2018年5月30日水曜日

ヒドロクロロサイアザイドと悪性黒色腫リスク









降圧利尿剤:ヒドロクロロサイアザイドと悪性黒色腫リスク

Association of Hydrochlorothiazide Use and Risk of Malignant Melanoma
JAMA Intern Med. Published online May 29, 2018. doi:10.1001/jamainternmed.2018.1652


ヒドロクロロサイアザイド:HCTZ 50,000mg以上をhigh-userと分類
症例 413 例(2.1%)と対照 3406 例(1.8%) メラノーマ:補正 OR  1.22 (95% CI, 1.09-1.36)
量反応関連認めず


メラノーマ局在、病期、年齢、性別、非メラノーマ癌病歴の解析も同様

組織学的subtype層別にて、ORs増加は
nodular melanoma (n = 1695 cases [8.8%]; OR, 2.05; 95% CI, 1.54-2.72; P for trend = .01)
lentigo melanoma (n = 500 cases [2.6%]; OR, 1.61; 95% CI, 1.03-2.50; P for trend = .16)
で、表層撒布型メラノーマより多かった (n = 13 781 cases [72%]; OR, 1.11; 95% CI, 0.97-1.27; P for trend = .73)

セカンダリ解析にて、nullに近い相関性

  • bendroflumethiazide (OR, 1.10; 95% CI, 1.02-1.19; P for trend = 0.47)
  • ACE阻害剤(OR, 1.07; 95% CI, 0.99-1.16; P for trend = .53)
  • ARB (OR, 1.18; 95% CI, 1.07-1.29; P for trend = .07)
  • カルシウム拮抗剤 (OR, 1.06; 95% CI, 0.97-1.14; P for trend  = .94)



”ヒドロクロロチアジドの使用は、メラノーマについて観察された特定の関連性は、さらなる研究必要”ということだが

ACE阻害剤もそうだが、HCTZは光線過敏症を引き起こす薬剤として知られている
皮膚科から指摘され薬剤変更した事例多く、日常臨床に影響をあたえる副作用
光毒性、光アレルギー性皮膚炎の記載がある

光線過敏症の頻度で行けば、ケトプロフェン(光アレルギー性皮膚炎代表格)と2大巨頭では?



バレニクリン:心血管リスク増加に注意、精神神経疾患リスクは高齢者で注意

禁煙治療において、need-individualized strategyが重要で、心血管イベントリスク増加予測例、特に、食生活の急変を来たし急激な肥満・高血糖など生じるような場合には十分な配慮が必要




Smoking Cessation Drug Linked to Cardiac Events
CME / ABIM MOC / CE Released: 3/2/2018
https://www.medscape.org/viewarticle/893111

2種以上のデリバリーシステムを用いたニコチン置換療法併用は、1剤置換療法より禁煙率は高く、バレニクリニンはこの併用ニコチン置換療法に比べて非優越的
Cochrane Database Syst Rev. 2013 May 31;(5):CD009329.


バレニクリンはプラシーボに比べ有意とは言えない程度だが神経精神的副作用リスクを高める可能性ありと指摘


自傷行為や双極性エピソードなど神経精神疾患による救急受診・入院はバレニクリン処方2年間内で6%ほど増加するも、これも有意差無し
Cardiovascular and neuropsychiatric events following varenicline use for smoking cessation. Am J Respir Crit Care Med. Published online December 20, 2017.

バレニクリンは禁煙成功オッズ3倍の効果を有し、心血管疾患リスクを有意に低下


ランダム化トライアルの世界ではバレニクリンはブプロピオン、ニコチン置換、非薬物的介入、プラシーボより禁煙成功率高いが、リアルワールでは?


65歳以上の56,851名のオンタリオ住民で、バレニクリン新規処方(2011年9月から2014年2月)
心血管疾患と神経精神疾患を、バレニクリンのフィル後12週間1年後まで観察

バレニクリン治療周辺2年間(導入期間発生除外)

  • 心血管疾患 4185名、イベント数 6317(AMI、不安定狭心症、他虚血性心疾患、虚血性卒中、心臓不整脈、末梢血管疾患
  • 精神神経疾患 4720名、イベント数数 10,041

バレニクリン治療心血管イベントは対照期間に比べ有意に高率  (相対発生頻度 [RI], 1.34; 95% 信頼区間 [CI], 1.25-1.44)
男女別、65歳上下別、心血管イベント既往別のサブグループでも相対リスク増加

一方、バレニクリニン治療は対対照期間に比べ神経精神イベント頻度は高かった (RI, 1.06; 95% CI, 1.00-1.13)ものの、有意差はない
65歳以上高齢では神経精神イベントリスク有意増加で、内訳は主に救急受診や入院必要な不安、気分障害であった




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2018年5月29日火曜日

食事アンケート大集団調査の愚行(卵摂取量と心血管医ベント)

食事アンケート調査によりクリニカルアウトカムと結びつける報告多いが、Medpageで随分批判されている。まぁ似たような報告は多く、比例ハザードモデル解析だけで論評する講演経験しなんだか不満累積してたところで小気味が良い


「食事摂取回数と特定の健康アウトカムの影響研究なんて意味がありません。以下の論文を使って解説してみましょう」

I'll put it really plainly: Studies that use responses to a food-frequency questionnaire to link to some health outcome are not worth the paper they are printed on. And so let me use this recent egg study as an object lesson in the problems with dietary epidemiology research.

https://www.medpagetoday.com/blogs/themethodsman/73009

比例ハザードモデルといってもリスク補正十分されたとは言えない、社会・経済的背景を受け、味覚要素さえ影響を受ける。フォアグラ( foie gras)を食す人間と食さないのを比較して、この要素で生命予後や心血管疾患予後を推し量る愚とのこと


意訳をかなり含むが・・・
1)まず誰もランダムに食事を取ることなんてしない、例外は、評価家の2歳児で・・・、社会、経済、プラクティカル、味覚要素など食事の選択理由なんて様々。この単純な研究では多共役要素を補正してない。フォアグラの例・・・ 
2)卵はいろんな食品に含まれる。故に、この調査法だと信頼性が低い 
3)130を超える食品アイテム調査で、偶発的蓋然性、偽陽性確率が高くなる可能性指摘(日本のくだらない人間ドック商売と一緒でたくさん調べれば異常を検出する確率高くなり、医療商売に結びつきやすいのと同じ) 
4)130以上のアイテムに限定しているが、実際上はそれ以上の食品内容を摂取している。意図的な選択バイアスがかかっている。 
5)サンプル集団が大きい、50万もの調査の時は有意差示しやすい。多ければ多いほどよいというものではなく、普通の人間が一生涯関わりの無いイベント確率で杞憂しているようなもんだ。研究自体の意味が無い・・・

以下、その論文




Associations of egg consumption with cardiovascular disease in a cohort study of 0.5 million Chinese adults
BMJ, Heart
http://heart.bmj.com/content/heartjnl/early/2018/04/17/heartjnl-2017-312651.full.pdf

中国の異なる10地点、30−79歳500万名
層別化Cox比例ハザードモデル解析

ベースラインにおいて通常1日 0.76個、連日摂取13.1%、滅多に食べない群 9.1%(通常摂取 1日0.29個)
卵非摂食者に比べ、卵摂取はCVDリスク低下  (HR 0.89, 95% CI 0.87 to 0.92)

多変量補正HRs(95%CI) IHD 0.88 (0.84 to 0.93)、MCE 0.86 (0.76 to 0.97)、出血性卒中 0.74 (0.67 to 0.82)、虚血性卒中 0.90 (0.85 to 0.95)

全CVDエンドポイントにおいて、量依存相関認める 線形傾向 P< 0.05

連日卵摂取はCVD死亡リスク18%減少、出血性卒中死亡 28%減少


この絵の方がインパクトある



2018年5月28日月曜日

GDPR

GDPR
http://www.fujitsu.com/jp/group/fjm/mikata/column/sawa2/001.html
https://business-security-station.com/securityinfo/498

個人名を出すとめんどくさそうなので、Authorさしあたり記載しないこととする


Author の e-mail アドレスとリンクされている場合あるので・・・

治療修飾を受けてない、いわば治療naïveなCOPD患者の急性増悪臨床パターン

治療修飾を受けてない、いわば治療naïveなCOPD患者の急性増悪臨床パターン

2−3割急性増悪改善すらはっきりしないパターンも存在するという


Exacerbation recovery patterns in newly diagnosed or maintenance treatment-econdary analyses of TICARI 1 trial data
International Journal of Chronic Obstructive Pulmonary Disease Volume 13
Published 10 May 2018 Volume 2018:13 Pages 1515—1525
DOI https://doi.org/10.2147/COPD.S149669


背景: 診断されてなかった症例やCOPDの維持療法-naïveな慢性閉塞性肺疾患(COPD)急性増悪:AECOPDの回復パターンは不明
急性気道感染(RTI)の症状治療のタイミングでAECOPD患者の臨床経過の記載をしようというもの

方法: 症状7日以内の急性RTIの新規診断もしくは維持治療-naïve COPD患者の、チオトロピウム 18 μgメンテナンス治療 vs プラシーボの12週間ランダム化臨床トライアル(TICAI 1)のデータの二次解析
AECOPDとRTIの標準治療
登録時、トライアル早期終了故治療差検出にはunderpowerであった
データはプールされ、急性増悪パターンを、EXAcerbation of Chronic Pulmonary Disease Tool (EXACT)、FEV1、レスキュー薬物治療、 COPD Assessment Test™, Functional Assessment of Chronic Illness Therapy–Short Form、 Work Productivity and Activity Impairment Questionnaire: Respiratory Symptomsで評価


結果: 140名の内、維持治療無しのCOPD診断既往は73.6%。
ランダム化後±7日の間に、中等度・重度気道閉塞80.0%、薬物療法治療 40%(ステロイド 34.3%、抗生剤 16.4%、短期作用β2アドレナリン作動性アゴニスト 5.0%)

12週間において、症状改善(EXACTスコア)は中央値 5.0日間。
全患者横断的には、再発なしの回復49.3%、回復するも再発29.3%、症状持続 21.4% (recovery criteria unmet;回復クライテリアに合致せず)

結論:気道感染症状ありのAECOPDによるクリニック受診後フォロー中COPD新規診断・維持療法naïve患者の再発、持続症状比率は一定数存在する。
維持療法にてアウトカム改善するか、急性増悪リスク軽減するかの検討は今後の問題





EXACT daily score
http://www.exactproinitiative.com/instrument-descriptions/








https://journal.copdfoundation.org/jcopdf/id/1041/Prevention-of-Exacerbations-in-Chronic-Obstructive-Pulmonary-Disease-Knowns-and-Unknowns
J. COPD Foundation, July 24, 2014

急性増悪:通常パターン、治療不全パターン、再発パターン






2018年5月26日土曜日

COPD:アスピリンの(慢性気管支炎がらみ?)COPD急性増悪予防効果、ワーファリンの予後悪化作用?

抗血小板剤による慢性気管支炎がらみのCOPD急性増悪減少効果の可能性
ワーファリンなどビタミンK拮抗剤はCOPD予後悪化の可能性?


