2014年8月31日日曜日

術後せん妄は脳波で予測できる!

 Delirium detection using EEG: what and how to measure?
Arendina W. van der Kooi,  et. al.
Chest. 2014. doi:10.1378/chest.13-3050
http://journal.publications.chestnet.org/article.aspx?articleID=1900535

心臓胸部手術非麻酔患者の均質なpopulationにおいて、双電極(SF8-Pz (frontal-parietal) )閉眼脳波記録relative deltaにて、せん妄の有無鑑別された。

highest area under the receiver operating curve (0.99; 95% 信頼区間: 0.97-1.00)

relative delta power 煮て、カットオフ値0.37で、感度100%、特異度96%

2014年8月29日金曜日

直腸結腸腺腫除去:低リスク腺腫切除の方がより高リスク腺腫腺腫切除より生命予後への効果大きい

フォローアップ中央値7.7年間、直腸結腸癌死亡率は、低リスク腺腫切除後低下するも、高リスク腺腫切除後は一般住民に対してその直腸結腸癌死亡リスクは高い。


従来の考えより、より軽度リスクの病変を捕まえる方が、予後改善に寄与するらしい



Long-Term Colorectal-Cancer Mortality after Adenoma Removal
Magnus Løberg, et.al.
N Engl J Med 2014; 371:799-807August 28, 2014DOI: 10.1056/NEJMoa1315870


ノルウェーのCancer Registry and the Cause of Death Registry(1993-2007年)

40826名の直腸結腸腺腫切除後フォローアップ
1273名が直腸結腸癌診断

腺腫切除患者においてMRにより予測398名だったが、383名で、0.95(95%信頼区間 0.87~1.06)

直腸結腸癌死亡率は、高リスク腺腫においてはむしろ増加( 予測 209、 vs 観察 242、 SMR 1.16 95%信頼区間 1.02~1.31)
しかし、低リスク腺腫切除では減少 (予測 189 vs 観察 141 ; SMR 0.75; 95%信頼区間 0.63~0.88)

2014年8月27日水曜日

高リスク高血圧:TASMIN-SR ランダム化臨床トライアル:患者自己管理にて血圧管理良好となる

今年の高血圧ガイドラインでは、家庭血圧測定値が管理上主軸である。一歩踏み込んで、家庭血圧・自己モニタリング、そして、降圧剤自己補正

高血圧患者の血圧値低下に役立つことが示されているが、高リスク群でのデータが無かったとのこと。


自己モニタリング・自己タイトレーションの心血管疾患、糖尿病、CKD患者での収縮期血圧への影響を552名のプライマリケア・盲目化・ランダム化トライアル


Effect of Self-monitoring and Medication Self-titration on Systolic Blood Pressure in Hypertensive Patients at High Risk of Cardiovascular Disease
The TASMIN-SR Randomized Clinical Trial
Richard J. McManus,  et. al.
JAMA. 2014;312(8):799-808. doi:10.1001/jama.2014.10057


59UKプライマリケア治療130/80水銀柱以上の卒中、冠動脈疾患、糖尿病、CKD病歴を有する患者

自己モニタリング・自己補正は 家庭内125/75mm水銀柱、診察室 130/80mm水銀柱をターゲットとする

プライマリアウトカムは、12ヶ月後収縮期血圧の差



プライマリアウトカムデータは、450名(81%)を分析。


ベースライン平均血圧 介入群 143.1/80.5 vs 対照群 143.6/79.5 mm水銀柱



12ヶ月時点で、平均血圧
介入群 128.2/73.8 vs 対照群 137.8/75.3 mm水銀柱

ベースライン血圧補正後の差分 収縮期血圧 9.2  mm 水銀柱  (95% CI, 5.7-12.7) 、拡張期血圧  3.4 mm 水銀柱 (95% CI, 1.8-5.0)


データ値欠損多変量imputationでも同様で、ベースラインでは 143.5 vs 144.2/79.9、12ヶ月後 128.6/73.6 vs 138.2/76.4
差分平均 収縮期 8.8 (95%CI、 4.9-12.7)、拡張期 3.1 (95% CI、 0.7-5.5) mm水銀柱。


サブグループ全てで、超過副事象無く、比較可能。



患者自身、ときには医者自体が、その目的を間違えてるなぁと思うことがある。高血圧管理の主目標は心血管疾患合併症リスクの減少であるのに、「肩こり」や「頭痛」を高血圧の合併症と勘違いし勝手に増量したり、薬の飲み合わせが喧伝されてるため、「かぜ薬飲んだから、血圧の薬はやめてた」とのたまわれることがある。




まぁ上記治験ではさすがに、高血圧治療のインストラクションされてるとは思うが・・・


表面的に、自己管理だけでOKなんてされると・・・ 喘息のSMART療法はき違えの「好きなときに吸って」いうアホ医者がまたちまたに跋扈する。

米国中高校生電子タバコ使用急増 ・・・ 喫煙インテンション増加

電子タバコに関する規制がようやく本格的になってきた。


未成年者への電子たばこ販売禁止を勧告…WHO
Backgrounder on WHO report on regulation of e-cigarettes and similar products

AHAも電子タバコアクセスを防ぐようイニシャチブ
http://www.medpagetoday.com/Cardiology/Prevention/47346





Intentions to smoke cigarettes among never-smoking U.S. middle and high school electronic cigarette users, National Youth Tobacco Survey, 2011-2013 Rebecca E. Bunnell, et. al.
Nicotine Tob Res (2014) doi: 10.1093/ntr/ntu166 First published online: August 20, 2014


若年者において、2011年から2013年の間に、電子タバコ使用・非喫煙数3倍に増加(7万9千→26万3千)


通常喫煙へのintentionは、喫煙経験者43.9%、非喫煙者 21.5%


喫煙経験者は、非喫煙者より、喫煙intension補正オッズ比高い (Adjusted Odds Ratio: 1.70, 95% Confidence Interval: 1.24-2.32)


他の可炎性製品使用、非可炎性製品使用、pro-tabacco広告暴露歴なども喫煙intentionオッズ比増加させる。



それにしても、今期フジテレビ・月9ドラマ、司法関係のドラマだが、このドラマの喫煙シーンの多さは目に余る。 木村拓哉、さんま・・・



 「禁煙が楽に」2008年12月7日朝日新聞)は、朝日新聞らしい間抜け記事! Webなどから完全に消してる・・・

2014年8月25日月曜日

2型糖尿病:強化ライフスタイル介入によりかなりのコスト削減(入院・薬物コストなど)

2型糖尿病5121名、過体重・肥満成人に強化ライフスタイル介入(ILI)を割り付け vs diabetes support and education (DSE).比較

             
Impact of an Intensive Lifestyle Intervention on Use and Cost of Medical Services Among Overweight and Obese Adults With Type 2 Diabetes: The Action for Health in Diabetes
Diabetes Care September 2014 vol. 37 no. 9 2548-2556


10年間フォローアップ比較

・ ILIにより、年次入院率 11%、入院期間15%、 薬物数 6%減少 
・ 入院コストを10%、薬物コストを7%引き下げた。(all  p < 0.05)
 
ILIは、10人年コスト削減、5280米ドル(95%信頼区間 3385 - 7175米ドル) 

しかし、心血管既往患者ではあきらかなコスト削減効果不明



ランニングなど習慣化を強要するわけにはいかないだろうが、なんらかのインセンティブを与えるべき金額になっている(アメリカの話で、そのまま日本に適応できるかはしらないが・・・)。


妊娠糖尿病(GDM)診断: IADPSGCクライテリアは診断頻度増やすが、アウトカム・コスト効果に優れる

 妊娠糖尿病(GDM)診断に関する、International Association of the Diabetes and Pregnancy Study Groups criteria (IADPSGC)は妥当らしい

