2015年3月31日火曜日

世帯収入をは脳表面面積を対数的に反映

民主党・岡田をますます嫌いになった国会中継
 19日の衆院予算委員会で、民主党の岡田克也代表と安倍晋三首相が格差論争を繰り広げた。岡田氏が「全員が頑張れば夢がかなうのか」と質問。首相は自らについて「私の努力だけで首相になったという傲慢な人間ではない」と前置きし、「政治はかなり運に左右される。父も祖父も政治家で、大きなアドバンテージがあった」と答えた。首相の祖父は岸信介元首相、父は安倍晋太郎元外相。
 流通大手、イオンの創業者を父に持つ岡田氏は「私もずいぶん運が良かった。先祖、両親、家族、何より支持してもらった方に恵まれた」とまず言及。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS19H52_Z10C15A2PP8000/

安陪総理も、民主・岡田も、相当脳表面面積大きいんでしょうなぁ

ほんとに、いやな野郎だ・・・と、私を含めた貧乏育ちの人間たちは思うだろう。


だが、民主・岡田の言うとおり、安倍総理も、岡田代表もめぐまれた環境でお育ちで、脳のサイズも優秀なはず・・・ ぜひ、その優秀な頭で、せめて国会内ではまともな議論をしてくださいな・・・


彼らがいかに恵まれているか・・・



Family income, parental education and brain structure in children and adolescents
Kimberly G Noble, et. al.
Nature Neuroscience (2015) doi:10.1038/nn.3983
Received 26 August 2014 Accepted 27 February 2015 
Published online 30 March 2015

世帯収入と大脳皮質表面: Family income is logarithmically related to cortical surface area (N = 1,099).


親の教育レベルと大脳皮質面積:

親の教育レベルと左海馬容積: Parental education is quadratically associated with left hippocampal volume (N = 1,099).


変形性関節症への運動療法前ステロイド関節内注射では付加的ベネフィット効果認めず



Evaluation of the Benefit of Corticosteroid Injection Before Exercise Therapy in Patients With Osteoarthritis of the KneeA Randomized Clinical Trial
Marius Henriksen, et. al.
JAMA Intern Med. Published online March 30, 2015. doi:10.1001/jamainternmed.2015.0461

運動療法前にステロイド注射をすることの意義について検討

ランダム化盲検プラシーボ対照化臨床トライアル
1:1割り付け
・ メチルプレドニゾロン・アセテート(Depo-Medrol) 40mg/mL 1mL + リドカイン塩酸塩 4mL 関節内注
・ 当直食塩水 1mL + リドカイン塩酸塩 4mL 関節内注
被験者は、レントゲン上の臨床的膝変形性関節症、膝の局在炎症臨床所見、歩行中膝痛(0−10スケールで4を超える場合)確認
プライマリアウトカムは、第14週の Knee Injury and Osteoarthritis Outcome Score (KOOS) アンケートのPainサブスケールの変化(レンジ:0−100、スコア高値ほど改善を示す)、セカンダリアウトカムは、KOOSサブスケールや身体機能・炎症客観的評価。アウトカムは、ベースライン、第2週(運動スタート)、第14週(運動終了)、第26週(フォローアップ時)

100名をランダム化割り付け; ステロイド膝関節注射群、プラシーボ群をそれぞれ50名
治療完遂は それぞれ、45名、44名。

KOOS疼痛サブスケール 平均(SE)変化は、14週で 13.6(1.8) vs 14.8(1.8)
統計学的有意差無し ;平均差1.2 ポイント(95% CI, −3.8 〜 6.2; P =  .64)

セカンダリアウトカム全ての段階で統計学的有意差認めず





長時間作用ステロイド・デポ製剤注入是認の記載をウェブ上見受けるが、デポ製剤の副腎皮質への悪影響をは甚大・・・




リンゴは医者いらず? ・・・ 完全否定できず、肯定もできない

日本で言うなら、「医者いらず」ってやつ?

 “An apple a day keeps the doctor away” ・・・ 「りんごは医者いらず」ってのは私には初見。

ざっくり言えば、急性期医療や手術/放射線など物理的医療など例外を除けば、特に、一次予防医療において、「医者って、そんなに役立ってない」。だって、NNTなどでいえば2未満の予防的薬物治療薬剤はほとんどないし・・・。健康的なライフスタイルに優る予防的処方薬剤って存在したっけ?

だから、リンゴに限らず・・・ 「医者いらず」はある面正しいのかもしれない



Association Between Apple Consumption and Physician VisitsAppealing the Conventional Wisdom That an Apple a Day Keeps the Doctor Away
Matthew A. Davis,  et. al.
JAMA Intern Med. Published online March 30, 2015. doi:10.1001/jamainternmed.2014.5466

横断研究(米国内データ代表サンプル:National Health and Nutrition Examination Survey、施設外米国成人、18歳以上、8728サンプル、2007-2008、2009-2010)

主要アウトカムは、医師受診無し継続

対象アンケート完遂被験者 8399名のうち、

リンゴ常食(連日少なくとも1個のリンゴ相当、生リンゴ 149g摂取者)753名(9.0%)、典型的摂取者は、1日あたりリンゴ小1個以上。

7646名のリンゴ非常食者(91.0%)に比べ、リンゴ常食者は、教育卒業レベルが高く、人種的・民族的マイノリティーが多く、喫煙率が低い (p < 0.001)

リンゴ常食者は、粗分析だと、医師受診歴少ない(処方薬剤も少ない)。
リンゴ常食者 39.0% vs  非常食者 33.9% (p = 0.03)

社会住民統計、医療関連特性補正後、その相関は消失し、有意差消失 (OR, 1.19; 95% CI, 0.93-1.53; P = .15)

補正解析後、リンゴ常食者の処方薬回避との相関は境界的に有意差残存  (odds ratio, 1.27; 95% CI, 1.00-1.63)

一夜病院滞在越え状況やメンタル医療機関受診で差を認めず


結論から言えば、ほぼ否定的なのだが、処方薬剤に関しては減少の可能性ありですべてを否定できる状況にはなかった




2015年3月30日月曜日

致死性心血管疾患10年間リスク 国別ばらつきかなりあり、 国別予測式作成必要

心血管疾患のt正確な推定式となるため、国毎の予測式

中国、チェコ、デンマーク、英国、イラン、日本、マラウイ、メキシコ、韓国、スペイン、米国
China, Czech Republic, Denmark, England, Iran, Japan, Malawi, Mexico, South Korea, Spain, and USA


A novel risk score to predict cardiovascular disease risk in national populations (Globorisk): a pooled analysis of prospective cohorts and health examination surveys
Kaveh Hajifathalian,  et. al.
The Lancet Diabetes & Endocrinology ; Published Online: 25 March 2015
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/S2213-8587(15)00081-9

リスクスコアは、内外評価者での判別良好で、C統計値は70%以上。

年齢、リスク要素はどの状況でも、推定10年致死性心血管疾患リスクの国別ばらつきあり

 致死性心血管疾患高リスク比率が少ないのは、韓国、スペイン、デンマークで男女とも10%リスク超の比率は、男女とも5-10%。3%リスク未満は男性 62-77%、女性 79-82%。

 逆に、最もリスクが高い人口比率の国は、中国とメキシコ。
中国においては、致死性心血管疾患10年リスク10%超の比率  男性33%、女性28%。
メキシコは、男性 16%、女性 11%。10年リスク3%未満比率は中国では男性 37%、 女性 42%、メキシコでは 男性 55%、女性 69%。


心血管疾患リスク予測式は国別に開発すべき


中国の不健康さ ・・・ 群を抜いている


http://www.m-junkanki.com/kennsinn/kennsinn_ND80_CV.html

野球:肘・膝損傷 ・・・ 身長高いほど、球速速いほど、試合チーム数多いほど悪化


http://www.sportsmed.org/Education/Meetings/Specialty_Day_2015/Specialty_Day/
2015 Specialty Day 3/28/2015 

American Orthopaedic Society for Sports Medicine's (AOSSM)のスポーツ医学記念日の報告

球速、プレイヤーの身長、多チームへの投球などが、肩や肘の外傷病歴と相関する。


身長が10cm高いほど外傷歴尤度10%増加、球速 10マイル/時間増すほど12%尤度増加、試合相手チーム数1つ増えるほど22%増加。


 3つの要素すれば、外傷病歴 77%の精度で、その病歴を予測可能。

変化球に関しては予測要素とならず、変化球ピッチャーでは球速は外傷歴と相関せず

http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-03/aosf-rhs032515.php 



がんばれタブチ君のヤスダが理想的?

逆流性食道炎は非感染性鼻炎のリスク要素

逆流性食道炎(GERD)は鼻炎/副鼻腔炎発症のリスク要素らしい


5417名、1945-1973生まれを対象に1999-2001年、2010-2012年質問にて非感染性鼻炎(NIR)発症のに関する年齢、性別、BMI、喫煙、喘息、夜間GERDに対するオッズ比を計算


Nocturnal GERD - a risk factor for rhinitis/rhinosinusitis: the RHINE study.
Allergy. 2015 Mar 24. doi: 10.1111/all.12615.

10年間の観察期間中、NIR発症 1034名 (19.1%)


1999-2010年ともに、夜間GERD患者は2010年におけるNIR比率多い  (2.8% vs 1.2%,p<0.001)。

1999年 逆流数/週間と、2010年 NIRのリスクに、量依存的有意相関あり p=0.02

 
 年齢、性別、BMI、喫煙と喘息要素補正による多変量回帰にて、1999年夜間GERD(夜間GERD/週 3回以上)は、2010年NIR発症のORとして 1.6 (95% CI 1.0-2.5, p=0.03)


 喫煙は、NIR発症  NIR (30.7% vs 24.0%(p < 0.001)と、夜間GERD発症ともにリスク増加と関連



アレルギー性鼻炎にはガイドラインも多く存在する(http://kaigyoi.blogspot.jp/2015/02/blog-post_3.html)が、非アレルギー性となるとやや微妙。non-allergic rhinitis ( vasomotor rhinitis)と記載される報告もある。



 では、非感染性とは・・・ アレルギー性鼻炎と vasomotor rhinitisということか?


PONDsの逆で、胃酸が鼻腔にまで影響をあたえるのだろうか?

2015年3月29日日曜日

片頭痛と鍼

Acupuncture for Migraine Prevention
Arnaldo Neves Da Silva
Headacke, Article first published online: 16 FEB 2015
DOI: 10.1111/head.12525


British Acupuncture Council
http://www.acupuncture.org.uk/a-to-z-of-conditions/a-to-z-of-conditions/migraines.html


果たして本当にプレシーボ効果が否定できるのか?

【プラシーボ・システマティックレビュー】
経口プラシーボより、偽鍼や偽手術でプラシーボ効果大きい
http://kaigyoi.blogspot.jp/2013/10/blog-post_4990.html

2015年3月27日金曜日

同じ日の新聞で相反する見出し・・・ 新聞てのは印象操作し放題なんだなぁと改めて思う

経済学とか世情に疎い私だが、この記事見出しはひどい!

同じ日の日経新聞

同じ情報ソースで、「消費持ち直した」と「増税前の反動続く、小売業販売額減少」と2つの相反する見出し

政府持ち上げ記事の方である「消費持ち直し」の根拠は、「減少幅が大幅に縮み」だって・・・ 

雇用や消費持ち直したが





小売業販売額は1.8%減少2月、増税前の反動続く





Macrolide therapy suppresses key features of experimental steroid-sensitive and steroid-insensitive asthma
Ama-Tawiah Essilfie, et. al.
Thorax doi:10.1136/thoraxjnl-2014-206067


Steroid-insensitive endotypes of asthma are an important clinical problem and effective therapies are required. They are associated with bacterial infection and non-eosinophilic inflammatory responses in the asthmatic lung. Macrolide therapy is effective in steroid-insensitive endotypes, such as non-eosinophilic asthma. However, whether the effects of macrolides are due to antimicrobial or anti-inflammatory mechanisms is not known.