Aspirin Appears Protective in COPD Patients
Too early for recommendations, but rate of 'moderate acute' exacerbation was reduced
MedPage Today May 24, 2018
https://www.medpagetoday.com/meetingcoverage/ats/73091

オリジナル:
Session B102 - CLINICAL TRIALS AND STUDIES IN COPD
A4233 / 607 - Aspirin Use Is Associated with Reduced Rate of COPD Exacerbations in the SPIROMICS Cohort: A Propensity Score Matched Analysis

COPD:SPIROMICS被検者、36ヶ月フォローアップ
アスピリン使用によるCOPD急性増悪を前向きに評価
COPD急性増悪(COPDE)の非補正(粗)発生比率は、人年にて  0.55±0.92 (中等症: 0.37±0.68, 重症: 0.18±0.53) 
アスピリン使用者で、COPDE発生頻度は低下 (補正発生比率比 [IRR] 0.78, 95% 信頼区間 [CI]: 0.65-0.94)、統計学的に有意性残存  (IRR 0.79, 95%CI: 0.64-0.98)、しかし重症ではCOPDE発生頻度影響認めず (IRR 0.78, 95%CI: 0.57-1.06) 
フォローアップ初年度に限れば、中等症・重症COPDE発生率同等 (IRR 0.70, 95%CI: 0.53-0.92)、中等症COPDE (IRR 0.66, 95%CI: 0.48-0.90) 、重症COPDE (IRR 0.85, 95%CI: 0.52-1.4) 
アスピリン使用者と慢性気管支炎存在症例では減少効果有意に認める (p=0.04) 
慢性気管支炎アスピリン使用者において、中等症・重症COPDE (IRR 0.65, 95%CI: 0.50-0.84)、中等症COPDE(IRR 0.65, 95%CI: 0.48-0.87)で相関認めるが、重症COPDEでは認めない (IRR 0.67, 95%CI: 0.43-1.03).







Warfarin Class Tied to Higher Death Rate in COPD
Retrospective results shouldn't change practice, but deserve more study
by Ed Susman, Contributing Writer, MedPage Today May 23, 2018
https://www.medpagetoday.com/meetingcoverage/ats/73063

オリジナル:
Session B102 - CLINICAL TRIALS AND STUDIES IN COPD 
A4234 / 608 - Use of Vitamin K Antagonists Is Associated with Increased Mortality in Chronic Obstructive Pulmonary Disease

後顧的研究 4184名のCOPD患者
死亡率補正ハザード比:COPD患者において、ビタミンK拮抗剤使用者は、非使用者に比較して有意に高い (1.533; 95%-信頼区間=1.344-1.748; P<0 .0005="" age="" br="" figure="" gender="" male=""> < 0.0005)
<0 .0005="" age="" br="" figure="" gender="" male="">

2018年5月25日金曜日

呼吸リハビリテーション(PR):今のところセンター式PRの方か゛在宅ベースPRより優れている

在宅ベースの呼吸リハビリテーションは、センター方式のsupervised 呼吸リハビリテーションの代替となり得るか?

Noという答えではある。この検討では、劣らないという結論は出なかった

Comparison of a structured home-based rehabilitation programme with conventional supervised pulmonary rehabilitation: a randomised non-inferiority trial
Elizabeth J Horton, et. al.
Thorax Volume 73, Issue 1
http://thorax.bmj.com/content/73/1/29
http://dx.doi.org/10.1136/thoraxjnl-2016-208506

研究方法
呼吸リハビリテーション(PR)参照された287名(男性 187名、平均(SD)年齢 68 (8.86)歳、FEV1予測比% 48.34 (17.92))


They were randomised to either

centre-based PR 
or
structured unsupervised home-based PR programme including a hospital visit with a healthcare professional trained in motivational interviewing, a self-management manual and two telephone calls:構造化されたスーパーバイズを受け無い在宅ベースPRプログラム(動機づけインタビューのトレーニング、自己管理マニュアル、2回の電話コールを含む) 
離脱率: センター方式PR 58(20%) vs 在宅PR 51(18%)

プライマリアウトカム:chronic respiratory disease questionnaire (Chronic Respiratory Questionnaire Self-Report; CRQ-SR) 呼吸困難スコア at 7 weeks
測定はブラインド化、mITT解析、非劣性境界 0.5単位



結果
両群とも、7週目CQR-呼吸困難gain有意にあり
在宅PRは呼吸困難度において非劣性にあり結論的エビデンスではなく、センター式優位であった (平均グループ差, mITT: −0.24, 95% CI −0.61 to 0.12, p=0.18)

結論
標準化在宅プログラムでも呼吸困難へのベネフィットはある。
ただ、今後、在宅PRプログラムがセンター式PRに対し非劣性であることがしめされるか今後の課題



在宅リハビリテーションのやり方でも結論変わるかもしれないが・・・

#ATS2018 も 終わったようで・・・ やはり以下のようなSCTなど認知行動療法といってよいのか、SCTも身体活動性維持・向上のため話題になったようで・・・

Pulmonary Rehabilitation and Physical Activity in Patients with Chronic Obstructive Pulmonary Disease
Martijn A. Spruit , et. al.,
ajrccm Vol. 192, No. 8 | Oct 15, 2015
https://doi.org/10.1164/rccm.201505-0929CI       PubMed: 26161676
https://www.atsjournals.org/doi/full/10.1164/rccm.201505-0929CI

Changing a complex health behavior such as physical activity is very difficult, so interventions should be guided by sound theoretical models.
This seems lacking in the current pulmonary rehabilitation construct.
One of the most commonly applied theories is social cognitive theory (SCT) . The “active agent” in SCT is self-efficacy, which is theorized to have both direct and indirect effects on behavior. 

Bandura A. Self-efficacy: toward a unifying theory of behavioral change. Psychol Rev 1977;84:191–215. 

“社会的認知”というやつ

人間の行動は,外からの刺激だけではなく本人の認知により影響を受ける.より複雑な社会的背景のもとでの行動 変容に対し,さまざまな認知的要因を重視した学習理論が 健康問題の解決に応用されるようになった.その1つがバンデューラ(Bandura A)らによる社会的学習理論 Social Cognitive Theory(SCT)である.SCT の基本概念 は,人間の行動は個人の行動,個人の特性,環境が相互に 影響し合って決定されるというものである.後述するよう に,近年,人間の行動を理解する上で環境や状況を考慮し た生態学的アプローチの重要性が再認識されている.SCT に重要な概念には,そのほか,観察学習(注意(観察), 保持(記憶),行動再生(遂行),動機付け(強化))と自 己効力感がある.SCT には,観察の対象であるモデルの行動が強化される代理強化(モデリング)や,モデルの成功体験を通した自己効力感(代理体験)などが含まれ る .
https://www.niph.go.jp/journal/data/58-1/200958010002.pdf


PARTNER研究: ICU管理:家族サポート介入

無理矢理過ぎる語呂合わせ

PARTNER (PAiring Re-engineered ICU Teams with Nurse-driven Emotional Support and Relationship-building)

ICUの滞在期間を減らし、入院コストを下げると・・・病院経営者や日本財務省大喜びの結果

患者あたり 平均コスト $170、抑制効果28%


A Randomized Trial of a Family-Support Intervention in Intensive Care Units
Douglas B. White, , et al., for the PARTNER Investigators
N Engl.J.Med May 23, 2018 DOI: 10.1056/NEJMoa1802637

登録:1420名の成人、6ヶ月フォローアップサーベイに家族同意:1106
患者は最重症、入院後6ヶ月以内死亡率60%程度、自宅独立生活可能1%未満

介入:

この種の入院コストはその国毎の医療状況に依存するので日本に適応できるかどうかは分からない
看護師、医師、ソーシャルワーカーというのは普通だろうが、スピリチュアルケア提供者てのが日本では一般的では無いと思う。家族をサポートするコミュニケーション・スキルトレーニングを12時間受けた看護師主導型のプログラム。看護師は家族と連日面会し、多職種医療専門家・家族のミーティングをICU入室後48時間内にアレンジする。家族サポート介入を臨床専門家ワークフローへ組み入れるよう質向上専門家が助言する。
PARTNER  is delivered by the interprofessional team in the ICU, consisting of nurses, physicians, spiritual care providers, social workers and others who play a part in patient care. The program is overseen by nurse-leaders in each ICU who receive 12 hours of advanced communication skills training to support families. The nurses meet with the families daily and arrange interdisciplinary clinician-family meetings within 48 hours of a patient coming to the ICU. A quality improvement specialist helps to incorporate the family support intervention into the clinicians’ workflow.
プライマリアウトカム:
6ヶ月後Hospital Anxiety and Depression Scale (HADS)のsurrogates’ mean score (症状悪化示唆 score range from 0 to 42)
事前設定セカンダリアウトカム:

  • mpact of Event Scaleのsurrogates’ mean score(IES; scores range from 0 to 88, with higher scores indicating worse symptoms)
  • the Quality of Communication (QOC) scale (症状悪化示唆 score range from 0 to 100, 最良スコア程高値で臨床家・家族のコミュニケーション最良)
  • modified Patient Perception of Patient Centeredness (PPPC) scale (scores range from 1 to 4, 最小スコアほど患者-、家族中心ケアがなされていることが示唆される)
  • 平均ICU滞在期間



患者の落ち着き、感情的にwell-being、思考、文化的ニーズがリスペクトされ、臨床アクションが導かれた臨床アクションで、介入に参加した家族は、彼らの愛する人は、患者中心の医療を受けたと報告する蓋然性が高いと報告。
Families who participated in the intervention were more likely to report that their loved one received patient-centered care – where the patient’s comfort, emotional well-being, beliefs and cultural needs were respected and guided clinical actions. 

介入群と対照群に群間差認めず

  • 6ヶ月時点surrogates’ mean HADS score(11.7 and 12.0, 、β係数, −0.34; 95% 信頼区間 [CI], −1.67 to 0.99; P=0.61)
  • mean IES score (21.2 and 20.3; β係数, 0.90; 95% CI, −1.66 to 3.47; P=0.49)


surrogates’ mean QOC score は対照群に比べ介入群で良好  (69.1 vs. 62.7; beta coefficient, 6.39; 95% CI, 2.57 to 10.20; P=0.001)、同様、 mean modified PPPC score (1.7 vs. 1.8; beta coefficient, −0.15; 95% CI, −0.26 to −0.04; P=0.006)も良好


ICU平均滞在期間は対照群に比べ介入群で短縮 (6.7 days vs. 7.4 days; i発生率比率, 0.90; 95% CI, 0.81 to 1.00; P=0.045)
死亡患者内ICUでの平均滞在数短縮が寄与したものと思われる (4.4 days vs. 6.8 days; 発生率比率, 0.64; 95% CI, 0.52 to 0.78; P<0 .001="" p="">
PARTNER介入を受けたうち、 patient-centeredness category(患者中心的カテゴリー)を79.2%と評価し、対し、通常ケアでは 63.2%となった


介入により、入院期間3日間以上カット(13.5→10.4日間、 平均ICU滞在期間短縮 7.4〜6.7日間)



よく分からないけど、家族から途絶したICUという印象が昔はあったが、今は、家族を積極的に組み入れるスタンスに変わってきたようだ



【特発性肺線維症】ピルフェニドン治療は呼吸器系入院の季節変動を無くす

ASCEND研究とCAPACITY 研究から、ピルフェニドン治療により、季節性入院率増加の影響を減弱したという話題


Session C23 - LUNG TRANSPLANT AND ACUTE ILD
A4526 / 206 - The Effect of Season on Hospitalization and Mortality in Patients with Idiopathic Pulmonary Fibrosis Treated with Pirfenidone Versus Placebo
http://www.abstractsonline.com/pp8/#!/4499/presentation/11387




