2016年4月28日木曜日

欧州・オーストラリア・米国21World medical Experts:食後脂質検査を推奨

 デンマーク、カナダ、米国からの30万名余りの被検者研究で、空腹時のコレステロール検査は必要ないとのご意見

  a joint consensus statement from the European Atherosclerosis Society and European Federation of Clinical Chemistry and Laboratory Medicine involving 21 World medical experts from Europe, Australia and the US. 


Fasting is not routinely required for determination of a lipid profile: clinical and laboratory implications including flagging at desirable concentration cut-points—a joint consensus statement from the European Atherosclerosis Society and European .
Børge G.
Nordestgaard、  et. al.
European Heart Journal、 April 2016 DOI: 10.1093/eurheartj/ehw152
http://eurheartj.oxfordjournals.org/content/early/2016/04/22/eurheartj.ehw152

多くの観察データ、ランダムnon-fasting脂質特性は空腹時とのそれを比較し、habitual meal後1−6時間での最大変化は臨床的意義はなかった

 triglycerides; +0.3 mmol/L (26 mg/dL)
 total cholesterol;   −0.2 mmol/L (8 mg/dL)
 LDL cholesterol;   −0.2 mmol/L (8 mg/dL)
 calculated remnant cholesterol;   +0.2 mmol/L (8 mg/dL)
 calculated non-HDL cholesterol;   −0.2 mmol/L (8 mg/dL)

HDL cholesterol、 apolipoprotein A1、 apolipoprotein B、 and lipoprotein(a) は、fasting/non-fasting状態により影響されず

加えて、non-fasting、fasting時濃度は、心血管疾患予測として、時間推移的に同様で、ばらつきは同等である
 

患者の脂質検査コンプライアンス改善するため、non-fasting脂質特性検査のルーチン使用を推奨する

 空腹時サンプリングを考慮するためには、非空腹時Triglyceride > 5mmmol/L (440 mg/dL)時

non-fastingサンプル時の、flag異常値
triglycerides ≥2 mmol/L (175 mg/dL)
total cholesterol ≥5 mmol/L (190 mg/dL)
LDL cholesterol ≥3 mmol/L (115 mg/dL)
calculated remnant cholesterol ≥0.9 mmol/L (35 mg/dL)
calculated non-HDL cholesterol ≥3.9 mmol/L (150 mg/dL)
HDL cholesterol ≤1 mmol/L (40 mg/dL)
apolipoprotein A1 ≤1.25 g/L (125 mg/dL)
apolipoprotein B ≥1.0 g/L (100 mg/dL)
lipoprotein(a) ≥50 mg/dL (80th percentile)

空腹時サンプルとして triglycerides ≥1.7 mmol/L (150 mg/dL)


生命危機脂質異常としての指標は
Triglycerides >10 mmol/L (880 mg/dL) ;膵炎リスク
LDL cholesterol >13 mmol/L (500 mg/dL) ;homozygous familial hypercholesterolaemiaリスク
LDL cholesterol >5 mmol/L (190 mg/dL) ;heterozygous familial hypercholesterolaemiaリスク
lipoprotein(a) >150 mg/dL (99th percentile) ;高度心血管リスク

2016年4月27日水曜日

シフト労働:冠動脈心血管リスク前向き検討

シフト勤務と冠動脈性心疾患リスクの関連性を前向きにおこなったもの

18万9158名の、健康女性を24年にわたり検討
Nurses’ Health Studies (NHS [1988-2012]: N = 73 623 and NHS2 [1989-2013]: N = 115 535)


看護師としての勤務の場合、シフト勤務長いほど、その絶対的増加程度はさほどないものの統計学的有意差のある冠動脈性心疾患リスク増加をもたらす


Association Between Rotating Night Shift Work and Risk of Coronary Heart Disease Among Women
Céline Vetter, et. al.
JAMA. 2016;315(16):1726-1734. doi:10.1001/jama.2016.4454.


フォローアップ期間中、incident CHD 症例
NHS (ベースライン平均年齢, 54.5 歳) 7303
NHS2 (平均年齢, 34.8 歳) 3519



多変量補正Cox比例ハザードモデルベースラインのrotating night shift work年数増加ほど、両コホートともCHDリスク有意増加


NHSにおいて、年齢標準化(罹病)発生率(10万人年対)はrotating night shift work年数
5年間未満経験 435.1 (hazard ratio [HR], 1.02; 95% CI, 0.97-1.08)
5 to 9 年間  525.7 (HR, 1.12; 95% CI, 1.02-1.22)
10 年間以上 596.9 (HR, 1.18; 95% CI, 1.10-1.26; P<.001 for trend)
vs 経験無し 425.5


NHS2において
5年間未満経験 130.6 (HR, 1.05; 95% CI, 0.97-1.13)
5 to 9 年間  151.6 (HR,1.12; 95% CI, 0.99-1.26)
10 年間以上 178.0 (HR, 1.15; 95% CI, 1.01-1.32; P = .01
vs vs 経験無し 122.6



NHSにおいて、rotating night shift work年数とCHDの相関性は 
フォローアップ前半で著明
フォローアップ前半 
 (5年間未満経験, 382.4; HR, 1.10 [95% CI, 1.01-1.21];
5 to 9 年間 , 483.1; HR, 1.19 [95% CI, 1.03-1.39]; and
10 年間以上, 494.4; HR, 1.27 [95% CI, 1.13-1.42]; P<.001 for trend)  
フォローアップ後半 
 (5年間未満経験, 424.8; HR, 0.98 [95% CI, 0.92-1.05];
5 to 9 年間, 520.7; HR, 1.08 [95% CI, 0.96-1.21];
10 年間以上, 556.2; HR, 1.13 [95% CI, 1.04-1.24]; P = .004 for trend; P = .02 for interaction)
 
このことはシフト勤務中止後リスクは軽減することを示唆


NHS2のシフト勤務経験者の内、シフト勤務止めた後長いほど、CHDリスク減少 (P<.001 for trend)


シフト労働というのは、心血管リスクの少ない人たちが絶対的リスクは少ないものの無理して行う勤務体制ということ。






RCT: ハウスダスト舌下免疫療法:喘息への効果 吸入ステロイド減量中喘息発作出現までの期間改善

吸入ステロイド(ICS)減量中の喘息コントロールを指標とするというややウィンドウの狭いトライアル。素直に、安定喘息、ICS投与量変化無しの症例を対象にしなかった理由がよく分からない



Efficacy of a House Dust Mite Sublingual Allergen Immunotherapy Tablet in Adults With Allergic Asthma
A Randomized Clinical Trial
J.
Christian Virchow, et. al.
JAMA. 2016;315(16):1715-1725. doi:10.1001/jama.2016.3964.


house dust mite (HDM)舌下(アレルゲン)免疫療法(SLIT)のHDMアレルギー関連喘息への治療オプションとしての可能性検討
二重盲検ランダム化プラシーボ対照化トライアル(2011年8月〜2013年4月、109のヨーロッパトライアル施設)
HDMアレルギー関連喘息成人834名、ICSもしくは合剤でもwell controlに至ってない症例でHDMアレルギー性鼻炎合併
除外クライテリア FEV1予測値比 70%未満、ランダム化前3ヶ月以内喘息入院

有効性は6ヶ月以上ICS使用50%減少時、3ヶ月以内中止完了で評価

1:1割り付け
プラシーボ n=277
HDM SLT錠 :6 SQ-HDM( n=275 )、12 SQ-HDM (n = 282)、ICS+SABAサルブタモール追加

主要アウトカム:ICS減量期間中 中等度・重症喘息急性増悪までの期間
二次アウトカム:前職症状悪化、アレルゲン特異的免疫グロブリン IgG4、喘息コントロール変化、喘息QOLアンケート、副作用イベント

結果
ランダム化 834名(平均年齢 33歳 [range 17-83歳]、女性 48%)
研究完遂 693名

6 SQ-HDMと12 SQ-HDM投与群、中等度/重症喘息急性増悪、プラシーボ対照に比べリスク減少
 (ハザード比 [HR]: 6 SQ-HDM  0.72 [95% CI, 0.52-0.99]  , P = 0.045, 12 SQ-HDM 0.69 [95% CI, 0.50-0.96] , P = 0.03)
観察データベース(full analysis set)の絶対的リスク差はリスク群vsプラシーボ群で 6 SQ-HDM 群 0.09 (95% CI, 0.01-0.15) for the 6 SQ-HDM 群 と、12 SQ-HDM群 0.10 (95% CI, 0.02-0.16)

2つのactive群で有意差認めず

プラシーボに比較して、喘息症状悪化を伴う急性増悪リスク減少 (6 SQ-HDM 群 HR, 0.72 [95% CI, 0.49-1.02]  , P = .11、12 SQ-HDM 群 0.64 [95% CI, 0.42-0.96] , P = .03)
アレルゲン特異的IgG4有意増加

しかし、喘息コントロール指標(ACQ)、喘息関連QOLはどの投与量群でも有意差認めず

全身性アレルギー反応の報告無し

最頻副事象イベントは中等口腔掻痒  (6 SQ-HDM 群 13%, 12 SQ-HDM 群 20%,プラシーボ 3% )、口腔浮腫、咽頭部不快


結論
ICSによりwell controlに至らないHDMアレルギー関連喘息成人において、HDM SLIT治療追加は、ICS減量期間中の中等度以上の喘息急性増悪までの期間を改善し推定絶対的減少は6ヶ月で9-10%ポイント;中等度急性増悪への効果が主。
治療関連副事象はactive dose両方でみられ、長期有効性・安全性評価がなされるべき




house dust mite (HDM):チリダニ (チリダニ【house dust mite】. 無気門亜目チリダニ科Pyroglyphidaeに属する小さなダニの総称)

2016年4月26日火曜日

C型肝炎薬で1人死亡 B型が活性化 製薬会社が注意喚起

C型肝炎薬で1人死亡 B型が活性化 製薬会社が注意喚起
http://www.sankei.com/life/news/160425/lif1604250020-n1.html