Objective To determine and assess the efficacy of macrolide (ie, clarithromycin) and non-macrolide (ie, amoxicillin) antibiotic treatments in experimental models of infection-induced, severe, steroid-insensitive neutrophilic allergic airways disease (SSIAAD), compared with steroid-sensitive AAD and to delineate the antimicrobial and anti-inflammatory effects of macrolide therapy.

Methods We developed and used novel mouse models of Chlamydia and Haemophilus lung infection-induced SSIAAD. We used these models to investigate the effects of clarithromycin and amoxicillin treatment on immune responses and airways hyper-responsiveness (AHR) in Ova-induced, T helper lymphocyte (Th) 2 -associated steroid-sensitive AAD and infection-induced Th1/Th17-associated SSIAAD compared with dexamethasone treatment.

Results Clarithromycin and amoxicillin had similar antimicrobial effects on infection. Amoxicillin did attenuate some features, but did not broadly suppress either form of AAD. It did restore steroid sensitivity in SSIAAD by reducing infection. In contrast, clarithromycin alone widely suppressed inflammation and AHR in both steroid-sensitive AAD and SSIAAD. This occurred through reductions in Th2 responses that drive steroid-sensitive eosinophilic AAD and tumour necrosis factor α and interleukin 17 responses that induce SSIAAD.

Conclusions Macrolides have broad anti-inflammatory effects in AAD that are likely independent of their antimicrobial effects. The specific responses that are suppressed are dependent upon the responses that dominate during AAD.

CTRP1 (complement-C1q TNF-related protein 1) は、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD) のマーカー

CTRP1 (complement-C1q TNF-related protein 1) は、NAFLDのマーカー

2型糖尿病、NAFLDいずれかもしくは両者併病で増加


Circulating Level of CTRP1 in Patients with Nonalcoholic Fatty Liver Disease (NAFLD): Is It through Insulin Resistance?
Parisa Shabani, et. al.
PLOS Published: March 13, 2015 DOI: 10.1371/journal.pone.0118650



CTRP1は以下と相関

・ fasting blood glucose (P<0 .001="" p="">・ homeostasis model assessment of insulin resistance (P<0 .001="" p="">・ body mass index (P=0.001)
・ alanine amino transferase (P=0.002)
・ gamma glutamyl transferase (P<0 .001="" p="">・ liver stiffness (P<0 .001="" p="">


ホントに知りたいのは、ウィルス性肝炎や自己免疫疾患との鑑別、特に非B非C肝炎なんだけどなぁ


高脂肪食は、腸内細菌フローラを変容させ神経行動変容を来す?

腸内フローラ流行・・・ 高脂肪食:high-fat diet (HFD) が 行動変容を? 脳の炎症プレセス徴候?


脱炭水化物食がはやってるが、こうやってみると、高脂肪食も怖い・・・と、NHKが世間にひろめた”腸内フローラ”を介した機序


Obese-type Gut Microbiota Induce Neurobehavioral Changes in the Absence of Obesity.
Annadora J. Bruce-Keller, et. al.
Biological Psychiatry, 2015; 77 (7): 607 DOI: 10.1016/j.biopsych.2014.07.012


HFD細菌叢は、有意な体重変化を持たさない条件下で、探索的行動、認知行動、ステレオタイプ行動の有意にかつ選択的に破綻を来す


連続系統発生解析にて、分類分布のαー、βーdiversity、modulationの群間の違いに於ける、核微小細菌叢の存在が明らかとなった。代謝活動性taxonの有意な統計学的な差を認めた。
HFD 微生物細菌叢は、腸内バリア機能の破壊、血中エンドトキシンの増加、ionized calcium-binding adapter molecule 1、 toll-like receptor 2、 toll-like receptor 4のリンパ球上の発現を増加。

最終的に脳のすりつぶし標本にて、HFD微生物細菌叢は、神経炎症を増加させ、脳血管ホメオスタシスを破壊する。



日本、はしか感染を排除 ?

日本、はしか感染を排除 


日本由来のウイルスによるはしか感染が3年間確認されず、WHOが「排除状態」と認定。日本の認定は初めて。
http://www.47news.jp/FN/201503/FN2015032701001330.html





Press Release

http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10906000-Kenkoukyoku-Kekkakukansenshouka/img-327100220.pdf

ホント?

最終 2・・・となってるようだけど・・・

http://www.nih.go.jp/niid/en/measles-e/2102-idsc/iasr-measles-e/5146-iasr-measles-v-e150312.html


これも、国外からの?

国/厚労省は、認知症老人を増やす方向へ ;抗コリン剤市販拡大

日経新聞によれば、「抗コリン薬(プロペジリン:バップフォーなど)をOTC化」するそうだ・・・


日本には、認知症増加の方向へ 政策変更したのだろうか?


抗コリン作用薬は認知機能を低下し、寿命を短縮する 2011年 07月 04日
抗コリン剤使用累積量に応じて認知症リスク増大  2015年1月27日





Hピロリ除菌時代に、PPIのOTC拡大ってのはどうなんだろ?
まずは、除菌・Hピロリ菌除菌根絶させてからの話だと思うのだが・・・

ポリフルやヒアルロン酸点眼は当然と思うけど・・・

この国の役人はアホ・・・そして、政治家はもっとアホ

多職種共同うつ管理マネージメント:DCMにて、うつ症状改善

Collaborative depression care management (DCM)
The role of patient care teams in chronic disease managementBMJ. 2000 Feb 26; 320(7234): 569–572.

  • 住民ベースケア
  • 治療プラン化
  • エビデンスに基づく医学管理
  • 自己管理サポート
  • 確実な効果のあるコンサルテーション
  • 持続的フォローアップ



うつ病へ導入結果、Hamilton Depression Rating Scale (HAMD) score:ハミルトンうつランキングスケール改善

Depression care management for adults older than 60 years in primary care clinics in urban China: a cluster-randomised trial
The Lancet Psychiatry
http://www.thelancet.com/journals/lanpsy/article/PIIS2215-0366(15)00002-4/abstract

上城区34プライマリケアクリニックのうち16をランダム選択
DCM介入 8クリニック(162名)、通常ケア 8クリニック(162名)
ベースラインの住民統計指標・臨床指標に差は認めず
12ヶ月間にて、DCM割り付けクリニック患者で、対照に比べHAMDスコア有意に改善推定群間差 −6.5 [95% CI −7.1 to −5.9]; Cohen's d 0.8 [95% CI 0.8 – 0.9]; p < 0.0001)

HAMD総スコアクラスター間補正差は 0.07 (95% CI 0.06 –  0.08)
両群で副事象認めず




うつ病治験で、副事象が無かったってのに引っかかりが残る

2015年3月26日木曜日

米のカロリー摂取を少なくする方法

デンプンを消化しにくい性状に変える方法らしい・・・ 

National Meeting and Exposition of the American Chemical Society (in Denver)での報告

手順
The procedure includes boiling the rice with a small amount of coconut oil and later place it in the fridge for several hours to cool it down and then microwave it for a short time.
少量のココナッツオイルをまぜて米を炊く、それを数時間冷蔵庫へ入れて、短時間の電子レンジを使う。


http://www.reporteradvocate.com/a-basic-method-to-cook-rice-that-remarkably-reduce-calorie-count/1430/


ただ、米の種類により効果が異なるそうなので、ジャポニカ種米でどうか?

不飽和脂肪酸の直腸結腸癌リスク軽減効果・・・マイクロサテライト不安定では効果有り


マイクロサテライト不安定性(MSI)状態の直腸結腸癌リスクはPUFA(ω)ー3高摂取で低リスクとなる。しかし、マイクロサテライト安定腫瘍では関連性はない。



Marine ω-3 Polyunsaturated Fatty Acids and Risk of Colorectal Cancer According to Microsatellite Instability
Mingyang Song , et. al.
JNCI J Natl Cancer Inst (2015) 107 (4)


NHSコホート:  PM2.5の暴露は高度不安障害と関連、近日暴露ほど影響大

不安とは、突然の恐怖・苦悩と、過覚醒(hyperarousal)の回避・身体的知覚のような行為障害と関連し、最も多い精神的障害である。生涯において16%、昨年だけでも人口の11%罹患。不安関連で最も多い環境問題は大気汚染。そして、粒子状物質は酸化ストレス・全身への炎症を惹起し、慢性疾患病態悪化と関与する。そういったことが関与して、粒子状物質が不安と関連するのではないかと、有名な米国コホートの一つNHSで検討。




米国看護師観察コホート研究(NHS)の分析

 PM2.5の暴露は高度不安障害症状と関連し、遠隔の暴露より、直近の暴露との関連性があきらか。

The relation between past exposure to fine particulate air pollution and prevalent anxiety: observational cohort study
BMJ 2015; 350 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.h1111 (Published 24 March 2015) Cite this as: BMJ 2015;350:h1111


検討女性 71271名、不安症状の評価した時 57歳から85歳、平均70歳、高度不安症状は15%


粒子状物質暴露を、不安症状評価に先行した1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年、15年 推定平均暴露 PM2.5) と PM2.5-10、評価前2年のもっとも近い主要道路から居住地距離を評価。


例えば、1ヶ月前の PM2.5の平均が10μg/m3増加に対するオッズ比は、1.12;95%信頼区間:95%CI 1.06 〜 1.19、 12ヶ月前の平均PM2.5 では、 1.15; 95%CI 1.06 〜 1.26といったような、多種平均化期間検討で、高度PM2.5と不安症状に関わる有
意なオッズ比増加認める。



 NHSでの高度不安症状における、PM2.5のオッズ比(95%信頼区間l)で、期間別評価

多重暴露Windowを含むモデルでは、暴露短期平均評価は、長期平均評価より関連性がさらに明らかになる


PM2.5-10では、相関性なし


主要道路への居住距離も不安症状と量依存的な関連性認めず


大気汚染:CO、SO2、NO2などのガス状物質、PM2.5、PM10などの粒子状物質とも卒中入院・卒中死を増加させる

 大気汚染と卒中の短期影響のエビデンスレビュー

Short term exposure to air pollution and stroke: systematic review and meta-analysis
BMJ 2015; 350 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.h1295 (Published 24 March 2015) Cite this as: BMJ 2015;350:h1295


論文数 2748 から238をレビューし、結論の出せそうな103を深く読み込み、94をメタ推定として寄与する対象とした

28ヶ国、620万イベント

卒中入院、卒中による死亡率は、一酸化炭素  (相対リスク 1.015 per 1 ppm, 95% 信頼区間 1.004 to 1.026)、二酸化硫黄 (1.019 per 10 ppb, 1.011 to 1.027)、 二酸化窒素 (1.014 per 10 ppb, 1.009 to 1.019)濃度増加と相関。

 PM2.5 と PM10 濃度増加も入院及び死亡率と相関   (1.011 per 10 μg/m3 (1.011 to 1.012) 、 1.003 per 10 µg/m3 (1.002 to 1.004))



相関性かなり低いが、オゾン  (1.001 per 10 ppb, 1.000 to 1.002)でも相関。

最も強力な相関は、 PM2·5によるより地蔵的影響かにある暴露日で観察された。

 結論: ガス状・粒子状大気汚染物質ともに、卒中による入院・死亡に著明かつ短期的関連性がある。公衆衛生環境衛生施策により、卒中予防の観点からも大気汚染防止が必要。


中曽根時代から自民党タカ派が政権を握ると、環境施策撤トレンドが強くなる・・・。PM2.5はすべて中国様の仕業にしているが・・・果たして?