ピルフェニドン 623, プラシーボ 624
プラシーボ群 呼吸器系入院比率の季節依存傾向 (p=0.035)、呼吸器疾患原因入院と死亡の組み合わせエンドポイントでも同様 (p=0.026)
ピルフェニドン群では、呼吸器系入院の季節性傾向認めず  (p=0.484)、呼吸器疾患原因入院と死亡の組み合わせエンドポイントでも同様 (p=0.144)

冬季( vs 非冬季)において、ピルフェニドン治療群に比べ、プラシーボ群は呼吸器系入院比率有意に増加(p=0.037; 図)
非呼吸器系入院では、ピルフェニドン群でもプラシーボ群でも季節性影響無し(p=0.406 or  0.509)
非呼吸器入院の治療群間差はどの季節でもみられない




この治療効果は自験的実感に合致する


2018年5月24日木曜日

肺癌:CTベースradiomic分類 → 悪性良性鑑別

NLSTトライアルを用いた肺結節のレントゲン特性解析
radiomicsと呼ばれる定量的マッピング技術


携帯、密度、表面テクスチャ、部位に関連した定量的変数8つにより、408名のがん性病変と、319の良性結節を病歴・喫煙状態と独立して鑑別可能という話

optimism-corrected area under the curve 0.939 で かなり正確

さらに、
DECAMP (Diagnosis and Surveillance of Indeterminate Pulmonary Nodules)-1 study
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT01785342
・・・を検討中とのこと



Novel high-resolution computed tomography-based radiomic classifier for screen-identified pulmonary nodules in the National Lung Screening Trial
Tobias Peikert , et al.
PLOSone  Published: May 14, 2018https://doi.org/10.1371/journal.pone.0196910

7mm以上結節、良性 n=318、悪性 n=408例
 least absolute shrinkage and selection operator (LASSO) method という多変量モデルで解析


  • Location: vertical location (offset carina centroid z)
  • Size: volume estimate (minimum enclosing brick)
  • Shape: flatness
  • Density: texture analysis (Score Indicative of Lesion/Lung Aggression/Abnormality)
  • Surface complexity (maximum shape index and average shape index)
  • Surface curvature (average positive mean curvature and minimum mean curvature)

読みこなせてないので原文のまま

自動診断への一歩か? うれしい限り


RPL554:吸入dual phosphodiesterase 3/4 inhibitor :従来の気管支拡張剤に付加的拡張作用+抗炎症作用

RPL554: inhaled dual phosphodiesterase 3/4 inhibitor
気管支拡張作用と抗炎症作用を有する新しい吸入薬剤


この薬剤は、短時間作用性気管支拡張剤+長時間作用性気管支拡張剤の効果トップに於いてさらなる気管支拡張作用をもたらした


ATS 2018 International Conference
Session B102 - CLINICAL TRIALS AND STUDIES IN COPD A4227 / 601 - RPL554, A First-In-Class Dual PDE3/4 Inhibitor, Causes Rapid Additional Bronchodilation When Dosed with Tiotropium in COPD Patients
http://abstractsonline.com/pp8/#!/4499/presentation/13660



30名の早期研究、平均年齢62歳、男性17名、3方式交差試験
拡張剤使用後FEV1 予測値比 40%以下、80%以下
アルブテロール反応 150ml未満

RPL554 was well tolerated without any GI side effects.チオトロピウム1日1回治療
+RPL554 6mg×2回 3日間ランダムシークエンスで施行
治療機関は7−21日間のwashoutを設定して別箇施行


完遂 30名中26名、RPL554はチオトロピウム(tio)のトップに付加的拡張作用を有す
peak FEV1増加量(versus tio alone)

  • RPL554 1.5 mg + tio  104ml (p=0.002) 
  • RPL554    6 mg + tio  127ml (p<0.0001) 

朝のトラフFEV1(versus tio alone)

  • 54 ml vs  116 ml (p<0.001) 


Plethysmography で、残気量(RV)と機能的残気量(FRC)の有意な減少:RPL554 + tio versus tio alone

onset時間の劇的な減少

  • RPL554 1.5mg + tio or 6 mg + tio compared to tio alone (4.2 , 4.6 min vs 38 min, p<0.001)




PDEの治験に絡んだことあるけど、効果あったとしても 付加的拡張作用20ml-40ml程度だったと思う

早期少数治験だから何とも言えないが、今の所、副作用も少なそう
生暖かく見つめるとするか・・・

2018年5月23日水曜日

SUNSET:COPD 長期3剤療法→2剤併用への減量トライアル

COPD患者で好酸球増加のない症例で、triple therapyにて良好な患者では、dural theapy(ウルティブロ・ブリーズヘラー: indacaterol/glycopyrronium)へのスイッチでも急性増悪増加しない



withdrawトライアルとしては元祖

WISDOM研究 : チオトロピウム/サルメテロール/プロピオン酸フルチカゾン → プロピオン酸フルチカゾン除去有無比較
Withdrawal of Inhaled Glucocorticoids and Exacerbations of COPD Helgo Magnussen, , et al., for the WISDOM Investigators
N. Engl. J. Med. 2014; 371:1285-1294
上記はstepwise減量



今回のSUNSETは、頻回急性増悪のないCOPD(中等症・重症)において長期triple theapyをLABA/LAMA治療へ減量し有効性安全性を本格的に検討した初めての報告ということらしい

Long-term Triple Therapy De-escalation to Indacaterol/Glycopyrronium in COPD Patients (SUNSET): a Randomized, Double-Blind, Triple-Dummy Clinical Trial
Kenneth R Chapman , et. al.
American Journal of Respiratory and Critical Care  Published Online: May 20, 2018

“GOLDのDに相当する、入院必要だったもしくは中等度以上急性増悪2回以上症例、好酸球 300/μL超ではICS必要”という概念は温存し
26週間、ランダム化二重盲検、triple-dummy研究で、ダイレクトに
・ウルティブロ・ブリーズヘラー:indacaterol/glycopyrronium (110/50 μg once daily)
・トリプルセラピー継続(チオトロピウム18 μg 1日1回 + salmeterol/fluticasone propionate [50/500 μg] 1日2回)
比較

プライマリエンドポイントは、ベースラインからのFEV!変化量非劣性比較
セカンダリエンドポイントは、中等症・重症急性増悪

ウルティブロ・ブリーズヘラー群 527 vs トリプルセラピー群 526

主要知見

  • ICS 中止にて、トラフFEV1減少  −26mL (95% CI, −53 to 1 mL);非劣性境界 -50mLを超えた信頼区間
  • 中等症・重症COPD年間発生率は治療群で差を認めず(発生率比 1.08; 95% CI, 0.83 to 1.40)
  • ベースラインで末梢血 300/μL以上の患者では肺機能障害大きく、急性増悪リスク増大



ベースライン特性による投与後トラフFEV1からの平均変化量


26週間治療におけるトラフFVCのベースラインからの変化

好酸球数カテゴリーによる初回中等症・重症COPD急性増悪まで期間



呼気NO濃度測定により吸入ステロイド必要性が客観的に検証できる

MedPage Todayの解説記事:https://www.medpagetoday.com/meetingcoverage/ats/73011


呼気NO濃度測定により吸入ステロイド必要性が客観的に検証できる?

より低FeNO値症例に比べ、50ppb以上の患者ではステロイド治療効果の蓋然性オッズ比で2倍となる


The Role of FeNO in Cough Management: A Randomised Controlled Trial
D. B. Price1, R ,et. al.
http://abstractsonline.com/pp8/#!/4499/presentation/12028

背景: Fractional exhaled nitric oxide (FeNO)は喘息治療反応評価に有用だが、咳嗽症状や喘息診断歴無しの患者で有用なベースライン測定法なのかは不明

目的と対象: 非特異的呼吸器症状患者において、咳嗽という観点からベースラインFeNOと治療効果の関連推定


研究方法: 多施設、ランダム化対照トライアル、UK、シンガポールの患者、extrafine ICS(BDI 200μg bid)、プラシーボ 4週間
FeNO:NIOX VERO (Circassia) 測定
プライマリエンドポイント:ACQスコアの変化量
セカンダリエンドポイント:VAS評価咳嗽の変化量


結果: 咳嗽が主なベースライン症状(n=257)で、85%の患者が訴え
高FeNO値と治療効果の相関、 ベースラインFeNO 10 ppb増加毎、extrafine ICS群( vs プラシーボ比較)のVAS咳嗽治療効果変化量は大きい 3.115(95% 信頼区間[CI], 0.579-5.651)
extrafine ICS群の単変量測定モデルでは、ベースライン FeNO 50 ppb超過症例では50ppb未満のそれに比べ、VAS咳嗽スコアは20以上改善が2倍を超える(非補正オッズ比 2.37 , 95%CI 1.01-5.55)

結論:FeNO測定は咳嗽症状患者にとって、シンプルで、患者に近く、定量的、非侵襲的な診断ツール。今後推奨カットオフ値の確立が必要。



日本国内では、まぁ耳に胝の話ではあるが・・・


喘息と断定してない

患者特性は、年齢中央値 48歳、男性 45%程、咳嗽VAS 41
FeNO平均値 37 ppbと日本のカットオフ値に比べても、もともとやや高値

平均罹病期間など情報が無いのだが、慢性咳嗽を念頭にしたような記述


6−8週間未満の亜急性咳嗽のセッティングとは異なるようだ
臨床症状を細かく区切った検討が必要と思う

2018年5月22日火曜日

COPD “Frequent Exacerbator” Phenotype

COPD急性増悪2回以上の患者は、アウトカム不良の特異的サブグループである

frequent exacerbator(s)は、気流制限高度、症状多く、健康関連QOL障害程度高度となることが明らかに






Defining the “Frequent Exacerbator” Phenotype in COPD
A Hypothesis-Free Approach
Olivier Le Rouzic, et. al.
CHEST journal May 2018, Vol. 153, page 1106-1115
DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2017.10.009


2つのクラスターで、急性増悪の期間あたりの回数で、第1クラスター 年 2.89回 (n=348)、第2クラスター平均 0.71(n=116)


これらクラスター鑑別最良閾値は、年間2回の中等症・重症急性増悪

4年フォローアップでの多変量モデル:frequent exacerbatorの要素
・COPD診断からの年数(参照値 7年未満)
・連日喀痰(参照値 無し)
・mMRC呼吸困難 (参照値 0)、mMRC 1-2、mMRC 3-4
・FEV1予測比 (参照値 >50%)
・前年入院 (参照値 無し)



ESODスコア
・直近2年内の急性増悪、入院  < No : 0、 Yes : 1 >
・喀痰、慢性連日喀痰   < No : 0、 Yes : 1 >
・気道閉塞 %FEV1 50%以上 : 0、 50%未満 : 1
・呼吸困難 mMRCスコア 0〜1-2 : 0 、3-4 : 1



バイオエンジニア気管移植の妥当性

Feasibility of Bioengineered Tracheal and Bronchial Reconstruction Using Stented Aortic Matrices
Emmanuel Martinod,  et al.
JAMA. Published online May 20, 2018.
doi:10.1001/jama.2018.4653


気道再生を、ヒト凍結保存(−80℃)大動脈アログラフト(ABO、リンパ球抗原非マッチ)
カスタム作成ステントを気道虚脱予防のため挿入


20名の対照のないコホート研究、13名期間・気管支・気管分岐部移植可能
90日死亡率は5%

20名、平均年齢 54.9歳、レンジ 24−79歳、13名男性(65%)
移植:気管(n=5)、気管支(n=7)、分岐部(n=1)

非施行例7名:医学的禁忌 n=1、肺切除不可避(n=1)、試験開胸のみ(n=2)、葉切除・2葉切除可能(n=3)

初期対象20名として、90日死亡率は5%(分岐部移植1例)
気管、気管支再構築では90日死亡なし



気道移植13名中、重大な合併症発生は4名(30.8%)、喉頭浮腫、急性肺水腫、ARDS、心房細動

手術関連直接的副事象認めず

ステント除去平均は、術後18.2ヶ月
フォローアップ中央値3年11ヶ月、10/13(76.9%)は生存
 生存10名のうち、8名は新規形成気道でステント除去後も正常呼吸。

上非再生、軟骨de novo generationが、レシピエント細胞からの大動脈マトリックス内に観察された




https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2681943

dupilumab(IL-4 /IL-13阻害剤):コントロール不良喘息トライアル

phase 3 trial, LIBERTY ASTHMA QUEST

dupilumab はIL-4 とIL-13 という2 つのタンパク質のシグナル伝達を特異的に阻害するように設計されたヒトモノクローナル抗体: fully human VelocImmune-derived monoclonal antibody

 IL-4受容体のαサブユニットへの直接作用で、IL-4とIL-13シグナル化を両方ブロックし、type 2炎症を抑制する


コントロール不良喘息への安全性有効性トライアル (Funded by Sanofi and Regeneron Pharmaceuticals; LIBERTY ASTHMA QUEST ClinicalTrials.gov number, NCT02414854.)


