2016年6月30日木曜日

EMPA-REGへの疑問点

インパクトある報告だったので、疑問点、どんどん吟味してほしい


EMPA-REG Renalの結果も世間を騒がしているし・・・
 The primary composite outcome was death from cardiovascular causes, nonfatal myocardial infarction, or nonfatal stroke, as analyzed in the pooled empagliflozin group versus the placebo group. The key secondary composite outcome was the primary outcome plus hospitalization for unstable angina.
Christoph Wanner, et. al., for the EMPA-REG OUTCOME Investigators
June 14, 2016DOI: 10.1056/NEJMoa1515920
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1515920
事前層別化腎臓アウトカム:腎症発症・悪化(微量アルブミン尿、血中Cr倍化、腎置換治療開始、腎疾患死亡)とアルブミン尿発症


FDA:ジャディアンス適応拡大への意見分裂

解説記事
FDA諮問委員会は、心血管予防にまでジャディアンスの適応拡大の評決 12:11 となった
EMDAC(Endocrine and Metabolic Drug Advisory Committee)での疑念
EMPA-REGトライアルは本来は心血管イベントリスク増加を否定するためにのみ意図していたが、スポンサー側が7020名の2型糖尿病・心血管高リスクでのイベント減少証明目的の治験と変わった推移がある。

疑問点、比較前中断211名のデータに関する疑念がだされている。
内在的に非盲検とならざる得ない部分があり、さらに、中途でのプライマリエンドポイントに関わるプロトコールや定義の変更、紛失データの部分など

プライマリ複合エンドポイントからsilent MIを除外理由:途中までsilent MI項目がプライマリアウトカムに含まれていたが中途でプロトコール変更された
230名の非盲検のインパクト:2年間230名に沈黙させられたのか?

FDA Advisers Narrowly Okay Empagliflozin CV Mortality Claim
Alicia Ault June 29, 2016
http://www.medscape.com/viewarticle/865523

FDA諮問委員会は、単一の試験だけで、ラベリングを変更することに懸念を示した形






Empagliflozin, Cardiovascular Outcomes, and Mortality in Type 2 Diabetes
Bernard Zinman,  et. al.; for the EMPA-REG OUTCOME Investigators
N Engl J Med 2015; 373:2117-2128 November 26, 2015
DOI: 10.1056/NEJMoa1504720


プライマリ複合アウトカム:three-point MACE
死亡(心血管原因)
非致死性MI、非致死性卒中
pooled empagliflozin group versus the placebo group
主要セカンダリ・アウトカム;プライマリ複合アウトカム+不安定狭心症入院(MACE-plus)
three-point MACEでは、非劣性・優越性ともに  (HR 0.86, 95% CI 0.74-0.99, P=0.04 for superiority)
MACE-plusでは非劣性は示せたが、優越性は示せなかった (HR 0.89, 95% CI 0.78-1.01, P=0.08)


・・・・・・・・・・・・



2016年6月29日水曜日

果物/野菜値引きインセンティブ:穀類を減らし、野菜果物摂取を促す効果

真の経済的インセンティブの使い方というのはこういうのを言うのだろう



Financial incentives increase fruit and vegetable intake among Supplemental Nutrition Assistance Program participants: a randomized controlled trial of the USDA Healthy Incentives Pilot
Lauren EW Olsho ,et. al.
First published June 22, 2016, doi: 10.3945/​ajcn.115.129320
Am J Clin Nutr ajcn129320
http://ajcn.nutrition.org/content/early/2016/06/22/ajcn.115.129320.abstract

対象のフルーツ・野菜(FV):TFVs
TFVs購入時30%リベートを受け取るインセンティブ

 Supplemental Nutrition Assistance Program (SNAP) の是非検討

これにより平均TFV摂取回帰補正量は、0.24 (95% CI: 0.13 - 0.34 )カップ等量/日増加
全フルーツ・野菜摂取量横断的(AFVs)にも、 0.32 (95% CI: 0.17 - 0.48 )カップ等量/日増加

AFVsとTFVsの差は、(リベートに含まない)100%フルーツジュース購入量増加で説明可能

精製穀類摂取量は、 USDA Healthy Incentives Pilot (HIP)で 0.43 (95% CI: −0.69, −0.16 ) オンス等量低下し、差し引き効果あり

AFV摂取増加/精製穀類摂取減少は、Healthy Eating Index–2010 score改善に寄与  (4.7 points; 95% CI: 2.4, 7.1 points)




例えば、地域振興券やふるさと納税でのインセンティブは必ずしも健康的な食生活を促進するものではない 。国あたりが付加的に野菜果物など健康的な食生活を促進するため、さらなるインセンティブを加えれば、健康増進的な施策となるのだろうが・・・


レッドミートやアルコール摂取を促すばかり

抗うつ薬:うつ保有慢性EF低下心不全の重度アウトカム・気分障害改善に有効と言えない

心不全での“うつ”は頻度として多く、臨床的副事象として関連するわけだが、SSRIの長期有効性・安全性は未知


結論から言えば、うつを有する低駆出率慢性心不全患者では、エスシタロプラム治療18ヶ月はプラシーボ対照群に比べてもその治療効果見いだせない



Effect of Escitalopram on All-Cause Mortality and Hospitalization in Patients Wi
th Heart Failure and Depression
The MOOD-HF Randomized Clinical Trial
Christiane E. Angermann,et. al.  for the MOOD-HF Study Investigators and Committee Members
JAMA. 2016;315(24):2683-2693. doi:10.1001/jama.2016.7635.


エスシタロプラム24ヶ月治療で、慢性収縮期心不全・うつ合併患者の死亡率・合併症・気分改善に繋がるかどうか?

2重盲検プラシーボ対照臨床トライアル(ドイツ、16箇所3次医療センター)
2009年3月から2014年2月、NYHA II-IV心不全、EF45%未満 PHQ-9によるうつスクリーン
DSM-4に基づく構造化臨床インタビューによるうつ診断

介入:エスシタロプラム 10-20mg/日 vs matching プラシーボ
24ヶ月介入

主要アウトカム・測定:全原因死亡・入院
事前登録二次アウトカムは、治療12週時点での安全性・うつ重症度
(10-item Montgomery-Åsberg Depression Rating Scale (total possible score, 0 to 60; higher scores indicate more severe depression))


 372名(平均年齢、62歳;女性24%)をランダム化、対象薬剤1回投与以上服用(データ安全性モニタリング委員会の早期中止推奨時)
被検期間中央値: エスシタロプラム 18.4ヶ月(n=185)、プラシーボ群 18.7ヶ月(n=187)
プライマリアウトカム(死亡・入院)は、エスシタロプラム  116 (63%) vs プラシーボ 119 (64%):  (hazard ratio, 0.99 [95% CI, 0.76 to 1.27]; P = 0.92)

Montgomery-Åsberg Depression Rating Scale sum score 平均は、
エスシタロプラム:ベースライン 20.1 、12週 11.2  (between-group difference, −0.9 [95% CI,−2.6 to 0.7]; P = 0.26)
安全性パラメータは同等








別の報告



広範な住民でのSTEMI減少現象とは逆に、STEMI発生はうつ合併患者では減少せず
STEMI&うつ合併患者ではPCIによる再還流療法をうける患者少ない






治療に抵抗を示すということか・・・

Comparison of Recent Trends in Patients With and Without Major Depression and Acute ST-Elevation Myocardial Infarction
Joshua Schulman-Marcus, et. al.
The American Journal of Cardiology 30 March 2016 3 June 2016 14 June 2016
http://www.ajconline.org/article/S0002-9149(16)31122-5/abstract

ST上昇型心筋梗塞(STEMI)連続横断解析 (荷重n=3,057.998):国内入院サンプル(2003-3012年)
うつ比率 5%、 153,180
うつ患者は、女性 (55% vs 37%)、白人に多く(86% vs 78%)、粗死亡率低下と関連(12.0% vs 14.2%; p<0 .001="" all="" br="" for="">経時的に、STEMI頻度はうつ無しの患者では52%減少 (p for trend <0 .001="" br="">しかし、うつ有り患者では不変 (p for trend 0.74)

PCI使用増加全群で研究期間中通して増加  (p for trend <0 .001="" br="">うつは、PCI補正オッズ低下と相関 (odds ratio 0.90, 95% 信頼区間 0.89-0.92, p<0 .001="" br="">




2016年6月28日火曜日

海産物・植物由来のω−3バイオマーカー:冠動脈性心疾患リスク低下と相関

海産物・植物由来のω−3脂肪は初回の冠動脈性心疾患リスクと関連性があるか?