3.5倍ほど頻度増加させるが、妊娠アウトカム、コスト効果的であるという結論

Introduction of IADPSG Criteria for the Screening and Diagnosis of Gestational Diabetes Mellitus Results in Improved Pregnancy Outcomes at a Lower Cost in a Large Cohort of Pregnant Women: The St. Carlos Gestational Diabetes Study
Published online before print June 19, 2014, 
doi: 10.2337/dc14-0179 
Diabetes Care September 2014 vol. 37 no. 9 2442-2450 


診断頻度:
IADPSG criteria  19.9% vs  ADA criteria  7.98%


Adverse pregnancy outcomes (APOs)検出頻度はIADPSG criteriaが良好
(odds ratio (OR)=1.84, 95%信頼区間 (CI): 1.52–2.25 for IADPSG, and OR=1.54, 95% CI: 1.16–2.05 for ADA)





IADPSGCクライテリア
http://care.diabetesjournals.org/content/33/3/676/T1.expansion.html

米国各工場周辺住民コホート:全身性エリテマトーデスとウラニウム暴露の関連性

原論文を見ると、対象例が少なく、微妙な気もするが、反核・反原発プロパガンダの“市民団体”、政治団体、マスコミなどにとって、好都合な報告でもあるが・・・




1950年代初頭、冷戦拡大中、 U.S. Department of Energyは、Fernald(オハイオ州)の田舎で、核兵器工場を増殖し続けた。そこの住民のコホート、Fernald Community Cohortということで、貴重な報告である。


Systemic lupus erythematosus is associated with uranium exposure in a community living near a uranium processing plant: A nested case-control study
Pai-Yue Lu-Fritts ,et. al.
Arthritis Rheum 2014; DOI: 10.1002/art.38786.

Fernald Community Cohort (FCC)のウラニウム暴露住民に、SLE患者例が多いか検証


 4187名のバックグラウンドウラニウム暴露4187名、中等度暴露1273名、高度暴露2756名


女性:男性比 5.25:1


高度暴露で12例、SLEはウラニウム暴露と関連(OR 3.92、 95% CI、 1.131-13.588, p= 0.031






日本の福島こそ、科学性、透明性の高い住民コホートをおこなうべきで、人類にとって、核燃料をどう扱うか、後年の重要で貴重な資料となるはず。

2014年8月22日金曜日

閉経後女性:身体活動性高ければ、肥満減少と交絡的に、心房細動発症抑制する

閉経女性、特に肥満女性では、運動強度高ければ、心房細動のリスク減少と関連する。



Arrhythmia and Electrophysiology
Obesity, Physical Activity, and Their Interaction in Incident Atrial Fibrillation in Postmenopausal Women
Farnaz Azarbal, et. al.
J Am Heart Assoc. 2014; 3: e001127 originally published August 2014



Women's Health Initiative (WHI) Observational Study
フォローアップ期間 11.5年間の平均、93,676閉経女性


心房細動(AF)はWHI-カルテ記録、Medicare請求からの診断コードによる確認



住民統計臨床リスク要素補正Cox比例ハザードモデル多変量解析にて、肥満と身体活動性の関連性評価、そして心房細動の発症との関連性検討。


AF存在、不完全データ、低BMI除外後、81,317名中9792名AF発症。



平均年齢63.4歳、 アフリカ系7.8%、ヒスパニック系3.6%



AF発症の高まりは、BMI増加 (ハザード比 [HR], 1.12 per 5‐kg/m2 increase; 95% 信頼区間 [CI], 1.10 to 1.14)、身体活動性減少 (>9 vs. 0 metabolic equivalent task hours per week; HR, 0.90; 95% CI, 0.85 to 0.96) と関連


身体活動性増加は、肥満と関連し、AFリスク減少を示す (interaction P=0.033)

2014年8月20日水曜日

卒中リスク:社会的低地位、高血圧住民への喫煙対策で卒中減少効果望める

デンマークのpooled cohort study(68,643名男女)での社会経済的地位、喫煙、高血圧の影響をその組み合わせで検討

低社会的ポジション及び高血圧住民では、喫煙の影響が相加的以上の影響が有り、その対策で、卒中頻度低下をもたらすことができるかもしれない。



Combined Effects of Socioeconomic Position, Smoking, and Hypertension on Risk of Ischemic and Hemorrhagic Stroke
Helene Nordahl, et. al.
STROKEAHA.114.005252 Published online before print August 14, 2014, 
doi: 10.1161/​STROKEAHA.114.005252
 14年間フォローアップ、虚血性卒中 3613、 出血性卒中776
現行喫煙・高血圧は、教育水準低い場合多い。
教育程度の高低は、虚血性卒中で関連性あり、出血性、卒中発生そのものでは関連性なし

低教育水準・現行喫煙の組み合わせの影響は、相互作用のため、個々の影響より高く、特に男性では影響有り:10万人年超過増加数 134 (95% 信頼区間, 49–219)


教育レベルと高血圧との関連性あきらかなエビデンス無し:


現行喫煙と高血圧にて、虚血性・出血性卒中発生へ個々の影響の総和より多く影響を認める


この 影響は女性では虚血性卒中で特に関連性あり:10万人年超過増加 178(95%信頼区間, 103-253)。
 

2014年8月19日火曜日

JNC8(2014):高血圧ターゲット再改定 60歳以上冠動脈疾患患者


60歳以上の冠動脈疾患を有する場合をランダム化し、アテノロール/HCTZあるいはベラパミルSR/トランドラプリルベースのINVEST研究により、収縮期血圧 140から<150未満で、140未満目標としたときのベネフィットは認めず


高血圧の収縮期血圧・治療目標を「140未満」から「140から150未満へ」




2014 Eighth Joint National Committee Panel Recommendation for Blood Pressure Targets Revisited : Results From the INVEST Study
Sripal Bangalore, et. al.
CardiologyVolume 64, Issue 8, 26 August 2014, Pages 784–793





一つのトライアルの後顧的解析だけで、ガイドライン内容変更という批判はまぬがれないのでは? 最適値に関する議論根拠はない。血圧ターゲットを様々設定しての比較じゃないし・・・

2014年8月18日月曜日

カフェイン摂取: 耳鳴り発生抑制?

「耳鳴」 ってのは、その訴え、評価、原因、治療も、一般医家には難問題。


NHSII(30-44歳、女性)でのカフェイン摂取と耳鳴り発症の関連性調査。


前向き研究にて、カフェイン 150mg/日(コーヒー 8オンスカップに相当:237ml)未満の摂取者に比べ、450-599 mg/日では、その多変量補正ハザード比 0.85(95% 信頼区間 0.78 - 0.95)。
さらに、 600mg/日以上では、 0.79 ( 0.68 - 0.91)。


A Prospective Study of Caffeine Intake and Risk of Incident Tinnitus
Jordan T. Glicksman, et. al.
The American Journal of Medicine Volume 127, Issue 8, Pages 739–743, August 2014 DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.amjmed.2014.02.033




カフェインの覚醒作用が関連しているのではないかとの考察もあるが、機序不明。
http://www.viralglobalnews.com/health/caffeine-consumption-linked-reduced-incidence-tinnitus-women/14173/

2型糖尿病: 炭水化物極度制限・脂肪高比率 vs 脂肪摂取制限 RCTにてCGM血糖変動、血糖降下薬剤必要量減少

炭水化物超制限食vs飽和脂肪制限食による、2型糖尿病管理指標の変化

低炭水化物食では、脂肪制限に比べ、CGMによる血糖変動指標、血糖降下剤使用量の減少を認めた。

A Very Low Carbohydrate, Low Saturated Fat Diet for Type 2 Diabetes Management: A Randomized Trial
Diabetes Care July 28, 2014 ublished online before print July 28, 2014, 
doi: 10.2337/dc14-0845