Dupilumab Efficacy and Safety in Moderate-to-Severe Uncontrolled Asthma
Mario Castro, et. al.
N. Engl. J. Med. May 21, 2018
DOI: 10.1056/NEJMoa1804092


1902名、12歳以上 2:2:1:1割り付け
add-onとして、dupilumab  200 or 300 mg 2週毎 or matched-volume placebo
52週間



プライマリエンドポイント:overall trial populationに於る、重症喘息急性増悪年次発生率、ベースラインからweek12までの拡張剤使用前FEV1絶対的変化量
セカンダリエンドポイント:好酸球300/μL以上患者での急性増悪率、FEV1

Asthma control とdupilumab 安全性も評価

重症喘息急性増悪年次発生率
dupilumab 200 mg 2週毎投与群 0.46 (95% 信頼区間 [CI], 0.39 to 0.53)
プラシーボ 0.87 (95% CI, 0.72 to 1.05)
dupilumabによる発生率減少(対プラシーボ) 47.7% (P<0 .001="" p="">
2週毎 300mg投与量でも同様の結果

12週後、FEV1 dopilumab低用量割り付けでは 0.32 L増加 (差 vs . マッチ化プラシーボ ,0.14 L; p< 0.001)
高用量でも同様




<0 .001="" p="">

<0 .001="" p="">好酸球300/μL以上患者検討では、重症急性増悪 年次発生率
低用量割り付け群 0.37 (95% CI, 0.29 to 0.48)
マッチ化プラシーボ 1.08 (95% CI, 0.85 to 1.38)
 (dupilumab 対プラシーボ 発生率減少比率 65.8%  ; 95% CI, 52.0 to 75.6)
 同様の結果が、高用量でも認められる
<0 .001="" p="">
<0 .001="" p="">
<0 .001="" p="">

<0 .001="" p="">
 


<0 .001="" p="">血中好酸球は介入開始後52名(4.1%)で生じ、プラシーボ群では 4名 0.6%
 
<0 .001="" 2="" 300="" br="" dose="" dupilumab="" every="" mg="" of="" results="" seen="" similar="" the="" weeks.="" were="" with=""><0 .001="" 0.29="" 0.37="" 0.48="" 0.85="" 1.08="" 1.38="" 300="" 52.0="" 75.6="" 95="" a="" among="" and="" annualized="" asthma="" blood="" br="" ci="" count="" cubic="" dose.="" dupilumab="" eosinophil="" exacerbations="" higher="" lower-dose="" lower="" matched="" millimeter="" more="" observed="" of="" or="" patients="" per="" placebo="" rate="" receiving="" results="" seen="" severe="" similar="" than="" the="" those="" to="" was="" were="" with="">
<0 .001="" 2="" 300="" br="" dose="" dupilumab="" every="" mg="" of="" results="" seen="" similar="" the="" weeks.="" were="" with=""><0 .001="" 0.29="" 0.37="" 0.48="" 0.85="" 1.08="" 1.38="" 300="" 52.0="" 75.6="" 95="" a="" among="" and="" annualized="" asthma="" blood="" br="" ci="" count="" cubic="" dose.="" dupilumab="" eosinophil="" exacerbations="" higher="" lower-dose="" lower="" matched="" millimeter="" more="" observed="" of="" or="" patients="" per="" placebo="" rate="" receiving="" results="" seen="" severe="" similar="" than="" the="" those="" to="" was="" were="" with=""> <0 .001="" 2="" 300="" br="" dose="" dupilumab="" every="" mg="" of="" results="" seen="" similar="" the="" weeks.="" were="" with=""><0 .001="" 0.29="" 0.37="" 0.48="" 0.85="" 1.08="" 1.38="" 300="" 52.0="" 75.6="" 95="" a="" among="" and="" annualized="" asthma="" blood="" br="" ci="" count="" cubic="" dose.="" dupilumab="" eosinophil="" exacerbations="" higher="" lower-dose="" lower="" matched="" millimeter="" more="" observed="" of="" or="" patients="" per="" placebo="" rate="" receiving="" results="" seen="" severe="" similar="" than="" the="" those="" to="" was="" were="" with="">
<0 .001="" 2="" 300="" br="" dose="" dupilumab="" every="" mg="" of="" results="" seen="" similar="" the="" weeks.="" were="" with=""><0 .001="" 0.29="" 0.37="" 0.48="" 0.85="" 1.08="" 1.38="" 300="" 52.0="" 75.6="" 95="" a="" among="" and="" annualized="" asthma="" blood="" br="" ci="" count="" cubic="" dose.="" dupilumab="" eosinophil="" exacerbations="" higher="" lower-dose="" lower="" matched="" millimeter="" more="" observed="" of="" or="" patients="" per="" placebo="" rate="" receiving="" results="" seen="" severe="" similar="" than="" the="" those="" to="" was="" were="" with=""> <0 .001="" 2="" 300="" br="" dose="" dupilumab="" every="" mg="" of="" results="" seen="" similar="" the="" weeks.="" were="" with=""><0 .001="" 0.29="" 0.37="" 0.48="" 0.85="" 1.08="" 1.38="" 300="" 52.0="" 75.6="" 95="" a="" among="" and="" annualized="" asthma="" blood="" br="" ci="" count="" cubic="" dose.="" dupilumab="" eosinophil="" exacerbations="" higher="" lower-dose="" lower="" matched="" millimeter="" more="" observed="" of="" or="" patients="" per="" placebo="" rate="" receiving="" results="" seen="" severe="" similar="" than="" the="" those="" to="" was="" were="" with="">

冠動脈疾患の臨床経過と対比したCOPDの表現

どこぞかの講演会で見た表現だが、ATE2018の講演にもあったようで・・・再確認



冠動脈疾患の臨床経過と対比したCOPDの表現

  • 不安定COPD ← 不安定狭心症
  • 急性増悪(chest attack) ← 心筋梗塞(心発作)
  • 呼吸不全  ← 心原性ショック

Dissecting COPD exacerbations: time to rethink our definition
Bartolome R. Celli
Eur Respir J 2017; 50: 1701432
[https://doi.org/10.1183/13993003.01432-2017].
http://erj.ersjournals.com/content/erj/50/3/1701432.full.pdf




どうせなら、新しいガイドライン(心不全2017)をまねたのも 所望する







#ATS2018 にて やはり「COPD急性増悪」の定義について議論なされているようだ・・ twitter情報だが・・・

2018年5月21日月曜日

Clinical Trial News

Clinical Trial News
http://clinicaltrials.pharmaceutical-business-review.com/news

RSS登録
http://clinicaltrials.pharmaceutical-business-review.com/rss


例:

AstraZeneca’s COPD drug Fasenra fails to meet primary endpoint in phase III trial
PBR Staff Writer
Published 14 May 2018
http://clinicaltrials.pharmaceutical-business-review.com/news/astrazenecas-copd-drug-fasenra-fails-to-meet-primary-endpoint-in-galathea-phase-iii-trial-140518-6150207



RSSリーダーってGoogle Readerが消えて、Yahoo ReaderのPipesが消えて、最近はやらないけど、ホントに便利なのになぁ


特発性肺線維症:FLORA:抗autotaxin阻害剤GLPG1690 第2相a 有望

特発性肺線維症 (IPF) は不可逆的肺機能障害をもたらす。IPF患者は肺組織中のautotaxin濃度増加、肺胞洗浄液中・呼気condense中のlysophosphatidic acid(LPA)増加する

GLPG1690 (Galapagos, Mechelen, Belgium) は、新しい治療可能性のある選択的autotaxin阻害剤で経口投与可能




ランダム化二重盲検プラシーボ対照第2相a研究、17施設(イタリア、ウクライナ、UK)
12週間 GLPG1690 経口1回/日 1:3割り付け
プライマリ圧カムは安全性、耐用性、pharmacokinetics、 pharmacodynamics


Safety, tolerability, pharmacokinetics, and pharmacodynamics of GLPG1690, a novel autotaxin inhibitor, to treat idiopathic pulmonary fibrosis (FLORA): a phase 2a randomised placebo-controlled trial
Toby M Maher, et al.
Lancet Respir Med 2018Published OnlineMay 20, 2018
DOI: https://doi.org/10.1016/S2213-2600(18)30181-4

pharmacokinetics、 pharmacodynamicsは健常者研究と同様


LPA C18:2濃度は減少


FVC12週後ベースラインからの平均変化量は 25 mL(95% CI, -75 to 124) vs プラシーボ -70 mL (-208 to 68 mL)





GLPG1690 (Galapagos, Mechelen, Belgium) は、強力な選択的autotaxin阻害剤で、経口投与でラットにおいてLPA C18:2類の血中濃度減少を示す
ピルフェニドンに比べ、ブレオマイシン肺線維症で予防的、治療的Ashcroft fibrotic
線維化促進メディエータへの付加的抑制作用が、IPF患者肺組織ex-vivoの線維芽細胞評価で認められ、GLPG1690・ニンテダニブとの併用使用で評価された

第1相ヒト研究で耐用性確認、LPA C 18:2減少、GLPG1690濃度増加が示されていた。

 




オートタキシン(Autotaxin:ATX)は,リゾホスファチジルコリン(Lysophosphatidylchloine:LPC)を加水分解してリゾホスファチジン(Lysophosphatidic Acid:LPA)を生成する反応を触媒する分泌型リゾホスホリパーゼD(Lysophospholipase D)です。LPAはGタンパク質共役レセプターを活性化する脂質メディエータであり,神経新生,血管新生,平滑筋収縮,血小板凝集および創傷治癒などの様々な生物学的応答を引き起こします。ATX-LPA情報伝達経路は,腫瘍の進行や炎症などに関与することが指摘されています。
https://www.funakoshi.co.jp/contents/5518