上記食物由来バイオマーカーでその関連性を検討

結論から言えば、心発作リスク低下とある程度関連


ω-3 Polyunsaturated Fatty Acid Biomarkers and Coronary Heart Disease
Pooling Project of 19 Cohort Studies
Liana C. Del Gobbo, et. al.; for the Cohorts for Heart and Aging Research in Genomic Epidemiology (CHARGE) Fatty Acids and Outcomes Research Consortium (FORCe)
JAMA Intern Med.
Published online June 27, 2016. doi:10.1001/jamainternmed.2016.2925



2014年までの19研究:前向き(コホート、nested症例対照)、後顧的研究:ω3バイオマーカー(血液、組織)と確定CHD


45637重複無し16ヶ国症例、CHD総数7973、致死CHD2781、非致死性MI7157
総血中ω3、燐脂質、コレステロールエステル、脂肪組織
メディアン年齢 59歳(range 18-97歳)
多変量解析連続1-SD増加毎、ω3バイオマーカー ALA、DPA、DHAは致死性CHDリスク低下と相関
相対リスク (RRs) はそれぞれ、ALA  0.91 (95% CI, 0.84-0.98)、DPA 0.90 (95% CI, 0.85-0.96)、DHA 0.90 (95% CI, 0.84-0.96)
DPAは総HCDリスク低下と相関するが、以下は相関せず: , ALA (RR, 1.00; 95% CI, 0.95-1.05), EPA (RR, 0.94; 95% CI, 0.87-1.02), DHA (RR, 0.95; 95% CI, 0.91-1.00)
非致死性MIとの有意相関明確ではない
燐脂質・総血中で関連は一般的に強い
三次元スプラインで、量反応の非線型関係エビデンス認めず





ALLHAT研究:ACE阻害剤の伝導系障害抑制効果

右脚ブロック・左脚ブロックといった伝導障害は、心血管合併症・死亡率増加と関連。


ACE阻害剤の、抗線維化・抗炎症性特性が、合併症・死亡率と関連する心臓伝導障害の予後改善効果をもたらす



Effect of the Antihypertensive and Lipid-Lowering Treatment to Prevent Heart Attack Trial (ALLHAT) on Conduction System Disease
Thomas A. Dewland, et. al. ; for the Antihypertensive and Lipid-Lowering Treatment to Prevent Heart Attack Trial (ALLHAT) Collaborative Research Group
JAMA Intern Med. Published online June 27, 2016. doi:10.1001/jamainternmed.2016.2502

 ALLHAT研究二次解析:623北米センターのデータ
 21004名、55歳以上高血圧・1つ以上の心リスク合併者

 2年毎フォローアップ:心電図評価

 21004(男性 11758[56.0%];平均[SD]年齢 66.6 [7.3]歳)、フォローアップ平均(SD) 5.0 (1.2)年間
伝導障害発症:1114、左脚ブロック 389、 右脚ブロック 570、 心室内伝導障害 155


クロルタリドンに比べ、リシノプリル割り当ては有意に伝導障害19%減少  (ハザード比 [HR], 0.81; 95% CI, 0.69-0.95; P = .01)
アムロジピン治療は、伝導障害アウトカムイベントに有意差認めず  (HR, 0.94; 95% CI, 0.81-1.09; P = .42)
同様に、プラバスタチン治療は、通常の抗高脂血症治療と比較して疾患補正発生率に影響を与えない  (HR, 1.13; 95% CI, 0.95-1.35; P = .18)
加齢ほど (HR, 1.47; 95% CI, 1.34-1.63; P < .001)、男性 (HR, 0.59; 95% CI, 0.50-0.73; P< .001)、白人(HR, 0.59; 95% CI, 0.50-0.70; P< .001)、糖尿病 (HR, 1.23; 95% CI, 1.07-1.42; P = .003)、左室肥大  (HR, 3.20; 95% CI, 2.61-3.94; P< .001)も独立して、伝導系疾患リスク増加と関連


2016年6月27日月曜日

COPD高齢者:薬物療法アドヒアランス うつ状態の役割

COPD診断後6ヶ月の薬物療法trajectoryがかなり重要
診断後うつ診断は20%、その場合アドヒアランス低下


Adherence to Maintenance Medications among Older Adults with Chronic Obstructive Pulmonary Disease: The Role of Depression
Jennifer S.
Albrecht, et. al.
Annals ATS.
First published online 22 Jun 2016 as DOI: 10.1513/AnnalsATS.201602-136OC
http://www.atsjournals.org/doi/pdf/10.1513/AnnalsATS.201602-136OC
序文:COPD患者のにおいて、うつは最も多い疾患だが、認識されないそして治療されない併発症である
うつは、他の病態、糖尿病などの薬剤のアドヒアランス低下と関連するとされるが、COPD薬剤使用の評価とアドヒアランスに関して研究不十分

目的 : COPD維持薬物療法アドヒアランスにおけるうつのインパクト評価:新規COPD診断Medicare受益者国内代表サンプルに於ける評価 
方法:Medicare運営請求5%サランダムンプル、2006年から2010年COPD診断受益者
2年間継続的メディケア:パートA、B、Dカバー、診断後COPD維持薬物2回fill以上
ICS、LABA、長時間作動抗コリン剤処方fill検討にて1回目fill時開始アドヒアランス計算
一般化推定方程式を用いたうつ新規エピソードを関数としてCOPD維持治療薬のアドヒアランスをモデル化 
測定・主たる結果:プライマリアウトカムはCOPD維持治療薬アドヒアランスで、良好服薬アドヒアランス(PDC[ proportion of days covered;ある期間に実際に処方された日数の比率])を測定、 暴露指標はうつ。
COPDとうつは、Part A, Part Bデータの診断コードで評価

社会住民指標、臨床マーカー(併発症、COPD重症度、うつ重症度を含む)を共役要素とする
登録クライテリア合致31,033名の受益者のうち、COPD診断後うつ診断 6227(20%)
COPD維持薬物療法の月毎平均アドヒアランスは、初回fill後57%がピークで、6ヶ月後35%と現象Sル
補正回帰モデルで、うつは、COPD維持薬物療法のアドヒアランス低下と相関  (OR 0.93; 95% CI 0.89, 0.98)

結論:うつ新規エピソードは、高齢者COPD管理のための維持療法アドヒアランス低下と関連
COPD成人治療者側は、うつ発症に注意し、特にCOPD診断6ヶ月間に留意し、ベストな臨床アウトカム確実するために患者のCOPD薬物療法処方アドヒアランスをモニターすべき


Average Three Month Rolling Adherence to COPD Maintenance Medications Over Time by Depression Status



精神科治療の進め方」という本をみると「現代は「うつ」の患者が増え、うつ病概念も拡大し拡散してしまっている。かつては、(一過性の)心因性の抑うつ状態とされた患者も、現代のうつ病概念では「うつ病」とされるようになっている。こうした状況で・・・・抑うつ=抗うつ薬とは考えなくなった」と記載されている。