【目的】2型糖尿病(T2DM)患者に於ける、炭水化物極低摂取・不飽和脂肪酸高度/飽和脂肪酸低度摂取(LC) vs  非制限炭水化物高度摂食・脂肪低度摂取(HC)の、血糖コントロール、心血管疾患(CVD)リスク要素への影響の比較

【研究デザイン・メソッド】
T2DM肥満成人(n = 115、 BMI 34.4 ± 4.2、年齢 58 ± 7 歳)
割り付け
低カロリーLC食(炭水化物 14% (炭水化物 50g/日未満)、 蛋白 28%、脂肪 58% (飽和脂肪酸 10%未満))
エネルギーマッチ化HC食  (炭水化物 53% , 蛋白 17% ,  脂肪 30%  (飽和脂肪酸10%未満))

構成運動施行24週間

アウトカムは、HbA1c、 血糖変動(48時間CGM:GV)、 血糖降下剤変化(血糖降下剤 effects score [MES])、 血液脂質、血圧

【検査結果】
93名24週完遂、同様の完遂率(LC 79% vs 82%)、減量 (LC −12.0 ± 6.3 kg、 −11.5 ± 5.5kg): p 0.50以上、 血圧: −9.8/−7.3 ± 11.6/6.8 mmHg 、 LDLコレステロール (−0.3 ± 0.6 mmol/L)減少。
LC完遂者は、TG、MES、GV指数いずれも大きく減少
HbA1c 7.8%超、 HDL-C 1.29 mmol/Lの被験者では、HbA1c減少、HDL増加著明。





日本糖尿病学会は、「低炭水化物ダイエット」に対して当初拒否的・・・

メタ解析により炭水化物 55%以上脂質 30%未満たんぱく質 12~16%を推奨値とする報告もあ る。一方、最近では、炭水化物の最低必要量のみを定めるものや、特に一定の数値を示 さないガイドラインも見られるようになってきている。欧米と比較して脂質摂取量 の少ない我が国では、従来から脂肪エネルギー比率の上限として 25%を採用することが一 般的で・・・


「学会が否定する「極端な制限」とはどれぐらいなのか、安全に減らせるとしたらどれぐらいかという基準は具体的に示されず、提言内容に疑問を抱く患者もいる。」という主張はごもっともで・・・


製薬会社のおんぶにだっこができない、食事介入ランダム化トライアル


「門なんたらさんたち日本糖尿病学会のおえらいさんたち」は、日本人のエビデンスがないとほざいてるが、さてどうするんだろ?しょせん外人のRCTと批判し続けるだけだろうか?


低炭水化物ダイエットRCT報告がでて、日本人糖尿病患者への、低炭水化物食の具体的指標をどうするか、注目点となってきている。

2014年8月14日木曜日

塩(ナトリウム)取り過ぎで、世界165万名の超過心血管死

塩分摂取過剰による世界的な影響が報告されている。


Global Sodium Consumption and Death from Cardiovascular Causes
Dariush Mozaffarian, et. al.
for the Global Burden of Diseases Nutrition and Chronic Diseases Expert Group (NUTRICODE)
N Engl J Med 2014; 371:624-634August 14, 2014DOI: 10.1056/NEJMoa1304127
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1304127?query=featured_home


66ヶ国のデータで、20110年グローバルなナトリウム平均摂取量は、3.95g/日

地域的平均は、2.18から5.51g/日でばらつき。

世界的には、参照値を超すナトリウム摂取による、心血管死亡165万名(95%信頼区間[C.I.]、 110万名から222万名)。男性では61.9%、女性では38.1%。

心血管死亡10名の死亡あたり1名(9.5%)の死亡に関与している推定。

低所得・中所得国では、5死亡中4名(84.3%)が、70歳未満の若年死の5名に2名(40.4%)に関与。

基準値を超えるナトリウム摂取の死亡は、グルジアで高く、ケニヤで低い。




一方で、低ナトリウム摂取の影響は不明という解説もNEJMに掲載されている。
データ不足のため解釈困難。


Low Sodium Intake — Cardiovascular Health Benefit or Risk?
Suzanne Oparil, M.D.
N Engl J Med 2014; 371:677-679August 14, 2014DOI: 10.1056/NEJMe1407695
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMe1407695

ナトリウム・カリウム摂取と、血圧の関連 : 線形でなく、加齢、高血圧の存在とともにその影響大きくなる

“ナトリウム(mg)×2.54÷1,000=食塩相当量(g)”に読み替える必要があるが、


米国人のナトリウム摂取量平均は、4g/日だそうだが、心疾患予防には1.5-2.4g/日
さらに、AHAは1.5以上摂取をしないよう助言している。



尿中ナトリウム、カリウムによるそれぞれのカチオン摂取量推定と血圧の関係。
線形の関連性はなく、高ナトリウム摂取者、高血圧者、高齢ほど影響が大きい。



Association of Urinary Sodium and Potassium Excretion with Blood Pressure
Andrew Mente, et. al.
for the PURE Investigators
N Engl J Med 2014; 371:601-611August 14, 2014DOI: 10.1056/NEJMoa1311989
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1311989?query=featured_home


回帰分析にて、ナトリウム排泄1g増加毎、収縮期血圧 2.11 mm Hg、拡張期血圧 0.78 mm Hg増加。

この相関性のスロープは、ナトリウム摂取量高度ほどsteep(ナトリウム 5g超/日では増加 2.58 mm Hg、 3 - 5 g/日では、 1.74 mm Hg、 3g / 日未満では 0.74 mm Hg ;
 ; p <  0.001 for interaction)
相関スロープは、高血圧者でよりsteep (高血圧 : 2.49 mm Hg/gram vs 高血圧無し : 1.30 mm Hg/gram)
加齢とともにsteep (55歳超 2.97 mm Hg/gram、 45-55歳 2.43 mm Hg/gram、 45歳未満 1.96 mm Hg/gram ; p <  0.001 for interaction)

カリウムは収縮期血圧と逆相関で、高血圧(vs 非高血圧)でslope steep、加齢とともににsteep  
 ; p <  0.001 for interaction)




2014年8月13日水曜日

卒中へ長期影響: 入院手術周術期の心房細動、特に非心臓手術

臨床的に心房細動は虚血性卒中リスク増加させるが、周術的関与として、生理学的ストレスの関与がレビューされているが、長期リスクは不明。後顧的検討。


入院手術患者にとって、周術期の心房細動の存在は、虚血性卒中の発症リスクであり、特に、非心臓手術で問題となる。


Perioperative Atrial Fibrillation and the Long-term Risk of Ischemic Stroke
Gino Gialdini, et. al.
JAMA. 2014;312(6):616-622. doi:10.1001/jama.2014.9143.


173万名検討のうち、新規発症周術心房細動は24711(1.43%、 95% CI, 1.41-1.45%)、退院後卒中は13952(0.81%、 0.79%-0.82%)


心臓手術後 1年時点で、累積卒中率は、心房細動あり 0.99%(95% CI, 0.81% - 1.20%) vs 心房細動無し 0.83% (95% CI, 0.76% - 0.91%)



非心臓手術1年時点では、それぞれ、 1.47%(95% CI, 1.24% - 1.75%) vs  0.36% (95% CI, 0.35% - 0.37%)



寄与要素補正Cox比例ハザードモデル では、周術的心房細動は、心臓手術後の卒中と相関  (ハザード比 1.3; 95% CI, 1.1-1.6)、そして非心臓手術とも相関 (hazard ratio, 2.0; 95% CI, 1.7-2.3)



この関連性は、非心臓 vs 心臓手術後の周術的心房細動と有意な関連性がある   (P < 0 .001 for interaction).