「たばこが健康への害となる証拠はない」と言い切る都議会議員のいる国では、たばこ中のPM問題なんて公衆衛生問題を真正面からとりくめるはずもない

 2020年東京五輪・パラリンピックに向け、舛添要一知事が昨夏に打ち出した受動喫煙対策の条例化構想が暗礁に乗り上げている。飲食業界や議会か ら反対の声が強く、知事の発言がトーンダウンし、条例化を見送る方向に傾きつつあるためだ。大会前に受動喫煙防止に関する罰則付きの法令を整備する近年の 五輪開催都市とは違う流れとなっている。
 「公共の場は禁煙が原則だ」「いや、たばこが健康に有害とはまだ証明されていない
2015/3/23 1:30 日経新聞


都議会議員の中に、公衆衛生や疫学そういったものの知識全くない奴が居るのは確か。そういう連中が福祉医療の政策を決めてるって・・・

2015年3月25日水曜日

除草剤・ラウンドアップに発癌性の恐れ

雑草が盛んに生え始めるこの時期・・・田舎在住の私にはとても気になるニュース




本日、日経新聞から




The herbicide glyphosate and the insecticides malathion and diazinon were classified as probably carcinogenic to humans (Group 2A)
http://www.iarc.fr/en/media-centre/iarcnews/pdf/MonographVolume112.pdf

For the herbicide glyphosate , there was limited evidence of carcinogenicity in humans for non - Hodgkin lymphoma. The evidence in humans is from studies of exposures, mostly agricultural, in the USA, Canada, and Sweden published since 2001.  In addition, there is convincing evidence that glyphosate also can cause cancer in laboratory animals. On the basis of tumours in mice, the United States Environmental Protection Agency (US EPA) originally classified glyphosate as possibly carcinogenic to humans (Group C) in 1985. After a re-evaluation of that mouse study, the US EPA changed its classification to evidence of non - carcinogenicity in humans (Group E) in 1991 . The US EPA Scientific Advisory Panel noted that there - evaluated glyphosate results were still significant using two statistical tests recommended in the IARC Preamble . The IARC Working Group that conducted the evaluation considered the significant findings from the US EPA report and several more recent positive results in concluding that there is sufficient evidence of carcinogenicity in exper imental animals.  Glyphosate also caused DNA and chromosomal damage in human cells, although it gave negative results in tests using bacteria. One study in community residents reported increases in blood markers of chromosomal damage (micronuclei) after glyphosate formulations were sprayed nearby.




Glyphosate Task Force (GTF)という業界団体?の反論
Statement of the GTF on the recent IARC decision concerning glyphosate
http://www.glyphosate.eu/gtf-statements/statement-gtf-recent-iarc-decision-concerning-glyphosate 






グリホサート:
▼一般名:Glyphosate
▼種類名:グリホサート
▼商品名:ラウンドアップ(Roundup)、ポラリス、タッチダウン、インパルス、草当番

用途:殺虫剤
作用性:
 モンサント社が開発した非選択性非ホルモン型の茎葉処理剤で、一年生雑草、多年生雑草、雑潅木まで幅広い効果が ある。雑草生育期に散布すると茎葉から吸収され地上部から地下部へと移行し植物体を枯らす。60℃以上でも安定であり、光にも安定性がある。土壌に強く吸 着される性質を持つ。散布後140日後でも7ppm検出された例がある。

  残留農薬研究所は変異原性なしとしているが、ニトロソ体の毒性が懸念される。土中ではN-ニトロソグリホサートが形成されるが、土埃として吸入された 場合の毒性についてはデータがない。慢性毒性試験は米IBT社でおこなわれたといわれるが、内容は明らかになっていない。

■残留基準値:米、麦、雑穀(0.1~20ppm)、豆類(0,2~6ppm)、果実(0,1~0,5ppm)、イモ類(0.2ppm)、野菜 (0.2ppm~0.5ppm)、オイルシード(0.2~10ppm)、ナッツ類(0.2~1ppm)、種実類(1ppm)、茶(0.5ppm)  * (1994/11/1現在)
http://earlybirds.ddo.jp/bunseki/topics/noyaku/glyphosate/glyphosate.htm




殺虫剤?除草剤だろ・・・http://www.roundupjp.com/

デオキシコール酸注、ATX-101 第3相試験:顎下の皮下脂肪減量効果

顎下皮下脂肪へのATX-101(デオキシコール酸注)皮下注の効果

2つのトライアルで、1022名、49歳平均、85%が女性
Clinician-Reported Submental Fat Rating Scaleという指標で評価
Grade 2は63%、 Grade 3は37%

28日毎6回注射

皮下脂肪蓄積の1段階の改善は68.2%、プラシーボ対照では20.5%と有意(p<0.001)
副作用は、一過性・軽症が多いが、痛み、しびれ、浮腫、むくみ、紅斑、波動、異常知覚・結節・掻痒など

"Efficacy of ATX-101 for reducing submental fullness associated with submental fat in demographic subgrups of subects from the US/CAN phase III trials, REFINE-1 and REFINE-2"
Brandt FS, et al
AAD 2015; Abstract 1284.

http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/AAD/50633




http://www.fda.gov/downloads/AdvisoryCommittees/CommitteesMeetingMaterials/Drugs/DermatologicandOphthalmicDrugsAdvisoryCommittee/UCM436604.pdf

美容外科などで、フェースラインの改善、頬のたるみ治療として、宣伝されているようだ

LEGACY 研究:心房細動患者はまず減量すべきだが、失敗し体重変動すると再発しやすい

肥満・過体重者では、減量により、心房細動を排除できるかもしれない・・・ ACCでの報告。10%を超えて減量した場合、3%未満の場合に比べ、 46% vs 13%という結果。半数近くで心房細動消失。・・・心拍コントロール主体の現行治療においてかなり画期的効果と思う。



Long-Term Effect of Goal Directed Weight Management in an Atrial Fibrillation Cohort: A Long-term Follow-Up StudY (LEGACY Study)
Rajeev K. Pathak,  et. al.
J Am Coll Cardiol. 2015;():. doi:10.1016/j.jacc.2015.03.002



BMI 27以上の心房細動症例1415名で、減量カテゴリーを10%超の第1群、 3−9%の第2群、 3%未満の第3群に分けて、年毎フォローアップ


群間差ベースライン特性・フォローアップ期間の差認めず(有意差無し)


フォローアップにて、第1群は第2群・3群に比べ、AF burden 及び 症状重症度 減少(p < 0.001)。


無不整脈生存期間は、リズムコントロール戦略有無問わず、第1群でもっとも長い (p<0.001)


多変量解析にて、減量群(p<0.001)と体重変動群(p<0.001)はアウトカム予測因子。


10%を超える減量は、無不整脈期間の6倍の蓋然性   (95% CI: 3.4-10.3, p<0 .001="" nbsp="" p="">

5%を超える体重変動した場合、2倍(95% CI 1.0-4.3; p =0.02) の不整脈再発リスク


USPSTF : 現行のエビデンスは不十分:非妊娠、無症状成人への甲状腺機能異常検診

甲状腺機能を妊娠外の無所見成人に行うことの意味はいまのところないというお達し


Screening and Treating Subclinical Thyroid Disease: Getting Past the Impasse

Screening for Thyroid Dysfunction: U.S. Preventive Services Task Force Recommendation Statement
Michael L. LeFevre,  et. al. 
Ann Intern Med. Published online 24 March 2015 doi:10.7326/M15-0483




<リスク評価>
血中TSH増加リスク要素は、女性、加齢、白人、1型糖尿病、ダウン症、甲状腺疾患家族歴、甲状腺腫、甲状腺機能亢進症既往、頭頸部外部放射線

血中TSH低下リスク要素は、女性、加齢、黒人、ヨード摂取不足、甲状腺疾患個人既往・家族歴、ヨード含有薬剤(アミオダロンなど)摂取

<検診>
血中TSHが甲状腺機能異常検診の主要項目。3−6ヶ月複数回で、異常値確認、除外すべき。 持続的TSH異常値の場合、T4値のフォローアップ検査必要で、"subclinical"(正常T4値)と "overt"(異常T4値)とを区別可能


<治療・介入>
甲状腺機能低下は経口T4単剤(レボチロキシン・ナトリウム:チラージン)治療。例えばTSH 10 mIU/L未満といった症例への臨床的に適切とされる症例選別へのコンセンサスは存在しない。
甲状腺機能亢進は抗甲状腺剤(例えば、メチマゾール:メルカゾール)あるいは、不可逆的焼灼治療(放射性ヨード治療や手術など)が一般に推奨。TSH値の一般治療推奨レベルは、検出不能もしくは<0.1 mIU/Lで、特にGraves病や結節性甲状腺疾患に対して推奨。

<ベネフィット・有害性バランス>
現行のエビデンスは不十分:非妊娠、無症状成人への甲状腺機能異常検診


2015年3月24日火曜日

抗生剤無しのにきび治療 : A/BPOゲル



アダパレン/過酸化ベンゾイル 0.3%: 0.3% adapalene/benzoyl peroxide (A/BPO)
特許:http://urx.nu/iL4i


中等症・重症ざ瘡への大規模RCTで、1/3が有意に改善



発表:Weiss J, et al "Efficacy and safety of adapalene 0.3%/benzoyl peroxide 2.5% topical gel in moderate and severe acne vulgaris" AAD 2015; Abstract 790.
https://www.aad.org/meetings/2015-annual-meeting 

二次情報:http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/AAD/50621

腰背部痛:プライマリケア・ベースのReassuarance患者教育で再受診数減少効果

急性・亜急性の腰背部痛は、予後良好で、自然軽快が多く、1/3程度が医療機関受診。3日内改善は90%。医療機関受診患者は、慢性・再発性疼痛になりやすい。多くの患者は自己ケアで改善するが、多医療機関受診は持続性のため生じ、障害持続性要素は、行動適応障害性疼痛、全般的健康状態悪化、ベースラインでの機能障害など。20%程度で、慢性腰痛となる。


Reassuranceとは、日々の医療行為の核となる観点であり、「安心感を高めてあげること」
http://www.schmerz-nottwil.ch/files/pdf3/Pincus1.pdf
• Reassurance removes the fears or doubts about pain/illness- the effect is to comfort. ; 恐怖・疑念の除去
• Reassurance always takes place within the dynamics of the interaction between the caregiver who has the intention to reduce worry, and the patient who is concerned. ; 悩みを少なくしたい医療側と悩みをもつ患者との相互性へのダイナミズム内で必ず機能する
• Ultimately, reassurance is achieved if the patient changes his/her behaviour, understanding or thoughts. : 患者の行動、理解、思考に変容があれば、目標達成
• The method of ‘‘reassurance’’, on the other hand, is in the behaviour of the healthcare provider’ 言い換えれば、手法は、医療行為側の行動そのものである
Linton et al., Pain, 2008



Effect of Primary Care–Based Education on Reassurance in Patients With Acute Low Back Pain
Systematic Review and Meta-analysis ONLINE FIRST
Adrian C. Traeger, MPhty et. al.
JAMA Intern Med. Published online March 23, 2015. doi:10.1001/jamainternmed.2015.0217