精神科の先生方も、COPDの「うつ」のなかに、「心因性」抑うつがどれほど存在しているのか、また、介入の仕方に違いがあるのか・・・そういうものを知る必要がある


 うつ・不安に関しては・・・再入院率をふやす

30日以内再入院率は、うつ、不安、精神病、アルコール依存、薬物依存がその悪化要素
Association of Psychological Disorders With 30-Day Readmission Rates in Patients With COPD.
Gurinder Singh, et. al.
Chest, 2016; 149 (4): 905 DOI: 10.1378/chest.15-0449
http://journal.publications.chestnet.org/article.aspx?articleID=2411212

2016年6月23日木曜日

米国:インフルエンザ鼻スプレーワクチン:非承認

ACIP votes down use of LAIV for 2016-2017 flu season
http://www.cdc.gov/media/releases/2016/s0622-laiv-flu.html


CDCワクチン助言委員会(ACIP)は、弱毒化生インフルエンザワクチン(LAIV) 2016-2017インフルエンザシーズンでの使用について"should not be used"という決定


5月後半2歳から17歳の子供で2015-2016年シーズンの有効性予備データ検討
  • FluMIST有効性3%(95% CI, -49% - 37%):予防効果無しと判断
  • 一方、不活化ワクチン(IIV:従来のワクチン)はVE 63% (52% - 72%)



日本での「フルミスト」認可どうするんでしょ?
https://goo.gl/RusSkd



















chrono-nutritionと心血管代謝への影響

chrono-nutrition(1986年、フランス Delabois)提唱

その後、定期的食事摂取と心臓代謝併発症との関連性研究は乏しい
今こそ、この方面が注目されるべきという話に・・・


Conference on ‘ Roles of sleep and circadian rhythms in the origin and nutritional management of obesity and metabolic disease ’ Symposium 3: Importance of meal timing
http://journals.cambridge.org/download.php?file=%2FPNS%2FS0029665116000239a.pdf
Proceedings of the Nutrition Society The Joint Winter Meeting between the Nutrition Society and the Royal Society of Medicine held at The Royal Society of Medicine, London on 8 – 9 December 2015



 2つのRCT介入:2週間規則的食事 vs 不規則食事パターンで
ピークインスリン低下
空腹時総コレステロール、LDLコレステロール低下
が示された。肥満、やせともに同様パターン。
42. Farshchi HR, Taylor MA & Macdonald IA (2004)
Regular meal frequency creates more appropriate insulin sensitivity and lipid pro files compared with irregular meal frequency in healthy lean women. 
Eur J Clin Nutr 58 , 1071 – 1077.  

43. Farshchi  HR,  Taylor  MA  &  Macdonald  IA  (2005)
Beneficial metabolic effects of regular meal frequency on dietary thermogenesis, insulin sensitivity, and fasting lipid pro files in healthy obese women.
Am J Clin Nutr 81 ,16 – 24.


その後2016年 Potらの前向きコホート、Wennbergらの前向きコホート

Pot GK, Hardy R & Stephen AM (2016)
Irregularity of energy intake at meals: prospective associations with the metabolic syndrome in adults of the 1946
British birth cohort.  Br J Nutr 115 , 315 – 323. 
食事エネルギー摂取データのばらつきは、 10-17年後心臓代謝スコアと相関
36歳時点での昼食のエネルギー摂取量ばらつき、食事間のばらつきは17年後のメタボリックシンドロームのリスク増加(OR 1.42; 95% CI, 1.05 - 1.91、 1.35; 95% CI, 1.01 - 1.72)
43歳時点で、朝食不規則摂取は10年後のメタボリックシンドローム、BMI、腹囲径、拡張期血圧増加と関連(OR 1.53; 95 % CI 1.15, 2.04、1.66; 95 % CI 1.31, 2.10、 1.53; 95 % CI 1.23, 1.9、 1.42; 95 % CI 1.13, 1.78)


Wennberg M, Gustafsson PE, Wennberg P et al . (2016)
Irregular eating of meals in adolescence and the metabolic syndrome in adulthood: results from a 27-year prospective cohort. 
Public Health Nutr 19 , 667 – 673.
16歳時点での不規則な食事習慣は、43歳時点でのメタボリックシンドローム誘導を高める(オッズ比 1.74; 95%信頼区間 1.12 - 2.71)
ただ、それは、16歳時点の不健康ライフスタイルの併存にて説明可能ではある。 
16歳時点での朝食不摂取のみが43歳でのメタボリックと相関し、昼食・夕食などのパターンとは相関しないし、16歳児のライフスタイルと相関する
 





摂食量のばらつき、特に、朝食のばらつきは、その後のメタボリックシンドロームや肥満、血圧などへ影響を与えるのかもしれない


ところで、医者や栄養士や、自称物知り屋さんたちの言うことって、根拠無いことが多くて困る。 誰かがキャッチーなフレーズを使い始めると右へならえと暴走し始める。




2016年6月22日水曜日

安定期虚血性心疾患:スタチン使用時至適LDL-C値:70-100 mg/dL

安定期虚血性心疾患患者でのスタチン使用時至適LDL-C値:70-100 mg/dL
これ以下の強化治療での付加的ベネフィット認めず

very low target LDL-C level推奨のガイドラインに一致しない結果






Association Between Achieved Low-Density Lipoprotein Levels and Major Adverse Cardiac Events in Patients With Stable Ischemic Heart Disease Taking Statin Treatment
Morton Leibowitz,et. al.
JAMA Intern Med. Published online June 20, 2016.



治療開始1年以上後のLDL-C達成値

心筋梗塞・不安定狭心症・卒中・血管再建・バイパス手術・全死亡率を含めた重大副事象

LDL-C測定:低LDL-C 70 mg/dL以下、 中等LDL-C 70.1-100.0 70 mg/dL、 高 LDL-C 100.0 mg/dL以上



平均年齢 67.3(9.8)歳、31619名、80%アドヒアランスのコホート、女性27%、低LDL-C 29%、中等度LDL-C 53%、高 LDL-C 18%

副事象アウトカム 9035名:平均1.6年間フォローアップ(1000人年あたり 6.7)


補正発生回数アウトカムは、低vs中等LDL-Cで変わらず (ハザード比 [HR], 1.02; 95% CI, 0.97-1.07; P = .54)
しかし、中等vs高 LDL-Cでは差を認める (HR, 0.89; 95% CI, 0.84-0.94; P <0 .001="" p="">

アドヒアランス50%以上の54884名での検討では、補正HRは、それぞれ 低vs中等LDL-C 1.06 (95% CI, 1.02-1.10; P =0.001) 、 中等vs高 LDL-C 0.87 (95% CI, 0.84-0.91; P =0.001)





2016年6月20日月曜日

リアルライフ研究: 糖尿病警告犬とCGMとの比較


diabetic alert dog
http://diabeticalertdoguniversity.com/


76-OR / 76 - Reliability of Trained Dogs to Detect Hypoglycemia in Type 1 Diabetes
Evan A. Los, et. al.
http://www.abstractsonline.com/pp8/#!/4008/presentation/43884

低血糖を警告してくれる訓練犬と、CGMとを比較した治験

毛細血管採血血糖(CBG)とCGM 70 mg/dL未満を低血糖と定義


低血糖検知能力はほぼ十分
very satisfied (8.9/10 on Likert scale)
largely confident (7.9/10)


正常血糖(70-180 mg/dL)に比べ、低血糖中は3.2 (2.0 - 5.2, 95 % CI)倍のdog alert
しかし、不適当な警告により dog alertのPPVは 12%

イベント日記と盲検CGMデータのレビューでは、訓練犬では、全ての低血糖イベントの36%でタイムリーなalert(低血糖発症前10分〜後30分まで)を提供した(感度 36%ということ)(n=45)


dog alertと盲検CGMともに低血糖閾値到達したイベント時(n=30)、CGMは犬より前の警告となったのはイベントの73% (差 median 22分)