非心臓手術入院後の虚血性卒中累積率











非心臓手術入院後の虚血性卒中累積発生率

心発作後患者では、運動による寿命延長効果閾値がある

あくまでも、心発作後生存者の検討


この表記は誤解の元
 ↓
Too much exercise can kill you, warn doctors
http://www.scotsman.com/news/health/too-much-exercise-can-kill-you-warn-doctors-1-3507514


むしろ、エリートアスリートたちの長寿ぶりが明らかになっている。
Elite Athletes Live Longer Than the General Population: A Meta-Analysis
http://www.mayoclinicproceedings.org/article/S0025-6196(14)00519-9/abstract


Increased Cardiovascular Disease Mortality Associated With Excessive Exercise in Heart Attack Survivors Paul T. Williams, et. al.
Published Online: August 12, 2014
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.mayocp.2014.05.006


心発作生存者2377名の死亡率とMET換算によるエネルギー消費量推定の関連性解析 
3.5 mL O2/kg/min./day、MET時間/日 
前向きフォローアップ期間平均 10.4年間、総死亡 526名、心血管関連死亡は376名(71.5%) 
心血管疾患関連死亡率は、運動量最小群に比較して、ランニング・ウォーキング1.07-1.8 MET-h/日では21%減少、3.6-5.4 MET-h/日では50%減少、5.4-7.2 MET-h/日では63%減少、しかし、7.2MET-h/日では12%減少のみ( p = 0.68)


7.2 MET-h/日に対しCVDー関連死亡率を平均15%減少(p < 0.001)し、7.2 METーh/日以上の負荷では2.6倍リスク増加(p = 0.009)。

7.2 MET-h/日のリスク減少に比べ、7.2以上の負荷では、虚血性心疾患(IHD)関連死亡率リスク3.2倍 (p = 0.006)増加、非IHD-CVD、不整脈関連CVD、非CVD関連死亡率を有意に増加せず。

そういえば、健康成人での、死亡率軽減効果運動閾値は?




肥満ほど心疾患患者で生命予後が良いパラドックスは、除脂肪重量にて説明可能

AADE Conference
http://www.diabeteseducator.org/

この関係で肥満関連の話題が少々・・・


ところで、心疾患患者では、肥満の方が予後が良いという事象が知られている。

“Obesity Paradox”→ The correlation between increasing body mass index (BMI; calculated as the weight in kilograms divided by the height in meters squared) and decreasing mortality,
(BMI増加ほど、死亡率減少)



後顧的な5万名弱の左室駆出率温存の患者を3.1ン3ン感の平均フォローアップ、多変量解析にて検討し、LMI(lean mass index):(1-BF)×BMI(BF:Jackson-Pollock equation)で体脂肪評価。


体脂肪層別群内比較での、低体重は、除脂肪体重と独立して死亡率増加し、

Body Composition and Mortality in a Large Cohort With Preserved Ejection Fraction: Untangling the Obesity Paradox
http://www.mayoclinicproceedings.org/article/S0025-6196(14)00389-9/fulltext

対象全体では、BMI高値は、死亡率の低さと、極小さく相関 (hazard ratio [HR], 0.99; P<.001)

BMI高値群は、あきらかに防御的  (HR, 0.71; P<.001)
非補正下では、体脂肪(BF)3分位は、死亡率低下と関連するが、補正化では相関消失 (HR, 0.87; P<.001 without LMI; HR, 0.97; P=.23 with LMI)

やせ患者では、低BMIは、明らかに死亡率高値と相関 (HR, 0.92; P<.001) し、LMI補正無しの場合のみ、低BF3分位は死亡率低値と相関 (HR, 0.80; P<.001 without LMI; HR, 1.01; P=.83 with LMI)

BFによる層別化低体重患者は、LMIと独立して死亡率増加 (HR, 1.91; 95% CI, 1.56-2.34)
肥満患者限定では、 BMI (HR, 1.03; P<.001)、BF (HR, 1.18; P=.003) とも、死亡率増加と相関。それは(防御的に働く要素の)LMI補正後でも同様。





体脂肪重量、除脂肪重量を考慮することで、心疾患患者群での、死亡率とBMIのJ現象の説明がうまくいく。すなわち、体脂肪は一見予防的に見えるが、これは、LMI(除脂肪重量)補正にて解消する現象である。


要するに、心不全るいそうというのがバックグラウンドの特殊な問題?



"Lifestyle habits and metabolic risk in American overweight and obese young adults"
Cha E, et al
AADE 2014.





As described in the paper, our proposal defines 5 stages of obesity ranked according to increasing severity.

STAGE 0: Patient has no apparent obesity-related risk factors (e.g., blood pressure, serum lipids, fasting glucose, etc. within normal range), no physical symptoms, no psychopathology, no functional limitations and/or impairment of well being.
STAGE 1: Patient has obesity-related subclinical risk factor(s) (e.g., borderline hypertension, impaired fasting glucose, elevated liver enzymes, etc.), mild physical symptoms (e.g., dyspnea on moderate exertion, occasional aches and pains, fatigue, etc.), mild psychopathology, mild functional limitations and/or mild impairment of well being. 
STAGE 2: Patient has established obesity-related chronic disease(s) (e.g., hypertension, type 2 diabetes, sleep apnea, osteoarthritis, reflux disease, polycystic ovary syndrome, anxiety disorder, etc.), moderate limitations in activities of daily living and/or well being. 
STAGE 3: Patient has established end-organ damage such as myocardial infarction, heart failure, diabetic complications, incapacitating osteoarthritis, significant psychopathology, significant functional limitation(s) and/or impairment of well being. 
STAGE 4: Patient has severe (potentially end-stage) disability/ies from obesity-related chronic diseases, severe disabling psychopathology, severe functional limitation(s) and/or severe impairment of well being.

Given that obesity treatment requires considerable efforts and resources, we suggest a pragmatic approach to managing patients at the different stages of obesity:

For STAGE O: Identification of factors contributing to increased body weight. Counseling to prevent further weight gain through lifestyle measures including healthy eating and increased physical activity. 
For STAGE 1: Investigation for other (non-weight related) contributors to risk factors. More intense lifestyle interventions, including diet and exercise to prevent further weight gain. Monitoring of risk factors and health status. 
For STAGE 2: Initiation of obesity treatments including considerations of all behavioral, pharmacological and surgical treatment options. Close monitoring and management of comorbidities as indicated. 
For STAGE 3: More intensive obesity treatment including consideration of all behavioral, pharmacological and surgical treatment options. Aggressive management of comorbidities as indicated. 
For STAGE 4: Aggressive obesity management as deemed feasible. Palliative measures including pain management, occupational therapy and psychosocial support.

- See more at: http://www.drsharma.ca/edmonton-obesity-staging-system.html#sthash.xRrEQQSJ.dpuf



2014年8月12日火曜日

COPD:予後指標としては ABCD GOLD評価より、BODE指数が優れる、COTE加えればさらに良好

はやはりBODE指数が優れて、さらに、COTEを追加すると、さらにそのアウトカム改善が示された。

Prognostic evaluation of COPD patients: GOLD 2011 versus BODE and the COPD comorbidity index COTE
Thorax 2014;69:799-804 doi:10.1136/thoraxjnl-2014-205770 


ABCD GOLD全般死亡率予測、BODE指数はそれぞれ、 HR: 1.47; 95% CI 1.28 to 1.70、HR: 2.02; 95% CI 1.76 to 2.3)


ABCD GOLD、ROC曲線下面積は、0.68、 BODE指数では、 0.71 (95% CI 0.67 to 0.76)


C統計値ではさらにその観察値差が明瞭


BODE指数にCOTE指数を追加すると、AUC改善  0.81 (95% CI 0.77 to 0.85), (χ2=40.28,  p < 0.001)



ABCD GOLD


BODE指数
http://intmed.exblog.jp/50182



COTE指数

合併症ハザード比割り付け点
Lung, esophageal, pancreatic,and breast* cancer>2.00 6
Anxiety* 13.766
All other cancers 2
Liver cirrhosis 1.682
Atrial Fibrillation/flutter1.562
Diabetes with neuropathy 1.542
Pulmonary fibrosis 1.512
Congestive heart failure 1.331
Gastric/duodenal ulcers 1.321
Coronary artery disease 1.281

乳がん、不安は、女性のみ

TREAT-AF Study:心房細動直後のジゴキシン投与は慎重に?

