上で増加 (RR, 1.10; 95% CI, 1.02-1.19)
リスク増加は男女変わらない





”Treatment of people using inhaled GCs and those with a GFR < 30 ml/min. were not addressed in these guidelines"


2017 American College of Rheumatology Guideline for the Prevention and Treatment of Glucocorticoid-Induced Osteoporosis
https://www.rheumatology.org/Portals/0/Files/Guideline-for-the-Prevention-and-Treatment-of-GIOP.pdf



故に、ICS時のGC誘発骨粗鬆症・骨折ガイドラインはありません




非スタチン投与高齢者;コレステロール低値で非心血管疾患死亡率高く

若年・中年において総コレステロール高値と死亡率増加の正相関は加齢状況においてはその効果は減衰すると論文の序文。


高齢者においては、コレステロール値と心血管以外の死亡率には逆相関が見られることは知られている。


そこで、スウェーデン国内研究 23,196人年フォローアップ(1人当たりの観察期間中央値 7.5年間)、1059名, 34.3%死亡というコホート。

総コレステロール正常( < 5.18 mmol/l = 200mg/dl)に比べ、境界的高値( 5.18-6.21 mmol/l = 200 - 240 mg/dl)、高値(6.22 mmol/L =240 mg/dl以上)では全原因死亡率リスク減少、多因子補正ハザード比 95% 信頼区間, CI 0.71 (0.61 - 0.83)、 0.68 (0.57 - 0.80)
競合リスク(competing risk)モデルでは、総コレステロール高値( 240 mg/dl以上)では全原因死亡率リスク減少と関連し、特に、非心血管疾患死亡率減少が大きく寄与(ハザード比 0.67, 95% CI 0.51 - 0.88)
コレステロール低下薬剤使用しない群でのみこの相関性大きい


コレステロール治療してない群で、特に、心血管疾患以外の死亡率とコレステロール値の逆相関性明確





Serum total cholesterol and risk of cardiovascular and non-cardiovascular mortality in old age: a population-based study
Yajun Liang et al.
BMC GeriatricsBMC series – open 201717:294
https://doi.org/10.1186/s12877-017-0685-z
Published: 28 December 2017
https://bmcgeriatr.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12877-017-0685-z






コレステロール低下薬剤非使用群で顕著な低コレステロール値と非心血管疾患死亡率の逆相関



Serum total cholesterol levels and risk of mortality from stroke and coronary heart disease in Japanese: The JACC study
Renzhe Cui,  et al.
DOI: October 2007Volume 194, Issue 2, Pages 415–420
DOI: https://doi.org/10.1016/j.atherosclerosis.2006.08.022




総コレステロール 4.14とは、 160 mg/dl





上記現象などを曲解してスタチン治療を全面否定する方々が跋扈してますが・・・


高齢者においては、コレステロール治療は慎重に



2018年2月6日火曜日

システマティック・レビュー:2型糖尿病食後運動効果





The Effects of Postprandial Exercise on Glucose Control in Individuals with Type 2 Diabetes: A Systematic Review
Andrew Borror , et al.
Sports Medicine pp 1–13
First Online: 02 February 2018
https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs40279-018-0864-x


12の研究登録クライテリア合致
135名(男性 108、女性 20, 性別不明 7)
(運動)タイミング、時間、モダリティ、血糖測定にばらつき有り
食後好気的運動(11研究)で、
短期血糖曲線下面積減少(3.4-26.6%)
24時間高血糖出現確率 11.9-65%減少


レジスタンス運動(2研究)で
短期血糖曲線化面積 30%減少、24時間高血糖出現率 35%減少


もっとも一致した方法は、45分以上、中等度好気的運動
レジスタンス運動も有効なモダリティ

筆者等は、1日で最も多い食事をした後、エネルギー消費最大化を図り、運動を行うことを推奨する・・・とのこと



血糖の変動しか考慮されてないので・・・、脂肪代謝やインスリン抵抗性、他の内分泌作用、代謝的効果は検討されてない。


図表見ると、運動強度は高い方が効果ありそうなのだが・・・ばらつきが増すのは、受容性・実施可能性の問題?
食後45分未満では血糖増加、長期的血糖降下作用も乏しくなる