リアルライフコンディション下訓練犬信頼性確認のための最初の対照報告



犬は散歩の友という存在意義もあるはず

2016年6月18日土曜日

非結核性抗酸菌:治療効果と肺機能減衰の関連

治療介入意思決定が群間平等に行われているならともかく、無治療選択はそれなりに自然歴良好なことが想定される。故に、解釈次第では何言ってるのか分からない論文となる



治療成功群 vs 治療失敗群を主軸に比較した方がまだまし



非結核性抗酸菌(NTM)は世界的にその症例数増加。COPD、気管支拡張・結核感染後遺症などとならんで肺構造破壊疾患。通常緩徐進行であるが、rapidな症例もある。
長期多剤治療にかかわらず、除菌困難で、再発も多いのがNTMの特徴。
レントゲン所見、症状とともに機能的な影響も考慮すべき。



治療失敗群などは、FVC年次減少速度はIPFに相当するほどのインパクトを有することの認識を広めるべきであろう




Lung Function Decline According to Clinical Course in Nontuberculous Mycobacterial Lung Disease
Hye Yun Park, et. al.
Chest. 2016. doi:10.1016/j.chest.2016.06.005
http://journal.publications.chestnet.org/article.aspx?articleID=2529124

前向きNTM registry cohort(1999年1月〜2011年11月)
無治療、治療成功、治療失敗群群別検討も

治療失敗群(n=68)では、観察群(n=118)、治療成功群(n=172)比較で、FEV1、FVC低下急速;
FEV1 :–52.2, –30.8, –28.2 mL/yr p=0.023
FVC   :–50.4, –28.8,  –26.0 mL/yr p=0.002

共役要素補正後、治療失敗群では、観察群(補正P = 0.026 for FEV1、 0.022 for FVC decline) 、治療成功群 (0.004 for FEV1 decline、0.002 for FVC decline)よりFEV1、FVC減少高度

治療成功群FEV1、FVC減少は観察群と同様




向精神薬:アルツハイマー病有無にかかわらず肺炎入院/死亡増加

定型・非定型を問わず、向精神薬が肺炎リスクを高めることが以前から知られていた。
精神疾患基礎疾患に依存する可能性が考察されていたが、薬物の存在そのものが肺炎リスク増加をもたらすという結果


機序に関しては論文考察ほぼなされてない



Antipsychotic use and risk of hospitalisation or death due to pneumonia in persons with and without Alzheimer’s disease
Anna-Maija Tolppanen, et. al.
Chest. 2016. doi:10.1016/j.chest.2016.06.004


 MEDALZ cohort(アルツハイマー病全例、臨床的確認、フィンランド、2005-2011年、肺炎発症 12,225、n=60,584)、対照はマッチ化、ADなし、肺炎発症 6,195

 向精神薬投与は
 ADコホートで肺炎リスク増加(補正ハザード比 aHR, 95% 信頼区間[CI] 2.01, 1.90-2.13)
 非ADコホートでより増加多い (3.43, 2.99-3.93)

 同様の結果が、症例交差解析でも観察:オッズ比 ADコホート  2.02, 95% CI 1.75-2.34、非ADコホート 2.59, 1.77-3.79

 最頻用3大向精神薬(セロクエル:クエチアピン、リスペリドン、ハロペリドール)は同等に肺炎リスク増加と関連

2016年6月17日金曜日

メトホルミン:長期使用で神経変性疾患予防効果

 メトホルミン2年未満では有意差は認めないが、高齢者糖尿病において、神経変性疾患発症への予防効果を長期的使用で認める

(ある学会が・・・)メトホルミンを第一選択として採用しないことのデメリットの一つですな



72-OR / 72 - The Effect of Metformin Exposure on Neurodegenerative Disease among Elder Adult Veterans with Diabetes Mellitus
http://www.abstractsonline.com/pp8/#!/4008/presentation/43880
Veterans Affairs database (2004-2010)使用50歳超の糖尿病Veteranの神経変性疾患へのメトホルミン暴露効果の検討
ベースラインでND除外、6026名(年齢、 63.2±10.9 歳)、フォローアップ 5.2年間。被検期間の1/3以下インスリン使用


発生頻度は、メトホルミン治療で100人年あたり1.15、未使用比較(2.79 )に比べ有意に減少

<0 .0001="" p=""><0 .0001="" by="" cox="" model="" nd="" of="" p="" regression="" risk=""> 年齢、性別、人種、タバコ使用、肥満、HbA1c、他糖尿病薬剤、病歴(微小/大血管疾患、メンタル疾患、腎疾患、高血圧)ベースライン補正後、メトホルミン使用
<0 .0001="" p=""><0 .0001="" by="" cox="" model="" nd="" of="" p="" regression="" risk="">無し、1年、2年、2-4年、4年超で、7%増加 7% (p=0.61)、29%減少 (p=0.08)、41%減少 (p=0.0026)、84%減少 (p<0.0001) (risk of ND by Cox regression model)
<0 .0001="" p=""><0 .0001="" by="" cox="" model="" nd="" of="" p="" regression="" risk="">
<0 .0001="" p=""><0 .0001="" by="" cox="" model="" nd="" of="" p="" regression="" risk="">


禁煙用薬物治療薬:安全性と有効性比較

 今頃なんだ・・・と言われるかもしれない 。禁煙希望者がなぜか増えているので・・・備忘的に記載


他薬物治療に比べた時のバレニクリン(チャンピックス)治療の有効性は揺るぎないようだ


問題は副事象だが、プラシーボを含めたブプロフェン、ニコチンパッチ比較でさほど差は認めない


Neuropsychiatric safety and efficacy of varenicline, bupropion, and nicotine patch in smokers with and without psychiatric disorders (EAGLES): a double-blind, randomised, placebo-controlled clinical trial
Robert M Anthenelli, et. al.
The Lancet PublishedOnline
April 22, 2016 http://dx.doi.org/10.1016/ S0140-6736(16)30272-0
http://dx.doi.org/10.1016/ S0140-6736(16)30294-X

精神疾患有無喫煙者への安全性有効性:バレニクリン、ブプロピオン、ニコチンパッチ

プライマリエンドポイントは、中等度・重度神経精神副事象イベント

8144名の被検者をランダム化割り付け


精神疾患コホート 4116 (安全性解析:4074)、非精神疾患コホート 4028  (安全性解析: 3984 )
中等度・重度神経精神疾患副事象イベント
バレニクリン群 13 (1.3%) /990
ブプロピオン群 22 (2.2%) / 989
ニコチンパッチ群 25(2.5%) /1006
プラシーボ群  24 (2.4%) / 999


中等度・重度神経精神疾患副事象イベントのリスク差(RDs: Risk Difference)
バレニクリン-プラシーボ −1.28 (95% CI −2.40 to −0.15)
ブプロピオンープラシーボ −0.08 (−1.37 to 1.21)

バレニクリン-ニコチンパッチ −1.07 (−2.21 to 0.08)
ブプロピオンーニコチンパッチ 0.13 (−1.19 to 1.45)


精神疾患コホートにおいて、
バレニクリン群 67 (6.5%) / 1026
ブプロピオン群  68 (6.7%) / 1017
ニコチンパッチ群 53 (5.2%) / 1016
プラシーボ群 50 (4.9%) / 1015


RD
バレニクリン群ープラシーボ 1.59 (95% CI −0.42 to 3.59)
ブプロピオン群ープラシーボ 1.78 (−0.24 to 3.81)

対ニコチンパッチ RD
バレニクリン群ーニコチンパッチ群 1.22 (−0.81 to 3.25)
ブプロピオン群ーニコチンパッチ群 1.42 (−0.63 to 3.46)











