LIPUSでは高品質エビデンス上新規骨折患者において、臨床的アウトカムを改善せず、レントゲン上の治癒に関する効果も無い
”骨癒合期間を40%近く短縮:二重盲検試験により、骨癒合日数の有意な短縮効果が認められています”という宣伝を見受けるが・・・RCTシステマティックレビューレベルでは疑問視
Low intensity pulsed ultrasound for bone healing: systematic review of randomized controlled trials
BMJ 2017; 356 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.j656 (Published 22 February 2017)
Cite this as: BMJ 2017;356:j656
26のRCT、サンプルサイズ30(range 8-501)
脛骨・鎖骨検討のバイアス・リスクの少ない4つのトライアルがもっともエビデンスとして価値があると判断。
対照群と比較して、LIPUSは
- 職場復帰までの期間短縮せず (パーセント表示の差: 2.7% later with LIPUS, 95% 信頼区間 7.7% earlier to 14.3% later; moderate certainty)
- その後の手術数減少せず (risk ratio 0.80, 95% 信頼区間 0.55 to 1.16; moderate certainty)
- 疼痛、過重負荷までの日数、レントゲン的治癒に関して、その効果は検討によるばらつき大きい
3つのアウトカム全てで、バイアスリスクの低いトライアルではLIPUSのベネフィット示せず、バイアスリスクが高いトライアルでベネフィット示唆( interaction P < 0.001)
バイアス低リスクトライアルでのみ対象としたとき、LIPUSでは
- 過重負荷までの日数減少せず (4.8% later, 4.0% earlier to 14.4% later; high certainty)
- 4−6週間の疼痛減少せず (mean difference on 0-100 visual analogue scale: 0.93 lower, 2.51 lower to 0.64 higher; high certainty)
- レントゲン治癒までの日数減少させずg (1.7% earlier, 11.2% earlier to 8.8% later; moderate certainty)
日本では、財務省あたりが、高品質エビデンスで効果の無い治療を認可している厚労省に対して文句を言えるかどうか(省庁間力関係)、関係団体から政治家への働きかけによる防御アクション(関係団体圧力、政治的作用)などからかんがえて、まぁ当面ほったらかしでしょうけどね・・・