4872名、14トライアルにて、患者教育介入
トライアルは、恐怖、悩み、不安、破滅化、医療機関使用

患者教育では、通常のケア/コントロール教育より、reassuranceを提供した(中等度・高度エビデンス): 短期:(標準化平均差 [SMD], −0.21; 95% CI, −0.35 〜 −0.06)  長期: (SMD, −0.15; 95% CI, −0.27 〜 −0.03)


医師による介入では、他の医療従事者(看護師・理学療法士など)より、有意にreassuranceを与えることができる。


患者教育は、通常ケア/コントロール教育より、 腰部痛関連医療機関受診数を減少させたという中等度品質エビデンス(SMD, −0.14; 95% CI, −0.28 to −0.00 ;12ヶ月時点)

1つの医療機関受診数減少のためのNNTは、17





労多くして・・・17の患者教育で1つの医療受診減少という結果。

整形外科(内科)/整骨などの腰背部痛頻回受診でどれだけの日本の医療資源浪費されているのだろう・・・Reassuaranceどころか再受診数を稼ぐようなインセンティブになっている日本の医療制度




緩和ケア状態では、スタチン中止しても安全、ベネフィットも・・・

緩和ケアなど余命限られている場合、スタチン治療を中断すべきか否か。
悩むのスタチン以外に降圧剤などの一次予防薬剤もそうだが、モデルとしてスタチンについての検討。

日本ではとうてい考えられないが、ランダム化トライアル

60日内死亡をプライマリアウトカムとして、セカンダリアウトカムは、生存率・心血管イベント・PS・QOL・症状・非スタチン医薬品数・コスト削減評価。

Safety and Benefit of Discontinuing Statin Therapy in the Setting of Advanced, Life-Limiting Illness
A Randomized Clinical Trial
Jean S. Kutner,  et. al.
JAMA Intern Med. Published online March 23, 2015. doi:10.1001/jamainternmed.2015.0289

381名の総数。ランダム化にて中断 189名、 継続 192名

平均(SD)年齢 74.1(11.6)歳
被験者のうち、22.0%認知機能障害、 担癌 48.8%

中止群 vs 継続群 比較 60日内死亡率に有意差無し  (23.8% vs 20.3%; 90% CI, −3.5% to 10.5%; P = .36) 、 非劣性エンドポイントに到達せず

QOL総数は、中止群良好 (mean McGill QOL score, 7.11 vs 6.85; P = 0.04 )

心血管イベント症例が少ない (中止群 13例 vs 継続群 11例)

平均コスト効果は患者1日あたり $3.37 で、患者あたり $716 



心血管イベント数が少ないので、重度CVDリスク状態ではないことも想定される。故に、終末期や緩和ケアであまねくスタチン中止ってわけにはいかないのだろうが、スタチンを中止することで得られるベネフィットもあるらしい。・・・ 議論必要。
担がん状態では、凝固促進的であり、CVDリスク亢進が想定されるという反論もありそう。

転倒数減少にはビタミンDも運動も効果無し、運動のみが外傷性転倒数減少効果認め、ビタミンDは効果無い

ビタミンDサプリメントも運動も、高齢者転倒予防のため推奨されているが、2つの要素は矛盾するところがある。2年間のランダム化二重盲検プラシーボ対照 ビタミンD割り付けと、運動に関してはオープンのトライアル。

プライマリアウトカムは、月毎転倒数
セカンダリアウトカムは、外傷性転倒数、転倒数と外傷性転倒数
加えて、骨密度、身体活動性(筋力、バランス、運動性)、ビタミンD代謝評価


Exercise and Vitamin D in Fall Prevention Among Older Women
A Randomized Clinical Trial
Kirsti Uusi-Rasi,  et. al.
JAMA Intern Med. Published online March 23, 2015. doi:10.1001/jamainternmed.2015.0225


ITT分析にて、ビタミンDも運動も転倒数減少せず

100人年転倒数は、
プラシーボ・運動無し群 118.2,
ビタミンDサプリメント・運動無し群 132.1,
プラシーボ・運動有り群 120.7
ビタミンD・運動有り群 113.1
しかし、外傷性転倒率は、それぞれ、 13.2,、12.9、 6.5、 5.0


外傷性転倒数は有意にビタミンD有無にかかわらず運動群で有意に減少
exercisers with vitamin D (0.38; 95% CI, 0.17-0.83)
without vitamin D (0.47; 95% CI, 0.23-0.99)

ビタミンDで大腿骨頸部骨密度維持的効果で、脛骨骨梁密度は軽度増加

しかし、運動だけで筋力・バランス改善。ビタミンDでは、運動の効果や身体機能改善をもたらさない



「ビタミンが・・・・に良い」という市井に固着した妄想に過ぎない これをうのみにしている栄養士や医療関係者も多く、妄想の固着増殖が続く・・・


一方、某国立体育大学の方々は転ばないために運動を・・・と、エビデンス無き妄想を市民に啓発し続けている。
上述の報告に従えば、運動は転んだときのけがや骨折軽減効果のある運動が正しいことになる

2015年3月23日月曜日

軽症アルツハイマー病・前病進行抑制? :aducanumab (BIIB037)

エーザイ関連の会社だから、アリセプトの変なプロモーションしなくてよくなった?

Reverse Translational Medicine (RTM)とよばれる、Neurimmune's Technology platformを用いたヒトモノクローナル抗体で、可溶性オリゴマーや不溶性線維素を含むβアミロイド凝集をターゲット化治療

予備的研究p1bにて、aducanumab 、BIIB037 (Biogen Idec)による認知機能低下スピード緩和確認

第1相だから安全性主体だと思うのだが、アルツハイマー病前病態・軽症において、レントゲン的・臨床的指標の改善も見いだされたとのこと。
用呂依存的に、MMSE、CDRスケール低下スピード緩徐化

Press Release で公表
http://www.biogenidec.com/press_release_details.aspx?ID=14712&Action=1&NewsId=2486&M=NewsV2&PID=61997

AD/PD学会で報告

the 12th International Conference on Alzheimer’s and Parkinson’s Diseases and Related Neurological Disorders in Nice, France



ドネペジルを含めコリンエステラーゼ阻害剤はに軽度の改善効果は認められるが、劇的進行抑制にはほど遠い・・・認知症施設の職員たちの中に勘違いしてるのがいて、進行期認知症にも適応有るかの如く勘違いし、アリセプト処方してないのを責め立てるアホが・・・。宣伝だけは良く行き届いていると感心する。


UPTODATE
Although efficacy of cholinesterase inhibitors for cognitive effects has been established in patients with mild to moderate AD, it has been less certain that patients with advanced AD, including patients in nursing homes, will benefit from therapy. Five placebo-controlled trials of donepezil and one of galantamine in patients with advanced AD have been reported

2015年3月22日日曜日

23価肺炎球菌ワクチン:肺炎予防効果認めず ・・・ 当たり前だが

西田敏行と厚労省のアホの言い分だと、23価肺炎球菌ワクチンは「肺炎予防のワクチン」となるのだが、血中抗体主なので、肺炎予防のはずもなく・・・


インチキがまかり通る公費をつかった予防事業は続く・・・



Effectiveness of 23-valent pneumococcal polysaccharide vaccine against invasive disease and hospital-treated pneumonia among people aged 65+: A retrospective case-control study
Maya Leventer-Roberts1, et. al.
Clin Infect Dis. (2015) doi: 10.1093/cid/civ096 First published online: February 10, 2015



65歳以上の47万名あまり Clalit Health Services' (CHS) database (January 1, 2007-December 31, 2010)

IPD 212名、 hospital-treated pneumonia (HTP) 23,441名

ワクチンとIPDの補正相関は防御的  (OR=0.58, 95% CI:0.41-0.81)

ワクチンとHTPの予防効果相関認めず (OR=1.01, 95% CI:0.97-1.04)

感度分析と1つの例外を除き、ベース症例と一致


2015年3月20日金曜日

CAPITA 臨床研究:高齢者肺炎球菌ワクチンPCV13 ・・・ 肺炎予防効果あり

高齢者への肺炎球菌ワクチン有効性トライアル(ランダム化二重盲検対照化、8万4千4百96、65歳以上)

ワクチン対応種の肺炎球菌性肺炎、細菌血症性・非細菌血症性市中肺炎、ワクチン種の侵襲型肺炎球菌感染症(IPD)への予防効果確認

ただ、原因菌種不問市中肺炎への予防効果認めず



Polysaccharide Conjugate Vaccine against Pneumococcal Pneumonia in Adults
Marc J.M. Bonten,  et. al.
N Engl J Med 2015; 372:1114-1125March 19, 2015
DOI: 10.1056/NEJMoa1408544


Per-Protocol解析にて、
・ワクチン菌種による感染エピソード
PCV13群 49名 vs プラシーボ 90名
(vaccine efficacy, 45.6%; 95.2% confidence interval [CI], 21.8 to 62.5)

・非細菌血症/非侵襲性市中肺炎
PCV群 33 vs プラシーボ 60名
(vaccine efficacy, 45.0%; 95.2% CI, 14.2 to 65.3)

・侵襲性肺炎球菌感染症
PCV13群 7 vs プラシーボ 28
(vaccine efficacy, 75.0%; 95% CI, 41.4 to 90.8)


有効性はトライアル期間中を通して持続 (mean follow-up, 3.97 years)


修正ITT分析にても同様結果、ワクチン有効性 37.7%、 41.1%、 75.8%

・市中肺炎
PCV13群 747名 vs プラシーボ群 787名
(vaccine efficacy, 5.1%; 95% CI, −5.1 to 14.2)


重大副作用イベント・死亡は2群間で同様。


PCV13に局所反応多い



西田敏行のと、違う!

免疫抑制剤によるB型肝炎再活性化予防

日本のガイドラインによると・・・
http://www.jsh.or.jp/doc/guidelines/simplified%20version_B.pdf
HBV 再活性化は、キャリアからの再活性化と既往感染者(HBs 抗原陰性、かつ HBc 抗体または HBs 抗体陽性)からの再活性化に分類される。既往感染者からの再活性化による肝炎は、「de novo B 型肝炎」と称される。




Viewpoint | March 19, 2015
Preventing Hepatitis B Reactivation Due to Immunosuppressive Drug Treatments
Robert P. Perrillo, et. al.
JAMA. Published online March 19, 2015. doi:10.1001/jama.2015.2571



immunosuppressive drug therapy (ISDT):免疫抑制剤治療による、B型肝炎ウィルス(HBV)再活性化は、重篤な肝障害により黄疸、肝不全、死をもたらす

HBs抗原陽性で、化学療法を受けた患者のHBV再活性化率は40%にも及ぶ、しかも、肝不全率13%、死亡率16%

HBs抗原陰性/HBC抗体陽性でも肝臓内にHVB DNA存在し、抗TNFα治療では0から5%、R-CHOP療法では3%〜41%のHBV再活性化認める

B細胞機能低下治療、例えば骨髄移植や血液幹細胞移植、B細胞ターゲット治療では、“reverse seroconversion”が見られ、 HBs抗原再出現が生じることがある。
・・・
免疫抑制剤だけでなく、新規癌治療薬剤、生物製剤など非腫瘍性疾患へも対象が広がり、ステロイド後抗TNF治療がもっともHBV再活性化症例が多いのはその投与期間が長いこともある。

CDC、 American Association for the Study of Liver Diseases、 Asian Pacific Association for the Study of the Liver、  European Association for the Study of the Liver、 American Gastroenterological Associationは、ISDT施行患者のHBs抗原、HBc抗体スクリーニング方針であり、予防的抗ウィルス治療をHBs抗原陽性者全員、HBs抗原陰性/HBc抗体陽性者でB細胞機能低下治療及び高度攻撃的化学療法に対して選択的に使用。リツキシマブ・ベースの治療ではモニターし、HBV再活性化のエビデンス出現時に治療開始することが代替的に用いられる。しかし、HBV DNA存在し、モニタリング3-4週間毎という頻回モニタリング必要で、完全予防も困難という報告がある。ISDN終了後6から12ヶ月は最低治療は継続することが推奨される。