バレニクリン比較治療被検者禁煙率は
 プラシーボ比較 (odds ratio [OR] 3.61, 95% CI 3.07 to 4.24)
ニコチンパッチ比較 (1.68, 1.46 to 1.93)
ブプロピオン比較 (1.75, 1.52 to 2.01)

ブプロピオン・ニコチンパッチ禁煙到達率はプラシーボより高い (OR 2.07 [1.75 to 2.45] 、 2.15 [1.82 to 2.54])




コホート横断的に、治療群最頻副事象イベントは吐気 (バレニクリン, 25% [511 of 2016 ])、不眠 (ブプロピオン, 12% [245 / 2006 ])、悪夢(ニコチンパッチ, 12% [251 / 2022 ])、頭痛 (プラシーボ, 10% [199 / 2014 ])






有効性比較はコホート差なし

2016年6月14日火曜日

COPD:emphysema-dominant vs airway disease dominant

COPDに関して、emphysema-dominantか、airway disease dominant か
441名のCOPD GOLD stage 1-3に関して、臨床評価、生理学的評価、検査室検査、標準定量化CT(QCT):気腫・気道壁geometry評価


pink pufferと、blue bloaterと呼ばれていた臨床特性がよみがえる


Emphysema- and airway-dominant COPD phenotypes defined by standardised quantitative computed tomography
Deepak R. et. al.
European Respiratory Journal, Vol.47 (6)
DOI: 10.1183/13993003.01878-2015 Published 26 May 2016


QCT指標は、scanner non-conformityに影響されるが、標準化によりばらつき減少 
4つのphenotypeへ分類:g “emphysema-dominant”、“airway disease-dominant”、“mixed” disease 、 “mild” disease


emphysema-dominant群は、airway-dominant群比較して、lung volume高値、ガス交換指標低下、PaO2、PCO2低下、ヘモグロビン高値、白血球数増加








15th percentile (Perc15) point derived from the lung density histogram was used to assess emphysema severity
% wall area (%WA) for the right S1 segmental bronchus was used to assess airway disease.

2016年6月13日月曜日

過体重と蛋白摂取増加はREM睡眠増加をもたす

太り気味と蛋白摂取増加は、REM睡眠増加をもたす

Energy Balance Predictors of Baseline Sleep Architecture
spaeth AM, et. al.
http://www.sleepmeeting.org/docs/default-source/default-document-library/sleep-39-as_final.pdf?sfvrsn=2

BMI、体脂肪比、安静時エネルギー消費(REE)は睡眠ステージの有意予測要素とはならない

  • 過体重では、正常体重成人に比べ、REM睡眠多く


カロリー摂取と、その後の睡眠変数との関連性を検討
BMI、年齢、性別、人種補正後

  • 蛋白摂取増加とstage 2睡眠減少、REM睡眠増加




このチームは2015年研究では、夜間食事量制限で、睡眠深度や中途覚醒への悪影響を改善する効果を報告し、2013年研究では、就寝時間遅いことと慢性の睡眠不足は、食事時間が遅れることでより太りやすくなると報告している。
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-06/uops-wad061016.php

閉塞型無呼吸:hypoglossal nerve stimulation (HGNS)の短期効果

1980年代以降、CAP治療が閉塞型睡眠時無呼吸症候群治療のもっとも普及された治療法となっている。


hypoglossal nerve stimulation (HGNS) という胸へインプラントする新しいデバイス


過体重:平均±SD BMI 29.3 ± 4.1 kg/m2、 年齢 55 ± 13

重症度 AHI 45.1 ± 17.6 events/hour  → 治療後  13.1 ± 17.2 events/hourへ

Hypoglossal Nerve Stimulation For Obstructive Sleep Apnea : Initial Results At The University of Pennsylvania
Schwab R, et. al.
http://www.sleepmeeting.org/docs/default-source/default-document-library/sleep-39-as_final.pdf?sfvrsn=2
the 30th annual meeting of the Associated Professional Sleep Societies LLC





COPDにおけるfrailと呼吸リハビリテーションの意義

この論文、呼吸リハビリテーション関連する人たちにとっては必読と思うけどなぁ





高齢者におけるFrailは副事象アウトカムとの関連性は常に問題で、慢性呼吸器疾患でのfrailの頻度そしてその管理方法について検討は不十分


Herafield Hospital Pulmonary Rehabiliation Programme
安定COPD患者中でのfrailの頻度とfrailが呼吸リハビリテーション完遂及びそのアウトカムに影響を与えるかの検討



4分の1である209名は、frailで、リハビリテーション完遂不能オッズ比2倍となる、その原因は主に急性増悪・入院によるもの

急性増悪・入院そのものへの効果は不明だが、

しかし、8週間リハビリテーションにて209名の内の55%で、息切れ値、運動パフォーマンス、身体活動、健康状態は、非frail被検者に比べ良好性持続

となると、やはりリハビリテーションの効果は認められ、ひいては急性増悪・入院へ悪影響和耐えるはずもない


リハビリテーション後は、115名中71名、61%ではすでにfrailyのクライテリア一致せずとなっている




Physical frailty and pulmonary rehabilitation in COPD: a prospective cohort study
Matthew Maddocks, et. al.
Thorax doi:10.1136/thoraxjnl-2016-208460
frailの頻度は  209/816 名 (25.6%, 95% CI 22.7 to 28.7)
年齢、 Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease (GOLD) stage、Medical Research Council (MRC) score 、 age-adjusted comorbidity burden 増加と共に、frail頻度増加(all p≤0.01)

リハビリテーションプログラム 非完遂オッズ比は2倍で (adjusted OR 2.20, 95% CI 1.39 to 3.46, p=0.001)、非完遂理由は急性増悪、入院による
しかし、リハビリテーションアウトカムは、frailでのリハビリテーション完遂にとって良い効果をもたらしMRCスコア、運動パフォーマンス、身体活動、健康状態良好性と一致し関連  (all p<0 .001="" br="">リハビリテーション後、61.3%(71/115)ではfrailのクライテリア一致しなくなった













Frailty assessment
Frail定義:Fried phenotype model
http://biomedgerontology.oxfordjournals.org/content/56/3/M146.abstract
 Frailty was defined as a clinical syndrome in which three or more of the following criteria were present: unintentional weight loss (10 lbs in past year), self-reported exhaustion, weakness (grip strength), slow walking speed, and low physical activity



ちなみに日本の老年医学会定義
・・・いまだ定まらず?

2016年6月10日金曜日

喘息COPDオーバーラップ症候群:40歳以降発症喘息症例でとくに予後が悪い

ACOSのうち40歳以降発症喘息症例では特に予後が悪い
pureなCOPDよりたちが悪い


Long-term prognosis of asthma, chronic obstructive pulmonary disease, and asthma-chronic obstructive pulmonary disease overlap in the Copenhagen City Heart study: a prospective population-based analysis
Peter Lange, et. al.
www.thelancet.com/respiratory Published online April 6, 2016 
http://dx.doi.org/10.1016/S2213-2600(16)00098-9


  •  Copenhagen City Heart Study 
  • 健康非喫煙者
  • 喫煙既往(非喘息・非COPD)
  • 喘息・低累積喫煙暴露・気流制限無し
  • COPD
  • 喘息・COPDオーバーラップ(40歳以前発症喘息)
  • 喘息・COPDオーバーラップ(40歳以降発症喘息)


オーバーラップの定義は「 現行自己報告喘息、気管支拡張剤使用後FEV1<70%、喫煙状況は限定しない

18年間FEV1減衰経過と22年間の急性増悪及び肺炎入院リスク、全原因死亡率を検討


Copenhagen City Heart Study 8382名


健康非喫煙者 2199 喫煙既往(非喘息・非COPD) 5435 喘息・低累積喫煙暴露・気流制限無し 158 COPD 320 喘息・COPDオーバーラップ(40歳以前発症喘息)68
喘息・COPDオーバーラップ(40歳以降発症喘息)202