DAA: Direct-acting Antiviral Agents
「スンベプラ」「ダクルインザ」併用療法



上記薬剤処方検討時、HBV関連チェック必要となる訳か・・・


ただでさえ、イライラするやりとりを県とやらないといけないのに・・・

鹿児島県の慢性肝炎の肝炎治療助成って以下のやりとりを繰り返すことになっているようだ

当局「”治療開始年月日”を書かないと申請受理しない」
当方「肝炎治療助成認定確認できる予定日を教えてもらわないと、治療予定も立たないので、治療開始日記載できない」
当局「審査会開始日お教えできないので認定確認できる日もお教えできない」
当方「なら、治療予定も立たないのでは?」
当局「何はともあれ、開始年月日を書かないと受理しない」
当方「(・・・)」



当方、これを二度繰り返した ・・・ 私は、役人という仕事をする人たちとわかり合えることは生涯無いのだろう

セメント工場での胸部への粉じん暴露:肺機能低下と関連

欧州のセメント工場での工場内浮遊粉じん解析と長軸的肺機能低下観察


Thoracic dust exposure is associated with lung function decline in cement production workers
Karl-Christian Nordby, et. al.
ERJ,
DOI: 10.1183/13993003.02061-2015 Published 21 April 2016
http://erj.ersjournals.com/content/early/2016/04/20/13993003.02061-2015.full.pdf
職場のエアゾール暴露が肺機能障害を与えるかも? という仮説

24セメント製造プラント4966名の労働者、6111の試料、プラントや職種に応じた推定数値化された平均暴露レベル、Dynamic lung volumeを反復施行、平均フォローアップ期間3.5年(range 0.7 - 4.6年間)

アウトカム:dynamic lung volume標準化(身長自乗もしくは予測値比)年次変化
統計学的モデル化をmixed model 回帰検討。
個別暴露を5分位レベル、 0.09、0.89、1.56、2.25、3.36、14.6 g·m^3(1最小値群を参照群とする)
行政職雇用者を二次比較群とする


エアゾール暴露はFEV1、FEV6、FVC減少と相関
最大暴露vs最小暴露5分位比較にてFEV1 % pred. 0.84%ポイントの超過減少


暴露最大レベルは、dynamic lung volume 減少を示す


暴露減少努力すべき





セメント・コンクリートと安全
http://www.jcassoc.or.jp/cement/1jpn/jd4.html

2016年4月25日月曜日

COPD:吸入ステロイドによる肺炎リスク:アップデート化レビュー

COPDに関する吸入ステロイド投与の治療適正化は臨床的問題点の一つ

処方を正当化できるphenotypeが明確になれば使用しやすくなる。
ICS同士のクラス内に影響差がある可能性、そして、標準投与量が過剰である可能性などが議論されている



Inhaled corticosteroids and the increased risk of pneumonia: what’s new? A 2015 updated review
Hernan Iannella , et. al.
Ther Adv Respir Dis February 18, 2016 1753465816630208
http://tar.sagepub.com/content/early/2016/02/16/1753465816630208.full.pdf


COPD身体活動性チェックシート患者において、肺炎リスクは吸入ステロイド使用長期化と関連可能性示唆エビデンス多く存在するも、ICS患者の肺炎関連30日め死亡率増加に関しては統計学的有意なものではない。大きなバイアスは、肺炎とCOPD急性増悪の類似性のための客観的肺炎定義不足やレントゲンでの確認不足に由来。Fluticasone furoate フルチカゾンフランカルボン酸エステル:FFの新しい研究の一つはこれらの研究制限要素を克服し、用量レンジ評価もなされた結果、治療windowはかなり狭い。また、通常投与量が多すぎると判断され、絶対リスクに関して他薬剤と差があった。
さらに新しい研究では、以前の研究で示唆された如くブデソニドでは肺炎除外できず、クラス内差の優れた比較評価のためのガチンコ研究が必要。

ICSが肺炎リスク増加メカニズムは十分判明してないが、気道上皮へのICSの免疫抑制的影響とlung microbiomeの撹乱が示唆される。COPDは複雑で異質性の高い疾患なので、薬物治療しがいのある臨床的表現型を同定し、薬物治療を最適化し、ICSの乱用使用を避けなければならない。必要なら、ICSの漸減も耐用性を良くすることとなるだろう。
肺炎球菌・インフルエンザワクチンはCOPDのICS使用患者では特に重視。
医師はCOPD患者では、肺炎のサイン・症状を気にとめ、急性増悪と鑑別をまず雄l来ない、ICS治療の合併症として肺炎発症リスク増加と考えるべき








上記FFに関する報告
Once-daily inhaled fluticasone furoate and vilanterol versus vilanterol only for prevention of exacerbations of COPD: two replicate double-blind, parallel-group, randomised controlled trials
Mark T Dransfield, et. al.
The Lancet Respiratory Medicine, Volume 1, No. 3, p210–223, May 2013





2016年4月23日土曜日

遺伝要素は慢性疾患の主要原因ではない

方法論よく理解できてないが、図譜にインパクトがあった





Genetic Factors Are Not the Major Causes of Chronic Diseases
Stephen M. Rappaport
PLOS     Published: April 22, 2016
http://dx.doi.org/10.1371/journal.pone.0154387

個人の遺伝的要素(Genetics: G)と人生に於ける外的暴露(Exposure: E)と、その相互作用(G×E)により、慢性疾患発病リスクは影響される

GWAS(ゲノムワイド関連研究)はG特性のみ検討し、Eの分類は自己報告情報にのみ依存

西欧州一卵性双生児  (MZ) 研究

G(+ shared E)寄与疾患リスク推定比率を28慢性疾患に関する人口寄与リスク比(population attributable fraction : PAF)で推定


遺伝的PAFは median value 18.5%を用いると






白血病 3.4%と最小
喘息 48.6%が最大

癌 8.26%、神経疾患 26.1%、肺疾患 33.6%でPAF高い

これらPAFを Western European mortality statisticsとリンクし、心疾患と9つのがん種でG寄与死亡推定を行った
 
2000年、153万の西欧州のうち、25万名(16.4%)がgenetics plus shared exposures寄与

MZ双生児において、慢性疾患リスクに於けるG−関連要素は比較的緩いとして、GとEの疫学研究上のカバー率の格差は問題
 
疾患原因追及のため、GWASは、Exposome-wide association study(EWAS)で補完されるべきで、症例と対照のbiospecimenの化学特性化を目指すべき

2016年4月22日金曜日

変形性膝関節症では心血管疾患死亡増加

変形性膝関節症:Osteoarthritis(OA)は、関節の硝子軟骨の局所・進行性の減少を主とする、関節腔の減少、骨化、骨硬化のレントゲン的特徴を示す変化で、疼痛、腫脹・硬化を示す。 


Osteoarthritis and Mortality: A Prospective Cohort Study and Systematic Review with Meta-analysis
Nicola Veronese, et. al. Seminars in Arthritis & Rheumatism
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.semarthrit.2016.04.002


 電子的文献データベース+Progetto Veneto Anziani (PRO.V.A.) studyの新規データ

 PRO.V.A. study (N=2,927)では、いずれかの関節OAの存在(N=1,858) において、非OA比較では、CVD死亡率リスク有意増加せず (all-cause, HR=0.95; 95% CI: 0.77–1.15; CVD, HR=1.12; 95% CI: 0.82–1.54)



メタアナリシス、7研究、 OA: 10,018/non-OA: 18,541、12年間フォローアップにてOAの全原因死亡率リスク増加認めず  (HR=1.10; 95% CI: 0.97–1.25) 手


OAのデータ除くと、OAと死亡率に有意相関見られる  (HR=1.18; 95% CI: 1.08–1.28)



全原因死亡率高めるリスクは1)ヨーロッパでの研究、2)多関節OA、3 )OAレントゲン診断で見られる OAはCVD死亡率増加と関連  (HR=1.21; 95% CI: 1.10–1.34)



http://www.rheumatology.org/Portals/pdf
The classic criteria method for OA of the knee is based upon the presence of knee pain plus at least three of the following six clinical characteristics :
●Greater than 50 years of age
●Morning stiffness for less than 30 minutes
●Crepitus on active motion of the knee
●Bony tenderness
●Bony enlargement
●No palpable warmth
These criteria result in a sensitivity and specificity for OA of 95 and 69 percent, respectively.



日本でもガイドラインがあるのだが、この領域のいつものことで「診断の標準化がなされてない」・・・故に、診断は言ったもの勝ち



我が町:若年心臓突然死心配のための検診は意味があるのか?

ある地域で「保護者の希望があり、持久走前臨時健康診査を、校医に依頼」することが長年行われてきた。「 学校年間行事なのに、"臨時健康診査”とはいかに?」と食い下がったところ、やっと今年から行わないこととなったらしい。変な文面の通知が届いた。



学校保健安全法施行規則 (昭和三十三年六月十三日文部省令第十八号)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S33/S33F03501000018.html
(臨時の健康診断)
第十条  法第十三条第二項 の健康診断は、次に掲げるような場合で必要があるときに、必要な検査の項目について行うものとする。 一  感染症又は食中毒の発生したとき。
二  風水害等により感染症の発生のおそれのあるとき。
三  夏季における休業日の直前又は直後
四  結核、寄生虫病その他の疾病の有無について検査を行う必要のあるとき。
五  卒業のとき。

こういう文面すら読んでない、教育委員会・各学校長・担当職員たちが存在する我が町
・・・で、検診内容は心電図やら心エコーやらではなく単に身体診察と問診のみというあきれるお話で、「教育関係者の目的はアリバイ的に診療をさせ医者に補償および責任転嫁のみを要求」するアホ役人発想


ところで、この学校関係者たちが心配する、若年者の心臓突然死を予測することの意義に関するエビデンスは存在するのだろうか?しかも、医師の直感や身体所見などというプリミティブな技法ではなく、科学的手法によるスクリーン(検診)技術でエビデンスは確立しているのであろうか?