抗ウィルス予防投与を支持するレビューは、ラミブジンであり、HBV再活性化後80%減少効果。ランダム化トライアルでは、ISDT開始時あるいはその前の投与が、HBV・DNA頻回モニタリング・再活性化後治療より有効。
エンテカビル・テノフォビルにより、ラミブジンが、そのHBV耐性率が低く、安全性・有効性が示されている。


HBV再活性リスクを怠り、予防投薬を怠った、医原性HBV再活性化が、米国FDAで109例、リツキシマブやオファツムマブ関連致死的HBV再活性化が、関連急性肝不全として、報告。



医療事故として認識されつつあるHBV再活性化事例・・・関連薬剤を使用する医療関係者だけじゃなく、それ以外にも認識を広め、深める必要がある

小児期肥満・・・は、中年期の歩行時膝痛の原因となる

オーストラリア学校健康運動調査1985年 449名、31-41歳、女性比率 48%
身長・体重・膝損傷評価




Extended report
Association between childhood overweight measures and adulthood knee pain, stiffness and dysfunction: a 25-year cohort study
Ann Rheum Dis 2015;74:711-717 doi:10.1136/annrheumdis-2013-204161


膝痛頻度34%、過体重は子供の頃34%、成人期48%


子供の頃の過体重と、成人期総WOMAC膝痛、拘縮、機能障害スコア は有意な相関無し


しかし、男性において、小児期過体重は、成人期WOMAC疼痛スコアと相関   (相対リスク (RR) 1.72, 95% CI 1.11 〜 2.69)


小児期体重とBMIは、WOMAC拘縮スコア・機能障害スコアと相関


小児期慎重、BMI、過体重はすべて成人期歩行時膝痛の存在と、男性・全サンプルともに有意相関。


この相関性は、成人期過体重指標と独立したもの


子供の頃も成人期も過体重なのはより成人期膝痛のリスク・頻度と相関   (RR=2.42, 95% CI 1.06 to 5.53)



小児期肥満・・・は、中年期の膝痛の原因となる ・・・ ジャンクフーズ制限したり運動をするような雰囲気作りをしたりすべきなんでしょうね・・・親の責任が大きいかな?

統計学的ワインテースティング

The Methods Ma: 統計学的ワインテースティング

http://www.medpagetoday.com/PublicHealthPolicy/GeneralProfessionalIssues/50497

ワインの価格分布は正規分布ではない・・・からはじまって・・・



ワインを、1,2、3,4・・・とその価値の割り付けを行う

3米ドルから300米ドルまでと語らず、盲目的に10種ワインをテースティング





20名の招待客は何のため飲んでるか知らされず、10種ワインを楽しむためにという口実で招待


結果的には、価格と味はほぼ一致してたが、線形の関連性ではなかった。






10のランキングを完璧にあてた人がいたが、その確率は、オッズで462万8千8百分の1


Flynnというわざとらしい名前の人らしいが・・・

実際の価格とランキング
 

価格をランク別に比較すると明快となる



この図だと価格の成り立ちが明快となる






ワインの値段というのは、味以外に希少性やネームバリューもあるのだから、味と値段が線形関係となったというのがむしろ意外。今回のテースティングに、べらぼうな値段のワインを選別してなかったからだろう・・・


好きなものにはいくらでも金をだすという好事家がこの線形関係を崩すはず

2015年3月19日木曜日

ビタミンDサプリメントでは血圧下げず

メンデルランダム化アプローチ、具体的に、25(OH)D濃度の代替として、CYP2R1・DHCR7という、25(OH)D合成・器質活性に影響する遺伝子変異を利用して、血圧との関連性を明らかにした、

Association of vitamin D status with arterial blood pressure and hypertension risk: a mendelian randomisation study
The Lancet Diabetes & Endocrinology Vo.. 2, No. 9, 719 - 729 


低ビタミンD血症は、血圧高値と関連し、心血管イベント将来リスク増加をもたらす可能性が示唆された。

では、実際に、ビタミンDサプリメントは血圧降下するか、そして、患者特性と関連するかの検討された。


Effect of Vitamin D Supplementation on Blood Pressure
A Systematic Review and Meta-analysis Incorporating Individual Patient Data
Louise A. Beveridge, et. al.
for the D-PRESSURE Collaboration
JAMA Intern Med. Published online March 16, 2015.

被験者 4541名、46トライアルのトライアルレベルのメタアナリシス
個別患者データ入手は27トライアル、3092名

トライアルレベルで、収縮期血圧への効果認めず (effect size, 0.0 [95% CI, −0.8 to 0.8] mm Hg; P = .97; I2 = 21%) 、拡張期血圧へも同様 DBP (effect size, −0.1 [95% CI, −0.6 to 0.5] mm Hg; P = .84; I2 = 20%).
個別患者データでも同様で、収縮期血圧  (effect size, −0.5 [95% CI, −1.3 to 0.4] mm Hg; P = .27; I2 = 0%) 、 拡張期血圧  (effect size, 0.2 [95% CI, −0.3 to 0.7] mm Hg; P = .38; I2 = 0%).
サブグループ解析にて、治療奏功予測要素認めず




ビタミン欠乏という状態と、サプリメント投与によるベネフィットはかならずしもイコールではない

サプリメントの効能表示かなりいい加減になるそうだが、「血中濃度欠乏=補充療法」という発想は危険。この発想を利用しているのがサプリメントという奴

発想自体が間違えてると思うのだが・・・ これで飯食ってる連中が多すぎて・・・ 


ビタミンD不足は、白人で75%、黒人で97%・・・というらしいが、正常値ってなにもの?という話にも・・・
http://natmonitor.com/2015/03/19/vitamin-d-supplements-found-ineffective/

皮膚感染症:クリンダマイシン vs ST合剤





合併症のない皮膚感染症例、5cm超直径の蜂窩織炎、膿瘍で、小児ではより小さいものも含み、TMP-SMXとクリンダマイシン 10日間投与比較

クリンダマイシン:150mg錠剤2剤 × 3回/日
ST合剤(  TMP-SMX  :rimethoprim 160mg と sulfamethoxazole 800 mg  )単一製剤2錠/日


Clindamycin versus Trimethoprim–Sulfamethoxazole for Uncomplicated Skin Infections
Loren G. Miller, et. al.
for the DMID 07-0051 Team
N Engl J Med 2015; 372:1093-1103March 19, 2015 

 クリンダマイシン 264  vs TMP-SMX 260

蜂窩織炎 280名、 膿瘍 160名、 両病型 82名
子供 155名


黄色ブドウ球菌 217名、MRSA 167名


ITT被験者、両治療群とも同様の治癒率 クリンダマイシン群 80.3% VS ST群 77.7% ; 差、 −2.6 パーセントポイント 95% 信頼区間[CI], −10.2 〜 4.9; P=0.52)


評価可能群では、クリンダマイシン群 89.5% vs ST群 88.2%  ; 差, −1.2 パーセントポイント; 95% CI, −7.6 〜 5.1; P=0.77)


治癒率、副作用率も2群間差認めず


子供のサブグループでも差認めず



ガイドライン:http://emedicine.medscape.com/article/214222-treatment

 
  • In mild cases of cellulitis treated on an outpatient basis, dicloxacillin, amoxicillin, and cephalexin are all reasonable choices
  • Clindamycin or a macrolide (clarithromycin or azithromycin) are reasonable alternatives in patients who are allergic to penicillin
  • Levofloxacin may also represent an alternative, but the prevalence of resistant strains has increased, and fluoroquinolones are best reserved for gram-negative organisms with sensitivity demonstrated by culture [8, 2]
  • Some clinicians prefer an initial dose of parenteral antibiotic with a long half-life (eg, ceftriaxone followed by an oral agent)

喀痰治療の要? CLCA1とTMEM16A

喘息、COPDなどでの粘液過剰産生病態のあたらしい知見

Calcium-activated chloride channel regulator 1 (CLCA1)は、TMEM16A(Anoclamin1/DOG1とも言われる)活性の直接のModifier。TMEM16Aは、気道上皮や平滑筋に発現し、気道疾患のactivity を亢進する。
activity recapitulate


カルシウム依存性塩素電流の活性化に関わるCalcium-activated chloride channel regulator 1 (CLCA1)は、パラクライン作用で活性化し、内因性TMEM16A/Anoctamin1は伝導性を示す。内因性CLCA1暴露にて、TMEM16A表面に増加し、細胞性結合実験では、CLCA1は歳秒表面のTMEM16Aとengageする。


Calcium-activated chloride channel regulator 1 (CLCA1) - See more at: http://elifesciences.org/content/4/e05875#sthash.9OCYr589.dpuf
Calcium-activated chloride channel regulator 1 (CLCA1) - See more at: http://elifesciences.org/content/4/e05875#sthash.9OCYr589.dpuf
Calcium-activated chloride channel regulator 1 (CLCA1) - See more at: http://elifesciences.org/content/4/e05875#sthash.9OCYr589.dpuf


Secreted CLCA1 modulates TMEM16A to activate Ca2+-dependent chloride currents in human cells
Monica Sala-Rabanal, et. al.
eLife DOI: http://dx.doi.org/10.7554/eLife.05875



2015年3月18日水曜日

ACP推奨:心臓検診 ・・・ まずは、リスク評価 低リスクならそれ以上検査しない

心血管リスク評価(フラミンガムリスクスコアSCOREPROCAMReynolds Risk ScorePooled Cohort Equation risk calculator)をまず行い、低リスクなら、それ以上の心臓スクリーニングを行うべきではない!・・・という当たり前の推奨



Cardiac Screening With Electrocardiography, Stress Echocardiography, or Myocardial Perfusion Imaging: Advice for High-Value Care From the American College of Physicians
Roger Chou, MD, for the High Value Care Task Force of the American College of Physicians
Ann Intern Med. 2015;162(6):438-447. doi:10.7326/M14-1225 



結論:高コストで、ベネフィットの乏しいもしくは無い場合医療は価値乏しい。低リスク成人において心臓スクリーニングを、安静時もしくは負荷心電図、負荷心エコー、負荷MPIを用いることで、患者のアウトカム改善を示すエビデンスは存在しない。 しかし、コスト増加・有害性増加をもたらす関連性は存在する。
従来の心血管リスク要素に基づく心血管リスク、グローバルリスクスコア、修正可能なリスク要素に着眼し、低リスク対照者に対してさらに追加して心血管検診を行わないとする、方向性の推奨を実践することは、患者のケアの質改善をもたらすだろう。それは不必要な有害イベント・コストを回避することにもなる。
より有効性を担保するため、画像診断施行を減らす努力が必要で、多視点であるべき、臨床医の行動、患者の希望、DTC(direct-to-consumer)検診プログラム、経済的インセンティブに着眼してその努力を行うべき。







2015年3月17日火曜日

カリフォルニア・ディズニーランドでのはしか流行

他者にリスクをもたらす個人の信念までも思想の自由として尊重しなければならないのか? 