Nested Case-controll研究:COPD患者へのLABA/LAMA併用による心血管リスクは既往に無関係

COPD患者への長時間持続型気管支拡張剤の心血管疾患リスクがなにかと話題

Nested Case-controll研究にて“心血管疾患(CVD)リスクは一過性だが、投与開始1−2ヶ月以内にリスク増加”、CVD既往、薬剤種類・投与法・投与量にさほど関係ないというのも問題




Association of Cardiovascular Risk With Inhaled Long-Acting Bronchodilators in Patients With Chronic Obstructive Pulmonary Disease
A Nested Case-Control Study
Meng-Ting Wang,  et al.
JAMA Intern Med. 2018;178(2):229-238. doi:10.1001/jamainternmed.2017.7720
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2666790

平均フォローアップ2.0年間に、CVD存在 37719名 (平均年齢, 75.6 歳; 71.6% 男性) 、CVD無し対照 146139s (平均年齢, 75.2 歳; 70.1% 男性)
COPD新規LABA/LAMA使用は、開始後30日内に心血管リスク 1.52倍(95% CI, 1.28 - 1.80; P \< 0.001)、リスクの有無、一般用量減量でも不変
個別的なLABA種類、LABA投与形態、COPD併用レジメンでもCVDリスク差を認めず
リスクは、代替的症例交差試験でも同様で、CVD病歴、急性増悪既往有無のサブグループでも同様






やはり、LAMAもしくはLABA単剤使用が原則というべきなのかは?

メカニズムとしては、交感神経活動性増強とともに、IL-8などの炎症性サイトカインレベルの増加なども考察されている。

軽度吸入ステロイド併用はどうなのかも?だが・・・

FDA承認薬剤でも心血管代謝リスク要素効果エビデンス乏しい


Effects of Weight Loss Medications on Cardiometabolic Risk Profiles: A Systematic Review and Network Meta-Analysis
Khera R, et al.
Gastroenterology ; Articles in Press
http://www.gastrojournal.org/article/S0016-5085(18)30004-0/fulltext

心血管リスク特性に基づくFDA承認減肥薬( (orlistat, lorcaserin, naltrexone-bupropion, phentermine-topiramate, liraglutide))の1年以上継続におけるプラシーボ対比もしくは比較薬剤との効果 包括的・個別比較

空腹時血糖 荷重平均差 4.0 mg/dL; 95% CI, - 4.4 〜 - 3.6
ウェスト径 荷重平均差  3.3 cm; 95% CI, -3.5 〜 -3.1

28のランダム化対照トライアル (29,018名被検者, 平均 BMI 36.1 kg/m2)
収縮期血圧/拡張期血圧、コレステロール特性に関してプラシーボ比較 臨床的意義差なし
(標準化平均差(standardized mean difference: SMD)、すなわち、平均の差を標準偏差で除した数値 0.2 未満)



Phentermine-topiramate は、ウェスト径(WC)の明らかな減少、FBG、A1c、血圧の軽度低下、コレステロールは効果あるも限定的

Liraglutide は、空腹時血糖(FBG)、A1c、WCとも明確な減少、血圧・コレステロールは効果あるも限定的

Naltrexone-bupropion は、HDLコレステロール一定の増加、FBGとWCでは効果限定的

Orlistatは、 LDL、HDLの減少


どれも、cardiometabolic risk factor改善 認めず



ましてや、麻黄含有薬剤など・・・

2018年2月4日日曜日

インフルエンザと麻黄湯・・・

添付文書に記載されてない抗インフルエンザ薬の予防投与についてなんだかげっそりする


予防に用いる場合には、原則として、インフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族又は共同生活者である下記の者を対象とする。
(1)高齢者(65歳以上)
(2)慢性呼吸器疾患又は慢性心疾患患者
(3)代謝性疾患患者(糖尿病等)
(4)腎機能障害患者(<用法・用量に関連する使用上の注意>の項参照)

この記載読んでない医者が多すぎる!