損傷に対する異常な創傷治癒反応は肺線維症(原文:繊維症だが書き換え御免)の発症と関連すると考えられてきたが、そのような病的反応を誘導するメディエーターについては十分にわかっていない。本論文では、肺線維症のブレオマイシンモデルで肺損傷後に気管支肺胞洗浄液中のリゾホスファチジン酸濃度が上昇すること、またリゾホスファチジン酸受容体の1つであるLPA1を欠くマウスでは、このモデルでの線維症の発症率および死亡率が著しく低いことを示す。LPA1が存在しないと、線維芽細胞動員および血管漏出の両方の低下がみられたが、これら2つは損傷が修復されずに線維症に移行した場合に過剰に起こることがある反応である。一方、白血球の動員は損傷後1週間は維持された。特発性肺線維症の患者でも気管支肺胞洗浄液中のリゾホスファチジン酸濃度は上昇しており、LPA1を阻害すると、洗浄液のもつ化学走性に対する線維芽細胞の反応は大きく低下した。したがってLPA1は、損傷に対する異常な反応が発症に寄与する、特発性肺線維症のような疾患の新たな治療標的となる。
肺線維症:リゾホスファチジン酸受容体LPA1は線維芽細胞の動員および血管漏出を仲介することで肺損傷と肺線維症を結びつける 
Nature Medicine 14, 1 | Published: 2008年1月8日 | doi: 10.1038/nm1685

特発性肺線維症:組み替えヒト・ペントラキシン2にて肺機能減少抑制効果

ペントラキシン 2

線維細胞 fibrocyte、通常末梢血単球から由来した、通常不活性な線維芽細胞様(休止期)細胞で、特発性肺線維症の病的プロセスに関与示唆(BMC Med. 2015 Nov 9;13:277. doi: 10.1186/s12916-015-0515-0.)。(ペントラキシン 2として知られている)血中アミロイドPは単球の線維促進的線維細胞(profibrotic fibrocyte)への分化を抑制し、炎症促進マクロファージへの分化の抑制作用を有し、肺線維化の鍵となるメディエーターであるTGF-β1産生抑制作用を有する。
特発性肺線維症において血中ペントラキシン 2濃度は減少し、疾患重症度と相関し、線維化のmodulationの役割がありそう。


・・・ということで、組み替えヒト・ペントラキシン2の効果

特発性肺線維症・予備研究において、組み替えヒトペントラキシン治療 vs プラシーボにおいて、28週間において肺機能低下減少効果


Effect of Recombinant Human Pentraxin 2 vs Placebo on Change in Forced Vital Capacity in Patients With Idiopathic Pulmonary FibrosisA Randomized Clinical Trial
Ganesh Raghu, et al.
JAMA. Published online May 20, 2018. doi:10.1001/jama.2018.6129
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2681945

意義:
特発性肺線維症(IPF)は進行性の線維性肺疾患で予後不良。治療進行中止しうる適切な治療はない


目的:
組み替えペントラキシン 2 vs プラシーボ比較:28週め平均強制肺活量(FVC)予測比%にて治療効果判定


研究デザイン・セッティング・被検者:
第2相ランダム化二重盲検プラシーボ対照化トライアル、18施設7ヶ国、参入被検者 IPF n=117 ,年齢 40-80歳 

  • FVC ≥50%及び ≤90% predicted
  • FEV1/FVC比 >0.70
  • 一酸化炭素拡散能 [Dlco] ≥25% 及び ≤90% predicted
  • 6分間歩行距離 ≥150 m 

研究機関2015年8月から2017年5月

介入:
組み替えヒトpentraxin 2 (10mg/kig 4週毎静注, n=77) vs プラシーボ ( n=39) 24週間
併存IPF治療状態で層別化


主要アウトカム・測定項目:
プライマエンドポイント:ベースラインから28週目のFVC予測比最小自乗変化 (MCID , 2%-6%)
セカンダリエンドポイント:HRCT上の肺容積の平均変化(全体、正常、間質性肺疾患)と6分間歩行距離(MCID 24-45m)


結果:
117名のランダム化患者のうち、対象薬1剤以上使用 116名(平均年齢 68.6歳, 男性 81.0%、IPF診断からの平均期間 3.8年)、研究完遂 111(95.7%)
ベースラインから治療28週目までのFVC予測比パーセンテージ最小自乗平均差 ペントラキシン -2.5 vs 対照薬 -4.8  (差, +2.3 [90% CI, 1.1 to 3.5]; P =  0.001)

総肺容積(差, 93.5 mL [90% CI, −27.7 to 214.7])、HRCT定量的肺実質特性(差, 正常肺容量差 , −1.2% [90% CI, −4.4 to 1.9]; 間質性肺病変容, 1.1% [90% CI, −2.2 to 4.3])、Dlco測定値何れも有意差無し (差, −0.4 [90% CI, −2.6 to 1.7])


6分間歩行距離は、組み替えヒトペントラキシン治療患者で -0.5m vs プラシーボ群で -31.8m  (差, +31.3 m [90% CI, 17.4 to 45.1]; P < .001)

ペントラキシン治療群最頻度副事象は咳嗽  (18% vs 5%)、疲労 (17% vs 10%)、鼻咽頭炎 (16% vs 23%)

結論と知見:
特発性肺線維症・予備研究において、組み替えヒトペントラキシン治療 vs プラシーボにおいて、28週間において肺機能低下減少効果示された。
今後有効性安全性研究追加必要
Trial Registration  clinicaltrials.gov Identifier: NCT02550873

2018年5月19日土曜日

低線量CT検診:米国内でも対照患者の1−4%程度しか検診受けてない

日本においては、非喫煙者肺癌の問題、特に女性に目立つ腺癌症例もあり、非喫煙者だからと、LDCT検診対象じゃないと明言できない部分がある。
偽陽性率 2割〜3割(もっと多い見積もりを見たこともあるが・・・)の問題点とともに、いろいろ問題あるなぁ・・・と。




ASCO
Lung Cancer Screening Rates Disappoint
Evidence shows benefit for high-risk smokers but few get tested
by Michael Smith, North American Correspondent, MedPage Today
May 17, 2018
https://www.medpagetoday.com/meetingcoverage/asco/72943



検証による生存数増加エビデンス検証されているにもかかわらず、肺癌検診率は米国内でも少ないままである。大規模臨床トライアル(Reduced Lung-Cancer Mortality with Low-Dose Computed Tomographic Screening The National Lung Screening Trial Research Team NEJM https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1102873#t=abstract)に基づき、“ U.S. Preventive Services Task Force in 2013”で、 高リスク喫煙者にて低線量CT(LDCT)年1回検診が推奨された。
しかし、「この推奨の初年度の検診解析にて非常に限定的効果しか認められなかった」と、 American Society of Clinical Oncology (ASCO) annual meetingに先立つpress briefingにて、Danh Pham ( James Graham Brown Cancer Center at the University of Louisville in Kentucky) が述べた。低線量CT年次検診に関しては適切とはいえない部分がまだ存在し、より必要性の高い検診に仕立て上げる必要があると述べている。


 National Lung Screening Trial  2010年早期中断トライアルは、高リスク喫煙者対象で、LDCT年次検診で胸部レントゲン(chest x-ray)に比べ20%ほど肺がん死を減少指せた、初めての大規模ランダム化対照トライアルで、肺癌検診のベネフィット示し、USPSTFガイドラインにて55−79歳で「喫煙歴 30 -ack-year歴」もしくは「現行喫煙もしくは筋炎から15年内」の場合に検診を勧めるよう医師たちに奨励し、Medicare も多くに年次検診を働きかけた。
しかし、この推奨のフォローアップがうまくいったかの検証は不明瞭。Phamらは、 American College of Radiology's Lung Cancer Screening Registryを対象にNational Health Interview Surveyの所見を用い、適正患者の推定数を検討。
米国国勢調査局アメリカ合衆国4地域(リージョン Region)の該当患者数を推定


  • 北東部も最も高率で 3.5%、最小は西部で 1.0%
  • 中西部 1.9%、南部は 1.6%

該当患者比率は南部最大、西部・北東部は最小

検診クライテリア合致者は7,612,975名と推定、実際施行は 141,260名 国内施行率は 1.9%

他の癌検診と比較して極めて低率であり、2015年マンモグラフィーは40歳以上女性の65%施行

LDCT検診に対してプロバイダー側も偽陽性などの取り扱いなど払拭されてない問題もあり、担当者たちが積極的でないことや、該当者たちも検診の価値について知らされてないこともあるのかもしれない。

2018年5月18日金曜日

DAPAトライアル:中等度〜高強度好気的運動・筋力増強トレーニングにて認知機能減衰改善認めず、一部悪化の可能性も?

軽症・中等認知症に対して、中等度〜高強度好気的運動・筋力増強トレーニングでは、認知障害の緩徐化認めなかった。

それどころか、ADAS-cogスコアは運動群で、軽度ながら、一部悪化の可能性



運動は良い!運動は全てに良い!とは言えなくなった。
研究機関が4ヶ月という短期間であったこと、悪化の程度は軽度なので意義をもつかどうかはわからないが・・・今後の検討が必要だろう


Dementia And Physical Activity (DAPA) trial of moderate to high intensity exercise training for people with dementia: randomised controlled trial
BMJ 2018; 361 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.k1675 (Published 16 May 2018)

多施設プラグマティック・被検者マスク・RCT
15ヶ所の英国内地域、494名の認知症患者

わりつけ 2:1
・好気的・筋力増強トレーニング n=329
・通常ケア n=165

介入通常ケア+4ヶ月supervised運動と身体活動継続指導 vs 通常ケアのみ

プライマリアウトカム:12ヶ月後 ADAS-cog認知症サブスケール
セカンダリアウトカム:ADL、非精神疾患症状、健康関連QOLとburden
身体フィットネス(6分間歩行距離を含む)を介入期間中運動群で評価

平均年齢 77(SD 7.9)歳、男性 61%

12ヶ月まで、ADAS-cogスコア平均は、運動群 25.2(SD 12.3) vs 通常ケア群 23.8 (SD 10.4)(補正群間差 -1.4, 95% 信頼区間 -2.6〜 -0.2, p=0.03)
運動群での認知障害が高く、平均差は小さく、臨床的に明瞭な程度ではなかった。
セカンダリアウトカム、認知症病型(アルツハイマー病か、他疾患か)、認知障害重症度、性別、移動能の事前計画サブグループ評価では群間差を認めなかった
運動コンプライアンスは良好
65%(214/329)が計画の4分の3を超える参加率
6分間歩行距離は改善(平均差 18.1 m , 95% 信頼区間 11.6m - 24.6m)







https://sandpit.bmj.com/graphics/2018/dapa_va_v13.png

CHA2DS2-VAScに、腎障害加味すると 血栓塞栓・死亡予測改善


CHA2DS2-VASc scoreは非弁膜症性心房細動患者の卒中・全身血栓塞栓リスクの信頼されている評価ツールだが、昨今、ATRIA卒中スコアのような GFR<45 min="" ml="" p="">
それで、これに腎障害要素(-R)を追記したスコアにて血栓塞栓・死亡率予測要素の信頼性が上がるか確認



Usefulness of the Addition of Renal Function to the CHA2DS2-VASc Score as a Predictor of Thromboembolism and Mortality in Patients Without Atrial Fibrillation
Christine Parsons ,et. al.,
10.1016/j.amjcard.2018.04.049
The American Journal of Cardiology   24 January 2018 11 April 2018 13 April 2018
https://www.ajconline.org/article/S0002-9149(18)31050-6/fulltext

ベースライン腎障害ももともと死亡率予測要素(HR 2.06, 95% CI 1.64 to 2.60, P<0 .001="" p="">血栓塞栓 (HR 1.34, 95% CI 0.96 to 1.87, P=0.09)、心房細動リスク要素(HR 1.31, 95% CI 0.98 to 1.74, P=0.07)