Harms and benefits of screening young people to prevent sudden cardiac death
BMJ 2016; 353 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.i1156 (Published 20 April 2016) Cite this as: BMJ 2016;353:i1156



キーメッセージ
・若年アスリート年次死亡率は、推定0.001%、スクリーニング目的はリスク状態にある心臓疾患発見のため 
・スクリーンされたうち30%までが、不要なはずの不安を生じ、過剰診断、過剰治療、スポーツ回避措置に繋がった 
・スクリーンは心臓突然死リスク約25%程度は検知できず、スクリーンのためのランダムトライアルもなされてない。 
・若年アスリートにおける心血管検診バランスにおいて、ベネフィットより有害性が多いと思われる

金と手間をかけた検診でさえ上記状況



表題は若年者とあるが、若年健康アスリートであり、より負荷の高い運動が想定される。学校行事程度の低リスクにおいて、あえて心臓突然死リスクのための検診を強要するとは鬼畜。校医なんてやめようかとおもってるが今年は一応引き受けた。全国ではさすがにこういうことはないのでしょうねぇ?

駆出率低下心不全:年齢・性別問わずβ遮断剤使用すべき

β遮断剤は心不全・左室駆出率低下症例では合併症・死亡率を減少させるが、年齢、性別というバイアスでの個別要素検討は十分ではなかったとのことでの検討



Effect of age and sex on efficacy and tolerability of β blockers in patients with heart failure with reduced ejection fraction: individual patient data meta-analysis
BMJ 2016; 353 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.i1855 (Published 20 April 2016)

前向き、40−85歳個別データ、前向きデザイン・メタ解析、13833名、11トライアル、女性 24%

プラシーボ比較、β遮断剤は全年齢横断的に死亡率減少 
: ハザード比 年齢分布第1・4分位(年齢中央値 50歳) 0.66 (95% 信頼区間 0.53 to 0.83) 、第2・4分位(年齢中央値 60歳) 0.71 (0.58 to 0.87、第3・4分位(年齢中央値 68歳) 0.65 (0.53 to 0.78)、第4・4分位(年齢中央値 75歳) 0.77 (0.64 to 0.92)


年齢を連続変数とした場合有意相関無く(P=0.1)、死亡絶対的減少はフォローアップ中央値1.3年間で、4.3%(NNT 23)

心不全入院はβ遮断剤で有意減少するも、この効果は加齢と共に減少 (interaction P=0.05)


治療効果と性別の相関はどの年齢群でも認めない

薬剤中止は治療割り付け、年齢、性別と無縁に同様 (β遮断剤 14.4%  , プラシーボ 15.6% )




ISA+、非選択性β遮断剤使用症例を最近見たのだが・・・ 喘息合併だったので特に他β遮断剤へ変更願いたいと・・・ 依頼した

2016年4月21日木曜日

成功初体験年齢に関わる遺伝子

Physical and neurobehavioral determinants of reproductive onset and success

Felix R Day , et. al.
Nature Genetics , Received 17 November 2015; accepted 24 March 2016; published online 18 April 2016; doi:10.1038/ng.3551
http://www.nature.com/articles/ng.3551.epdf


二次性徴、初回性行為:初体験 first sex (AFS)、初出産first birth (AFB)年齢とゲノム・ワイド関連
アイスランド男女24万1910名男女、Women's Genome Health Study 2万187名女性からの知見


Nature Genetics誌で解説

初体験年齢を支配する、ヒトゲノム 38 spot同定

二次性徴年齢が初体験年齢に影響を与え、早熟なほどAFS早期
同様に健康への脅威を高め、2型糖尿病、心血管疾患発症尤度を高めるとの発見も

早熟なため若年でのストレス尤度高く、かつ、タバコなど有害性嗜好尤度も高めることも関係するのかもしれない

子宮けいがんワクチン 学会が接種勧める見解・・・

子宮けいがんワクチン 学会が接種勧める見解 4月21日
(パナマ文書で有名なNHK


ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)接種推進に向けた関連学術団体の見解(予防接種推進専門協議会)について
https://www.jpeds.or.jp/modules/news/index.php?content_id=211

http://www.jrs.or.jp/uploads/uploads/files/information/20160421_HPV.pdf





既知のこととは思うが、以下の新聞記事・・・




Rにて計算
binom.test(11,12)
data:  11 and 12
number of successes = 11, number of trials = 12, p-value = 0.006348
alternative hypothesis: true probability of success is not equal to 0.5
95 percent confidence interval:  0.6152038 0.9978924
sample estimates: probability of success       0.9166667

あまりにtinyなn数・・・これは反ワクチングループにとっての格好の材料とされるだろうと想像できる


イデオロギーとしての「反ワクチン」の存在

これがあるから、(今はだんまりの)自民・公明の女性議員たちのごり押し「義務化」に眉をひそめていた・・・というか、直感的にも反感を覚えていた


結果は、国際的に希有な「HPVワクチン不在国」と成り下がった日本

議員たちは責任をいまこそとるべき・・・



そもそも、

日本では「子宮頚癌ワクチン」なんて名称をつけてるから、「米国内では11−12歳の男女児に対して子宮頚癌ワクチン推奨」なんてへんな記載になる

せめて、HPVワクチンと呼ぶべきだろう


米国内医師たちの4名に1人はHPVワクチンを強く推奨することはしない。リスクの方が高いと


Many U.S. Physicians Communicate With Parents in Ways That May Discourage HPV Vaccination
10/22/2015
http://www.aacr.org/Newsroom/Pages/News-Release-Detail.aspx?ItemID=774#.VikTHvmrS00



Quality of Physician Communication about Human Papillomavirus Vaccine: Findings from a National Survey
Melissa B. Gilkey1, et. al.
Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention
Published OnlineFirst October 22, 2015; doi: 10.1158/1055-9965.EPI-15-0326


ごく少数というわけではない相当、報告医師の27%で、HPVワクチンを強力に推奨しない。タイムリー推奨に関しては、女児対するワクチン推奨 26%、男児に対するワクチン推奨 39%の報告。

【薬害】抗コリン剤と脳構造・代謝的変化、症候的変化


抗コリン剤は、かぜ薬、アレルギー薬、うつ薬剤、降圧剤、心臓系薬剤として広範に使用されるが、認知機能障害や認知症と関連性が知られている。

抗コリン剤使用累積量に応じて認知症リスク増大
kaigyoi.blogspot.com/2015/01/blog-post_89.html
2015/01/26
抗コリン作用薬は認知機能を低下し、寿命を短縮する
intmed.exblog.jp/13019444/
抗コリン作動性薬剤での認知機能低下
intmed.exblog.jp/8715406/
2009/07/28

あらたなるエビデンス追加



Association Between Anticholinergic Medication Use and Cognition, Brain Metabolism, and Brain Atrophy in Cognitively Normal Older Adults
Shannon L. Risacher, et. al.  ; for the Alzheimer’s Disease Neuroimaging Initiative
JAMA Neurol. Published online April 18, 2016. doi:10.1001/jamaneurol.2016.0580

Alzheimer’s Disease Neuroimaging Initiative (ADNI) 及び I Indiana Memory and Aging Study (IMAS) という縦軸研究

ANDIはベースライン受診後3,6,12ヶ月その後年次繰り返し
IMASはベースライン受診後18ヶ月


抗コリン作動製薬剤:AC服用、非服用

認知スコア、平均FF-18-FDG取り込み率(ANDI研究のみ)、MRI脳萎縮評価を比較
ACバーデンスコアを計算
AC使用と長軸臨床的減衰率(平均[SD]フォローアップ期間 32.1 [24.7]ヶ月(レンジ, 6-108ヶ月)をCox回帰で検討


52名の抗コリン作動製薬剤服用:AC+、AND被検者(平均 [SD] 歳, 73.3 [6.6] 歳)では、AC-350名( (平均 [SD] 歳 73.3 [5.8] 歳) に比べ、
Weschler Memory Scale–Revised Logical Memory Immediate Recall 低値 (raw mean score: 13.27 for AC+ participants and 14.16 for AC− participants; P =0.04)
Trail Making Test Part B 低値(raw mean scores: 97.85 seconds for AC+ participants and 82.61 seconds for AC− participants; P =0.04)
lower executive function composite score 低値(raw mean scores: 0.58 for AC+ participants and 0.78 for AC− participants; P =0.04)


AC+ではACー比較して 総皮質容積と側頭葉皮質厚減少、側脳室増大、下方側脳室容積増大



過活動性膀胱に於ける抗コリン剤が頻用される日本

また、吸入薬剤とはいえ、COPD薬剤も安全性担保必要と思う

2016年4月19日火曜日

呼吸器系吸入手技:20年間進歩なし

グローバルにも吸入手技改善効果認めてないらしい。DPI製剤多種出現してさらに混乱を呈している実地。




Systematic Review of Errors in Inhaler Use: Has Patient Technique Improved Over Time?
Joaquin Sanchis, et. al.
Chest. 2016. doi:10.1016/j.chest.2016.03.041
システマティック・レビュー&メタアナリシス
144記事、54,354名、テクニック観察 59,584テスト

MDIエラー内訳
co-ordination  45% , 95% CI, 41-49%
吸気速度 and/or 深さ 44% , 95% CI, 40-47%
吸気後呼吸ホールド 46% , 95% CI, 42-49%

DPIエラー内訳
準備の誤り 28% (26–33%)
吸気前呼気最大化 46% (42–50%)
吸入後呼吸ホールド 37% (33–40%)


正確なテクニックな全般頻度は 31% (28–35%)
許容範囲 41% (36–47%)
不良 31% (27–36%)

調査期間20年間の前半と後半でその頻度分布に変化無し



吸入指導の重要性は厚労省にないらしく、今度の吸入指導関連新規項目も医療機関持ちだし&厳しい縛りで・・・現実的とは言えないものである(薬価を高価にするだけしか能の無い、馬鹿役人は薬剤の適正使用による効用をしらない様である)