添付文書外処方し副作用もしくはそれが疑われる事態になったらどうするつもりなのだろう?公的救済を処方されたものはうけられない可能性があるのだが・・・



インフルエンザと診断した患者の中には、「家族の予防投薬分をくれ」という非合法的要求も経験した(もちろん、即、断ったのだが・・・)







また、この時期になると、インフルエンザ→麻黄湯という処方に・・・なんだかわだかまりを覚える

麻黄湯(Maoto)のトライアルは、ごく少数のトライアルしか報告無く、報告施設数も限定
A randomized, controlled trial comparing traditional herbal medicine and neuraminidase inhibitors in the treatment of seasonal influenza.
Nabeshima S1 et al.
J Infect Chemother. 2012 Aug;18(4):534-43. doi: 10.1007/s10156-012-0378-7. 


にもかかわらず、乱用に近い使われ方に遭遇する



麻黄含有漢方


麻黄配合量 エフェドリン類含量(mg/日) 合計
エフェドリン (g/1日量) エフェドリン プソイドエフェドリン
麻黄湯 5 17.3 6 23.3
葛根湯 4 16.4 5.7 22.1
小青竜湯 3 14.4 4.8 19.2

クラシエさんのサイト:http://www.kampoyubi.jp/effort/ephedra.html




ちなみに「ナイシトール」(2.5g中)
マオウ0.60g
https://www.kobayashi.co.jp/seihin/ns_t/index.html

エフェドリン、プソイドエフェドリン記載は不明 






ところで、この記載はただしいのだろうか?
     ↓
中国原産の植物であるマオウ(麻黄)は、アメリカではサプリメントとして販売されている
 http://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/04.html






FDA Prohibits Sales of Dietary Supplements Containing Ephedra


FDAはエフェドラ含有サプリメント販売を禁止している



・・・と書いているのに、go.jpサイト、嘘が書かれている


2004年、サプリメント禁止大々的に報道されたはずなのに・・・



The Safety of Ephedra and Related Alkaloids
Cleveland Clinic Pharmacotherapy Update Volume VI, Number 2 | March/April 2003



米国内の関心が薄れたのか、これ以降の記載少ない



アスリートと亜鉛:

アスリートは血中亜鉛濃度は指摘濃度に達してない可能性あり
摂取量は一般住民より多いにも関わらず・・・




この解離は、アスリートにおいては亜鉛代謝は通常と異なる可能性がある
今後、アスリートへの推奨量を検討する必要がある



Lower Serum Zinc Concentration Despite Higher Dietary Zinc Intake in Athletes: A Systematic Review and Meta-analysis
Anna Chu
Sports Medicine
February 2018, Volume 48, Issue 2, pp 327–336
https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs40279-017-0818-8

12の研究のシステマティックレビュー

亜鉛血中濃度、アスリートで有意低下  [- 0.93 μmol/L, 95% confidence interval (CI) - 1.62 to - 0.23]
だが、食事による亜鉛摂取は一般住民より有意に多い (2.57 mg/day, 95% CI 0.97-4.16)

血中亜鉛濃度、尿中亜鉛はデータ不足で検討不十分

2018年2月3日土曜日

非好酸球性喘息:喘息治療中止成功予測要素 血中好酸球数

喘息治療は抗炎症治療奏功し炎症が完全に抑えられて入れば中止可能な場合あるはずなのだが、一方的に 「喘息中断で悪化する危険が!」と解説されている事が多い
確かに、どの状況で中止・終了可能なのかがわからないから、こういう場合もあるのだろうが、医療資源から見れば無駄遣いとなっている場合もあるはず



非好酸球性喘息における、吸入ステロイドステップダウン・中止症例の前向き検討


Step-down of inhaled corticosteroids in non-eosinophilic asthma: a prospective trial in real life
Sophie Demarche, et al.
Clinical & Experimental Allergy DOI: 10.1111/cea.13106


【背景】非好酸球性喘息は通常吸入ステロイド(ICS)の反応乏しいとされるが、ICSステップダウンの評価研究はこの分野乏しい

【目的】ICSを臨床的不具合ない症例で中止可能性ある対象者で非好酸球性喘息の比率、ICS治療終了不能よそ高マーカーの同定検証

【方法】前向き研究、36名の非好酸球性喘息、喀痰 < 3%及び血中好酸球 < 400/μL
ベースラインコントロールレベルに到達有無にかかわらず、ICS投与量を3ヶ月毎漸減、6ヶ月間ICS中止成功するか失敗クライテリアに合致するまで
失敗クライテリア:ACQスコア ベースライン 0.5超から1.5以上増加、もしくは、研究中重症急性増悪がベースライン受診先行1年間の回数より多い場合