カリフォルニア・ディズニーランドでの麻疹(はしか)133名という大量発生騒ぎ

 問題は、この発生者のうち、57名がワクチン非接種者で、20名が1回しか接種してなかったという不十分ワクチン接種者

Index Patientである発端者は、3ヶ月齢で、 Anahelmアミューズメント・パークへ訪れ、フィリピンで昨年流行したウィルス株と一致し、5万8千名の発症者と、110名の死亡をのたらしたもの
JAMA  Pediatricsに、 数式モデルで、麻疹暴露者のワクチン接種率が86%を超えてないレベルで、50%未満の可能性もあると考察。
集団免疫確立のためには96%、時に99%必要と専門家。


best-case scenarioでは、ワクチン率 75%から86% と専門家は計算 true effective reproductive numberを中間的に設定すると、66%から81%
effective repoructive numberを高くすると、50% から 71%となる


    
基本再生算数など
http://www.math.sci.hiroshima-u.ac.jp/~ryo/Lectures/Iwami/Note_1.pdf

CSPPT研究:中国成人高血圧 ・・・ 葉酸追加で、卒中予防

葉酸関係の介入って微妙な気がするのだが・・・ MTHFR C677T  (CC, CT, TT)ジェノタイプ層別化


メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素 : Methylenetetrahydrofolate reductase (MTHFR) は、重要な酵素で、この酵素の欠損・機能障害により、心筋梗塞、卒中、静脈血栓症、特定のがん、認知障害、炎症性腸疾患、神経疾患病態と関連。この酵素の機能欠損変異は、ホモシステイン尿症と関連。この酵素がなければメチオニンに転換できない。ホモシステイン過剰による尿排泄増加も存在。多くの臓器に障害を与える変異も存在。



エナラプリル(10mg)と葉酸(0.8mg)合剤による高血圧中国人成人対象の初回卒中一次予防介入


Efficacy of Folic Acid Therapy in Primary Prevention of Stroke Among Adults With Hypertension in China
The CSPPT Randomized Clinical Trial
Yong Huo, et. al.
; for the CSPPT Investigators
JAMA. Published online March 15, 2015. doi:10.1001/jama.2015.2274 


治療期間中央値 4.5年間、エナラプリル単独群と比較
・ 合剤群では有意に初回卒中減少 ( エナラプリル・葉酸合剤群 2.7%  vs  エナラプリル単独群 3.4%  ; ハザード比 [HR], 0.79; 95% CI, 0.68-0.93)


・ 初回虚血性卒中減少 (2.2%   vs 2.8%  ; HR, 0.76; 95% CI, 0.64-0.91)


・ 組み合わせ心血管イベント減少(心血管死、心筋梗塞、卒中) 3.1%  vs 3 .9%  ; HR, 0.80; 95% CI, 0.69-0.92)


出血性卒中リスク HR, 0.93; 95% CI, 0.65-1.34)、心筋梗塞 (HR, 1.04; 95% CI, 0.60-1.82)、全原因死亡(HR, 0.94; 95% CI, 0.81-1.10) では2群間に有意差無し


副事象頻度に関して群間差認めず

要約ではばっさりだが・・・



MTHFR C677T Genotypeに関して、正常ホモ接合体であるCC、ヘテロ接合体CTでは量依存的なベースライン葉酸値と卒中リスク増加が見られたが、異常ホモ接合体であるTTでは葉酸レベルに無縁に卒中リスク高い。



日本の大学・研究施設がレベルの低い臨床研究、PROVEなんたらにかまけてる間に、中国はまともな臨床研究してたんだなぁ・・・と。この差はひろがるいっぽうだろうなぁ・・・と思う、今日この頃。

2015年3月16日月曜日

冠動脈疾患有症状: CT血管造影は、生理負荷検査より、臨床的アウトカム改善に寄与するとは言えない

ほぼ1万名の有症状患者で、CTAと、機能試験(運動負荷心臓エコー、核ストレス試験、ストレス心エコー)を、組み合わせプライマリアウトカム(死亡、心筋梗塞、不安定狭心症入院、重大治療副作用)で比較


Outcomes of Anatomical versus Functional Testing for Coronary Artery Disease
Pamela S. Douglas , et. al.
for the PROMISE Investigators
N Engl. J Med. March 14, 2015DOI: 10.1056/NEJMoa1415516



年齢平均 60.8±8.3歳、女性比率 52.7%、胸痛・DOE 87.7%
検査前閉塞性CAD 53.3±21.4%

フォローアップ期間中央値25ヶ月

プライマリエンドポイントイベント 
CTA群 164/4996 vs  機能検査群 151/5007
 (補正ハザード比, 1.04; 95% 信頼区間  0.83 to 1.29; P=0.75)

CTAでは、機能検査に比べ 閉塞型CADのない患者のカテーテル回数が少ない (3.4% vs. 4.3%, P=0.02)
しかし、CTA群内ではランダム化後90日内のカテーテル検査施行患者数が多い (12.2% vs. 8.1%)

患者あたりの累積放射線照射量中央値は、CTA群で機能検査群より少ない(10.0 mSv vs. 11.3 mSv)が、機能検査群では 32.6% が暴露無し、そして、包括的暴露量はCTA群で多い  (平均 12.0 mSv vs. 10.1 mSv; P<0 .001="" blockquote="">

PCSK9阻害モノクローナル抗体の臨床的効果

ACC年次学会の話題は、まず、PCSK9阻害モノクローナル抗体の治験により、臨床的イベント減少効果が示されたこと


サノフィのAlirocumab、 AmgenのEvolocumabとも、2千から5千規模の検討結果だが、まだ、結論的ではないという意見もあるが、同種薬剤での2つの結果が同様の結果であったことは意義深いという結論 




Alirocumabは、monoclonal antibody that inhibits proprotein convertase subtilisin–kexin type 9 (PCSK9) 阻害モノクローナル抗体
スタチン投与中患者で、LDLコレステロールを減少させるが、その大規模・長期研究

 78週間、最大耐用量スタチンに付加する形での長期投与効果



Efficacy and Safety of Alirocumab in Reducing Lipids and Cardiovascular Events
Jennifer G. Robinson, et. al.
for the ODYSSEY LONG TERM Investigators
N Engl. J Med. March 15, 2015DOI: 10.1056/NEJMoa1501031


24週、-62%低下で、78週間後も継続

副作用として、注射部位反応(5.9% vs 4.2%)、筋肉痛(5.4% vs 2.9%)、神経認知機能(1.2% vs 0.5%)、眼科イベント(2.9% vs 1.9%)


post-hoc解析にて、MACE(重大心血管副事象’冠動脈疾患死亡・非致死的心筋梗塞・致死的/非致死的虚血性卒中、血管再建必要な不安定狭心症)率低下 1.7% vs 3.3%;  ハザード比 0.52%、95%信頼区間 0.31〜0.90)





PCSK9阻害モノクローナル抗体、Evolocumab

2つのオープンラベル、ランダム化トライアル(4465名)
evolocumab 親トライアルのP2もしくはP3のうち1つを完遂した症例



Efficacy and Safety of Evolocumab in Reducing Lipids and Cardiovascular Events
Marc S. Sabatine, et. al.
 for the Open-Label Study of Long-Term Evaluation against LDL Cholesterol (OSLER) Investigators
N Engl. J Med. March 15, 2015DOI: 10.1056/NEJMoa1500858


標準治療に比べ、evolocumab治療群では、LDL 61%減少; 中央値 120 → 48 mg/dL , p < 0.001


副作用の大多数は同様、例がとして、神経学的イベントが介入群で多い。
副作用イベントリスクは、LDL到達度に応じた、有意なばらつきはない。

 1年時点心血管は標準治療群の2.18% → 0.95%へ減少
ハザード比 0.47;95%信頼区間、 0.28 〜 0.78 p=0.003





2015年3月15日日曜日

タバコ購入最低年齢引き上げ 21歳→25歳

タバコ購入許可最低年齢を、21歳と25歳に比較した時、25歳とすると若年層喫煙率劇的減少し、健康関連有害性疾患を減らしたと、NIHがらみ報告。

19歳まで引き上げると、2100年までに3%、21歳だと12%、25歳だと16%喫煙比率減少させることができる。
<解説>米国内では、タバコ購入許可最低年齢は、州ごとに異なり、18歳、19歳、島嶼部では21歳も存在する
https://en.wikipedia.org/wiki/Smoking_age



Public Health Implications of Raising the Minimum Age of Legal Access to Tobacco Products
Released: March 12, 2015
http://www.iom.edu/Reports/2015/TobaccoMinimumAgeReport.aspx


http://www.iom.edu/~/media/Files/Report%20Files/2015/tobacco_minimum_age_report_brief.pdf



2015年3月14日土曜日

COPD中等・重症: アノーロ合剤は各々の単剤、チオトロピウム、TIO/FUL合剤より効果

現時点では、umeclidinium/vilanterol (UMEC/VIL),である、アノーロ・エリプタ 7回吸入製剤しかないので、とても扱いにくい。



A SYSTEMATIC REVIEW ON THE EFFICACY AND SAFETY OF A FIXED-DOSE COMBINATION OF UMECLIDINIUM AND VILANTEROL FOR THE TREATMENT OF COPD
Gustavo J. Rodrigo,  et. al.
Chest. 2015. doi:10.1378/chest.15-0084


11トライアル、9609名のシステマティック・レビュー


UMEV/VIL は、UMEC、VIL、チオトロピウム、FSCに比べ、肺機能改善優越性あり (mean trough FEV1 60, 110, 90, and 90 mL respectively, p <0 .0001="" p="">
UMEC/VILは、UMECやVILに比較してTDIのMCIDを示す尤度が高い  (Number needed to treat for benefit [NNTB] = 14 、 10 )


UMEC/VIL治療はUMEC と VILに比べ、有意にCOPD急性増悪リスクを減少させる (NNTB = 42 、41 )


一方、UMEC/VILとチオトロピウム比較で、呼吸困難、健康状態、COPD急性増悪リスクに関しては有意な差は認めない。



安全性に関しては、治療横断的に同様で、合剤の安全性懸念は少ない。


///////////



ペニス移植




Stellenbosch University doctors perform first successful penile transplant in the world
http://www.sun.ac.za/english/Lists/news/DispForm.aspx?ID=2328

割礼による合併症で切断となった症例

陰茎喪失による心的トラウマは大きく、自殺まで考える場合もあると正当化

2年で機能するようになると予測されている



完全に機能したと・・・

First Penis Transplant Fully Functional
Three months postop, history-making procedure is deemed a success.
http://www.medpagetoday.com/Transplantation/Transplantation/50469





H27.6.14 追記


昨年12月に施行したと、3月に関係者が公表したと報道したわけだが、それが完全機能してるとさらなる報道

子供が既にできた・・・という報道かと思ったが、それに関しては希望記事でった。

World’s first penis transplant patient to father a child
BY WENDELL ROELF, 6月 13 2015, 18:49
http://www.bdlive.co.za/life/health/2015/06/12/worlds-first-penis-transplant-patient-to-father-a-child


さらに最低1件の移植する予定も示唆

2015年3月13日金曜日

Restless Genital Syndrome :陰部むずむず症候群

陰部に於けるRestless症候群は、症状として、痛み、不快感、刺痛、灼熱感を伴う

65歳女性は3年間骨盤・陰部に、障害性感覚出現し、座位になるときや寝るときがトリガーとなる。ドパミンアゴニスト少量投与で症状緩和

Restless Genital Syndrome in Parkinson Disease
Camila C. Aquino, et. al.
JAMA Neurol. 2014;71(12):1559-1561.


稀とあるが、訴えにくい症状なので、医療関係者が聞き取れてないだけかもしれない

「テキストサム」の「サム」って、「Thumb」? ・・・ほんとは、長母指屈筋の傷害のお話 ・・・ドコモとメディアってアホ?

「テキストサム」の「サム」って、「Thumb」?