メトホルミンは現時点で単独勝者:心血管イベント減少確認

全くグローバルスタンダードでない、日本の糖尿病・高血圧などの診療

最たるものが、2型糖尿病におけるメトホルミンの位置づけ
欧米では、T2DM診断、即、メトホルミン投与考慮
今回の、140万名超、204研究の解析で、メトホルミンはSU剤に比べ心血管疾患リスク30−40%減少。



「"Metformin looks like a clear winner"」ということで、2−3年間2型糖尿病治療に於ける、最大エビデンスの一つとなろう・・・という解説(http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-04/jhm-ddm041416.php)

生命危機に関わるケトアシドーシス・シックデイ対応など注意は必要だが、SU剤だって不可逆性脳障害を生じるわけだから、注意すべきなのは同様なはず
file:///Users/makiseyoichi/Downloads/recommendation_biguanide.pdf

糖尿病診療も目標の一つは微小血管疾患だけでなく、心血管疾患合併症リスク軽減のはず


Diabetes Medications as Monotherapy or Metformin-Based Combination Therapy for Type 2 Diabetes: A Systematic Review and Meta-analysis
Nisa M. Maruthur, et. al.
Ann Intern Med. Published online 19 April 2016 doi:10.7326/M15-2650
http://annals.org/article.aspx?articleid=2513979


心血管死亡率はvs SU剤に対し、メトホルミン減少
全原因死亡率、心血管合併症、微小血管障害合併症に関しては不十分、強度は弱い

HbA1c減少程度は単剤横断的及びメトホルミンベース併用で同等だが、例外はDPP-4阻害剤がやや効果乏しい


体重は、メトホルミン、DPP-4阻害剤、GLP-1受容体アゴニストで減少維持、SU剤、チアゾリジン系、インスリンで増加(群間差 5kまで)


低血糖はSU剤で頻度多く、胃腸合併症はメトホルミン、GLP-1受容体アゴニスト頻度大
性器真菌感染はSGLT-2阻害剤で増加



EMPA-REG程度では、SGLT-2阻害剤評価まだまだなんだなぁ

2016年4月18日月曜日

糖尿病50歳:平均余命3年余り、活動的平均余命8−9年余り


オーストラリアの研究によると、糖尿病診断は診断されない場合に比べ平均余命低く、驚くべきではないのだろうが、機能障害を伴う長期年数・長期期間を過ごすことと

http://www.medpagetoday.com/Endocrinology/Diabetes/57378




Burden of diabetes in Australia: life expectancy and disability-free life expectancy in adults with diabetes
Lili Huo , et. al.
Diabetologia pp 1-9
First online: 14 April 2016
http://link.springer.com/article/10.1007/s00125-016-3948-x

研究目的/仮説 平均余命(life expectancy : LE)と活動的平均余命 (disability-free life expectancy : DFLE)を成人を糖尿病有無わけて推定

方法: Chiang method と adapted Sullivan method を、年齢、性別による LE 及び DFLE 推定に利用。2011年の死亡率データをNational Diabetes Services Scheme からのデータベースから、一般住民のデータは、standard national mortality datasetから入手。 2012 Australian Survey of Disability, Ageing and Carers (SDAC)から機能障害の頻度、profound core activity limitationの頻度データを入手
機能障害定義は、International Classification of Functioning, Disability and Healthのフォロー。糖尿病有病率は Australian Diabetes, Obesity and Lifestyle study由来

結果: 推定LE、DFLE( 95% uncertainty interval [UI])1は

男性糖尿病 30.2 (30.0, 30.4) 年間、 12.7 (11.5, 13.7)年間
女性糖尿病 33.9 (33.6, 34.1)  年間、 13.1 (12.3, 13.9)年間

50歳糖尿病でのLE推定損失は、糖尿病無しと比べ、男性 3.2 (3.0, 3.4) 年間、女性 3.1 (2.9, 3.4)年間
呼応するDFLE推定損失は、男性  8.2 (6.7, 9.7) 、 女性 9.1 (7.9, 10.4)年間
糖尿病有無比較で、女性の場合の機能障害期間の年数絶対値増加、比率増加は、男性に比べかなり大きい
糖尿病診断を仮説的に除いた場合、50歳全人口でのLE、DFLEのゲインは、それぞれ0.6 (0.5, 0.6) 年間、1.8 (1.0, 2.8) 年間


結論/解釈
成人において、糖尿病は、平均余命と活動的平均余命を一定程度減少させる。
機能障害の特異的原因を同定し、効果的介入が必要




糖尿病診断後治療効果は?


そして、「メタボリックメモリー(metabolic memory) 」または「遺産効果(legacy effect)」といった、早期の高血糖曝露によって糖尿病合併症増加に関与するエピジェネティック現象で説明可能か?


糖尿病というより、高血糖暴露を回避する、住民ベースの対策
糖尿病患者にとってエピジェネシス修飾可逆性介入の解明・対応が今後の鍵?

2016年4月16日土曜日

米国予防医学作業部会:心血管疾患・大腸癌リスク一次予防のためのアスピリン使用臨床ガイドライン 2016

米国予防医学作業部会(US Preventive Services Task Force:USPSTF) 
Clinical Guidelines12 April 2016
Aspirin Use for the Primary Prevention of Cardiovascular Disease and Colorectal Cancer: U.S. Preventive Services Task Force Recommendation Statement
Kirsten Bibbins-Domingo, et. al.
Ann Intern Med. Published online 12 April 2016 doi:10.7326/M16-0577
http://annals.org/article.aspx?articleid=2513178


50-69歳、10年心血管疾患リスク10%以上、高度出血リスク無しでは低用量アスピリンを考慮すべきだが、医師との相談で個別的意思決定されるべき


米国でさえアスピリン服用について問いかける医師は41%程度
65歳以上のアスピリン服用者のアドヒアランスは80%

モデリングペーパーによると、生涯アスピリンレジメンは、男女とも、出血リスク高度でない場合疾患リスク減少が期待でき、特にベネフィットをもたらすのは40−69歳での服用開始
60−69歳開始に比べ40−69歳でのスタートは余命改善可能性高い。
10年間CVDリスク20%以下の70歳では包括的ベネフィットは有害性を上まわることなく、60歳未満での服用でのプライマリエビデンスは不十分。
動脈硬化プラークでの血流減少部位の血栓減少、心・脳組織の低酸素ダメージ損傷軽減効果。大腸癌予防メカニズムは明らかでないが抗炎症ベネフィットもある


Bleeding Risks With Aspirin Use for Primary Prevention in Adults: A Systematic Review for the U.S. Preventive Services Task Force
http://annals.org/article.aspx?articleid=2513175


Aspirin for the Primary Prevention of Cardiovascular Events: A Systematic Evidence Review for the U.S. Preventive Services Task Force
http://annals.org/article.aspx?articleid=2513176


Aspirin for the Prevention of Cancer Incidence and Mortality: Systematic Evidence Reviews for the U.S. Preventive Services Task Force
http://annals.org/article.aspx?articleid=2513177


Aspirin for the Primary Prevention of Cardiovascular Disease and Colorectal Cancer: A Decision Analysis for the U.S. Preventive Services Task Force
http://annals.org/article.aspx?articleid=2513178


Aspirin for Disease Prevention: Public Policy or Personal Choice?
http://annals.org/article.aspx?articleid=2513835




2016年4月15日金曜日

米国CDC:小頭症はジカウィルス原因であると断定

ジカウィルスと小頭症の関連性に関してcausalityを示唆するエビデンスとCDC



Zika Virus and Birth Defects — Reviewing the Evidence for Causality
Sonja A. Rasmussen,  et. al.
N. Engl. J. Med. April 13, 2016



1回以上のジカウィルス暴露明らか
特異的障害・症候群症例の注意深い記述
稀な環境的暴露と関連する先天異常



ジカウィルスは重度小頭症胎児・第1・第2妊娠期に存在し、胎児剖検にて確認された例もある
加え、ジカウィルス感染妊娠後期は胎児死亡あるいは胎内発育異常と関連する


重度小頭症、脳内石灰化、色素斑・ 網脈絡膜萎縮などの視力障害(https://archopht.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=2491896)の典型例が存在し、他の小頭症と異なる特性である、過剰・余剰頭蓋頭皮をもつ「先天性ジカウィルス症候群」


アクティブなジカウィルス殷賑地域endemic地域もしくはそこからの旅行者に小頭症のスパイクが観察されること


以上より偶発的ではない、causalityとの根拠

Swedish Spinal Stenosis Study (SSSS) :腰部脊柱管狭窄症手術 脊椎固定術加える必要性に疑問

腰部脊柱管狭窄症(LSS)±変性脊椎すべり症に対する、脊椎固定術+外科的減圧術 vs 外科的減圧術のみ比較

Swedish Spinal Stenosis Study (SSSS)


e.g. http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000170.html
手術療法の基本は、神経除圧術(椎弓切除術)です。本法は椎弓という腰椎の骨の一部を切除することにより、神経に対する圧迫を解除します。本法は19世紀から行われており、本疾患に対する手術法として日本国内のみならず世界各国で行われています。脊柱管狭窄の原因として腰椎変性すべり症(腰椎がずれてしまう状態)を合併している場合、原因となっている椎体を固定する手術(後方進入椎体間固定術、後側方固定術)が必要となる場合があります


とされていたが、固定術を加える必要性は乏しいという結論


A Randomized, Controlled Trial of Fusion Surgery for Lumbar Spinal Stenosis
Peter Försth, et. al.
N Engl J Med 2016; 374:1413-1423April 14, 2016
DOI: 10.1056/NEJMoa1513721

50−80歳247名の:腰部脊柱管狭窄症
 decompression surgery plus fusion surgery (fusion group) vs decompression surgery alone (decompression-alone group)

 プライマリアウトカムは、術後2年後Oswestry Disability Index (ODI; レンジ 0 〜 100, 高値ほど機能障害重度)