多変量補正FEV1減衰は、喘息・COPDオーバーラップ(40歳以前発症喘息)において 27.3 mL (standard error 5.0) /年間、健康非喫煙者 20.9 mL (1.2) /年間と年次FEV1減少は有意差無し
喘息・COPDオーバーラップ(40歳以降発症喘息)では減少速度49.6 mL (3.0) /年間
喘息・COPDオーバーラップ(40歳以前発症喘息)比較減少速度にくらべても高速度で減少 (p=0.0001)し、COPD 39.5 mL (2.5) /年間、健康非喫煙者 (p<0 .0001="" p="">

喘息・COPD急性増悪による入院ハザード比:肺疾患無し非喫煙者比較

  • 喘息・COPDオーバーラップ(40歳以前発症喘息) 39.48 (95% CI 25.93–60.11)
  • 喘息・COPDオーバーラップ(40歳以降発症喘息) 83.47 (61.67–112.98) 
  • COPD 23.80 (17.43–33.50) 
  • 喘息・低累積喫煙暴露・気流制限無し 14.74 (10.06–21.59)

(all p<0 .0001="" p="">

余命短縮に関しては健康非喫煙者と比較して

  • 喘息・COPDオーバーラップ(40歳以前発症喘息) 9.3 歳 (5.4–13.1) 
  • 喘息・COPDオーバーラップ(40歳以降発症喘息) 12.8 歳 (11.1–14.6) 
  • COPD  10.1 歳 (8.6–11.5) (all p<0 .0001="" li="">
  • 喘息  3.3 歳 (1.0–5.5) (p=0.004)








卒中後骨髄由来間葉系幹細胞移植 第1/2相治験

卒中後遺症による障害は大きな社会的コストにもなる。
SB623細胞をallogeneic cell therapyとして移植するトライアル

Clinical Outcomes of Transplanted Modified Bone Marrow–Derived Mesenchymal Stem Cells in Stroke: A Phase 1/2a Study
Gary K. Steinberg, et. al.
STROKEAHA.116.012995 Published online before print June 2, 2016,
doi: 10.1161/STROKEAHA.116.012995


安定、慢性卒中18名への、骨髄由来間葉系幹細胞(SB623)外科手術の安全性・有効性Phase1/2研究

全例(n=18)1回は治療救急副事象イベント
6例は6回重篤治療救急副事象
全例重症治療科員連副事象は合併症無しに改善
16名12ヶ月フォローアップ

ベースライン(平均)からの有意改善 :
(1) European Stroke Scale: 増加平均 6.88 (95% 信頼区間, 3.5–10.3; P<0 .001="" p="">(2) National Institutes of Health Stroke Scale: 減少平均 2.00 (95% confidence interval, −2.7 to −1.3; P<0 .001="" p="">(3) Fugl-Meyer total score: 増加平均 19.20 (95% confidence interval, 11.4–27.0; P<0 .001="" nbsp="" p=""> (4) Fugl-Meyer motor function total score: 増加平均 11.40 (95% confidence interval, 4.6–18.2; P<0 .001="" p="">



 修正Rankin Scale変化認めず

移植1週後同側 MRT2fluid-attenuated inversion recovery signal change は12ヶ月後臨床改善と相関 (P<0 .001="" european="" for="" p="" scale="" stroke="">

2016年6月9日木曜日

Deflation Cough: 存在ないことで酸逆流性咳嗽否定的

deflation cough:肺を空っぽにするほどの呼気努力した場合の、咳嗽様排出努力を生じる
特に肺機能検査時などしばしば遭遇する現象

このdeflation cough存在がないことは、酸逆流による咳嗽である蓋然性を低下推定できる可能性

deflation cough
intraluminal impedance-pH(MII-pH)

         Acid MII-pH       Normal or non-acid MII-pH
DC+  15                     25
DC-    2                      51

The Clinical Value of Deflation Cough in Chronic Coughers With Reflux Symptoms
Federico Lavorini,et. al.
Chest. 2016;149(6):1467-1472. doi:10.1016/j.chest.2016.01.008



2016年6月8日水曜日

肺癌低放射線量CT検診:新たなリスクモデル 肺がん死減少と無駄な検診を最小化

某県で行われている、低線量CT リスク層別化無視し、非喫煙者だろうがなんだろうが、希望者ならCT検診受けている現状は果たして科学性があるのだろうか?




US Preventive ServicesTaskForce (USPSTF) とUS Centers forMedicare &Medicaid Services nowrecommend annual CT screeningでは、リスク要素ベースのサブグループ分別
  • 現行喫煙
  • 喫煙既往
  • 55-80歳、55-77歳
  • 喫煙 30 pack-yeras
  • 禁煙後15年経過してない


NLSTにおいては、CT検査による予防可能肺がん死の88%は高リスク被検者の60%、低リスク被検者では20%でCT検査による予防可能肺がん死はわずか1%であった

故に、リスク層別化前提の低線量が重要
US Preventive Services Taskのリスク・モデル化研究


年齢と喫煙歴のみの層別化の代わりに、個別変数としてBMI,教育、詳細な喫煙状況、他を変数として導入の結果、がん死減少とNNS減少が推定され、期待される。


Development and Validation of Risk Models to Select Ever-Smokers for CT Lung Cancer Screening
Hormuzd A. Katki,et. al.
JAMA. 2016;315(21):2300-2311. doi:10.1001/jama.2016.6255.


肺癌発生率と死亡リスクモデルをPLCO、NLSTでcalibrate良好
US喫煙既往50-80歳での肺がん死モデルcalibrate良好、判別良好 (NHIS 1997-2001: estimated/observed = 0.94 [95%CI, 0.84-1.05]; AUC, 0.78 [95%CI, 0.76-0.80])


USPSTF推奨下、推定約900万人喫煙既往モデルで肺癌検診の審査し、5年間において検診にて回避可能な肺がん死46,488と推定 (estimated NNS, 194 [95% CI, 187-201])
一方、5年肺癌リスク最大(1.9%以上)の同数の喫煙既往者のリスクベース選択的検診で回避可能肺がん死20%増加(55 717 [95% CI, 53 033-58 400])と推定、number needed to screen [NNS]推定17%減少 (NNS, 162 [95% CI, 157-166])



2016年6月7日火曜日

ジャヌビアなどDPP-4阻害剤:他血糖降下剤と比べ心不全入院リスク増加のリスクはなさそう?

伸るか反るかをさける日本の医療の伝統・・・副作用がないことが一番で、DPP-4阻害剤は日本で重用される。

そんな中、心不全入院リスク増加の懸念が・・・

U.S. Food and Drug Administration's Mini-Sentinel programのデータ使用後顧的解析

オングリザ(サキサグリプチン)とシタグリプチン(ジャヌビアなど)の安全性懸念に関する検討

この検討結果で入院となった心不全(hHF)リスク増加認めた


  • SAVOR-TIMI 53 (Saxagliptin Assessment of Vascular Outcomes Recorded in Patients with Diabetes Mellitus–Thrombolysis in Myocardial Infarction 53) trial
しかし他のではhHF増加せず
  • EXAMINE(Examination of Cardiovascular Outcomes with Alogliptin versus Standard of Care) trial
  • TECOS (Trial Evaluating Cardiovascular Outcomes with Sitagliptin)



故に、コホートで検討されたという次第か?