心房細動新規診断90日以内の外来患者(U.S. Department of Veterans Affairs (VA) healthcare system )で、digoxin使用は、死亡率増加と関連する。薬剤アドヒアランス、心血管合併症、CKD、併用治療と独立した傾向である。


AHA/ACCFにて、今年3月から、ジゴキシンは第一選択として使用すべきでないと推奨。
β遮断/非DHPCCB併用を心室心拍数不十分の時、調整に使うべきで、心不全の時有用と推奨している。



"Increased mortality associated with digoxin in contemporary patients with atrial fibrillation"
Turakhia M, et al
J Am Coll Cardiol 2014;64(6).
2003-2008年、122,466名の観察研究:propensity mathing評価(除外クライテリア:心房細動既往、弁膜症既往・治療・置換、甲状腺疾患、腎移植、チョック全30日の心臓手術)

平均年齢72.1歳(±10.3歳)、女性はわずか1.6%、1/3以上が eGFR <60 br="" nbsp="">
Afib診断90日内digoxin投与は23.4%。 
非投与患者に比べ、digoxin服用者と同年齢だが、うっ血性心不全高率(21.3% vs 14.1%)、高血圧頻度少ない(55.8% vs 65.6%) β遮断剤頻度高く、ARB、抗血小板、利尿剤、ワーファリン頻度多い。 
総フォローアップ時間は35万3168人年。観察期間中死亡約1/4(23.5%)  
digoxin服用者は非補正死亡率高い (HR 1.37, 95% CI 1.33-1.40) 
ジゴキシン治療93%を含むpropensity-マッチ化サブセットにて、digoxinと死亡率の関連性は有意だが、減衰(HR 1.21, 95% CI 1.17 - 1.25)



潜在性結核感染症治療:リファマイシン系薬剤を含むレジメンが、INH単独より短期間でよりポテンシャルあり

新しい治療レジメンとして、リファマイシンを含む3ヶ月以上治療は、INH単独よりポテンシャルが望め、活動性結核予防に有効。


Treatment of Latent Tuberculosis Infection: A Network Meta-analysis
Helen R. Stagg,et.al.
Ann Intern Med. Published online 12 August 2014 doi:10.7326/M14-1019







取り上げられた、リファマイシン系薬剤

  • RFB:リファブチン
  • RMP:リファンピシン
  • RPT:リファペンチン



信頼区間よく見ると、リファンピシンとINHのみ有用性確認されてるだけのようだ・・・

RFBやRATはあくまでもRFP代替の地位

2014年8月9日土曜日

全身麻酔下開腹手術時のPEEP ・・・ 一般には不要

全身麻酔下開腹手術時のPEEPの役割は不明

欧州・南北米、30センターのランダム化対照トライアル(被験者 900名)


高レベルPEEP (12 cm H2O) with recruitment manoeuvres (higher PEEP group)
低レベル圧 (≤2 cm H2O) without recruitment manoeuvres (lower PEEP group)



High versus low positive end-expiratory pressure during general anaesthesia for open abdominal surgery (PROVHILO trial): a multicentre randomised controlled trial
The Lancet, Volume 384, Issue 9942, Pages 495 - 503, 9 August 2014
doi:10.1016/S0140-6736(14)60416-5
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(14)60416-5/abstract


2011年2月から2013年1月まで、447名をランダム割り付け
high PEEP群 447名、 lower PEEP群 453名
6名除外(中断事項発生4例、参入事項非該当)
PEEP中央値は、higher PEEP群 12 cm H2O( IQR 12-12) 、 lower PEEP群は、 2 cm H2O (0—2)

術後肺合併症の報告、 higher PEEP群 174/445 (40%) vs lower PEEP群 172/449 (39%) (relative risk 1·01; 95% CI 0·86—1·20; p=0·86)

lower PEEP群に比べ、 higher PEEP群は、術中低血圧、昇圧剤必要性増加。

急性卒中発作:rt - PA (アルテプラーゼ)静注 メタアナリシス 

 卒中発生後4.5時間までにAlteplase投与されれば、年齢・卒中重症度に関連せず、また、治療後数日の致死的脳内出血リスク増加はあるが、良好な卒中アウトカムオッズ増加する。


めあたらしい知見は無いと思うが・・・4.5時間内投与できれば早く治療するほど効果良好という事実確認


プラシーボもしくはオープン対照比較の、9つのランダム化トライアル、6756名の事前設定メタアナリシス

Effect of treatment delay, age, and stroke severity on the effects of intravenous thrombolysis with alteplase for acute ischaemic stroke: a meta-analysis of individual patient data from randomised trials
Jonathan Emberson , et. al.
The Lancet, Early Online Publication, 6 August 2014
doi:10.1016/S0140-6736(14)60584-5
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(14)60584-5/fulltext


Alteplaseは、早期治療ほど比例してベネフィットの大きさと相関し、良好な卒中アウトカムオッズを増加する。


3.0時間内の治療は良好なアウトカムをもたらす;
Alteplase  259 (32·9%) /787 vs  対照:176 (23·1%) / 762  (OR 1·75, 95% CI 1·35—2·27)


3.0時間~4.5時間までの治療の遅れでもアウトカム良好  485 (35·3%) / 1375 versus 432 (30·1%) / 1437 (OR 1·26, 95% CI 1·05—1·51)


4.5時間超でもアウトカム良好?   401 (32·6%) / 1229 versus 357 (30·6%) /1166 (OR 1·15, 95% CI 0·95—1·40)




年齢、卒中重症度不応性に、比例的な治療ベネフィット認める。




Alteplase は有意に、有症状頭蓋内出血(type 2 実質性出血をその定義とする)のオッズを増加;231 [6·8%] / 3391 vs 44 [1·3%] / 3365, OR 5·55, 95% CI 4·01—7·70, p < 0.0001;
SITS-MOST 定義では、 124 [3·7%] vs 19 [0·6%], OR 6·67, 95% CI 4·11—10·84, p < 0·0001;
7日内の致死性脳出血   (91 [2·7%] vs 13 [0·4%]; OR 7·14, 95% CI 3·98—12·79, p < 0·0001)







致死性頭蓋内出血の相対リスクは、治療の遅れ、年齢、疾患重症度に無縁で同等。しかし、絶対的超過リスクは、重症卒中患者ほど大きい。


他の早期死亡原因では超過リスク無く、超過後期死亡原因へも有意な影響なし。


続けて、90日目の死亡率は、治療群で608(17.9%) vs 対照群 556(16.5%)   (ハザード比 1·11, 95% CI 0·99—1·25, p=0 · 07)