【結果】 14名の患者 39%で、ICSを完全離脱と、0名、28%ではまだだが、喘息コントロール及び急性増悪悪化せずICSはICS投与量減少にstepped-dow した
ICS中止失敗のベースライン予測要素は、高齢  (area under ROC curve [ROC AUC] and [95% CI]: 0.77 [0.62-0.93])、血中好酸球増加(ROC AUC [95% CI]: 0.77 [0.61-0.93])

ICS初回step-down後、ベスト予測要素は、血中好酸球増加 (ROC AUC [95% CI]: 0.85 [0.72-0.99])

【結論】ICS投与中止・漸減にて非好酸球性喘息の2/3はベースラインの喘息コントロール状況と無縁に可能。血中好酸球数増加がICS中止失敗の予測要素となり得るかも



2018年2月2日金曜日

慢性疾患とそのマーカーは、がん発生・がん死亡リスクでもある、リスク修正ががん抑制となる可能性

40万名MJコホート研究、いくつかの慢性疾患の癌リスクへのジョイントあるいは独立検討


“慢性疾患”の存在が重大な癌リスクとなり、5つの生活習慣と共有されるリスクと判明


Cancer risk associated with chronic diseases and disease markers: prospective cohort study
Huakang Tu,  et al.
BMJ 2018; 360 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.k134 (Published 31 January 2018)
Cite this as: BMJ 2018;360:k134


 405 878 の被検者、心血管バイオマーカー(血圧、総コレステロール、心拍)、糖尿病、慢性腎臓病マーカー(蛋白尿、糸球体濾過速度)、肺疾患、痛風性関節炎(尿酸)を測定、標準メソッドで診断、フォローアップ8.7年間




がん発生リスク統計学的有意増加は、8疾患・個別マーカー(血圧、肺疾患例外)で、補正ハザード比 1.07 - 1.44

Chronic diseases and markers and risk of incident cancer.


8疾患・マーカーはがん死亡リスクと統計学的有意 、補正ハザード比 1.12 - 1.70


Chronic diseases and markers and risk of cancer death.

慢性疾患リスクスコアは、8疾患・マーカーは癌リスクに関して量依存的、高スコアはがん発生 2.21倍 (95% 信頼区間 1.77 - 2.75倍)、がん死亡率 4倍 (2.84 - 5.63倍)

慢性疾患リスクスコア高値は生存期間減少と関連、高スコアは男性で13.3年、女性で15.9年間喪失

8つの慢性疾患・マーカーからのがん発生率、がん死亡率のPAF (population attributable fraction, 人口寄与割合)を5つのライフスタイル要素からのそれとは同等  (がん発生 20.5% v 24.8%; がん死亡: 38.9% v 39.7%).


 身体活動群(vs 非活発)では、慢性疾患・マーカー関連の癌リスク増加に関して、がん発生で48%、がん死亡で27%減少効果






Diagnostic criteria or categorization of chronic diseases and markers
Cardiovascular disease markers

  • Blood pressure (Joint National Committee guidelines40)
  • Normal: diastolic blood pressure <80 and="" blood="" hg="" hypertension="" li="" medication="" mm="" no="" not="" pressure="" receiving="" reported="" self="" systolic="">
  • Prehypertension: (diastolic blood pressure: 80-89 mm Hg or systolic blood pressure: 120-139 mm Hg), not receiving medication, and no self reported hypertension
  • Hypertension: diastolic blood pressure ≥90 mm Hg or systolic blood pressure ≥140 mm Hg or receiving medication or self reported hypertension
  • Total cholesterol (mmol/L): <4 .15="" 38.67="" 4.15-4.66="" 4.67-5.18="" 5.19-6.21="" by="" cholesterol="" convert="" dl="" li="" mg="" mmol="" multiply="" of="" si="" to="" total="" unit="">
  • Heart rate (beats/min): <70 70-79="" 80-89="" li="">

Diabetes (WHO criteria41)