結論から言えば
ODIの平均スコア群間有意差認めず : fusion群 27 vs 減圧単独群 :24  P=0.24
6分間歩行距離 同様 : 397 m vs 405m  , P=0.72


変性脊椎すべり症有無で同様結果

5年フォローアップでも同様

入院期間は、fusion群 7.4日間 vs 減圧単独群 4.1日p (P<0 .001="" p="">追加手術必要数は同様

2016年4月14日木曜日

非侵襲的人工換気:呼吸リハビリテーションへの応用

非侵襲的人工換気をリハビリテーションに使えないか?
個人的には20年間の課題だった


前向き研究


Pulmonary Rehabilitation
Noninvasive Positive Pressure Ventilation to Relieve Dyspnea of COPD Patients During Exercise Training: A Prospective Study
Boxue Han, MDS
Chest Volume 149, Issue 4, Supplement, April 2016, Pages A492
CHEST World Congress 2016 Annual Meeting Abstracts
ランダム化self-controlled・前向き観察研究:20名重症・安定COPD(FEV1/pre: 45.6 ± 2.6%)

5種類の検査:可及的速やかに16日間内トレッドミル歩行
Test0: 換気サポート無しのベースライン 
Test1 aと Test2:
安静時S mode(Spontaneous mode) ventilator support (NIPPV via nozzle)
2種圧レベル設定 (IPAP/EPAP:18/8cmH2O と14/4cmH2O) をTest1 と Test2 それぞれ施行

Test3 と Test4: 運動・安静時 ventilator補助 (NIPPV via total face mask)
test3: S modeを施行
test4:  AVAPS-AE (average volume assured pressure support auto-EPAP, AVAPS-AE) mode (parameters:maximum EPAP=8cmH2O, minimum EPAP=4cmH2O, Rate=3cmH2O/min, tidal volume depending on individual BMI)施行

歩行中歩行距離・回復時間をin time記録

運動セッション中、心拍、呼吸数、脈波酸素飽和度、Borgスコアを異時的にT1, T2, T3 (the 1st,3rdand 5th minute during walking) と T4, T5, T6 (the 1st, 2nd and 3rd minute during resting) 持続モニタリング


1.test 0と比べ、Test1、Test3、Test4の回復時間有意短縮  (p<0 .05="" br="">Test1、2,3,4において、歩行距離、歩行時間の有意差認めず

2. Test1、Test3とTest4のT5のRR、SpO2 (%)、 HR と Borg スコアはtest 0より低値   (p<0 .05="" br="" est4="" p="">Test0に比べ、他のTest1-4でのSpO2、RR、HR、Borgスコアの大きな変化無し (p>0.05)


結論:非侵襲陽圧換気は運動中息切れを改善、呼吸リハビリテーションの効果を促進する
AVAPS-AEモードが上記測定項目改善ををもたらす傾向にあり、特に、同期と活動耐用上改善



気胸やブラ拡大を含む圧による気道障害の問題があるはずだが・・・

2016年4月13日水曜日

糖尿病虚血性卒中アウトカム悪化の原因は脳内血液脳関門破綻:PE?

糖尿病は脳の様々なレンジで微小血管障害と関連する、仮説として、糖尿病患者の急性卒中患者は血液脳関門の機能障害を有するためアウトカム悪化と関連するのでは?

Blood Brain Barrier Disruption in Diabetic Stroke Related to Unfavorable Outcome
Cerebrovasc Dis 2016;42:49-56 (DOI:10.1159/000444809)

62名の中大脳動脈領域の虚血性卒中発症後3−7日内、BBB破綻を”parenchymal enhancement (PE) on 5 min delayed post-contrast T1 weighted imaging”にて判断


卒中アウトカム不良:19例の糖尿病患者、21名の非糖尿病

糖尿病患者は非糖尿病に比べPE高率 (58.6 vs. 27.3%, p = 0.013)
糖尿病はPEと独立した相関  (OR 4.40; 95% CI 1.22-15.83; p = 0.023)
糖尿病患者において、PEはアウトカム不良で、他3サググループに比べ、高率(73.7%)
・良好な卒中アウトカムの糖尿病患者 (30.0%)
・良好な卒中アウトカムの非糖尿病患者 (38.1%)
・アウトカム不良な卒中 (8.3%; p = 0.002).


PEは糖尿病性卒中(DS)に於るアウトカム不良(UO)と独立相関 DS; OR 7.04; 95% CI 1.20-41.52; p = 0.031)
入院NIHSSスコアは非-DS(NDS)に於るUOと相関 (OR 1.71; 95% CI 1.10-2.66; p = 0.017)

2型糖尿病:代謝リスク→うつ症状追加で相乗的悪循環

うつ症状単独では糖尿病発症リスクとはならないが、”メタボリックシンドローム&うつ症状無し”では対照群の4倍超糖尿病発症リスク。”メタボリックシンドローム&うつ症状有り”では対照群の6倍超のリスク。メタボリックシンドロームとうつの要素は個々要素の個別効果の総和より大きな影響を与える
"vicious cycle":悪循環?
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-04/mu-hdm041216.php




Depression and risk of type 2 diabetes: the potential role of metabolic factors
N Schmitz, et. al.
Molecular Psychiatry , (23 February 2016) | doi:10.1038/mp.2016.7


カナダ・ケベックでの Emotional Health and Wellbeing Study (EMHS) の4.5年間のベースラインからフォローアップ評価2525名成人


うつ症状と、糖尿病としての代謝調節障害の関連性評価
2元層別抽出デザイン、うつ症状と代謝調整障害(肥満、血糖高値、血圧高値、TG高値、HDL低値)存在ベース。糖尿病発症 87(3.5%)。
うつ症状と糖尿病調節障害をともに有する場合、うつ症状も代謝張性障害も無い群(参照群)に比べ、糖尿病のリスクは高い  (補正オッズ比=6.61, 95% 信頼区間(CI): 4.86–9.01)


うつ症状有り・代謝調節障害無しの糖尿病リスクは、参照群と不変  (補正オッズ比=1.28, 95% CI: 0.81–2.03)
一方、”代謝調節障害あり&うつ症状無し”群での補正オッズ比は 4.40 (95% CI: 3.42–5.67)


Synergy Index (SI=1.52; 95% CI: 1.07–2.17) からうつ症状と代謝調節障害の組み合わせ効果は、個別影響の総和より大きいことが示唆される


うつと代謝調節障害の相互関係は、構造方程式モデリング(Structural Equation Modeling, SEM)で示唆される。


この研究から、うつ症状と代謝調整障害の相互作用として2型糖尿病リスクを強調したい
両病態の早期発見、モニタリング、包括的管理アプローチが糖尿病予防戦略として重要

2016年4月12日火曜日

血液型非OはO型にくらべ血栓イベントなりやすい





ABO Blood Group and Risk of Thromboembolic and Arterial Disease
A Study of 1.5 Million Blood Donors
Senthil K. Vasan,  et. al.
Circulation. 2016; 133: 1449-1457Published online before print March 3, 2016,

SCANDAT2 (Scandinavian Donations and Transfusions) database を用いた、111万2072名の検討

血液型Oに比較して、非O血液群は静脈・動脈血栓塞栓イベントリスク増加

妊娠関連VTEが最も影響有り:罹患率比(incidence rate ratio, 2.22; 95%信頼区間, 1.77–2.79
深部静脈血栓:罹患率比, 1.92; 95%信頼区間, 1.80–2.05
 肺塞栓:罹患率比, 1.80; 95%信頼区間, 1.71–1.88




O型はO型でなりやすい病気もある

2016年4月11日月曜日

米国FDA安全性注意:オングリザ、ネシーナ 心不全リスク増加

FDA Drug Safety Communication: FDA adds warnings about heart failure risk to labels of type 2 diabetes medicines containing saxagliptin and alogliptin

http://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/ucm486096.htm


米国FDAは、サキサグリプチン(オングリザ)、アログリプチン(ネシーナ)に対し、特に、心不全もしくは腎疾患患者を有する患者での心不全リスク増加に関する安全性レビューした




この警告は、FDA助言委員会1年前票決結果で、ラベル表示義務づけとなる
他のDPP4阻害剤では適応されない警告ということで・・・該当薬剤の会社は対応が必要となるだろう


Saxagliptin, Alogliptin Linked to Heart Failure, FDA Warns
Decision comes 1 year after FDA advisory committee vote
http://www.medpagetoday.com/Endocrinology/Diabetes/57172



さぁ 担当MRさん 今週、お仕事がんばってください



本日(4月14日)T製薬会社MR訪問

上記、FDA警告に関する情報提供かと思いきや・・・
2型糖尿病:DPP4阻害剤による糖化ヘモグロビン減少量推定ノモグラム
http://kaigyoi.blogspot.jp/2015/03/2dpp4.html
1年以上前のBMJ open journalの紹介

ネシーナがいかに優れてるかをぶっちゃべる


結局、米国FDAの報告に関する何の情報も持ってなかった・・・まあ、T製薬とはそういう会社なのだろう・・・

心不全という薬剤安全性に関わる情報を提示しないメーカー

Rx)ネシーナ → その他DPP4阻害剤 への変更は現場では当然の対応・・・と思う。


オングリザ関連は 、FDA警告根拠論文の提示と、その説明が遅滞なくあったのと対照的であった。






本日 4月22日 武田製薬からコメントがもらえるそうだが・・・


Takeda Development Center Americas, Inc.
Endocrinologic and Metabolic Drugs
Advisory Committee Meeting
April 14, 2015
http://www.fda.gov/downloads/AdvisoryCommittees/CommitteesMeetingMaterials/Drugs/EndocrinologicandMetabolicDrugsAdvisoryCommittee/UCM444148.pdf









おそらくこの部分の言い訳に終始すると思う


CE-26の部分が特に問題で、心不全既往のない症例にとくに心不全リスク増加させるという印象をうける


さらに、CE-27では、やはり心不全既往無し症例において、NT-proBNP中央値、アログリプチン 1375 vs プラシーボ 1110

・・・印象がさらに強くなる




そもそも 「DPP4阻害剤は、心血管疾患に対して、毒にも薬にもならない?」
http://kaigyoi.blogspot.jp/2013/09/dpp.html

せめて、毒にならないような証拠を示してもらわないと・・・




現行のガイドラインとして新しい方だと思うが、以下は真っ向から反する「ニュートラル」評価が記載されている





Pharmacologic Management of Type 2 Diabetes: 2016 Interim Update
http://guidelines.diabetes.ca/2016update

they demonstrate the overall cardiovascular safety of 3 dipeptidyl peptidase-4 (DPP-4) inhibitors (alogliptin, saxagliptin, sitagliptin) and 1 glucagon-likeprotein- 1 (GLP-1) receptor agonist (lixisenatide) in patients with type 2 diabetes who are at high risk for cardiovascular events (2–5).