故に、頭蓋内出血の早期死亡リスク絶対的平均的増加はあるが、3-6ヶ月までに約10%ほどの障害なし生存期間増加にオフセットされる; 3.0時間内治療、3.0-4.5時間までは約 5%。










 rt-PA(アルテプラーゼ)常駐量法 適正治療 第2版
 http://www.jsts.gr.jp/img/rt-PA02.pdf

2014年8月8日金曜日

癌:組織・器官依存的分類から分子構造による分類へ

組織・器官による分類より分子的構造によるがんの分類が、より正確に、その診断と、治療可能性、アウトカムを予見できるという報告


Multiplatform Analysis of 12 Cancer Types Reveals Molecular Classification within and across Tissues of Origin
Katherine A. Hoadley , Christina Yau  Denise M. Wolf , et. al.
The Cancer Genome Atlas Research Network, Christopher C. Benzemail, Charles M. Perouemail, Joshua M. Stuartemail
http://www.cell.com/cell/abstract/S0092-8674(14)00876-9?cc=y?cc=y

pdf: http://www.cell.com/cell/pdf/S0092-8674(14)00876-9.pdf



解説:genomic sequencingによる癌の分類、 主要の分子学的makeupにより、少なくとも10%、可能性としては30-50%ほどはそれを分類できるという。
12種のがん、3500超のサンプル、乳がん、腎癌、膀胱、脳腫瘍、結腸、子宮内膜、肺などのがんなど。脳腫瘍のglioblastomaや白血病などのより進行性の高いものは、癌の局在がやはり重要とうことが際さされた。しかし、他のがんは、分子レベルで見ると、なに由来の器官か組織かは重要でなくkなる。扁平上皮性の頭頸部がんは肺癌の扁平上皮癌、膀胱癌の一部はTP53 alteration,TP53 amplification、免疫・増殖系遺伝子発現高度を示し、互いに類似する。
data-miningの利用ということで、生物学的新発見やあたらしい治療構築に役立つだろう・・・


New cancer classification system shows promise as lifesaver
Victoria Colliver
Updated 11:04 pm, Thursday, August 7, 2014
http://www.sfgate.com/default/article/New-cancer-classification-system-shows-promise-as-5675296.php


小児BCGワクチン:IGRA評価によるワクチン有効性確認 ・・・ 発症予防効果はより高い

(小児では、インターフェロンγ遊離分析(IGRA)を用いるのって、評価困難だと思ってた)


数々の有効性トライアルで、BCGワクチンの小児重症例への有効性60-80%とされ、特に髄膜炎への有効性が示されていた。地理的なばらつきが疾患既往のためよく分からずばらつきがあった。IGRAを用いたことで、BCGと肺結核感染を他の感染症を除外しつつ判定できることで、その効果を明瞭にできたところが大きい。



Effect of BCG vaccination against Mycobacterium tuberculosis infection in children: systematic review and meta-analysis
 BMJ 2014; 349
doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.g4643 (Published 05 August 2014) Cite this as: BMJ 2014;349:g4643

1950年から2013年の電子データベースによる参照リストから、14研究、 3855名の被験者

包括的リスク比 0.81(95%信頼区間, CI; 0.71 - 0.92) 、 小児へのワクチン予防効果は19%

2種のインターフェロンγ遊離分析(IGRA)、ELISpot、QuantiFERONの評価でも同様。

活動性結核発症情報有りの6つの研究(n=1745)に限定すると、感染予防効果は 27%(リスク比 0.73 , 0.61 - 0.87)、 活動性結核症への効果は 71% (0.29, 0.15 - 0.58)

感染者間で疾患発症予防効果は、58%(0.42 , 0.23 - 0.77)






IGRAによる評価による、BCG接種・結核予防効果





AHA/ASA 科学ステートメント:頸動脈解離との関連性:施術者はリスク熟知を、そして患者側は情報提示と承諾を!

頚部マニピュレーションと、頸動脈解離(CD : Cervical Artery Dissection)の関連性について、特に、若年・中年では、そのリスク発生の可能性高い。


カイロプラクティックや整形外科が米国ではその正式な施術者であり、彼らおよび被施術者への注意喚起になっている。


日本の整体は法的にレギュレーションされてないため、極めて危険な状況というのは言うまでも無い。柔道整復が近いのかもしれないが、捻挫の概念を逸脱した症例が多く、「手術療法と容認されない」可能性がある。



まぁ、なんにせよ、頚部のマニピュレーションにはご注意を!


AHA/ASA Scientific Statement
Cervical Arterial Dissections and Association With Cervical Manipulative Therapy
A Statement for Healthcare Professionals From the American Heart Association/American Stroke Association
Published online before print August 7, 2014, doi: 10.1161/​STR.0000000000000016tion
http://stroke.ahajournals.org/content/early/2014/08/07/STR.0000000000000016.abstract

頸動脈解離(CD)は、若年・中年患者にとって重要な虚血性卒中の原因。上部頸椎に最も多く、内頸動脈や椎骨動脈に生じる。


現行のバイオメカニカルなエビデンスでは、 cervical manipulative therapy (CMT)がCDを生じると主張するに必要なエビデンスは不十分でったが、臨床報告で、機械的な力によりCD症例に役割を果たすことは示唆されている。多くの住民対照研究でも、CMTと椎骨動脈解離卒中との関連性が若年患者で見いだされている。



以前CMTを受けた患者での、CMT関連頸動脈解離の頻度は確立されてないが、おそらく頻度は少ないだろうが、施術者は、頸動脈解離を現存する症状と強く考えるべきで、患者側も、CMT施術前に、頸動脈解離と、CMTの統計学的関連性について情報提供を受けるべきである。

腸内マイクロバイオーム:潜血検査よりポリープ・癌の検査前確率5倍アップ

腸内マイクロバイオームは、通常の fecal occult blood test (FOBT) の5倍もの感度で結腸癌や前癌病変を検知可能。ポリープにおいては尤度増加4.5倍、癌においては5.4倍


The Human Gut Microbiome as a Screening Tool for Colorectal Cancer
Joseph P. Zackular , et. al.
Cancer Prevention Research
Published OnlineFirst August 7, 2014; doi: 10.1158/1940-6207.CAPR-14-0129
http://cancerpreventionresearch.aacrjournals.org/content/early/2014/08/06/1940-6207.CAPR-14-0129.abstract



腸内マイクロバイオームの変化と直腸結腸癌の関連性


既知の臨床的リスク要素(BMI、年齢、人種)と合わせ、腸内マイクロバイオームは健康、腺腫、がんの鑑別性要素となりえる。

ベイズ法を用い、検査後確率を腺腫で50倍超引き上げられる。

例えば、65歳での検査前確率は0.17%だが、このマイクロバイオームデータを用いれば、10.67%へ確率引き上げられる(9例中1例で腺腫)


前癌状態、癌病変存在でも同様の結果を示した。

これを住民検査など横断研究へ進める予定のようだ。


労働者熱中症対策の要である順化期間を無視する日本・・・

テレビやラジオや新聞やらは、熱中症対策は、水を飲めば良いみたいな風潮を煽っている。あれで儲けるのは「水商売」屋であり、水中毒・低ナトリウム血症の危険性は無視。最近はOS-1などという非常時の飲水を常時飲むようにアドバイスする馬鹿まで現れて・・・ほんとに情けない。

これは、国が悪い!

日本の熱中症対策って、人間の熱順応を無視した提言だらけ・・・
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/

http://www.wbgt.env.go.jp/doc_prevention.php


  • 涼しい服装
  • 日陰を利用
  • 日傘・帽子
  • 水分・塩分補給
このワンパターン・・・


一方、「職場における熱中症対策」は、日本の他行政と同じく、米国ガイドラインの翻訳丸写しパターンであるが、一応、熱順化期間が書かれてる。







具体的には、「計画的に、熱への順化期間を設けるよう努めてください。 ※ 例:作業者が順化していない状態から、7日以上かけて熱へのばく露時間を次第に長くします。(ただし、熱へのばく露を中断すると、4日後には順化の喪失が始まり、3~4週間後には完全に失われます。)」


具体性に欠ける内容である。そもそも、労働者をまもろうという気概に欠ける、厚生労働省や環境省の馬鹿たちが、経営者に遠慮して、水伝説だけを目くらましにつかおうとしてんじゃないか・・・


米国では、具体的に・・・

「During a rapid change to excessively hot weather: Begin on the first day with 50% of the usual duration of work, 60% on the second day, 80% on the third, and 100% on the fourth.