  • Normal: fasting glucose level <6 .11="" 18.02="" and="" by="" convert="" diabetes="" dl="" fasting="" glucose="" li="" medication="" mg="" mmol="" multiply="" no="" not="" of="" receiving="" reported="" self="" si="" to="" unit="">
  • Prediabetes: fasting glucose level between 6.11 and 6.95 mmol/L, not receiving medication, and no self reported diabetes
  • Diabetes: fasting glucose level ≥6.96 mmol/L or receiving medication or self reported diabetes

Chronic kidney disease markers (National Kidney Foundation criteria42)

  • Proteinuria: no proteinuria, trace proteinuria, proteinuria (≥+)
  • Glomerular filtration rate (mL/min/1.73 m2): ≥90, 60-89, <60 li="">

Pulmonary disease (Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease (GOLD) criteria43)

  • Normal: forced expiratory volume in one second (FEV1)/forced vital capacity (FVC) ≥0.70 and FEV1 ≥80% predicted
  • Restrictive: FEV1/FVC ≥0.70 and FEV1 <80 li="" predicted="">
  • Chronic obstructive pulmonary disease: FEV1/FVC <0 .70="" li="">

Gouty arthritis marker

  • Uric acid (µmol/L): <297 297-356="" 357-415="" 416-475="" 59.48="" acid="" by="" convert="" divide="" dl="" li="" mg="" mol="" ofuric="" si="" to="" unit="">


急性心筋梗塞予後因子:入院時血糖/HbA1c

入院時の血糖増加は急性心筋梗塞患者で観察されることが多い。独立した予後因子となるらしい。この急激な血糖増加が直接心筋障害へ影響を与え、直接予後に関係するのかは不明。causal linkについて、急性血糖増加とトロポニンIピーク値、、予後悪化は寄与要素補正後相関性有り

糖尿病無既往群では急性高血糖が、糖尿病既往群ではA/C glycemic ratioがプライマリアウトカム(入院死亡、急性肺水腫、心原性ショック)とより強く関連
true stress hyperglycemiaの良い指標だと著者等




Prognostic Value of the Acute-to-Chronic Glycemic Ratio at Admission in Acute Myocardial Infarction: A Prospective Study
Giancarlo Marenzi,  et al.
Diabetes Care 2018 Jan; dc171732. https://doi.org/10.2337/dc17-1732
http://care.diabetesjournals.org/content/early/2018/01/29/dc17-1732

【目的】急性高血糖は急性心筋梗塞(AMI)の強力予後悪化要素。入院時のみの血糖値そのものより、急激に血糖増加したその変化が重要。急性・慢性血糖レベルの複合比較の方が入院時血糖単独より良い予後推定となるか検証

【研究デザイン・メソッド】前向き、入院時血糖と、推定平均慢性血糖値(mg/dL)として以下の公式採用 : [(28.7 3 glycosylated hemoglobin %) 2 46.7]し、  acute-to- chronic (A/C) glycemic ratioを計算、AMI連続患者 1553名(平均 ± 65 ± 13歳)
プライマリエンドポイントは、入院死亡率・急性肺水腫、心原性ショックの組み合わせ

【結果】プライマリエンドポイントは、A/C glycemic ratio3分位毎平行に増加 (5%, 8%,  20%, ; P for trend <0 .0001="" p="">troponin I ピーク値とパラレルに増加 (15 6 34 ng/mL, 34 6 66 ng/mL, and 68 6 131 ng/mL; P < 0.0001)
多変量解析にて、A/C glycemic ratioは、プライマリエンドポイント、troponin Iレベルと重要寄与要素補正後も独立因子として残存
再分類解析にて、A/C glycemic ratioは、入院時血糖値単独と比べ、プライマリエンドポイント推定強力最良検出性を示した  (net reclassification improvement 12% [95% CI 4–20%]; P = 0.003)、特に糖尿病患者において強力 (27% [95% CI 14–40%]; P < 0.0001)




【結論】糖尿病患者において、A/C血糖比は、院内合併症の予後推定として入院時血糖値より優秀




stress hyperglycemiaという名称
血中血糖増加が、酸化ストレス、炎症、血管内皮機能障害を生じ、凝固系活性化、虚血preconditionの増悪をもたらす
実験的にも急性高血糖は、myocardial salvage index(MRI測定)低下と関連するが詳細は不明。 