糸球体濾過速度低いほど、死亡率増加と有意に関連

CHADS2-VASc-Rスコアは、有意に死亡率、血栓塞栓、心房細動発症と関連
<0 .001="" p="">(腎障害の定義は、CKD stage 3以上、ESRD/透析を含む)

CHADSDS2-VAScスコアに腎障害を加味することで、C統計値の改善を改善する
血栓塞栓と生存率(各々 0.72→0.73 p=0.01,0.70 → 0.72 p<0.001)
<0 .001="" p="">
心房細動無しの一般でも、血栓塞栓、死亡率予測スコア改善、ただ、その付加価値は高くない



BEAMトライアル:救命救急室での気管内挿管ブジーの有用性

気管内挿管ブジー
https://www.smiths-medical.com/ja-jp/resources/portex-single-use-bougies

初回挿管時間、低酸素発生などは全体では変わらないが、挿管困難症例群内、全体でも諸階層間成功率は高い ・・・ 今後の検討必要とのこと





Effect of Use of a Bougie vs Endotracheal Tube and Stylet on First-Attempt Intubation Success Among Patients With Difficult Airways Undergoing Emergency Intubation
A Randomized Clinical Trial
Brian E. Driver, et al.
JAMA. Published online May 16, 2018. doi:10.1001/jama.2018.6496
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2681717

Bougie Use in Emergency Airway Management (BEAM) trial

2016年9月から2017年8月まで、ED内の気管内挿管施行症例

プライマリアウトカムは、気道困難特性(喉頭観察不能な体液貯留、気道閉塞・浮腫、肥満、短頸、小顎、巨大舌、顔面骨折、頸椎不動必要症例)
セカンダリアウトカムは全患者初回性交、低酸素無しでの初回挿管成功、初回挿管時間、食道挿管、低酸素



平均年齢46歳、女性30%、757名をランダム化、全員トライアル完遂


1つ以上の気道困難特性を有する380名のうちで、初回挿管成功率は、ブジー群 96% 、気管内挿管+スタイレット群 82%(絶対的群間差  14% [95% CI, 8% to 20%])

全患者対象では、ブジー群 98% vs 気管内挿管+スタイレット群 87%   (絶対的群間差  11% [95% CI, 7% to 14%])

初回挿管手技時間中央値は 38秒 vs 36秒、低酸素発生 13% vs 14%で群間差認めず

結論:EDにおいて、ブジー使用は、従来の気管内挿管+スタイレット施行に比べ有意に初回挿管施行成功率高いが、これらの知見は一般化評価が他の施設・状況での評価がなされるまで保留としたい。








2018年5月17日木曜日

SYGMA1/2:軽症喘息でも、シムビコート as-needed使用を勧めるような報告

軽症喘息でも、シムビコート as-needed使用を勧めるような報告


解説記事:http://www.mdmag.com/conference-coverage/ats-2018/budesonideformoterol-considered-for-asneeded-asthma-therapy-in-phase-3-studies

O'Byrneがらみ


中等症・重症喘息で確立したSMART療法に基づき軽症喘息でも抗炎症性relieverとして価値があると結論づけ
Researchers at AstraZeneca, Symbicort’s developer, noted the data shows the therapy’s potential as an anti-inflammatory reliever in mild asthma — building on its established benefits in moderate-to-severe forms of the condition.

「喘息コントロールが 若干不良」となるより、ステロイド必要量を減少することを最大のベネフィットと考えるロジックらしい

論理的議論が生じることを望みたい!



発作時に限らず、必要ならシムビコート吸入すれば、コントロールは劣るものの、パルミコート持続使用より結果的にはステロイド必要量少なくなるという趣旨の報告


下手すれば、医療コントロールが効かなくなる可能性がある、今でさえ、SMART療法といいながら、患者に一存させている医療機関が多いというのに・・・

O'Bryneも、Wescheslerも、そういうことには関心が無いようで、ことさらにステロイド吸入の副作用を誇大化しようとしているようにしか見えないのだが・・・


MedPage Todayの解説
Michael Wechsler, MD, of National Jewish Health in Denver, who was not involved with the studies, told MedPage Today that as-needed therapy has many potential advantages over daily maintenance treatment for patients with mild asthma. "The downside of as-needed treatment appears to be somewhat less asthma control, but that has to be balanced against the potential benefits, including not having to take maintenance medication every day, the lower costs, and the potentially lower side effects from steroids,"(喘息コントロールが 若干不良になるように思えるが、対するベネフィット、連日メンテナンス治療必要でない、コスト削減、そしてステロイド副作用軽減の可能性などとバランス化される?) he explained. 
The lead researcher of one of the new studies, Paul O'Bryne, MD, of McMaster University in Ontario, said that taking treatment adherence out of the equation is a major benefit. (治療アドヒアランスへの心配が不要となることが最大利点)   "If all patients used their inhaled steroids as prescribed we wouldn't really need this," he told MedPage Today. "But we know that they don't. Due to concerns about side effects -- which I think are largely misplaced -- as well as other reasons people don't adhere to regular medications, the maintenance option is never going to be truly viable."



Inhaled Combined Budesonide–Formoterol as Needed in Mild Asthma
Paul M. O’Byrne,  et al.
N Engl J Med 2018; 378:1865-1876
DOI: 10.1056/NEJMoa1715274
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1715274


52週間2重盲検、12歳以上軽症喘息
3つのレジメン

  • twice- daily placebo plus terbutaline (0.5 mg) used as needed (テルブタリン群)
  • twice-daily placebo plus budesonide–formoterol (200 μg of budesonide and 6 μg of formoterol) used as needed (ブデソニド・ホルメテロール群)
  • twice-daily budesonide (200 μg) plus terbutaline used as needed (ブデソニド維持療法群)


プライマリ目的は、ブデソニド・ホルメテロールas-neededの優越性(テルブタリン as-needed使用比較)で well-controlled 喘息の電子記録による評価

3849名の患者をランダム化 全検討解析、安全性セット比較

  • テルブタリン群 1277
  • ブデソニド・ホルメテロール群 1277
  • ブデソニド維持療法群 1282

well-controlled asthmaの1患者あたりの週数平均パーセンテージ
ブデソニド・ホルメテロール群はテルブタリン群より優越性あり  (34.4% vs. 31.1% of weeks; オッズ比, 1.14; 95% 信頼区間 [CI], 1.00 to 1.30; P=0.046)
しかし、ブデソニド維持療法群よりは劣性 (34.4% and 44.4%, オッズ比, 0.64; 95% CI, 0.57 to 0.73)

重症急性増悪の年次発生率は、テルブタリン群 0.20、ブデソニド・ホルメテロール群 0.07、ブデソニド維持療法群 0.09
比較としては、ブデソニド・ホルメテロール群 vs テルブタリン群  0.36 (95% CI, 0.27 to 0.49)、ブデソニド・ホルメテロール群 vs ブデソニド維持療法群 0.83 (95% CI, 0.59 to 1.16)

ブデソニド維持療法群 アドヒアランス率は 78.9%

吸入ステロイドmetered daily dose中央値は、ブデソニド・ホルメテロール群  (57 μg) で、ブデソニド維持治療群の340μgの 17% 相当



【結論】喘息患者において、as-needed使用ブデソニド・ホルメテロール使用は、as-needed使用テルブタリンに比べ、電子記録による評価にて優越性認めた。
しかし、ブデソニド維持療法に比べ劣性あり
2つのブデソニドを含むレジメンでは、急性増悪率は同等で、テルブタリン群より低い。
ブデソニド・ホルメテロールのas-needed使用は、ブデソニド維持療法よりステロイド暴露を減弱する(Funded by AstraZeneca; SYGMA 1 ClinicalTrials.gov number, NCT02149199.)




2018年5月15日火曜日

DOAC高アドヒアランス>ワーファリン高アドヒアランス>ワーファリン低アドヒアランス≧DOAC低アドヒアランス?

NOAC(DOAC)の宣伝攻勢にうんざり 。 ワンパターンの“リアルワールド”なんちゃら

これもリアルワールドという不遜でふざけた見出しになっている(そもそも母集団を無視して、恣意的なグループの特定コホートなんだからリアルっておかしい! 住民統計指標や医療資源など周辺状況が母集団と類似という担保は、リアルワールドというなら必須)

といいながら、アドヒアランスと、ワーファリン・DOACの組み合わせでアウトカム評価

DOAC高アドヒアランス>ワーファリン高アドヒアランス>ワーファリン低アドヒアランス≧DOAC低アドヒアランス?


"Lower adherence direct oral anticoagulants use is associated with increased risk of thromboembolic events than warfarin - Understanding the real-world performance of systemic anticoagulation in atrial fibrillation"
Lakkireddy DR, et al
HRS 2018; Abstract B-LBCT02-03.
http://abstractsonline.com/pp8/#!/4554/presentation/7923

IBM Watson Health Market Scan database、観察コホート研究
CHA2DS2-VASc 0-1、transient AF、 抗凝固剤多目的利用、血小板減少・貧血は指標処方(ワーファリン、DOAC)ベースに層別化
2016年12月まで御アウトカムとしてTE(虚血性卒中あるいは全身性塞栓)、出血性卒中、大出血イベント。イベント発生率はワーファリン、DOACに対し、高アドヒアランス(日数カバー率80%超)、低アドヒアランス(日数カバー率40−80%)

Cox比例ハザードモデルを基礎的特性、合併症、抗凝固剤時間依存共役要素をアウトカムへのアドヒアランスの相関性検討のため組み入れ
ワーファリン 52,365名、4つのDOACs 67,6861


低アドヒアランス:ワーファリン 47% vs DOACs 31%
高アドヒアランス・ワーファリン症例に比べ高アドヒアランス・DOACは、血栓塞栓イベント 14%減少 ( p < 0.001)、低アドヒアランス・ワーファリンでは48%増加、低アドヒアランス・DOACでは69%増加 (p <0.001)


以下のグラフは生存率とっているのだが・・・



2018年5月14日月曜日

COPD急性増悪頻回phenotype、ESODスコア

近年、COPD患者に於ける急性増悪繰り返しの特異的phenotype特性化の試みがあり、その後の健康状態、合併症、死亡率、入院リスクなど

ECLIPSE研究では、“急性増悪1年内2回以上の急性増悪”は60%
GOLDガイドラインにも定義採用

重症度:定義は医療ソース使用により分類

  • mild in case of self-management
  • moderate if the patient was not hospitalized but received a prescription of systemic corticosteroids and/or antibiotics 
  • severe if the patient has been hospitalized

中等度・重度のみ解析するのが通常

結果、医療資源へのアクセス性などにより影響される宿命!