「なれた労働者でさえ、初日 通常業務の50%、第2日60%、第3日80%、第4日100%」という労働内容にすべき。


・・・と記載される。



Heat Illness and Death Among Workers — United States, 2012–2013 Weekly
August 8, 2014 / 63(31);661-665
http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/mm6331a1.htm?s_cid=mm6331a1_w

2014年8月7日木曜日

エボラ:増大する脅威?

Ebola — A Growing Threat?

Heinz Feldmann, M.D.
May 7, 2014DOI: 10.1056/NEJMp1405314
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp1405314?query=featured_home



エンベロープを有し、non-segment、negative-strand RNAウィルス Filoviridae族に属する。marburvirusやcuevavirusが含まれる、5つの種類に分かれる。






全てのアフリカ・ebolavirusは、ヒトへの感染性あり、疾患進展、ビルレンスにばらつきはあるが、同様の症状で、致死率40%未満のBudndibugyo ebolavirusから、50程度のSudan ebolavirus、70-90%のZaire ebolavirusがある。単独記録例のためTaï Forest ebolavirusは、評価困難で、アジア系として唯一は、Reston ebolavirusで、ヒトへの無症候感染原因となる。


発熱、嘔吐、重症下痢などの非特異的症状で始まるのが通常。現行感染では、可視的出血は、半数未満。インフラストラクチャー不備なところでは、患者ケア・剖検に関するbiosafetyが問題。オナガザル・マカク属では致死率一定で、ヒトの病理・病態生理と類似し、モデルとして用いられる。

Ebolavirusに関しては、中央・サハラ下地域のオオコウモリにより広まるzoonotic pathogenであり、Marburvirusは、 Rousettus aegyptiacusオオコウモリがリザーバで。
ebolavirusは、分子・血清疫学的エビデンスがまで見いだされてない。Reston ebolavirusは、フィリピン島の豚で検出され、宿主の関わりが明らかになろうとしている。

ヒト・ヒト感染で流行が生じ、野生リザーバからののもの、あるいは終末宿主からのものであり、現行流行として遺伝し多様性を有する。

現在のfront-runner治療介入は抗体治療で、オナガザルでは成功。
 modulatory RNA (i.e., small interfering RNAs or phosphorodiamidate morpholino oligomers) はもうすぐで、synthetic drug-like small molecule, BCX4430も有望。

ワクチンとしては、遺伝子組み換え技法による、ウィルス様分子プラスミドtransfectionとeplication-incompetent and -competent viral vectorの利用。特に、後者の vesicular stomatitis virus vectorの有効性が、感染後24-48時間内投与で示されている。

介入戦略有効性が確立してない状況で、診断が対策として鍵である。
multiple reverse-transcriptase–polymerase-chain-reaction assayを用いたが現在主流。抗原検査も平行、迅速確認検査として用いられ、抗体はサーベイランスのような二次的使い方である。分子検出が新規変異、菌種、ウィルスに関して配列のconversionに依存し、検査確立の要である。流行期に接触のトレーシング時間経過プロセス、さらに生存者の社会への復帰時期など不明

vCJD患者の尿から、PrP Sc検出

たたみ込み異常プリオン蛋白(PrPScを含むspongiform encephalopaty、クロイツフェルト・ヤコブ病のvariant formに関し、潜伏期からその蓄積があることが示唆されている。



Prions in the Urine of Patients with Variant Creutzfeldt–Jakob Disease
Fabio Moda,et. al.
N Engl J Med 2014; 371:530-539August 7, 2014DOI: 10.1056/NEJMoa1404401


尿中から、protein misfolding cyclic amplification (PMCA) technique による、PrPSc 検出

・ vCJD患者から13/14検知

・ 他神経疾患や正常対照224例からは検知せず

感度 92.9% (95%信頼区間, CI, 66.1% ~ 99.8%)
特異度 100% (95%CI, 98.4 ~ 100%)



クロイツフェルト・ヤコブ病診断のための鼻ブラッシング試料RT-QulC 感度8割、特異度10割

予備的研究とのことだが、クロイツフェルト・ヤコブ病診断のための、鼻ブラッシング試料によるreal-time quaking-induced conversion (RT-QuIC)は、脳脊髄液のそれと同等以上のパフォーマンスを示す。

A Test for Creutzfeldt–Jakob Disease Using Nasal Brushings
Christina D. Orrú, et. al.
N Engl J Med 2014; 371:519-529August 7, 2014DOI: 10.1056/NEJMoa1315200


スポラディックなクロイツフェルト・ヤコブ病診断のための、real-time quaking-induced conversion (RT-QuIC)による脳脊髄液のprion protein (PrPCJD)検査の感度は80-90%


鼻ブラッシングによるRT-QulC解析の正確性検討



鼻ブラッシング試料回収RT-QuIC assay陽性
クロイツフェルト・ヤコブ病 30/31
probalbe症例 13/14
inherited クロイツフェルト・ヤコブ病 2/2

クロイツフェルト・ヤコブ病なし 陰性 43/43


クロイツフェルト・ヤコブ病診断のためのこの検査
感度: 97% (95% 信頼区間 [CI], 82 to 100)
特異度: 100% (95% CI, 90 to 100)


同じグループでの脊髄液試料比較で、感度  77% (95% CI, 57 to 89) 、特異度 100% (95% CI, 90 to 100).

鼻ブラッシング試料 RT-QuIC は、脳脊髄液試料より、より強力で、反応が早い。

105~107 prion seeds含まれ、脳脊髄液よりlogs10数オーダーの濃度の違いがある。

2014年8月5日火曜日

CKD:厳しい血圧コントロールによる死亡率増加の可能性

CKD患者への厳格な血圧コントロールの影響

本邦の2014年高血圧ガイドライン(JSH)では、血圧治療開始・コントロール目標 130/80未満だが・・・果たして妥当か?


Observational Modeling of Strict vs Conventional Blood Pressure Control in Patients With Chronic Kidney Disease
Csaba P. Kovesdy, et. al.
JAMA Intern Med. Published online August 04, 2014. doi:10.1001/jamainternmed.2014.3279


Historical cohort study using a nationwide cohort of US veterans with prevalent CKD


推定糸球体濾過率 60ml/min/1.73m 2未満

厳格なコントロールを、収縮期血圧 120 未満 vs 120−139 mm Hgとして propensity score解析


全原因死亡率を、log-rank test 、Cox比例ハザードモデル

CKD 65万1749名 のデータベース、検討クライテリア合致7万7765名
厳格コントロール(<収縮期血圧 120 mm Hg) 5760名、 穏当なコントロール(120 - 139 mm Hg) 72005名

フォローアップ平均 6.0年間、 1万9517名死亡

厳格群死亡数 2380   (death rate, 80.9/1000 patient-years [95% CI, 77.7-84.2/1000 patient-years])
穏当群死亡数 17 137  (death rate, 41.8/1000 patient-years [95% CI, 41.2-42.4/1000 patient-years];  p < 0 .001)


厳格コントロール vs 穏当コントロール の 死亡率ハザード は、1.70 (95% CI 1.68 - 1.78 ) ; propensity score補正

ACP:閉塞型無呼吸の診断はLabベースのポリソムノグラフィーが基本と推奨

 やはり、検査室ベースのポリソムノグラフィーが診断上ベストオプションと改めて確認。


全ての推奨において エビデンスレベルの質の低さが目立つ。
ポータブルモニター不適切なのは、心臓、呼吸器系、 神経疾患など中枢型無呼吸の可能性有る場合。



Diagnosis of Obstructive Sleep Apnea in Adults: A Clinical Practice Guideline From the American College of Physicians
Amir Qaseem, MD, PhD, MHA; Paul Dallas, MD; Douglas K. Owens, MD, MS; Melissa Starkey, PhD; Jon-Erik C. Holty, MD, MS; Paul Shekelle, MD, PhD, for the Clinical Guidelines Committee of the American College of Physicians
Ann Intern Med. 2014;161(3):210-220. doi:10.7326/M12-3187
http://annals.org/article.aspx?articleid=1892620