Risk for Hospitalized Heart Failure Among New Users of Saxagliptin, Sitagliptin, and Other Antihyperglycemic Drugs: A Retrospective Cohort Study
Sengwee Toh, et. al.
Ann Intern Med. 2016;164(11):705-714. doi:10.7326/M15-2568 


サキサグリプチン 78 553
シタグリプチン 298 124
フォローアップ期間平均7-9ヶ月(1以上のpairwise比較)

hHF(入院となった心不全)イベントリスクに関して、他検討血糖降下薬剤と比べ、高率ではなかった


disease risk score (DRS)–stratified analysisからのハザード比
  • 0.83 (95% CI, 0.70 to 0.99) for saxagliptin versus sitagliptin
  • 0.63 (CI, 0.47 to 0.85) for saxagliptin versus pioglitazone
  • 0.69 (CI, 0.54 to 0.87) for saxagliptin versus sulfonylureas
  • 0.61 (CI, 0.50 to 0.73) for saxagliptin versus insulin



DRS-stratified hazard ratio
  • 0.74 (CI, 0.64 to 0.85) for sitagliptin versus pioglitazone, 
  • 0.86 (CI, 0.77 to 0.95) for sitagliptin versus sulfonylureas
  • 0.71 (CI, 0.64 to 0.78) for sitagliptin versus insulin


1:1 propensity score–matched analysisでも同様結果
心血管疾患既往有無サブグループ間、2つのDRS減少高度で定義されたサブグループ間でも同様






DPP-4: 我が軍は最弱

2型糖尿病(T2DM)への、チアゾリジン系、SU剤、DPP-4阻害剤、SGLT-2阻害剤、GLP-1受容体アゴニストと、選択的メトホルミン併用の単剤治療の有効性、安全性比較



Diabetes Medications as Monotherapy or Metformin-Based Combination Therapy for Type 2 Diabetes: A Systematic Review and Meta-analysis
Nisa M.
Maruthur,  et. al.
Ann Intern Med. 2016;164(11):740-751. doi:10.7326/M15-2650 


メトホルミンは、対SU剤比較で、心血管系死亡率低下;全原因死亡率、心血管疾患合併症、微小血管合併症では不十分もしくは低レベルのエビデンス強度
HbA1c値減少は単剤とメトホルミン・ベース併用と横断的に同等:例外はDPP-4阻害剤で効果少ない
体重は、メトホルミン、DPP-4阻害剤、GLP-1受容体アゴニスト、SGLT-2阻害剤で減少もしくは維持的効果
対して、増加するのは、SU剤、チアゾリジン系、インスリン(群間差〜5kg)
低血糖頻回なのはSU剤
胃腸副作用は、メトホルミン、GLP-1受容体アゴニスト
性器真菌感染症はSGLT-2阻害剤で増加



・・・・

HbA1c低下 メトホルミン> DPP-4、 SU > DPP-4

DPP-4: 我が軍は最弱よ、まいったか

・・・・
にしても、“第一選択としてDPP-4阻害剤が市場を席巻”している日本の糖尿病診療のいびつさ;糖尿病関連学会(と癒着^h^h^h^h関連が深い販売製造関連会社)と、私を含めた医師たちに大きな責任があると思う

特に、メトホルミンphobiaをいまも引きずらせる糖尿病関連学会の連中どうにかできないものか!

2016年6月5日日曜日

免疫不全・重症呼吸不全・・・非侵襲人工換気は有害?




Effect of non-invasive oxygenation strategies in immunocompromised patients with severe acute respiratory failure: a post-hoc analysis of a randomised trial
Jean-Pierre Frat,  et. al.
Lancet Respir Med 2016 Published Online May 27, 2016
http://dx.doi.org/10.1016/ S2213-2600(16)30093-5

【背景】 非侵襲人工換気使用は、急性呼吸不全を有する免疫不全に関して、議論あり。high-flow nasal cannula oxygen therapy使用は、標準酸素療法の代替として伸展している。標準酸素療法治療急性呼吸不全免疫不全患者のアウトカムを、high-flow nasal cannula oxygen 単独と、high flow nasal cannula oxygen+非侵襲人工換気で比較

【方法】 非高炭酸ガス血症・急性呼吸不全の免疫不全患者のサブセットのpost-hoc subgroup解析;多施設・ランダム化対照化トライアル
23のICU(フランス、ベルギー)患者をランダム化割り付け(1:1:1):標準酸素療法 vs 高流量経鼻酸素療法単独 vs 非侵襲型人工換気セッションの間隙に高流量経鼻酸素療法カニューラ(非侵襲人工換気)
高度好中球減少症患者、acute on chronic呼吸不全、心原性肺水腫、ショック、意識障害は除外
プライマリアウトカムはランダム化後28日内気管内挿管を有する患者比率

【結果】 82名の免疫不全患者のうち、標準酸素療法開始 30、経鼻カニューラ単独 26、非侵襲型人工換気+治療間隙高流量経鼻カニューラ 26
28日目挿管必要性
高流量経鼻カニューラ単独  8 (31%) / 26
標準酸素治療 13 (43%) / 30
非侵襲人工換気 17 (65%) / 26
(p=0.04)

挿管必要オッズ比(ORs)は、高流量経鼻カニューラ治療より、非侵襲人工換気患者で高率 : OR 4.25 (95% CI 1.33–13.56)
ORは、高流量鼻カニューラ単独と標準酸素療法とに有意差認めず : OR 1.72 (0.57–5.18).
多変量ロジスティック回帰後、気管内挿管、死亡率と独立した2つの要素は年齢と、第一選択としての非侵襲性人工換気使用であった。




【結論】 非侵襲人工換気は、挿管リスクと死亡リスク増加と関連し、急性低酸素血症呼吸不全・免疫不全患者においてはその使用慎重であるべき。


Funding French Ministry of Health, the French societies of intensive care (Socié té de Ré animation de Langue Franç aise, SRLF) and pneumology (Socié té de Pneumologie de Langue Franç aise, SPLF), La Mutuelle de Poitiers,AADAIRC (Association pour l’Assist

2016年6月3日金曜日

認知疾患予防のためのコーヒー最適量 1日1-2杯?


2型糖尿病:コーヒー摂取量が増えればリスク減少、減ればリスク増加
http://kaigyoi.blogspot.jp/2014/04/2_7448.html


コーヒー摂取量多いと、死亡率増加 ・・・ 特に55歳未満
・・・週 28カップを超えると死にやすい


コーヒーと健康に関する数々の報告
http://kaigyoi.blogspot.jp/search?q=コーヒー




以下は、認知症関連病態・疾患への影響について・・・ コーヒー摂取量と、認知症関連病態・発症に関して、J字現象があるという報告



Coffee intake and the incident risk of cognitive disorders: A dose-response meta-analysis of nine prospective cohort studies
Lei Wu, et. al.
Clinical Nutrition ,
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.clnu.2016.05.015



9つの前向きコホート、34,282名
フォローアップ期間は1.3〜28年

コーヒーカップ1杯未満と比べ、1-2杯では、認知疾患(アルツハイマー病、認知症、認知機能低下、認知障害)発症は低下、pooled RR(95% CI)は、 0.82 (0.71, 0.94) eterogeneity (I2=25%)有意
有意差を認めないのは、 > 3杯 vs < 1杯と認知機能疾患発症



頻度〜30%のmelatonin receptor 1 b gene (MTNR1B)変異による2型糖尿病発症リスク




Clinical and Translational ReportSwitch to Standard View
Increased Melatonin Signaling Is a Risk Factor for Type 2 Diabetes
Tiinamaija Tuomi , et. al.
Cell Metabolism (2016)
http://dx.doi.org/10.1016/j.cmet.2016.04.009



2型糖尿病のメラトニン受容体1B遺伝子のリスク変異で、約30%とコモンな変異
recall-by-genotype研究で、メラトニン処理にてインスリン分泌抑制され、リスク・キャリアでの血糖レベル高値所見が示された