話を聞けば第5手指の話

DOCOMOのTwitterに問題があるようだ。



Even when texting with two thumbs, most people tend to put greater stress on the thumb of their dominant hand, the study found. 
http://www.wsj.com/articles/texting-frequently-with-thumbs-may-cause-tendinitis-1411410025

これを見ると、大元は親指の問題で、親指を支える筋肉、すなわち手の長母指屈筋の傷害を意味するようで・・・


Ultrasonographic Evaluation of the Flexor Pollicis Longus Tendon in Frequent Mobile Phone Texters.
Am J Phys Med Rehabil. 2014 Aug 28.


テレビでも見たが、日本人の英語力って・・・




もっともらしく書かれた記事
http://grapee.jp/33035


2015年3月12日木曜日

企業スポンサー臨床トライアル結果報告;遅延・未報告となる可能性大

法的倫理的に縛っても、臨床トライアルの結果が正直に報告されることは少なくとも現時点ではない。会社側が身銭を切って行ってるトライアルにそんなものを求めることは自然の摂理に反してるのではないかと・・・私は思う。自己企業に不都合な結果が出た場合は、こっそりと報告するか、その結果報告を先延ばしするのは、企業側からすれば当然だろう。


ClinicalTrials.govという、多くの医師・研究者たちが信用するであろうトライアルシステムにおいても、そのような現象をうかがい知ることができる。



Compliance with Results Reporting at ClinicalTrials.gov
Monique L. Anderson,  et. al.
N Engl J Med 2015; 372:1031-1039March 12, 2015DOI: 10.1056/NEJMsa1409364

ClinicalTrials.govの全トライアルから、highly likely applicable clinical trials(HLACTs) 13,327 を収集 (2008年1月1日〜2012年8月31日)
77.4%が薬剤トライアル。

トライアル中36.9%が第2相、23.4%が第3相
製造メーカーからの資金供出65.6%

トライアル完遂後12ヶ月内のトライアル報告サマリーのうち、わずか13.4%のみ完遂。2013年9月27日までのいずれかの時点までに報告されたのは38.3%。

タイムリーな報告作業は、FDA oversight、トライアル後期相、企業資金捻出のような要素とは関連せず

サンプルレビューによると、企業資金源トライアルの45%は、レポート結果を要求されてない。一方、NIH基金では6%、他政府や学術団体からの資金によるトライアルでは9%と比べるとその比率はかなり高い。




H7N9の脅威

「効果的なコントロール指標がなされないなら、H7N9などのウィルスは継続し続ける」
http://www.nbcnews.com/health/cold-flu/h7n9-bird-flu-mutating-china-threatens-pandemic-n321721


H7N9鳥インフルエンザウィルスは、わずか2年前で、中国東部から南部へ広がり、鳥に持続感染し続けている。鶏からカモ・アヒル類に集団的に伝播し、変異し続け、かつて無いヒトへの脅威となりつつある。

48種のサブタイプ発見、2013年以来622名感染し、うち227名死亡

H5N1は専門家たちをシナピさせた。2003年以来16ヶ国784名が感染し、うち429名が死亡、現在も感染し続け、変異や遺伝子Swapping継続中である。



といいつつ、無能WHOはH5N1にのみご執心
http://www.who.int/influenza/human_animal_interface/Influenza_Summary_IRA_HA_interface_3_March_2015.pdf

パーフェクト・ストーム モデル:ストレスとうつ同時にあるとき、冠動脈性心疾患患者予後不良になる

「パーフェクト・ストーム」って映画だよなぁ・・・と
災難が同時に起きることを表してるのだろうか・・・




ストレスと重度うつの組み合わせは有意に死亡・心発作を増加させる

REGARDS治験参加者、45歳以上の冠動脈疾患4487名検討


自宅での調査・自己報告による打つ、孤独、悲嘆、嘆きなどの調査、さらにストレスレベル調査

高度ストレス、高度うつは約6%


Concurrent Stress and Depressive Symptoms Increase Risk of Myocardial Infarction or Death
Carmela Alcántara,  et. al.
CIRCOUTCOMES.114.001180
Published online before print March 10, 2015,

背景—うつとストレスは、それぞれ、冠動脈疾患患者の予後不良と関連。心理的Perfect Storm概念モデル、仮説として、ストレスとうつ症状同時存在そのリスクの増幅が生じるというモデルの提唱。この仮説を米国冠動脈疾患大規模モデルで検証。

方法と結果—Participants included 4487 adults with coronary heart disease from the
REasons for Geographic and Racial Differences in Stroke studyからの冠動脈疾患を有する4487名の成人被験者。前向きコホートを3万239名の黒人・白人で行った。Cox比例ハザード回帰を心筋梗塞・死亡組み合わせアウトカムで行い、住民統計・臨床・行動要素で補正。
全体で6.1%で、高度ストレス・高度うつ症状のベースラインあり。
フォローアップ中央値5.95年間で、1337イベント発生。
フォローアップ初期2.5年間で高度ストレス・高度うつ存在は、心筋梗塞・死亡リスク増加と関連する (低ストレス・低うつ症状比較補正ハザード比, 1.48 [95% 信頼区間 1.08–2.02])
対して、ストレスとうつ同時存在しない場合は、そのリスクは高くない。
低ストレスと高度うつ症状では ハザード比, 0.92 [95% 信頼区間, 0.66–1.28])
高ストレスと低うつ症状では、 ハザード比, 0.86 [95% 信頼区間 0.57–1.29])
心筋梗塞と死亡は、初期2.5年フォローアップ後有意でなくなる  (ハザード比, 0.89 [95% 信頼区間 0.65–1.22])

結論—この結果は、概念モデルである心理的パーフェクト・ストームを初期的サポートするもの;鬱症状とストレスのコンフルエンスは、冠動脈性心疾患病的予後の上で短期的に破壊的に働く。



解説:
http://blog.heart.org/perfect-storm-of-stress-depression-may-raise-risk-of-death-heart-attack-for-heart-patients/


Perfect Storm モデル

The ‘Perfect Storm’ and Acute Coronary Syndrome Onset: Do Psychosocial Factors Play a Role?
Volume 55, Issue 6, May–June 2013, Pages 601–610




自然災害・人的災害が生じたとき、うつ管理が必要で、とくに、grave careはもっと協調されて良いと、震災のニュースを見て思う

2015年3月11日水曜日

米国内でのTAVR成績

経カテーテル大動脈弁留置術 (TAVI, transcatheter aortic valveimplantation)
または 経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR, transcatheter aortic valve replacement)
http://www.keio-minicv.com/treatment/tavi-tavr


Clinical Outcomes at 1 Year Following Transcatheter Aortic Valve Replacement
David R. Holmes Jr,  et. al. ; for the STS/ACC TVT Registry
JAMA. 2015;313(10):1019-1028. doi:10.1001/jama.2015.1474.

年齢中央値 84歳、女性比率52歳、STS Predicted Risk of Operative Mortality(STS PROM)スコア 7.1%

TAVR後自宅退院 59.8%、30日死亡率 7.0%(95% CI, 6.5% - 7.4%) 死亡数 847

TAVR1年後の生存・入院外平均は353日(IQR 312 ー 359日)間
1回再入院 24.2%(n=2074)、2回再入院 12.5% (n=1525)


1年までに、総死亡率は 23.7%(95%CI, 22.8% ー 24.5%)(死亡数 n = 2450)、卒中率 4.1%  (95% CI, 3.7%-4.5%) (n = 455 卒中イベント)、 死亡・卒中組み合わせ構成アウトカム 26.0% (25.1%-26.8%) (n = 2719 イベント)

1年死亡率と関連する特性として、
・ 加齢 (ハザード比 [HR] for ≥ 95 vs < 75 歳, 1.61 [95% CI, 1.24-2.09]; HR for 85-94 歳 vs <75 1.08-1.41="" 1.18-1.55="" 75-84="" ci="" for="" hr="" nbsp="" p="" vs="">
・男性 (HR, 1.21; 95% CI, 1.12-1.31)

・終末期腎障害 (HR, 1.66; 95% CI, 1.41-1.95)
・重症 COPD (HR, 1.39; 95% CI, 1.25-1.55)
・非大腿動脈アクセス (HR, 1.37; 95% CI, 1.27-1.48)
・STS PROM score greater than 15% vs less than 8% (HR, 1.82; 95% CI, 1.60-2.06)
・術前心房細動・粗動 (HR, 1.37; 95% CI, 1.27-1.48)

男性に比較し、女性では卒中リスク高い (HR, 1.40; 95% CI, 1.15-1.71)





医療番号?

本日の日経新聞 から



医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-jyouhouseisaku.html?tid=197584








 「医師会」の意見って、いつも日本共産党とかぶってる。医療/介護の公平性・効率性からナンバー制度活用推進すべきだし、プライバシーが人権上最大・最高のアイテムとは私には思えない(個人情報保護法という悪法からの経験上の私的見解)。
 ただ、ナンバー制度を用いた場合その費用は公的に支払われるべきだし、それに伴う損害賠償は公的に補償されるべきと思う。その議論を狭視野の医師会さんも考えて欲しいものだ。





ところで医師会のお偉いさんたちよTPP反対止めたの?全国各地に海外からの医師を導入する算段している安陪政権に反対しないの?

2015年3月10日火曜日

小児脂肪肝:フルクトース制限10日間で劇的に脂肪肝減少効果

糖飲料やジュースを通した、フルクトース制限をたった10日間することで、劇的に、脂肪肝が減少する。

"Isocaloric fructose restriction for 10 days reduces hepatic de novo lipogenesis and liver fat in obese Latino and African American children"
Schwarz J-M, et al  ENDO 2015.

http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ENDO/50396



25名のラテン系(女児 15名、男児 11名)、15名のアフリカ系(女児 12名、男児 3名)、年齢中央値 13歳、体重中央値 89.1kg、BMI zスコア 2.3、 平均身長 162cm、DEXAによる体脂肪中央値47.3%、空腹時血糖中央値 98mg/dL、 空腹時血糖中央値 29.7mcIU/mL


Day 0では子供の習慣性フルクトース摂取で観察
次の9日間、同量エネルギーと主要栄養素含量を含むが、フルクトース高含量食品を、野菜、パン、パスタに置き換えた・・・



介入中、40名で、糖から脂肪へ変更にて56%減少、脂肪肝を20%以上減少 (P=0.001)カロリー差無く、単純糖から複雑糖へ変更。
フルクトース大量摂取は、脂肪肝蓄積となり、de novo lipogenesisとして知られる肝臓内の糖→脂肪変換をもたらす。


フルーツジュースやソーダなど大量にフルクトース摂取により、肝臓は津波に襲われたようになり、脂肪を過剰産生するようになる。




ご承知の如く、砂糖(スクロース)はグルコースとフルクトースの組み合わせ
フルクトースを果糖と訳したため、変な誤解が・・・




2型糖尿病:DPP4阻害剤による糖化ヘモグロビン減少量推定ノモグラム



A nomogram to estimate the HbA1c response to different DPP-4 inhibitors in type 2 diabetes: a systematic review and meta-analysis of 98 trials with 24 163 patients
BMJ Open 2015;5:e005892 doi:10.1136/bmjopen-2014-005892


問題のノモグラム










多分こういうことだと思う・・・

ビルダグリプチン(エクア)使用予定の場合

1) ビルダグリプチンでの現在のHbA1c 8.0% → 縦線を上に引いて最上段のポイント(Points))を読み取る・・・38点

2) 現時点での空腹時血糖 160 mg/dL → これも縦線を上に引いて最上段のポイント (Points)を読み取る・・・ 10点

3) 1)で読み取った点数 38点 + 2)で読み取った点数 10点の合計点 、ここでは (38点+10点 = )48点を Total ポイント(Total Points ) の線上にマークを施し、その点から縦線を下に引いて、HbA1c減少%を読み取る・・・ -0.95%








ビルダグリプチン:エクア
シダグリプチン:ジャヌビア他
サキサグリプチン:オングリザ
リナグリプチン:トラゼンタ
アログリプチン:ネシーナ




CETP-I アナセトラピブ 家族性高コレステロール血症ヘテロ接合 コレステロールは下げるが・・・ 臨床的効果あるか?