Recommendation 1: 説明できない昼間の眠気の患者ではsleep studyをACP 推奨。  (Grade: weak recommendation, low-quality evidence)



Recommendation 2: 閉塞型睡眠時無呼吸疑い患者の診断のための検査にてポリソムノグラフィー(PSG)をACP推奨。 重篤な併発症患者のポータブル睡眠モニターは、診断検査としてPSG利用不能の時、PSG代替としての使用をACPは推奨。(Grade: weak recommendation, moderate-quality evidence)



2014年8月4日月曜日

高齢女性テロメア長:重大ストレッサーで短縮、健康ライフスタイル(睡眠、運動、食事)にて短縮軽減

健康高齢女性:テロメア摩耗の1年間という時間での決定因子、加齢と関わる各種疾患、卒中、認知症、心血管疾患、癌や他の疾患においてこのテロメア長摩耗との関連性報告されている。


では、ストレスと、健康行動問題のテロメア長摩耗への影響は?


重大なライフスタイルのストレス源は、比較的短期間で細胞の老化を促進することが判明した。そして、健康ライフスタイル(睡眠、運動、食事)がその老化促進に対して予防的。



Determinants of telomere attrition over 1 year in healthy older women: stress and health behaviors matter
E Puterman J Lin J Krauss E H Blackburn E S Epel
Molecular Psychiatry , (29 July 2014) | doi:10.1038/mp.2014.70 http://www.nature.com/mp/journal/vaop/ncurrent/full/mp201470a.html


疾患病因の信頼予測因子である、テロメア長は、遺伝、慢性ストレス、健康的行動により左右される。横断的に、高度ストレス閉経後女性は、テロメアが短いとされる。しかし、短期間の前向き研究はなされず、ストレスと、健康行為からの影響される可能性がある。

重大ストレッサー年間経過した場合の推移経過を検討。

239名の閉経後女性、非喫煙・無疾患例

1年間の重大人生ストレッサーの累積にて、同期間の1年間テロメア摩耗が予測され、年間摩耗35bpより有意に減少する。




睡眠の質、身体活動性、食事という3つのライフスタイルは、このテロメア長摩耗に対して防御的である。


高齢者COPD患者へのベンゾジアゼピン:新規使用時は肺炎・急性増悪リスク増加

カナダ、オンタリオの後顧的住民ベースコホート研究
66歳以上のCOPD評価化アルゴリズム

直近30日間内のベンゾジアゼピン使用リスクの検討


急性増悪・肺炎リスク増加と関連するも、より重症なアウトカムであるICU入室リスク・死亡率増加での影響に有意差は認めなかった。



やはり、COPD高齢者に対する、ベンゾジアゼピン使用は考慮が必要。



Benzodiazepine drug use and adverse respiratory outcomes among older adults with COPD
Nicholas T. Vozoris, et. al.
Eur Respir J 2014 44:332-340; published ahead of print 2014, 
doi:10.1183/09031936.00008014


新規ベンゾジアゼピン使用は、非使用者に比べ、以下有意にリスク増加
・外来呼吸器急性増悪 (RR 1.45, 95% CI 1.36–1.54)
・救急受診(COPD、肺炎)(RR 1.92, 95% CI 1.69–2.18)


COPD・肺炎による入院リスク増加するも、非有意 (RR 1.09, 95% CI 1.00–1.20).


2群でICU入室リスクは有意差無し、全原因死亡率に関してやや低下。


2014年8月1日金曜日

COPD患者は、冠動脈性疾患罹患率高く、呼吸困難自覚症状増加、運動能力低下、死亡率増加と関連

Evaluation of COPD Longitudinally to Identify Predictive Surrogate Endpoints (ECLIPSE) studyの後解析


COPD患者の冠動脈石灰化病変の検討

COPD患者は、冠動脈性疾患罹患率高く、呼吸困難自覚症状増加、運動能力低下、死亡率増加と関連。

 Coronary artery calcification is increased in patients with COPD and associated with increased morbidity and mortality for the Evaluation of COPD Longitudinally to Identify Predictive Surrogate Endpoints (ECLIPSE) investigators Michelle C
Williams , et. al. 
Thorax 2014;69:718-723 doi:10.1136/thoraxjnl-2012-203151
http://thorax.bmj.com/content/69/8/718.abstract

 【背景】冠動脈石灰化(CAC)は冠動脈疾患(CAD)のpathogenomicな特徴。COPD患者のCADの存在は肺機能、機能的capacity and/or 臨床的アウトカムとリンクしているかどうかは不明。CADと疾患重症度、機能capacityとアウトカムとの関連性をCOPD患者で検討。

 【方法】 Coronary artery calcium score (CACS; Agatston score) を胸部CTを用いて、COPD患者で測定、正常スパイロメトリーの喫煙者、非喫煙者をECLIPSE研究からの検討。


【結果】CACSを942名で検討;
COPD 672名(mean age±SD, 63±7 years; FEV1 49±16% predicted)
正常スパイロメトリー喫煙者 199名 (54±9 years; FEV1 110±12% predicted)
非喫煙者 71名 (55±9 years; FEV1 114±14% predicted)

CACSは、非喫煙者よりCOPD患者で高値  (median (IQR), 128 (492) vs 0 (75) vs 0 (3) Agatston units (AU), p<0 .001="" br="">
COPD患者では、CACSは、年齢、pack-yeras、6分間歩行距離、mMRC、IL-6、IL-8、Clara Cell protein 16、surfactant protein Dと末梢血好中球数とは相関性有り。
しかし、肺気腫、急性増悪回数、%FEV1、FEV1減少とは関連せず。


3年間フォローアップ時、生存者に比べ、死亡者で、CACS高い (CACS 406 vs 103 AU, p<0 .001="" ox="" p="0.036).<br">


【結論】COPD患者は対照よりCAD率高く、呼吸困難度高く、運動capacity低下、死亡率増加。このデータは、COPD患者のCADの存在が臨床的アウトカム悪化と相関することを示す。

COPD:身体活動性の要因調査・アウトカム研究;エビデンスはまだまだ不十分

COPDガイドラインで身体活動性レベルがfeatureされたと、いろんなところで大騒ぎしているが、その根拠たるエビデンスは、かなりお寒い!

馬鹿騒ぎでうかれている呼吸器内科の医者たち!




Determinants and outcomes of physical activity in patients with COPD: a systematic review
Elena Gimeno-Santos , et. al.
Thorax 2014;69:731-739 doi:10.1136/thoraxjnl-2013-204763
http://thorax.bmj.com/content/69/8/731.abstract

86研究、59は要因調査、23はアウトカム、4つは両者


過膨脹、運動耐容能、呼吸困難、急性増悪既往、ガス交換、全身性炎症、QOL、自己評価は、身体活動性に一致。しかし、横断研究・低レベルエビデンスがほとんど。


薬物的、非薬物的治療研究結果では、一致したものもなく、エビデンスの質は低いか、かなり低い。

中等度質のエビデンスに基づく研究によれば、アウトカムとして、COPD急性増悪や死亡率は一致して身体活動性の低いレベルでは一致して見られる。


身体活動性は、呼吸困難、HRQOL、運動能力、FEV1のような他のアウトカムと相関するが、これも横断研究は、低もしくは極低レベルの質のエビデンスに基づく。

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note