COPD急性増悪を繰り返す表現型、COPD “frequent exacerbator” phenotypeの定義 “年2回以上の急性増悪”は健康アウトカムにかなりの影響を与える




特定の演繹的仮説無く、急性増悪特性を分析することで、phenotypeと呼応する閾値の明確化する逼迫した課題の検討




Defining the “Frequent Exacerbator” Phenotype in COPD
A Hypothesis-Free Approach
Olivier Le Rouzic, et al.
CHEST May 2018Volume 153, Issue 5, Pages 1106–1115
https://journal.chestnet.org/article/S0012-3692(17)32903-3/fulltext

French cohort in Exacerbations of COPD Patients (EXACO)

Kmlメソッド:
  1. Genolini C, Alacoque X, Sentenac M, Arnaud C. kml and kml3d: R Packages to Cluster Longitudinal Data. J Stat Softw 2015;65(4):1–34. 
クラスター区分最適閾値は、“1年間の2回の中等度・重度急性増悪”




ESODスコア(Exacerbation history、 chronic Sputum production、 GOLDステージ:Obstruction and mMRC Dyspnoea stage)




  • Exacerbation history(2年内入院) : 無し 0、有り 1
  • Sputum production(慢性連日喀痰) : 無し 0、有り 1
  • Obstruction (%FEV1)  : 50%以上 0、 50%未満 1
  • Dyspnoea (mMRC) : 0-1-2 0、 3-4 1





Time to Understand the Infrequency of the Frequent Exacerbator Phenotype in COPD
Wassim W. Labaki,  et al.
Chest, Volume 153, Issue 5, May 2018, Pages 1106-1115
https://doi.org/10.1016/j.chest.2018.01.056

2018年5月12日土曜日

プレセデックス ICU せん妄予防効果

ICU入室中の妄想

dexmedetomidine iv 0.2 μg/kg/h every 15 min (Richmond Agitation and Sedation Scale score of −1 もしくは 最大投与 0.7 μg/kg/h まで)

RCTにてせん妄予防効果確認

Low-Dose Nocturnal Dexmedetomidine Prevents ICU Delirium. A Randomized, Placebo-controlled Trial
Yoanna Skrobik , et. al.
AJRCCM Vol. 197, No. 9 | May 01, 2018
https://doi.org/10.1164/rccm.201710-1995OC

  • 夜間:プレセデックス(dexmedetomidine)投与にて、ICU滞在中のせん妄無し維持患者比率相関(投与群 40(89%) vs プラシーボ 27 (54%)) 相対リスク 0.44; 95%信頼区間 , 0.23 - 0.892 ; p=0.006
  • Leeds Sleep Evaluation Questionnaire 平均スコアは同等 (平均差 0.02; 95% 信頼区間 0.42-1.92) 


Incidence of hypotension, bradycardia, or both did not differ significantly between groups.


プレセデックス
http://www.maruishi-pharm.co.jp/med2/files/anesth/support/92/sup.pdf?1483664997


2018年5月11日金曜日

CT上気腫所見:5年後の気流制限を予測

CTやレントゲン上の気腫所見があるからと、スパイロメトリ評価無く、長時間作用性気管支拡張剤使用されているのを見ることがある。欧米の臨床でもそんなもの・・・と宣う先生方もいるので一概には否定できないのだろうが・・・やはり基本は大事にしてほしい。
確かに、気腫合併肺線維症などはFEV1/FVCなど当然ながら大となり、従来のFEV/FVC比ではカバーしきれないなど色々考察すべきことは多いのだろうが・・・


下記で気になるのは、「喫煙歴に関連せず」の記載
どのようなethiologyが関与しているのだろう、本文では分からなかった


Associations between emphysema-like lung on CT and incident airflow limitation: a general population-based cohort study
Elizabeth C Oelsner , et. al.
Thorax Vol. 73 No. 5 
http://dx.doi.org/10.1136/thoraxjnl-2017-210842


CT上の肺気腫は重度喫煙者・COPD患者の肺機能減少加速と関連するも、一般住民においては、気腫様CT所見増加はCOPD発生と関連するかどうか不明

初期気管支拡張前気流制限を認めない2045名の成人、Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis

ベースライン心臓CTにおける気腫様肺、<-950 hu="">正常上限:低attenuation area のパーセントを定義として、5年間フォローアップ時の拡張剤前、拡張剤後の気流制限オッズ比(各々、 補正 OR 2.62, 95% CI 1.47 〜 4.67、 4.38, 95% CI 1.63 to 11.74)増加と関連するも喫煙歴とは独立した関連
これらの結果は、気腫様肺がCOPDリスク層別として1informativeであることを示唆




DPP-4阻害剤:高齢者糖尿病低血糖リスクのセーフガードとしての役割

MACE臨床的アウトカムにおいては劣性のDPP-4阻害剤だが、メトホルミンとの併用で、低血糖リスク軽減効果、原理的にもRCT上も確認され、安全性担保された形

高齢者2型糖尿病において、メトホルミン治療2型糖尿病患者では、3.5 mmol/L (63.2 mg/dL)低血糖でのグルカゴン値低下するが、DPP-4阻害剤投与下では 3.1 mmol/L(56 mg/dL)での低血糖へのグルカゴン反応は維持される
故に、DPP-4阻害剤は、低血糖リスク減少し、セーフガードとしての役割を果たす



単施設二重盲検ランダム化プラシーボ対照交叉研究 (28名、メトホルミン治療、17名男性、11名女性、平均年齢 74歳 レンジ 65-86歳、平均HbA1c 6.9%、シタグリプチン 100mg/日を4週間add-onとしてプラシーボと比較、wash-out後、交差試験

朝食後、昼食後、2時間後高インスリン血症性低血糖clamp (target 3.5 mmol/L)でのグルカゴン値はプラシーボ後よりシタグリプチン投与群で低い
しかし、3.1 mmol/L時点での低血糖へのグルカゴン反応は両群間に有意差を認めない
同様、非アドレナリン、アドレナリン、コルチゾールの反応はシタグリプチン投与時でプラシーボ投与時より低値
膵polypeptideの反応は両群で差を認めず


Effects on the glucagon response to hypoglycaemia during DPP‐4 inhibition in elderly subjects with type 2 diabetes: A randomized, placebo‐controlled study
Johan Farngren et al.
Diabetes Obes Metab. 2018;1– 10.
First published: 12 April 2018 https://doi.org/10.1111/dom.13316




日本でのDPP-4阻害剤のマーケット、諸外国から見たら異常だが、高齢化と安全性を考えれば、日本人臨床家のセンス 捨てがたいものがある (専門医ほど馬鹿という話もあるが・・・)

2018年5月10日木曜日

慢性疼痛の高齢者心理的介入:グループ認知行動療法が個別より有効

慢性疼痛へ、種々サプリメント、あんま・マッサージ、カイロ、理学療法という名ばかりインチキ単調“リハビリ”など、効果的に疑念のあるものに、時間的・金銭的国家的浪費がなされている現状にあるなか、昨日、反日・親中共テレビ局ではあるが、NHKは、ためしてガッテンでやったらしい
http://www9.nhk.or.jp/gatten/articles/20180509/index.html?c=health

少しだけ褒めたい

側坐核とは「禁煙外来」の説明でルーチンに使用する用語なのだが、メカニズムを一つに絞るのはなぁ、ちょっと拙速な印象


グループ認知行動療法なら、コスト的に落ち着くのかもしれない



慢性疼痛の高齢者における心理的介入の有効性を検討

(序文)慢性疼痛は60歳以上に特に多い、結果的には機能障害や医療コストを生じる病態で、加齢的な生理学的変化、治療オプションを受け入れがたい障壁となる合併症や患者側障壁(医薬品の副作用を恐れるなど)、薬物的治療の多くに見られる大きなウェイトを占める副作用特性、それに治療ガイドラインが少ないことなどが問題。オピオイド・エピデミックと言うべき広範利用、認知行動療法使用の非薬物的治療、認知restructuring、行動活性化テクニックなど慢性疼痛への治療として関心が向けられている。

高齢者慢性疼痛への認知功労療法ベースアプローチのシステマティック・レビュー&メタアナリシス


Association Between Psychological Interventions and Chronic Pain Outcomes in Older Adults
A Systematic Review and Meta-analysis
Bahar Niknejad, et. al.
JAMA Intern Med. Published online May 7, 2018. doi:10.1001/jamainternmed.2018.0756
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2680318


MEDLINE、Embase、PsycINFO、Cochrane Library(2017年3月29日まで)ベース
検討文献クライテリア
(1)無作為化試験デザイン
(2)認知行動様式の評価、認知行動療法単独または他の戦略との組み合わせ
(3)平均年齢60歳以上、慢性疼痛(3ヵ月以上の疼痛)
(4)介入前および介入後定量的データで報告

アウトカム治療効果は、混合モデルのメタ分析評価


主要アウトカムは疼痛強度

副次的結果には、pain interference、抑うつ症状、不安、catastrophizing belief、疼痛自己管理効力感、身体機能および身体的健康


結果
2,608人の参加者(1,799人(69.0%)の女性)、22研究分析、平均年齢 71.9歳

治療後標準化平均差(dD)

  • 疼痛強度 -0.128, p=0.006
  • pain interference -0.133、P = .12
  • 抑うつ症状 不安  -0.205、P = .09
  • catastrophizing belief -0.184、P = .046
  • 疼痛自己管理効力感 0.193、P = .02
  • 身体機能  0.006、P = .96
  • 身体健康  0.160、P = .24

観察すると治療後評価を上回る効果が持続された (dD-0.251、P = .002)

moderated analysisで、治療モード(グループ vs 個人)ではグルーブベースの治療が有効な治療


ADVANCE:2型糖尿病:血中アミノ酸 微小・大血管合併症予後因子

既存文献では、アミノ酸の種々アウトカムへの影響は一致した相関性が見られない

Framingham Offspringでは、イソロイシン、ロイシン、バリン、芳香族アミノ酸:チロシン、フェニルアラニンがインスリン抵抗性と2型糖尿病リスクと正相関。European Investigation into Cancer and Nutrition (EPIC) Potsdam study、 Metabolic Syndrome in Men (METSIM) study、Cardiovascular Risk in Young Finns (CRY) study、Southall and Brent Revisited (SABRE) study でも同様所見。
グリシン、グルタミンは2型糖尿病リスクと逆相関
一般住民研究ではBCAA、AAA高値は心血管疾患リスク増加と関連するも、大規模Estonian Biobank studyでは、いくつかのBCAAを濃度の持続性高値と死亡率との逆相関性が報告された。BCAAと臨床的認知症・アルツハイマー病との逆相関性の報告もある
非糖尿病で心血管疾患男性への18ヶ月メトホルミン治療のインスリン感受性改善においてアラニン、ヒスチジン濃度増加と、フェニルアラニン、チロシン濃度減少を示し、BCAAには影響無し

ADVACEトライアルからの2型糖尿病における、微小血管・大血管疾患死亡率アウトカムへの血中アミノ酸のリスク要素検討

2型糖尿病において、アミノ酸毎に種々合併症リスクと関連
低チロシン濃度は、腎機能マーカーと独立して微小血管合併症と関与



Circulating amino acids and the risk of macrovascular, microvascular and mortality outcomes in individuals with type 2 diabetes: results from the ADVANCE trial
Paul Welsh , et al,
Diabetologia pp 1–11
https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs00125-018-4619-x




年齢、性、ランダム化治療補正後相関・寄与メカニズム関連性検討モデルにて、
大血管疾患リスクにおいて、フェニルアラニンは正の相関、ヒスチジンは負の相関みとめた

広範な古典的リスク(eGFR、尿中アルブミン/Cr比)要素補正後、nullと帰す

同補正後、チロシン高値、アラニン高値は、微小血管疾患リスク減少と関連 (HR 0.78; 95% CI 0.67, 0.91、 0.86; 95% CI 0.76, 0.98)

ロイシン高値、ヒスチジン高値、バリン高値は死亡率リスク減少と相関 (HR 0.79; 95% CI 0.69, 0.90、0.89; 95% CI 0.81, 0.99、0.79; 95% CI 0.70, 0.88)


アミノ酸すべてを加えアミノ酸の予測能検討すると、リスクスコアは、大血管、微小血管イベントのリスクスコアを軽度改善する (continuous net reclassification index [NRI] +35.5%, p < 0.001、 +14.4%, p = 0.012)