  • rs10830963は、ヒト・ラ氏島のeQTLで、 MTNR1 mRNA発現増加と関連
  • メラトニンは、マウス・ラ氏島のcAMP増加を抑制、clonal なインスリン放出細胞を抑制
  • メラトニンは、マウスのインスリン放出抑制、clonalなインスリン分泌細胞を抑制
  • インスリン放出メラトニン抑制作用はリスクalleleキャリアでより強力





2016年6月2日木曜日

睡眠時無呼吸症候群:運動トレーニング

睡眠時無呼吸症候群における運動療法の意義




Effect of exercise training on sleep apnea: A systematic review and meta-analysis
Kenneth D. Aiello, et. al.
Respiratory Medicine 116 (2016) 85e92

PRISMA statement 、 MOOSE consensus statement一致となると8つの論文、182名の被検者
random effects modelにて運動治療群
  • AHI 減少(非標準化平均差[USMD], −0.536, 95% 信頼区間 [CI], −0.865 to −0.206, I2, 20%)
  • Epworth sleepiness scale (ESS) 減少 (USMD, −1.246, 95% CI, −2.397 to −0.0953, I2, 0%)
  • body mass index (BMI) 減少 (USMD, −0.0473, 95% CI, −0.0375 to 0.280, I2, 0%)

 
治療として運動している場合、AHI減少 (OR: 72.33, 95% CI, 27.906 to 187.491, RR: 7.294, 95% CI, 4.072 to 13.065)




2016年6月1日水曜日

メタアナリシス:不安と心血管疾患リスク

うつでは冠動脈関連リスク特異的報告が多いが、不安障害に関しては脳血管を含め全般的心疾患系リスク増加がめだつ

Meta-Analysis of Anxiety as a Risk for Cardiovascular Disease
Connor A. Emdin, et. al.
The American Journal of Cardiology
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.amjcard.2016.05.041


不安で以下項目リスク増加

  • 心血管疾患死亡率 (RR 1.41 CI 1.13, 1.76)
  • 冠動脈性心疾患 (RR 1.41 CI 1.23, 1.61)
  • 卒中 (RR 1.71 CI 1.18, 2.50)
  • 心不全 (RR 1.35 CI 1.11, 1.64)


不安でリスク増加有意相関せず(信頼区間幅大だが・・・)

  • 重大心血管イベント
  • 心房細動



恐怖不安症は他の不安障害に比べリスク増加

  • 冠動脈性心疾患


PTSDはリスク増加

  • 卒中




ちなみに、うつでは、
大うつ(MDD)では、冠動脈性心疾患(CHD)リスク増大(相対リスク 1.64)
重症度に比例して冠動脈疾患(CAD)発症リスク増加
死亡率に関しては、MDDは合併CHDの場合相対リスク1.8にも及ぶ
参照:http://journal.frontiersin.org/article/10.3389/fpsyt.2016.00033/full

OCTAVIA研究:深部静脈血栓症後弾性圧迫ストッキング治療は2年以上継続すべき




One versus two years of elastic compression stockings for prevention of post-thrombotic syndrome (OCTAVIA study): randomised controlled trial
G C Mol, et. al.
BMJ 2016; 353 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.i2691 (Published 31 May 2016)
Cite this as: BMJ 2016;353:i2691


近位深部静脈血栓症(DVT)患者で、弾性圧迫ストッキング治療を、12ヶ月までとするか、継続するか?
24ヶ月目で、血栓症後症候群発症をプライマリアウトカムとして、ITT解析





非常に優秀な弾性圧迫ストッキング継続例を2年後評価行い、弾性圧迫ストッキング1年間中止例では、2年継続例に対し、事前設定非劣性マージンをまたぎ、1年間治療の非劣性を示せなかった

ということは、弾性圧迫ストッキング治療はやはり24ヶ月間は継続すべき

6分間ステップ数試験(6MST):COPDリハビリテーション前後評価:6分間歩行距離と同等評価可能、MID 20ステップ

6分間歩行距離試験(6MWD)に対して、 6-minute stepper test (6MST) は、耐忍性、再現性が良いという話


もともとの6MST:
Six-minute stepper test: a valid clinical exercise tolerance test for COPD patients
https://www.dovepress.com/six-minute-stepper-test-a-valid-clinical-exercise-tolerance-test-for-c-peer-reviewed-fulltext-article-COPD

Six-minute stepper test
A step was defined as a single complete movement of raising one foot and putting it down. The stepper (Go Sport®, Grenoble, France)16 was placed on the ground facing a wall to allow patients to maintain their balance by placing their fingers on the wall. The step height was set at 20 cm. Before starting the test, patients got accustomed to the stepper for 2 minutes. The protocol included a 3-minute rest period and a 6-minute stepping period. Patients received standardized instructions adapted from the 6MWT ATS instructions,15 advising them to make the most number of steps they could in 6 minutes. The number of steps performed in 6 minutes was recorded. Monitoring of heart rate and SpO2 by a pulse oximeter (Oxymontre 3100; Nonin) was performed each minute. An investigator, a member of the paramedical team, remained behind the patient throughout the test.



パテント臭がする・・・標準化の折、機器限定して欲しくない




Responsiveness and Minimally Important Difference of the 6-Minute Stepper Test in Patients with Chronic Obstructive Pulmonary Disease
Respiration1Vol. 91:367-373 , 2016 (DOI:10.1159/000446517)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27216848

背景: COPD患者での、6-minute stepper test (6MST) のvalidityとreproducibilityは報告されている。
目的: 呼吸リハビリテーション<pulmonary rehabilitation (PR) >の反応性評価するための、6MSTのminimal important difference (MID) を評価し、6MWTと比較

方法: 62名のSCOPD患者、前向き研究。
3週間入院PRプログラム施行
プライマリアウトカムは、PR前後の6MST中のステップ数変化i
セカンダリアウトカムは、6MWDパルスオキシメトリー、心拍、呼吸困難、下肢不快症状をPR前後で比較。
MIDは anchor-based and distribution approachで評価


結果: PR後、6MST中ステップ数T (22.5 steps; 95% CI 13.8-31.3; p < 0.0001) 、6MWD (26.6 m; 95% CI 17.6-35.5; p < 0.0001)増加
6MST と 6MWTはそれぞれ10.1%、6.5%改善
6MST中のステップ数は6MWDとPR前後 (PR前:r = 0.72; p < 0.0001、PR後:r = 0.66; p < 0.0001).とも有意相関

MID 推定、約 20 ステップ

結論: COPD患者の呼吸リハビリテーション中の機能的改善効果評価のための6MST は、6MWTと同様の反応性判定を示すようだ
6MSTは低コスト評価で、スペースもいらない

嚢胞性線維症:長期アジスロマイシン療法への疑念


Cochrane Review
Macrolide antibiotics for cystic fibrosis.
Cochrane Database Syst Rev. 2012 Nov 14;11:CD002203.

6ヶ月以内の検討では、肺機能改善、急性増悪回数改善など示唆されていたが
小数例の検討で、長期治療効果に疑問





Long-term effects of azithromycin in patients with cystic fibrosis

Clémentine Samson, et. al.
Respiratory Medicine, August 2016Volume 117, Pages 1–6
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.rmed.2016.05.025 
嚢胞性線維症68名へのアジスロマイシン12ヶ月超治療
肺機能、急性増悪、抗生剤使用率に効果認めず
気道コロナイゼーションにも効果認めず
マクロライド耐性黄色ブドウ球菌分離

アジスロマイシン長期使用に関して再考が必要


嚢胞性線維症に対しての話だが、びまん性汎細気管支炎・気管支拡張ではどうなのだろう?びまん性汎細気管支炎へのエリスロマイシンの劇的効果を経験してきたものとしては、アジスロマイシンという15員環系のこだわらずとも・・・14員環系を是非腱としてもらいたいというのは・・・日本の医者の思いでは?

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note