結局、新しい情報は無かった・・・やはり上記如く・・・(H28.4.22)




2016年4月9日土曜日

原発性副甲状腺機能亢進症:手術で骨折リスク減少する一方、ビスフォスフォネートは効果有りとは言えない

血中カルシウム測定していれば見つかる程度の原発性副甲状腺機能亢進症でも、日常臨床さほど珍しくもなく遭遇する疾患(といっても年数回以下だが・・・)、うち何らかの理由で手術せずにフォローアップ となっている症例も存在する





The Relationship of Parathyroidectomy and Bisphosphonates With Fracture Risk in Primary Hyperparathyroidism: An Observational Study
Michael W. Yeh,  et. al.
Ann Intern Med. Published online 5 April 2016 doi:10.7326/M15-1232


背景:PHPT(primary hyperparathyroidism :原発性副甲状腺機能亢進症)手術療法と薬物治療比較

目的: PHPT副甲状腺切除とビスフォスフォネートの筋骨格アウトカム測定

デザイン:後顧的コホート

セッティング:integrated health care delivery systemの一つ

被検者: 1995−2010のPHPT確認生化学的登録全例

測定: Bone mineral density (BMD) と 骨折率

結果: 連続BMI検査患者2013名において、 total hip BMD  trajectoryは、副甲状腺切除女性で増加 (4.2% at <2 8="" at="" br="" years="">
骨折フォロー6272名において、10年次hip fractureの絶対リスクは、 1千対 イベント 副甲状腺切除 20.4、ビスフォスフォネート 85.5、 vs 無治療 55.9


10年次骨折リスクは、それぞれ 156.8、 302.5、vs 無治療 206.1

ベースラインBMD状況による層別分析において、副甲状腺切除はosteopenic及びosteoporotic 患者とも骨折リスク減少と関連、一方、ビスフォスフォネートは骨折リスク増加と関連

副甲状腺切除はコンセンサスガイドラインからの層別化クライテリア如何に関連無く患者の骨折リスク減少と関連

Limitation: 後顧的研究デザイン、非ランダム化治療割り付け 

結論:副甲状腺切除は、骨折リスク減少と相関し、ビスフォスフォネート治療は観察治療より優れているとは言えない


Primary Funding Source: National Institute on Aging.

2016年4月8日金曜日

心室頻拍・細動:除細動器初回通電後持続2回目の除細動間隔 間をとっても予後改善せず?


VTやVfによる心停止患者の組成に関して、除細動を繰り返す場合その感覚を最小化する、3連続あるいは"Stacked"ショックが推奨されていたが、次第に胸骨圧迫中断による患者予後悪化が示唆され、2005年蘇生ガイドラインでは2分という圧迫中断最小化のためのプロトコールが採用された。




2004年以降、初回除細動・通電後持続のVT/VFにおいて、早期ではない、間隔を開けたdeferred2回目通電がなされる比率増加し、以前の倍となっているが、生命予後改善と関連してない


Defibrillation time intervals and outcomes of cardiac arrest in hospital: retrospective cohort study from Get With The Guidelines-Resuscitation registry
Steven M Bradley, et. al.
BMJ 2016; 353 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.i1653 (Published 06 April 2016)


米国172病院、  Get With The Guidelines-Resuscitation registry, 2004-12.

early:初回通電と2回目以降の通電の間:1分以内 と deferred:間隔1分以上


退院までの生存期間


初回除細動後のpersistent VT/VF 2733名のうち
deferred2回目通電 1121(41%)
deferred2回目通電は2004年26%から2012年57%へ増加(P<0 .001="" br="" for="" trend="">
early2回目通電比較し、非補正患者アウトカムは、deferred2回目通電で、有意に悪化
 (自発循環回復 57.4% v 62.5%、 24時間生存 38.4% v 43.6%、退院生存:24.7% v 30.8% ; P<0 .01="" all="" br="" comparisons="" for="">


リスク補正後、deferred2回目通電は、退院生存有意相関認めず  (propensity 加重補正リスク比 0.89, 95% 信頼区間 0.78 ~ 1.01; P=0.08;階層回帰補正 0.92, 0.83 ~ 1.02; P=0.1)

2016年4月7日木曜日

予後源的的高齢者にPSA検診する医師:高齢医師・ 泌尿器専門医・男性医師

予後限定対象者にも前立腺癌PSA検診検診をする医者たちの分析

高齢医師(対若年医師)・ 泌尿器専門医(対老人病専門医)・男性医師(対女医)



Clinician Factors Associated With Prostate-Specific Antigen Screening in Older Veterans With Limited Life Expectancy
Victoria L. Tang, et. al.
JAMA Intern Med. Published online April 04, 2016. doi:10.1001/jamainternmed.2016.0695



Limited life expectancyの定義
 Charlson comorbidity score 1の85歳以上
 Charlson comorbidity score 4以上の65歳以上
 e.g. http://www.thecalculator.co/health/Charlson-Comorbidity-Index-(CCI)-Calculator-765.html

 65歳以上826,286退役軍人PSA検診登録、2011年VA医療システム

 プライマリ推定要素は、degree-training levelを含む臨床特性、専門、年齢、性別

 log-linear Poisson regression modelで、臨床特性とPSA検診の相関性を患者予後と患者住民特性・医師クラスタリング補正


2011年、PSA検診 466 017 (56%) を受け、203,717名の39%が limited life expectancy


患者住民統計指標補正後、limited life expectancy患者のPSA検診施行率の高いのは、より高齢男性、もはやphysician traineeうけてない男性医師と関連
PSA検診率は、physician trainee男性医師の 27%から、attending physician男性医師の42%までのレンジ( P < 0.001)
老人病専門医男性 22% 〜 泌尿器専門医男性 82% ( P < 0.001)
35歳以下の医師男性 29%、56歳以上の医師 41%  ( P < 0.001)

55歳超女性医師 38% vs 55歳超男性医師 43%  ( P < 0.001)



高齢医師の仲間である私・・・引退せよとのお達しでしょうか?・・・って書いたら又、変な噂が世間に広まるかな?




米国予防医学作業部会: 無症状に対するCOPD検診に意義認めず

USPSTF RECOMMENDATION STATEMENT
Screening for Chronic Obstructive Pulmonary Disease
US Preventive Services Task Force Recommendation Statement
US Preventive Services Task Force (USPSTF)
JAMA. 2016;315(13):1372-1377. doi:10.1001/jama.2016.2638.

推奨:Grade D

2008年版と同様、USPSTFは無症状COPDのスクリーニングは健康関連QOL改善に寄与するエビデンスを見いだせないとした
USPSTFは、症候出現前COPD早期検出は疾患経過、患者アウトカム変化をもたらさないと断定
USPSTFは、無症候COPDのスクリーニングではネットベネフィットを有さないと中等度の確からしさで断定した

一方で、特に妊婦を含む全成人への臨床医の喫煙問診とたばこ関連使用者への禁煙介入提供を推奨。教育・ブリーフカウンセリング、就学児童・青年へのタバコ使用開始予防を含む介入を推奨







Screening for Chronic Obstructive Pulmonary Disease
D Is the New F
David H. Au
JAMA Intern Med. Published online April 05, 2016. doi:10.1001/jamainternmed.2016.1115





人間ドックなどであまねくスパイロメトリ施行されている日本の現状


あの評価って・・・意外と臨床上難しい




COPD検診なんてするな!・・・と、ダイレクトな呼びかけ
Screening for COPD not recommended
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-04/tjnj-sfc040116.php

2016年4月6日水曜日

高血圧63歳以上:コーヒー習慣的摂取は血圧増加させる

コントロール不良定義に疑問あるが・・・コーヒー飲用を褒めそやしすぎる昨今の風潮にはホントかな?と疑念も


確かに、24時間持続血圧モニタリングをみればさすがにコーヒー飲用で血圧上がるだろう



Habitual coffee consumption and 24-h blood pressure control in older adults with hypertension
Clinical Nutrition, 04/05/2016
LopezGarcia E, et al.  ; CIBER of Epidemiology and Public Health (CIBERESP)
http://www.clinicalnutritionjournal.com/article/S0261-5614(16)30009-7/abstract


63歳以上、1164名、2012年スペイン横断研究: Seniors-Study on Nutrition and Cardiovascular Risk in Spain (ENRICA)
習慣的コーヒー飲用をvalidated diet historyで評価
血圧は24時間ABPM
Ambulatory hypertension定義:  BP ≥130/80 mm Hg or 降圧薬使用
uncontrolled BP は BP ≥130/80 mm Hg


715名の高血圧被検者において、コーヒー3カップ/日飲用では、非引用者に比べ、24時間収縮期血圧高値 (beta: 3.25 mm Hg, p value=0.04)、拡張期血圧高値 (beta: 2.24 mm Hg, p value=0.02)

非飲用者に比べ、uncontrolled BPオッズ比(95%信頼区間)はコーヒー飲用レベル1日1杯、2杯、3杯以上でそれぞれ: 1.95 (1.15-3.30)、 1.41 (0.75-2.68)、 2.55 (1.28-5.09); p for trend=0.05.