2018年5月9日水曜日

DYNAGITO スピオルト vs スピリーバ 急性増悪減少効果 p=0.0498

とっても微妙な結果


  • 抗生剤のみ治療の急性増悪対応事象減少効果 p=0.21
  • ステロイドのみ治療の急性増悪対応事象減少効果 p=0.0068
  • 抗生剤・ステロイド併用治療の急性増悪対応事象 p=0.045


入院直結急性増悪事象 p=0.13



Tiotropium and olodaterol in the prevention of chronic obstructive pulmonary disease exacerbations (DYNAGITO): a double-blind, randomised, parallel-group, active-controlled trial
Peter M A Calverley, et. al.
The Lancet Resp. Med. Volume 6, No. 5, p337–344, May 2018
DOI: https://doi.org/10.1016/S2213-2600(18)30102-4


メーカー
DYNAGITO試験 結果発表
https://www.boehringerplus.jp/ja/product-pages/spiolto/product-description/evidence




急性増悪軽減効果: スピオルト vs スピリーバ
主要評価項目は、中等度~重度のCOPD増悪の年間発現率


51ヶ国、818センター、9009名スクリーン
7880名、平均年齢 66.5[SD 8.5]歳、男性 71%
平均FEV1予測比 44.5% [SD 27.7]
スピオルト 3939 vs スピリーバ 3941

スピオルトにおける対スピリーバの中等・重症急性増悪率減少 発生比 0.93, 99%CI 0.85-1.02 p=0.0498 ; p<0.001に至らず

A. 初回急性増悪までの期間
B. 補正平均CATスコア:ベースラインからの変化


副事象量群間同等





SPARK studyにおける、LAMA+LABA vs LAMAにおいて急性増悪比率 7-12%軽減
Analysis of chronic obstructive pulmonary disease exacerbations with the dual bronchodilator QVA149 compared with glycopyrronium and tiotropium (SPARK): a randomised, double-blind, parallel-group study.
Lancet Respir Med 2013; 1: 199–209.

7%程度の急性増悪減少効果は合致

2018年5月8日火曜日

肺塞栓:fragmented QRSの予後的評価

Fragmented QRS(fQRS)は心筋瘢痕の便利なマーカーで、冠動脈性心疾患においてはPETによる心筋瘢痕と関連し、心イベントのマーカーである。



https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3443879/



Use of fragmented QRS in prognosticating clinical deterioration and mortality in pulmonary embolism: A meta-analysis
Amro Qaddoura et al.
Ann Noninvasive Electrocardiol. 2018;e12552.

5研究 1,165名の患者

院内死亡率 ( 2.92 95%,CI, 1.73-4.91 )、心原性ショック ( 4.71 , 1.61 - 13.70) 、2年後死亡率 ( 4.42 2.57 - 7.60) への予後関連






序文:
A recent consensus article and meta- analysis by our group iden-tified ECG as a potentially useful tool in PE prognostication (Digby et al., 2015; Qaddoura et al., 2017). Notably, fragmented QRS (fQRS) has newly been studied and is missing from these reviews.


研究方法:
Cetin ら(2016)は fQRSをQ波の有無関係なしの様々なRSR'パターンで、付加的RであるR'、R波のnotching、S波のdwonstrokeあるいはupstrokeのnotching、2つの誘導(前胸部 V1-V5、下壁 II、III、aVF、側壁 I, aVL, V6))以上にR'が存在  (Cetin et al., 2016).fQRSの数で定量化   (Cetin et al., 2016).
Karaca ら(2016)は定義として、付加的RであるR'もしくはS波のnadirのnotching、あるいは同じテリトリー内(V1-V3、II,III,aVF、I,aVL,V4-6というテリトリー分け)の2連続誘導でのR'の1つを超える(2つ以上ということ?)の存在 (Karaca et al., 2016)
Kukla ら (2014)は定義として、V1誘導の“R波のnotchあるいはS波のnotch”として定義 (Kukla et al., 2014).
以上のように定義が一致しないため、このKuklaらのデータを除外解析
Zhan らは、V1 QRSのmorphologyを、ベースラインと血行動態虚脱時の比較で検討し、これが定量評価唯一2014  (Zhan et al., 2014)

2018年5月7日月曜日

2型糖尿病:運動トレーニングと血管内皮機能 好気的運動組み合わせの必要、レジスタンス運動だけでは効果乏しい

2型糖尿病管理において運動はcornersoteである、しかしながら、血管内皮への効果は不明であった。メタアナリシスにより検討



Exercise training and endothelial function in patients with type 2 diabetes: a meta-analysis
Shanhu Qiu, et al.
Cardiovascular Diabetology201817:64
https://doi.org/10.1186/s12933-018-0711-2


16のデータベースを検討
運動トレーニングは、2型糖尿病 FMD 1.77% (95% CI 0.94–2.59%)  包括的改善

特異的検討だと、好気的と、好気的・レジスタンス運動組み合わせともにFMD増加 各々
 1.21% (95% CI 0.23–2.19%) 、 2.49% (95% CI 1.17–3.81%)
しかし、レジスタンス運動では傾向しか示せない

中等度強度持続運動において、高強度インターバル好気的運動は、FMD改善有意差認めず

2型糖尿病におけるFMD改善反応は、非糖尿病と比較してより少ない (WMD − 0.72%, 95% CI − 1.36 to − 0.08%)、好気的運動だけに限っても少ない  (WMD − 0.65%, 95% CI − 1.31 to 0.01%)




2型糖尿病もしくは2型糖尿病vs非糖尿病の運動トレーニングのFMDへの効果の統合分析
a. 2型糖尿病での、対非運動比較、運動トレーニングのFMDの効果メタアナリシス
b. 2型糖尿病での異なる運動種類毎のFMDの効果メタアナリシス
c. 2型糖尿病 vs 非糖尿病での運動トレーニングのFMDの効果メタアナリシス




COPDと変形性関節症の関連性

COPD患者における変形性関節症(OA)発生率初めてのシステマティックな検討とのこと

レントゲン確認診断OAではないことに注意が必要だが、レントゲン確認診断OAの意義も疑問視されているから妥当なところだと思う。むしろCOPD診断の方が問題でスパイロメトリされてないという、日本外でよくありがちなパターン。

細かいことを除けば基本的には、OAとCOPDの関連性はありそうで、 shared risk factorとして、全身性炎症パラメータ増加、骨格筋減少、身体活動性低下が確定的な要素としてあげられる

呼吸リハビリテーションの効用や抗炎症薬剤の開発(好中球エラスターゼなど)考察されている



Prevalence of osteoarthritis in individuals with COPD: a systematic review
Wshah A,  et al.
International Journal of COPD  16 April 2018 Volume 2018:13 Pages 1207—1216
DOI https://doi.org/10.2147/COPD.S158614


COPD患者における変形性関節症(OA)の頻度
CINAHL、 Medline、 PsycINFO、 Embase データベースのコンピュータベースの文献調査
平均年齢 59-76歳
加重平均計算

14研究がクライテリア合致、12%〜74%の頻度、加重平均 35.5%

COPDにおけるOAは高率で、発症および介入適応に関して考慮が必要



Question 6 on methods was answered with “yes” if the diagnoses of both COPD and OA were based on diagnostic criteria.
Osteoarthritis Tool : http://jointhealth.org/pdfs/OATookKit_En.pdf







一般の人口での有病率

  • British Columbia 400万人超で、2001年調査では10.8%、スウェーデン・Malmoでは56−64歳成人でレントゲン確認にて 25.4%、Framingham研究で 19.2%、Johnston County Osteoarthritis Projectで27.8%
  • COPDでのOA頻度としてはNotwithstanding study では35.5%





中国:卵の摂取と死亡率関連性みとめず

食事性コレステロールの心血管疾患リスクに関して明確な関連性は示せてない
Dietary cholesterol and cardiovascular disease: a systematic review and meta-analysis
The American Journal of Clinical Nutrition, Volume 102, Issue 2, 1 August 2015, Pages 276–294, https://doi.org/10.3945/ajcn.114.100305
それでも市井には、「食事性コレステロールが悪者」という概念が残存している


アジアでのこの種のコホート研究、中共(最近、この表現聞くこと少なくなった)からのが多くなった。日本・韓国ともに、小泉政権以降、科学研究費の出し渋りのため、中国に猛追され、さらには超された感、日々増している(平成の大獄)。悪の権化、財務省の不正追及されそうもない政局・・・日本の科学研究さらに没落することとなるのだろうと・・・傍から見ている。実際、大学からのご報告を見るとエリート大学とそれ以外の大学との格差拡大と全体的なアカデミックな質低下を現実のものとして実感する

小泉以前の日本からの報告
Egg consumption, serum cholesterol, and cause-specific and all-cause mortality: the National Integrated Project for Prospective Observation of Non-communicable Disease and Its Trends in the Aged, 1980 (NIPPON DATA80)  The American Journal of Clinical Nutrition, Volume 80, Issue 1, 1 July 2004, Pages 58–63, https://doi.org/10.1093/ajcn/80.1.58
休み明けから、ぼやくが・・・


卵の摂取と心血管疾患、全原因死亡率との関連性コホート研究



Egg consumption and the risk of cardiovascular disease and all-cause mortality: Guangzhou Biobank Cohort Study and meta-analyses
Lin XuTai Hing Lam ,et al.
European Journal of Nutrition pp 1–12 

275,343人年フォローアップ(平均期間 9.8年間)、全原因死亡 2685、CVD死亡 873

全原因死亡に関して、高摂取(週 7個以上)と低摂取(週 1未満)では有意差認めず
(補正ハザード比 (HR) 1.08 , 95%CI、 0.93 - 1.24、 CVD死亡率 0.99 , 95% CI, 0.76 - 1.27、虚血性心疾患 0.92, 95% CI 0.63 - 1.36、 卒中 0.88 95% CI 0.57 - 1.35)

今回のデータを含むupdated meta-analysis施行
週7個以上では全原因死亡率と関連せず  (HR 1.09, 95% CI 0.997–1.200) 、同様、虚血性心疾患 (HR 0.97, 95% CI 0.90–1.05)、しかし、卒中に関しては軽度の減少関連性示唆  (HR 0.91. 95% CI 0.85–0.98)





2018年5月1日火曜日

泌尿器系、抗うつや抗パーキンソン系抗コリン剤は、認知症リスクと関連する

泌尿器系、抗うつや抗パーキンソン系抗コリン剤は、認知症リスクと関連する


Anticholinergic drugs and risk of dementia: case-control study
Kathryn Richardson, et al.
the bmj | BMJ 2018;361:k1315 | doi: 10.1136/bmj.k1315
https://www.bmj.com/content/bmj/361/bmj.k1315.full.pdf

症例対照研究
UKのGP
65-99歳、認知症症例 40,770、非認知症対照 283,933
Anticholinergic Cognitive Burden (ACB)

1回以上ACBスコア3の抗コリン剤暴露期間中使用症例 14,453 (35%) vs 対照 86,403 (30%)




上記ACBスコア3の抗コリン剤による補正オッズ比は 1.11 ( 95% 信頼区間 1.08 to 1.14 )

認知症は、平均ACGスコア増加ほど相関。薬剤クラスを考慮すると、消化管薬剤 ACB3は認知症と明確なリンクはない

ACB3の抗うつ薬、泌尿器薬剤、抗パーキンソン薬の暴露増加ほどリスク高まる
診断前15−20年前の薬剤使用と関連



noteへ実験的移行

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