卒中発生後4.5時間までにAlteplase投与されれば、年齢・卒中重症度に関連せず、また、治療後数日の致死的脳内出血リスク増加はあるが、良好な卒中アウトカムオッズ増加する。
めあたらしい知見は無いと思うが・・・4.5時間内投与できれば早く治療するほど効果良好という事実確認
プラシーボもしくはオープン対照比較の、9つのランダム化トライアル、6756名の事前設定メタアナリシス
Effect of treatment delay, age, and stroke severity on the effects of intravenous thrombolysis with alteplase for acute ischaemic stroke: a meta-analysis of individual patient data from randomised trials
Jonathan Emberson , et. al.
The Lancet, Early Online Publication, 6 August 2014
doi:10.1016/S0140-6736(14)60584-5
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(14)60584-5/fulltext
Alteplaseは、早期治療ほど比例してベネフィットの大きさと相関し、良好な卒中アウトカムオッズを増加する。
3.0時間内の治療は良好なアウトカムをもたらす;
Alteplase 259 (32·9%) /787 vs 対照:176 (23·1%) / 762 (OR 1·75, 95% CI 1·35—2·27)
3.0時間~4.5時間までの治療の遅れでもアウトカム良好 485 (35·3%) / 1375 versus 432 (30·1%) / 1437 (OR 1·26, 95% CI 1·05—1·51)
4.5時間超でもアウトカム良好? 401 (32·6%) /
1229 versus 357 (30·6%) /1166 (OR 1·15, 95% CI 0·95—1·40)
年齢、卒中重症度不応性に、比例的な治療ベネフィット認める。
Alteplase は有意に、有症状頭蓋内出血(type 2 実質性出血をその定義とする)のオッズを増加;231 [6·8%] / 3391 vs 44 [1·3%] / 3365, OR 5·55, 95% CI 4·01—7·70, p < 0.0001;
SITS-MOST 定義では、 124 [3·7%]
vs 19 [0·6%], OR 6·67, 95% CI 4·11—10·84, p < 0·0001;
7日内の致死性脳出血 (91 [2·7%]
vs
13 [0·4%]; OR 7·14, 95% CI 3·98—12·79, p < 0·0001)
致死性頭蓋内出血の相対リスクは、治療の遅れ、年齢、疾患重症度に無縁で同等。しかし、絶対的超過リスクは、重症卒中患者ほど大きい。
他の早期死亡原因では超過リスク無く、超過後期死亡原因へも有意な影響なし。
続けて、90日目の死亡率は、治療群で608(17.9%) vs 対照群 556(16.5%) (ハザード比 1·11, 95% CI
0·99—1·25, p=0 · 07)
故に、頭蓋内出血の早期死亡リスク絶対的平均的増加はあるが、3-6ヶ月までに約10%ほどの障害なし生存期間増加にオフセットされる; 3.0時間内治療、3.0-4.5時間までは約 5%。
rt-PA(アルテプラーゼ)常駐量法 適正治療 第2版
http://www.jsts.gr.jp/img/rt-PA02.pdf