喫煙者、体重過剰(BMI 25以上)、メディタレニアン・ダイエット非遵守、高コレステロール血症でも同様

高血圧患者において、コーヒー摂取量とnon-dipper 血圧パターン(夜間血圧減少10%未満)に相関性認めず

左胃動脈塞栓術・減肥治療 ・・・ 

前述の上腕周囲長の話題とは異なるが、BMIより腹部周囲径が糖尿病・重度心疾患症状無い場合の有効

1型・2型糖尿病、心疾患症状伴わない場合、腹部肥満は重篤心疾患の強い予後因子

Waist circumference is stronger predictor of heart disease than BMI
Researchers found that abdominal obesity, or having an apple-shaped body, is a strong predictor of serious heart disease in patients who have type 1 or type 2 diabetes, and haven't displayed any symptoms of heart disease
Date: April 2, 2016 
https://www.sciencedaily.com/releases/2016/04/160402111232.htm



・・・・・・・・・・・・・
一方それに対し、左胃動脈塞栓術・減肥治療



Review;Bariatric Left Gastric Artery Embolization for the Treatment of Obesity: A Review of Gut Hormone Involvement in Energy Homeostasis
Kevin Anton, et. al.
Citation: American Journal of Roentgenology. 2016;206: 202-210. 10.2214/AJR.15.14331
Read More: http://www.ajronline.org/doi/abs/10.2214/AJR.15.14331



7名の重度肥満に対し、「低侵襲」という触れ込みで、重度副作用無く治療され、一定程度の体重減少 平均13%体重減少を6ヶ月間の治療期間にて認めた

重度肥満7名、胃動脈塞栓は減量ツールとしてまだ臨床治験の過程ですらなく、他治療法とともに確認されてない

低リスク患者:High-flow nasal cannula oxygen (HFNC) vs 通常酸素療法:抜管後効果

ハイフロー療法についてのナラティブ・レビュー
http://kaigyoi.blogspot.jp/2015/02/blog-post_19.html




High-flow nasal cannula oxygen (HFNC)  vs 通常酸素療法:抜管後効果


Effect of Postextubation High-Flow Nasal Cannula vs Conventional Oxygen Therapy on Reintubation in Low-Risk Patients
A Randomized Clinical Trial
Gonzalo Hernández, et. al.
JAMA. 2016;315(13):1354-1361. doi:10.1001/jama.2016.2711.

低リスク群
(65歳未満、APAHEIIスコア12未満、BMI 30未満、適切な分泌管理、単純なウィーニング、合併症0−1、心不全や中等度・重度COPDなし、気道管理問題・人工呼吸遷延なし)

通常の酸素療法に比べ、high-flow nasal cannula oxygen使用により、再挿管低リスク群での72時間内再挿管リスク減少

527名(平均年齢51 [レンジ, 18-64]歳
高流量治療 264名、 通常酸素療法 263名

72時間内再挿管は 高流量群は通常酸素療法群より少ない(高流量 13 名 [4.9%] vs 通常治療 32 [12.2%]  絶対差, 7.2% [95% CI, 2.5% to 12.2%]; P = 0.004)
創刊後呼吸不全も、高流量群で少ない  (22/264 名 [8.3%] vs 38/263 [14.4%]; 絶対差, 6.1% [95% CI, 0.7% to 11.6%]; P = .03)

再挿管までの期間は群間差なし (高流量群 19 時間 [中間4分位, 12-28]  vs 通常値量群15 時間 [中間4分位, 9-31] ; 絶対差, −4 [95% CI, −54 to 46]; P = .66]

副事象報告なし





私自身は、水浸し治療に関してあまねく使用することの危険性に危惧を感じている


http://www.jseptic.com/journal/49.pdf

2016年4月4日月曜日

心不全:予後推定としてBMIに腹囲半径より上腕周囲長を検討の方が補完的

日本からの報告

腹囲/上腕周囲長比較は小児・成長期のテーマと思っていた


心不全患者で、上腕周囲長評価というのは・・・


Complementary Role of Arm Circumference to Body Mass Index in Risk Stratification in Heart Failure
Kentaro Kamiya, et. al.
JCHF. 2016;4(4):265-273. doi:10.1016/j.jchf.2015.11.010
http://heartfailure.onlinejacc.org/article.aspx?articleid=2491370#tab1

方法  BMI、ウェスト径 waist circumference (WC)、上腕中心部周囲長 mid-upper arm circumference (MUAC)を 570 名の心不全連続患者で測定  (平均年齢 67.4 ± 14.0 歳)
BMI、WC、MUACにしたがい高低分類層別化
エンドポイントは全原因死亡率
フォローアップ中央期間1.5(IQR 0.7 - 2.8年)年間 死亡70
いくつかの事前予後因子、Seattle Heart Failure Score と exercise capacity補正後、以下予後と逆相関
・ BMI (hazard ratio [HR]: 0.68; p = 0.016)
・ WC (HR: 0.76; p = 0.044)
・ MUAC (HR: 0.52; p < 0.001)


高BMI/高WC群と比較し、低BMI/高WCと低BMI/低WC群は予後同等

しかし、低BMI/低-MUAC群(上腕中心部周囲長)のみ、高BMI/高MUAC群に比べ予後不良で、低BMI/高MUAC群では予後不良認めない

MUACをBMIに加えることで、AUC/ROC有意に増加するI (0.70 vs. 0.63, p = 0.012) も、WCにBMIを加えても増加しない (0.64 vs. 0.63, p = 0.763)

結論:上腕中心部周囲長は、心不全患者の予後推定として、BMIに補完的役割を果たすが、ウェスト径はその役割を果たさない



GAUSS-3 :スタチン筋症状非耐用:抗PCSK9抗体「エボロクマブ」はゼチーアに比べ筋症状副作用少なく、LDL減少著明・・・ コストは???

「エゼチミブ」:ゼチーア は未だ、重大心血管イベントに対する有効性確立してないと言って良いだろう
Clinical Efficacy and Safety of Ezetimibe on Major Cardiovascular Endpoints: Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials
PLoS One. 2015; 10(4): e0124587.Published online 2015 Apr 27. doi:  10.1371/journal.pone.0124587

LDL減少効果甚だしいエボロクマブへの有効性は期待するものの・・・やはりMACEに関する有効性が示されなければ疑心暗鬼
非FH・高コレステロール血症:スタチン非耐用患者に対しいかなる医療実践すべきか?
フィブラート系は?
Use of fibrates in the metabolic syndrome: A review
World J Diabetes. 2016 Mar 10; 7(5): 74–88.
Published online 2016 Mar 10. doi:  10.4239/wjd.v7.i5.74
PMCID: PMC4781903
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4781903/

・・・などと考えながら、論文を読んだ!


Efficacy and Tolerability of Evolocumab vs Ezetimibe in Patients With Muscle-Related Statin Intolerance
The GAUSS-3 Randomized Clinical Trial
Steven E.
Nissen, et. al. ; for the GAUSS-3 Investigators
JAMA.
Published online April 03, 2016. doi:10.1001/jama.2016.3608
意義  筋肉関連スタチン非耐用は患者のうち5%〜20%と報告

目的  スタチン再チャレンジにより確認された筋肉症状患者確認し、2つの非スタチン治療、「エゼチミブ」および抗PCSK9抗体「エボロクマブ」と脂質低下効果を比較

デザイン・セッティング・被検者  2段階ランダム化臨床トライアル(511名の成人患者: LDL非コントロールレベル・2剤以上のスタチン非耐用症例:2013−2014グローバル登録)
A相:24週交差施行:アトルバスタチン or プラシーボ :筋肉症状同定のため
B相:2週間洗い出し後、患者をエゼチミブ or エボロクマブ 24週間投与へ割り付け

介入
A相:アトルバスタチン (20 mg) vs プラシーボ
B相:ランダム化 2:1 エボロクマブ 皮下注 (420 mg 月毎) or 経口エゼチミブ(10 mg 連日)
主要アウトカム・測定項目
合同プライマリエンドポイント:ベースラインから22週から24週平均とベースラインから24週の平均パーセント変化

結果
A相エントリー491名患者 (平均年齢, 60.7 [SD, 10.2] 歳; 女性 246 [50.1%]; 冠動脈性心疾患170 [34.6%]; エントリー時平均 LDL-C 値, 212.3 [SD, 67.9] mg/dL)、プラシーボ投与時は出現せず・アトルバスタチン投与時筋症状出現 209 / 491 (42.6%)
B相エントリー199名患者、CK増加 B相直接施行19名を含み (N = 218, エゼチミブ ランダム化 73、エボロクマブ 145 ; エントリ時平均 LDL-C 値, 219.9 [SD, 72] mg/dL)
22−24週平均に関し、LDL-C値 
エゼチミブ 183.0 mg/dL; 平均%変化 LDL-C , −16.7% (95% CI, −20.5% to −12.9%), 絶対値変化, −31.0 mg/dL
エボロクマブ 103.6 mg/dL;平均%変化 LDL-C , −54.5% (95% CI, −57.2% to −51.8%); 絶対値変化, −106.8 mg/dL (P < .001)

エゼチミブ24週目 LDL-C 値 181.5 mg/dL; 平均%変化 LDL-C , −16.7% (95% CI, −20.8% to −12.5%); 絶対値変化, −31.2 mg/dL
エボロクマブ 104.1 mg/dL; 平均%変化 LDL-C ,  −52.8% (95% CI, −55.8% to −49.8%);絶対値変化, −102.9 mg/dL (P < .001)
22-24週平均に関し、LDL-C 群間差 −37.8%;絶対値差 −75.8 mg/dL.
24週平均に関し、LDL-C 群間差  −36.1%; 絶対値差 –71.7 mg/dL

筋肉症状:エゼチミブ患者 28.8%、エボロクマブ患者 20.7% (log-rank P = .17)
筋肉症状のためのactive study drug中止 エゼチミブ 5/73 (6.8%)、 エボロクマブ 1/145 (0.7%)


結論・知見
筋肉症状関連副作用関連スタチン非耐用患者において、
エボロクマブはエゼチミブに比較して有意なLDL減少を24週以降も認める
長期有効性・安全性が課題
Trial Registration  clinicaltrials.gov Identifier: NCT01984424

LDL 190mg/dL異常症例中、家族性高コレステロール血症遺伝子変異比率は?