2018年2月1日木曜日

かぜウィルスもインフルエンザウィルスも、加湿すれば関連リスク減少するというものではない

雑感になるのだが、世の中、加湿器を感染予防のため使ってる人が多いようで、医療機関にも押し売りされているようで、誇らしげな記載も目立つ。


加湿器の中途半端な管理でレジオネラを振りまく状況になったとしたら・・・何のための加湿器なのだろう?
加湿器の「レジオネラ菌」に注意 高齢者施設で集団感染、死者も 厚労省、適切な手入れ呼び掛け
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180201-00010001-nishinpc-soci


以下、加湿というか、湿度、温度と感染に関する2つの報告を提示してみる。

ライノウィルスは、湿度・温度の複合的な変化により影響を受けること
インフルエンザは、温度にて、湿度と伝播性の影響複雑に変わること




横断研究だが、温度・湿度単独要素というより、その組み合わせの変化量が、かぜウィルス感染には重要


A Decrease in Temperature and Humidity Precedes Human Rhinovirus Infections in a Cold Climate
Tiina M. et al.
Viruses. 2016 Sep; 8(9): 244.
気温と湿度のヒトライノウィルス(HRV)感染リスクへの関与は単独因子独立にあるいは組み合わせで関与するのか?亜北極圏の地域でその関連性横断的検証。徴兵兵士(n=892)名呼吸器症状とHRV PCR検査で検討

ウィルス感染前の日平均気温は  −9.9 ± 4.9 °C、平均絶対湿度 AH  2.2 ± 0.9 g/m3
気温に関しては平均、最大共に、気温1℃減少毎8%ライノウィルス感染リスクを増加する  (オッズ比 (OR) 1.07 (95%信頼区間(CI) 1.00–1.15)、OR 1.08 (1.01–1.17))
絶対湿度に関して、平均、最大共に、0.5 g/m3減少毎に、13%、20%ウィルス感染リスク増加 (OR 1.20 (CI 1.03–1.40),OR 1.13 (CI 0.96–1.34))
潜行3日間平均気温高いと、ウィルス感染増加と正相関   (OR 1.07 (CI 1.00–1.15)).

感染全数日の気温低下・湿度低下そのものより、気温・湿度減少の程度が、寒冷期ヒトライノウィルス感染に重要


 Onset of a human rhinovirus (HRV) infection (n = 146) and its association with mean values and declines in temperature (per 1 °C) and humidity (0.5 g/m3).
Parameter OR (95% CI) 1 Adjusted OR (95% CI) 2
Absolute humidity (AH)        
mean of three prior days 0.94 (0.86-1.03) 0.97 (0.80-1.16)
maximum change during three prior days 1. (0.96-1.24) 1.20 (1.03-1.40)
mean change during three prior days 1. (0.91-1.21) 1. (0.96-1.34)
Temperature (°C)        
mean of three prior days 0.96 (0.92-1.00) 1. (1.00-1.15)
maximum change during three prior days 1. (0.98-1.10) 1. (1.01-1.17)
mean change during three prior days 1. (0.97-1.11) 1. (1.01-1.17)
1 The odds ratios (OR, 95% confidence interval) were calculated per 1 °C temperature and per 0.5 g/m3 absolute humidity decreases;
2 Adjusted for the initial level of the temperature and AH. The adjusted mean temperature and AH take into account seasonal variation, whereas the adjusted change in these parameters also considers that the potential for change in temperature and humidity depends on the level of the parameters. CI: confidence interval.
-->



インフルエンザに関するモルモットのインフルエンザ伝播性研究

Roles of Humidity and Temperature in Shaping Influenza Seasonality
Anice C. Lowen et al.
J. Virol. July 2014 vol. 88 no. 14 7692-7695







高温下(30℃)の時は、相対湿度、絶対湿度低下するほど、伝播性低下
だが、20度程度だと、相対湿度では一筋縄ではいかない
-5度だと、相対湿度高い場合でも一定以上は減少しない



 絶対湿度と相対湿度の関連は以下の如く


気温、絶対湿度(乾燥空気1キログラムあたりの水のグラム数)、空気中相対湿度の関連
外気温 -8℃、湿度100% (A) → 室内温度 20℃となる相対湿度は15%となる
気温 15℃、絶対的湿度 5.5g/1kg(水グラム/乾燥空気キログラム) → 18℃となると相対湿度は40%







国内外の行政パンフにはばらつきがある

カビ繁殖防止が主眼で、30%〜60%という環境基準<職場環境>
“ The EPA recommends maintaining indoor relative humidity between 30 and 60% to reduce mold growth ”
https://www.cdc.gov/niosh/topics/indoorenv/temperature.html


相対湿度 50%と決め打ちなど・・・
https://www.cdc.gov/niosh/topics/indoorenv/hvac.html




オルメサルタン:るいそうや下痢・消化吸収不良の副作用に注意!