Anacetrapib、アナセトラピブは、エヴァセトラピブとならびCETP阻害(CETP-I)薬剤


homo接合ではなく、hetero接合家族性高コレステロール血症、ランダム化二重盲検第3相試験




Anacetrapib as lipid-modifying therapy in patients with heterozygous familial hypercholesterolaemia (REALIZE): a randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 3 study
John J P Kastelein, et. al.
Published Online: 02 March 2015
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/S0140-6736(14)62115-2


治験薬 204名、 プラシーボ 102名割り付け

52週後、アナセトラピブにより、 3.3 → 2.1 mmol/L  ( vs プラシーボ 3.4 → 3.5 mmol/L)
差 1.6 2 、 %変化 36.0% (95%信頼区間、 - 39.5% 〜 ー 32.5%)


心血管イベント数は、アナセトラピブにより増加  (4 [2%] of 203 vs none [0%] of 102; p=0·1544)
トライアル中止基準比率は同じ  (12 [6%] / 203 vs 5 [5%] / 102)



スタチン以外の薬剤に関して、コレステロール低下効果と心血管イベント効果の相後関連性を肯定するエビデンスの少ないことよ!


スタチン一次・二次予防治療:遺伝子リスクにより効果異なる

スタチン治療は、遺伝子リスクスコアによりリスク回避介入効果かなり異なる。

一次予防の効果に関しては、NNT 3桁に上るという報告も有り、スタチン無効原理主義者からの攻撃かなりなされている訳だが・・・ 今後、遺伝子リスクによる、社会資源の振り分けがなされれば、少しは功利的になる?




遺伝子リスクスコア(27の遺伝子変異)と冠動脈性心疾患発症・再発リスクを従来の臨床的リスクスコア補正解析


検討対象は、コミュニティー・ベース・コホート研究(Malmo Diet and Cancer Study)、4つのRCT(一次予防: JUPITER、ASCOT、 二次予防: CARE、PROVEIT-TIMI 22)4万8千421名、3477イベント




Genetic risk, coronary heart disease events, and the clinical benefit of statin therapy: an analysis of primary and secondary prevention trials
Jessica L Mega, et. al.   Authors contributed equally
Published Online: 03 March 2015


遺伝子リスクカテゴリーを、最小第一5分位、中間(2〜4分位)、最大5分位に分割、結果、有意に、冠動脈性心疾患発症・再発リスクと関連。

最小遺伝子リスクカテゴリーと比較した、冠動脈性心疾患多変量補正ハザード
中間遺伝子リスクカテゴリーは、 1·34 (95% CI 1·22–1·47, p<0 br="">最大遺伝子リスクカテゴリーは、  1·72 (1·55–1·92, p<0 br="">
4つのランダム化トライアルのスタチン治療ベネフィットに関しては、低リスク、中間、高リスク毎相対的リスク減少が観察できる(13%、 29%、 48%、傾向 p = 0.0277)


高遺伝子リスクカテゴリーにて絶対的にリスク減少みられ(p=0.0101)、ラフに表現すれば、1つの冠動脈性心疾患イベント一次予防のため3倍の症例数が必要


特異的には、 JUPITERトライアルにおいて、一次予防トライアルに関して、10年間NNTは、それぞれ、低リスク遺伝子カテゴリーで 66、 中間リスクカテゴリー 42、高リスクカテゴリー 25。  ASCOTでは、57,47,20。




こんどは甲状腺がん ・・・ 犬の嗅覚能力

Endocrine Society's 97th annual meeting ( San Diego )での報告

Donald Bodenner, MD, PhD, chief of endocrine oncology at the University of Arkansas for Medical Sciences (UAMS)の報告



Scent-trained dog detects thyroid cancer in human urine samples
THE ENDOCRINE SOCIETY
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-03/tes-sdd030615.php


34名の患者の尿サンプルで、30例検出し、感度、True-positive率は、86.7%
特異性は89.5%



前立腺癌: 98%
http://www.medicalnewstoday.com/articles/277012.php

卵巣癌: 
http://www.medicalnewstoday.com/articles/264629.php

////////////////////////
https://scholar.google.co.jp/scholar?hl=ja&as_sdt=0,5&q=dog+olfactory+screening+cancer


犬の嗅覚によるヒトの癌検知に関しては、2008年にレビューがあるくらいだから、それほど目新しい話題ではないとおもう。

Canine scent detection of human cancers: A review of methods and accuracy
ournal of Veterinary Behavior:
 Clinical Applications and Research Volume 5, Issue 3, May–June 2010, Pages 145–152

臭いの成分分析困難なのだろう、生体を利用しない検知方法が遅れている気がする。


揮発性有機化合物へフォーカスされているが・・・ブレイクスルーってまでは至ってないようだ

The scent of human diseases: a review on specific volatile organic compounds as diagnostic biomarkers
Flavour and Fragrance Journal Volume 30, Issue 1, pages 5–25, January 2015

【米国FDA】チャンピックス:アルコール関連副作用増加、てんかん発作リスク増加?

ファイザー社からの報告、FDAのイベント報告システム(FAERS)データベースから、チャンピックス服用中、アルコール飲用後の酩酊・異常行動・攻撃的行動増加、記憶喪失などのアルコール耐性低下をもたらすことをFDAレビュー。そして、てんかん既往のない場合やコントロール下のてんかん症例で、チャンピックス服用例での症例報告された。


FDA Drug Safety Communication: FDA updates label for stop smoking drug Chantix (varenicline) to include potential alcohol interaction, rare risk of seizures, and studies of side effects on mood, behavior, or thinking
http://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/ucm436494.htm



U.S. FDA warns of seizure, alcohol risk with Pfizer's Chantix
http://www.reuters.com/article/2015/03/09/us-pfizer-chantix-warning-idUSKBN0M527T20150309



2015年3月9日月曜日

オキシトシン鼻スプレーは食事量を減らす?

いずれも二次情報ソース


Oxytocin Nasal Spray Causes Men to Eat Fewer Calories
March 05, 2015
http://www.endocrine.org/news-room/current-press-releases/oxytocin-nasal-spray-causes-men-to-eat-fewer-calories

Oxytocin nasal spray causes men to eat fewer calories
http://www.sciencedaily.com/releases/2015/03/150305133027.htm




The Endocrine Society’s 97th annual meeting ( San Diego )

オキシトシン鼻スプレーにて健康男性のカロリー摂取減少効果が報告されたとのこと

オキシトシンスプレー(ノバルティス製造)はヨーロッパでは承認されてるが、米国ではトライアル以外承認されてない。分娩誘発静注という形で米国内静注製剤承認はある。


ローソン等は、平均連嶺 27歳、25名の健康成人男性、13名は健康体重、12名は過体重・肥満を対象に治験 (National Institutes of Health and a Massachusetts General Hospital Claflin Distinguished Scholar Award 研究費)


オキシトシン24IU  vs プラシーボ 絶食後 単回自己投与割り付け
1時間後、メニューからピックアウトされた朝食。
カロリー摂取量測定

実験を繰り返し、 オキシトシンとプラシーボを交代させたところ、前治療ステージと食事の差は無かった。

平均での比較では、 オキシトシンスプレー後では、プラシーボ投与後に比べ、122カロリー少なく、脂肪 9グラム少ない
オキシトシンは同時に、エネルギー源である体脂肪使用量増加も示された。
オキシトシンとプラシーボの間に重大副作用差なし

 オキシトシンは、自己記録食欲には影響なし、測定上の食欲張性ホルモンでも影響認めず

カロリー摂取への影響機序は不明。

ローソンは、臨床前段階において、脳の食欲調整作用に関連してるのではないかと想定 。女性ではどうか、そして、治療期間延長ではどうかなど検討すべきと


オキシトシンは、 "Love hormone"ということでも話題、また、ADHD/アスペルガー症候群への治験なども話題になっている

2015年3月8日日曜日

「慢性気管支炎」は「CAO:慢性閉塞性疾患」より症状・QOL悪化を示す

COPDらしき病名提唱来の議論、「気管支炎型」と「気腫型」 、Blue BloaterとPink Pufferなど・・・

CB(気管支炎所見のみ AND 気流制限無し) vs  CAO(気管支炎所見なし AND 気流制限有り)という純化した表現型での対比報告

 

「COPDには、慢性気管支炎(CB)という表現型と、肺気腫という表現型がある。」という表現には個人的にはかなり???なのだが・・・

 

Chronic Bronchitis is Associated with Worse Symptoms and Quality of Life than Chronic Airflow Obstruction

Paula Meek, RN,et. al.
 

「COPDには、慢性気管支炎(CB)という表現型と、肺気腫という表現型がある。」肺気腫と慢性気道閉塞(CAO)は、慢性気管支炎(CB)よりQOL悪化に関連するという考えもあるが、この仮説は検証されてなかった。

 Lovelace Smokers’ Cohort (LSC) というコホート内

 

COPDGene Cohort. CB without CAO (CB only): 自己報告湿性咳嗽 3ヶ月以上×2年連続 、拡張剤後FEV1/FVC 70%以上

CAO without CB (CAO only) : FEV1/FVC 70%未満 、CBの証拠無し

SGRQ、SF-36アンケートにて評価 

 CB without CAO喫煙者(LSC n=341; COPDGene=523) は、 CAO only (LSC n=302; COPDGene=2208).より より若年で、BMIより高値、喫煙暴露指数少ない
 
 
CAO only群に比べ、CB only群では、QOLスコア悪い
 
 
両コホートとも、SGRQ活動性、SF-36 Role 心理・身体機能は同等だが、 SGRQ Symptom、 SF-36 Emotional、 Social 測定値は、CB only群で悪化。
 

共役要素補正後、CB only群は、症状悪化指標となり、情緒・社会的悪化指標でもありつづける。

この解析で、CB only群は、CAO only群に比べ、QOL悪化、症状悪化、 symptom、 メンタルwell-beingにおいて悪化を示す。



結論記述に、「CB only群がCOPD内の分類みたいに記述されてる」ことに疑念、びまん性汎細気管支炎などを鑑別することなく乱暴に分類していることにも取り扱い上注意が必要と思う。
 
 

2015年3月7日土曜日

他者のタバコ煙のせいで、私の血管内皮が痛めつけられる

受動喫煙:secondhand smoke (SHS) は、血管内皮炎症を増加させ、eNOS活性を減少


minimally invasive method of endothelial biopsyを用いて、23名の健康な受動喫煙者、25名の健康現行喫煙者、23名の対象者比較

 

Secondhand Smoking is Associated with Vascular Inflammation

Tessa Adams,  et. al.


対照者に比較して、能動喫煙も受動喫煙者も、eNOS、P-eNOS発現は、共に同様に、減少し、NF-κBの発現は同様に増加する


ニトロチロシンの発現は、対照より喫煙者で高く、受動喫煙・能動喫煙者ともに同様に高値。


上腕動脈FMD: Brachial artery flow-mediated dilation も、影響同様で、対照者に比べ、受動喫煙・能動喫煙者ともに減少し、血管内皮NO bioavailability減少と一致した結果であった

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note