LDL 190 mg/dL以上の症例中、家族性高コレステロール血症遺伝子変異(7症例対照研究、26,025症例のLDLR機能異常変異)同定比率は?


Diagnostic Yield of Sequencing Familial Hypercholesterolemia Genes in Patients with Severe Hypercholesterolemia
Amit V. Khera, et. al.
J Am Coll Cardiol. 2016;():. doi:10.1016/j.jacc.2016.03.520





僅か2%未満



PCSK9阻害剤使用可能となり、その至適治療対象として、家族性高コレステロール血症、注目されているが・・・LDL-R機能障害遺伝子異常同定外の症例に対しどう処すか?

具体的には、他の遺伝子異常もしくは環境的要素など考慮される高コレステロール大多数に対する対応は?


家族性高コレステロール血症について(一般社団法人 日本動脈硬化学会)
http://www.j-athero.org/specialist/fh_s.html

2016年4月2日土曜日

ピオグリタゾン:膀胱癌関連疫学コホート報告

米国では訴訟となっている(た)問題  https://goo.gl/GwrCVz
 エビデンスレベルの低い疫学報告だが、今回の報告、多方面に影響波及することはなさそうだが・・・“日本の薬害に声を大きくする団体”などの活動に影響与えないだろうか?


 10万対30−40名での膀胱癌への絶対的リスク増加と、下段追記のごときNNT45程度の動脈硬化イベント回避効果・・・ 薬というのは、とらえ方によって実に難しいアイテムであると感じる



Pioglitazone use and risk of bladder cancer: population based cohort study
    Marco Tuccori, et. al.
    BMJ 2016; 352 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.i1541 (Published 30 March 2016) Cite this as: BMJ 2016;352:i1541
   
   
689,616人年フォローアップコホート、新規膀胱癌622名診断(粗発生率10万人年対 90.2)

他抗糖尿病薬比較にて、ピオグリタゾンは膀胱癌発生リスク増加と関連  (121.0 v 88.9 per 100 000 人年; ハザード比 1.63, 95% 信頼区間 1.22 to 2.19)

逆に、ロシグリタゾンは膀胱癌リスク増加と関連せず (86.2 v 88.9 per 100 000 person years; 1.10, 0.83 to 1.47).
期間依存、用量依存関係がピオグリタゾンに見られ、ロシグリタゾンでは見られなかった



せっかく、アクトス(ピオグリタゾン)の臨床的有用性あきらかになったのにね


IRISトライアル:アクトスの非糖尿病・インスリン抵抗症例に対する卒中二次予防効果
http://kaigyoi.blogspot.jp/2016/02/blog-post_18.html

Pioglitazone after Ischemic Stroke or Transient Ischemic Attack
Walter N. Kernan, , for the IRIS Trial Investigators
February 17, 2016DOI: 10.1056/NEJMoa1506930
ちなみに、こちらの NNT (Number Needed to Treat) は45(  95% confidence interval for the NNT ranges from 25.0 to 197.6)である。



治療不応喘息:抗IL-5抗体薬 レスリズマブ 第3相

抗IL-5抗体薬
  • グラクソ・スミスクライン メポリズマブ(「ヌーカラ®皮下注用100mg」)
  • テバ社 レスリズマブ(SCH55700)

ヌーカラに関して・・・
抗IL-5モノクローナル抗体: Mepolizumab:経口ステロイド節約効果、急性増悪減少効果 http://kaigyoi.blogspot.jp/2014/09/il-5mepolizumab.html




Phase 3 Study of Reslizumab in Patients with Poorly Controlled Asthma: Effects Across a Broad Range of Eosinophil Counts
Jonathan Corren, et. al.
Chest. 2016. doi:10.1016/j.chest.2016.03.018

背景  Interleukin-5 (IL-5)は、好酸球活動性に伴うメディエータであり、コントロール不良喘息の重要な治療ターゲット候補。
ヒト抗IL-5モノクローナル抗体、レスリズマブの有効性は、好酸球数400個/μL以上の患者に特異的。
この研究は、コントロール不良大美好酸球数400個/μL未満の患者でのレスリズマブの有効性・安全性を特性化するもの

方法  静注レスリズマブ 3.0mg/kgとプラシーボ 4週1回16週間割り付け
プライマリエンドポイントは、ベースラインから16週目FEV1
セカンダリ測定は、 Asthma Control Questionnaire-7 (ACQ-7) score、short-acting beta-agonists (SABAs)使用、 forced vital capacity (FVC).

結果  プラシーボ1回以上の投与 (n=97) 、レスリズマブ (n=395)、492名
全体では、平均FEV1 ベースラインから16週目の変化はレスリズマブとプラシーボと有意差認めず、ベースライン好酸球数とFEV1の変化に統計学的有意な関連性認めず
ベースライン好酸球400個/μL患者サブグループでは、レスリズマブはプラシーボ比較FEV1改善統計学的有意性なし
ベースライン好酸球400個/μL以上のサブグループでは、レスリズマブはFEV1、QCQ-7,レスキューSABA使用、FVC著明改善と関連
レスリズマブは耐用性良好で、プラシーボに比べ包括的な副事象イベント少ない (55% vs 73%)

結論 レスリズマブはコントロール不十分な喘息患者に耐用性良好。臨床的意義を認める肺機能・症状コントロールはベースラインの好酸球数選別しないと得られない。

2016年4月1日金曜日

世界200ヶ国の成人BMI

このままだと、世界の肥満率は、2015年には男性の18%、女性の21%まで到達する、BMI 35以上の重度肥満はそれぞれ6%、9%まで
だが、低体重も存在し、特に南アジアはめだつ


Trends in adult body-mass index in 200 countries from 1975 to 2014: a pooled analysis of 1698 population-based measurement studies with 19·2 million participants
NCD Risk Factor Collaboration (NCD-RisC)
www.thelancet.com Vol 387   April 2, 2016
http://www.thelancet.com/pdfs/journals/lancet/PIIS0140-6736%2816%2930054-X.pdf


1698の住民ベースデータ源、1920万名成人被検者(男性 990万、女性 930万)、200ヶ国中186国作成推定


Global な年齢補正平均BMI は、
男性:1975年 21.7 kg/m2 (95% credible interval 21.3–22.1)  → 2014年 24.2 kg/m2 (24.0–24.4)と増加
女性: 22.1 kg/m2 (21.7–22.5) →  24.4 kg/m2 (24.2–24.6)と増加



地域的平均BMIに関して
男性
  • 中央アフリカ・南アジア:21.4 kg/m2
  • ポリネシア・ミクロネシア:29.2 kg/m2 (28.6–29.8)
女性
  • 南アジア:21.8 kg/m2 (21.4–22.3)
  • ポリネシア・ミクロネシア:32.2 kg/m2 (31.5–32.8)


40年間の年齢補正Global頻度は減少し、男性 13.8% (10.5–17.4) → 8.8% (7.4–10.3) 、女性 14.6% (11.6–17.9) → 9.7% (8.3–11.1)
南アジアは2014年で最も頻度多く、男性 23.4% (17.8–29.2) 、女性  24.0% (18.9–29.3)

年齢補正肥満頻度は男性 1975年 3.2% (2.4–4.1)  → 2014年 10.8% (9.7–12.0)   、女性 6.4% (5.1–7.8) → 14.9% (13.6–16.1)

重度肥満 (i.e. BMI 35以上)は世界的には男性 2.3% (2.0 - 0.7) 、女性 5.0% (4.4–5.6)
世界的には、病的肥満は男性 0.64% (0.46–0.86) 、女性 1.6% (1.3–1.9) 




母子喫煙:母体喫煙とこどものDNAのメチル化

 エピジェネティックのなかで、DNAメチル化の研究だけが目立つわけだが・・・

一般に、哺乳類の場合に、DNAのメチル化といえば、5'- CG -3' (CpGと書くこともあります。)という塩基配列中のC(シトシン)という塩基に生じるメチル化のことです。・・・DNAがメチル化した結果何がおこるのかは、どのような 働きをするDNA領域がメチル化したのかということによって変わってきます。遺伝情報の読み出しを妨げることもありますし、逆に促進することもあるので す。様々なDNA領域で本来と異なるメチル化の状態が生じることによって細胞の機能に異常が生じるのは、このような変化を介して遺伝情報が適切に読み出さ れなくなるためだと考えられます。



DNAメチル化を含むエピジェネティック変化がヒトの疾患に環境的インパクトをもたらす。妊娠中母体での喫煙は公衆衛生上の問題で有り、多方面から子供の健康へ影響を与え、生涯影響を与えるゆゆしき問題である。一方、子供への悪影響メカニズムは大部分不明で、そのメカニズム解明に対しエピジェネティックが大きな役割を果たす可能性がある。



DNA Methylation in Newborns and Maternal Smoking in Pregnancy: Genome-wide Consortium Meta-analysis 
Bonnie R.  Joubert, et.  al.
The American Journal of Human Genetics (2016),


13コホート、n=6,685のPregnancy And Childhood Epigenetics (PACE) consortium およびメタ解析で、母親の喫煙と新生児血液DNAメチル化、 450,000 CpG 部位 (CpGs)( Illumina 450K BeadChip)相関性検討


6000超のCpGで、母体喫煙関連の様々なメチル化がゲノムワイド統計学的有意性(偽発見率 5%)、2017の遺伝子に対応する2,965のCpGを含み、これは新生児・成人ともに喫煙関連として新発見。
口蓋裂や喘息など母体喫煙原因疾患としていくつかの遺伝子も見いだされ、メチル化CpGの多数で遺伝子発現認められ、土台メカニズム解明に役立つのかもしれない


noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note