薬物管理上重要かもしれない
1千人年当たり2程度の話で、レアな副作用なのだろうが、特に高齢者で、オルメサルタン及びその配合剤使用患者、薬剤処方量が多い患者で、るいそうや下痢・消化吸収不良を疑う患者では留意が必要だろう




Use of olmesartan and enteropathy outcomes: a multi-database study
Y.-H. Dong, et al.
Alimentary Pharmacology and Therapeutics
DOI: 10.1111/apt.14518  View/save citation
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/apt.14518/abstract

データソースは、"ARB initiators in 5 US claims databases representing different health insurance programmes"で、米国の健康保険プログラムでのクレームデータベースでARB治療開始患者

1,928,469登録患者
非補正発生率は、1000人年当たり、セリアック病(coeliac disease)、吸収不良、下痢・体重減少付随的診断、非感染性腸疾患  0.82, 1.41, 1.66 ,29.20
他のARBと比べたときのオルメサルタンのPS補正後のハザード比は、各々、 1.21 (95% CI, 1.05-1.40), 1.00 (95% CI, 0.88-1.13), 1.22 (95% CI, 1.10-1.36), 1.04 (95% CI, 1.01-1.07)
ハザード比は、65歳以上にかなり多い (eg for coeliac disease, 1.57 [95% CI, 1.20-2.05])
加療1年以内 (1.62 [95% CI, 1.24-2.12])、オルメサルタン累積するほど多い (1.78 [95% CI, 1.33-2.37])



心房細動無し心不全に低用量アスピリンは無益?

二次資料となるが、Medpageの記事
https://www.medpagetoday.com/cardiology/chf/70840


一次ソース:この時点で確認できず・・・


心房細動(AF)なしの心不全患者において、低用量アスピリン治療は、死亡・入院リスク減少に繋がらないと、propensity-matched studyの結果
"Low-dose aspirin in heart failure not complicated by atrial fibrillation"
Madelaire C, et al.
JACC: Heart Fail 2018; DOI: 10.1016/j.jchf.2017.09.021.

エディトリアル: "Physicians addicted to prescribing aspirin-a disordered of cardiologists (PAPA-DOC) syndrome"
 Cleveland JGF
 JACC: Heart Fail 2018; DOI:10.1016/j.jchf. 2017.11.014.

この新しい後顧的レジストリベースコホート研究、新規発症心不全 12,300
低用量アスピリン 5,450名治療、このうち3,840名を非アスピリン使用者propensityマッチ化し、1:1にてpropensity-matched Coxモデルを用い複合アウトカム(全死亡率、心筋梗塞、卒中:以上一次アウトカム、追加出血・心不全入院を二次アウトカム)として検証
複合アウトカム:アスピリン群 40.5% vs  非アスピリン群 41.8% 、アスピリン使用は複合アウトカムリスクへ影響を与えない (HR 0.98; 95% CI 0.91-1.05)

アスピリン使用は、心筋梗塞リスクを高める  (HR 1.34; 95% CI 1.08-1.67)、しかし全死亡率、卒中では差を認めない
心不全再入院リスク増加軽度存在  (HR 1.25; 95% CI 1.17-1.33)、しかし、出血に差は認めない

サブグループ解析にて、虚血精神疾患既往患者でも同様の所見





この知見は以下の2014年公表の報告と異なる

Aspirin Use In Heart Failure: Is Low Dose Therapy Associated With Mortality And Morbidity Benefits In A Large Community Population?
 https://doi.org/10.1161/CIRCHEARTFAILURE.113.000132
 http://circheartfailure.ahajournals.org/content/early/2014/02/03/CIRCHEARTFAILURE.113.000132

 著者等は、2014年のトライアル群の患者特性に問題があり、心房細動群が大部分を占めていたことが大きいと

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note